お酒は飲んでも飲まれるな。キリスト教の食事に関する制限

お酒は飲んでも飲まれるな。キリスト教の食事に関する制限

信者数がもっとも多いキリスト教は、数ある宗教の中でも比較的、食事に関する規律はゆるやかというイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

絶対に肉を食べないなどの決まりはないものの、実はお酒を制限するルールや断食も存在する宗教なのです。

今回は、実は厳しい(?)キリスト教の食事に関する制限の話や、キリスト教と食事にまつわるいくつかの興味深いエピソードをご紹介したいと思います。

こんな人におすすめ

キリスト教の食事制限について知りたい方

キリスト教のパンとワインの意味を知りたい方

キリスト教の食前の祈りを知りたい方

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キリスト教の食事制限

イスラム教やヒンズー教など、世界の宗教には厳格な食事制限がなされている宗教もあります。そういった宗教に比べて、キリスト教の食事制限はそれほど厳しくなく、絶対に禁止という食べ物はありません

そんな中にもいくつか存在する食事に関する制限をご紹介します。

お酒ではなく「酩酊(めいてい)」の禁止

キリスト教の一部の宗派でアルコールの摂取を禁止していますが、キリスト教全体ではアルコールの摂取に関して禁止されてはいません。ただし、お酒で泥酔してしまうようなことは禁止されています。

キリスト教の経典である聖書には、アルコールを肯定する記述があるのとともに、酩酊するのは禁止する記述がたびたび登場します。

たとえば...
・「神がクリスチャンに酒に酔ってはいけないと命令している」
・「酔うこととその影響を罪としている」
・「自分の身体をどんなものにも支配されないように命令している」

などがあげられます。

キリスト教の断食「大斎」「小斎」

キリスト教には、四旬節に断食をする習慣があります。四旬節という期間は、キリスト教においてもっとも重要な復活祭というものの46日前の水曜日から、復活祭前日までの期間をさします。

キリストが荒れ野で40日間断食したことに倣って行われるようになりました。なぜキリストと同じ40日間ではないかというと、日曜日は断食をしないという習慣があるためであり、日曜日を含めると46日間となるのです。

現在の断食は完全に食事を断つわけではなく、十分な食事を控えるという方法がとられていて、食事を抑える行為を「大斎」「小斎」と呼び、以下のような日程・ルールで行われています。

ただし、大斎と小斎は、病気や妊娠などの場合には免除されます。

    大斎 小斎
日程 灰の水曜日、聖金曜日 灰の水曜日、毎週金曜日(祭日除く)
ルール 1日1回の十分な食事の他、朝ともう1回のわずかな食事を摂ることができる。満18歳以上満60歳以下の信者が行う。 肉類を食べない。ただし、愛徳のわざや信心業など、他の償いをもって代えることができる。満14歳以上の信者が行う。

※灰の水曜日…最初の水曜日、聖金曜日…復活祭直前の金曜日

パンとワインを食べる理由

キリスト教では聖餐(せいさん)という儀式が行われていて、カトリックでは聖体拝領や聖体の秘跡と呼ばれています。一般的には御体(おんからだ)と呼ばれるパンだけを拝領しますが、御血(おんち)と呼ばれるワインを拝領することもあります。

これはキリストが最後の晩餐でパンとワインを食したことに由来しているのですが、では何故キリストはそれを食したのでしょうか?

キリスト教のもとになっている古代ユダヤ教には、生贄の風習があります。旧約聖書にも「生贄を捧げて穢れのない子羊の血を振りまく」という記述があり、これによって罪を贖うことができるとされています。

キリストは、この生贄の風習を再現したのです。最後の晩餐の席でキリストは、パンは自分の身体であり、ワインは自分の血だと言いました。

キリストは神の子羊とも呼ばれていたため、自分を生贄に見立てることで信者たちの罪を贖おうと考えたのです。

これが、最後の晩餐でパンとワインを食した理由です。

<関連記事>
ユダヤ教の食事はステーキはよくてハンバーグNG!?厳しい食の規律とは

禁断のメニュー「ヤンソンさんの誘惑」

ヤンソンさんの誘惑という料理を聞いたことがありますか?

料理であることすらわからないような名前ですが、スウェーデンの伝統料理のひとつです。何故このような名前がついているのかですが、一般的な説では19世紀に実在したエリク・ヤンソンという宗教家が由来とされています。

ヤンソンさんは徹底的なベジタリアンで、肉や魚を一切口にしませんでした。そんな厳格なベジタリアンであるヤンソンさんが我慢できず、アンチョビ入りのこの料理を食べてしまったことから、「ヤンソンさんの誘惑」という名前がつけられました。

一言でいうと、ヤンソンさんの誘惑は、アンチョビとジャガイモのグラタンです。以下に、そのレシピを紹介します。
ヤンソンさんの誘惑
イメージ写真の出典:「女の子の食卓」(志村志保子)のヤンソンの誘惑
① 材料はジャガイモ、アンチョビ、タマネギ、生クリーム
② ジャガイモは5mm程度の細切りにし、下茹でする
③ タマネギは薄切りにして、バターで薄く透き通るくらいまで炒める
④ 耐熱皿に薄くバターを塗り、ジャガイモ・タマネギ・アンチョビ・胡椒の順に重ねる(このとき、重ねる分量は半分ずつにして二重にします)
⑤ 重ねたあとはちぎったバターを数個置き、パン粉や粉チーズをかけてオーブンで焼けば完成

キリスト教の友人がいたら

キリスト教には酩酊の禁止以外に食べ物を制限するというものは特別なく、食事を控えるべき日があるくらいです。もしキリスト教の友人とお酒の飲む機会があれば、ほどほどに止めてあげましょう。

最後に、キリスト教の食前の祈りの言葉で締めくくりたいと思います。

父よ、あなたのいつくしみに感謝してこの食事をいただきます。
ここに用意されたものを祝福し、わたしたちの心と体を支える糧としてください。
わたしたちの主イエスキリストによって。
アーメン。

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監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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