死装束はなぜ左前で着せるのか?理由と着せ方の注意点を解説
雑学

作成日:2021年11月24日  更新日:2021年12月20日

死装束はなぜ左前で着せるのか?理由と着せ方の注意点を解説

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大切な家族が亡くなった際に、さまざまな支度を主に担当しているのは葬儀社ですが、衣装を選ぶのは故人の遺言か、遺族が多いでしょう。葬儀では、死装束(しにしょうぞく)を着せるのが一般的な習わしといわれています。しかし新しい形式として、故人が気に入っていた洋服を着用させることもあり、多様化の傾向が見られます。

本記事では、死装束とはどういうものなのか、詳細や着せ方をはじめ、注意点についても解説します。基本を押さえておくことで、突然の訃報でも慌てることなく対応できるでしょう。

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【もくじ】
死装束の意味と詳細
死装束はなぜ白いのか
多様化する死装束
まとめ

死装束の意味と詳細

葬儀を執り行うことになった際には、葬儀社に依頼することがほとんどです。日程やスケジュールが確定すれば、まずは葬儀社と相談して見積もりを決めます。見積もりの段階で、死装束を着せるかどうか、葬儀社に判断を求める方も多くいます。

死装束は、葬儀の際にしか聞かない名称なので知らない方も少なくありません。ここからは、なぜ納棺前に着替えさせる必要があるのかという点について解説します。

死装束とは何か

死装束とは、呼び名の通り故人が着る衣装のことです。この世に未練を残さず、晴れやかな気持ちであの世に行けるようにという意味が込められており、「糸止め」と呼ばれる、通常の衣服に施されている縫い目がないのが特徴です。

故人を納棺するまでに、死後硬直した身体を動かし、衣装を着用させてあげることが一般的です。自分たちで用意する必要はありません。全身真っ白な衣装を葬儀会社に依頼することで用意してもらえるので、希望があれば問い合わせてみましょう。

また、死装束として経帷子を着用させることが仏教では多々あります。経帷子は、平安時代近辺で仏教が広く日本に伝わった際に、従来巡礼用の服として修行僧が活用していたものです。時代の経過とともに派生し、浄土へ旅立つための衣装として整えられたといわれています。

しかし、その考えには諸説あり、宗派や地域によって経帷子に関わる考え方や利用方法が異なることから、着用させない宗派も多くあるようです。家族など、大切な人が亡くなった場合は、宗派や地域などの習わしにしたがって死装束を依頼しましょう。

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死装束の名称

地域によって諸説あり、さまざまなアイテムや着せ方がありますが、基本的に死装束では以下のアイテムが付随されます。

・数珠
・脚絆
・白足袋
・頭布
・わらじ
・手甲
・杖
・経帷子
・笠
・頭陀袋と六文銭

死装束の着物には、仏陀や仏の梵字が記されているのが特徴です。

死装束は、生者が見送るための最後の贈り物と考える方も多いですが、故人が冥土へ旅立つ際に困ることがないよう整える意味合いもあるようです。加えて、浄土へ旅立つ際に倒れないよう杖を持たせ、足や手をケガしないようにといった意味合いが各道具に込められています。最後まで死者を慮り、送り出す気持ちが感じられる装束といえるでしょう。

六文銭

古くから伝わる伝統のひとつとして、「六文銭」があります。六文銭は、戦国時代よりも前からの文化とされており、仏教が伝わってきてから今日に至るまで語り継がれてきたといわれています。

六文銭を用意する理由として、浄土へ行くための三途の川を渡る際の船の運賃が六文銭だからという言い伝えがあります。六文銭を持たずに三途の川に行った場合、故人は歩いて川を渡らなければならなくなるため、それを防ぎ、快適に船で渡れるよう六文銭を持たせるのが習わしとなっているようです。

また江戸時代では旅に出る際に、旅先でお金に困ることがないように六文銭を持って行くのが習わしになっているという説もあります。絶対に持たせる必要はないですが、実家が仏教の場合は六文銭を首から掛ける頭陀袋の中に入れて持たせることもあるでしょう。

死装束はなぜ白いのか

死装束は、白色が基本です。では一体、いつから白色で整えられるようになったのでしょうか。ここでは、日本が古くから大切にしている色彩感覚にまつわる説を含めて解説します。

紅との関係

日本では、昔から色にまつわる意味合いが重要視されていました。例えば、紫は格式が高い色といわれています。色によって階級が分かりやすく整えられているように、紅や白にも同様に意味があります。

紅は諸説ありますが、誕生という意味合いで考えることが多いです。生まれたばかりの子どものことを「赤ん坊」と呼ぶように、紅には生が宿ると考えられています。ここから反対に、白が死を意味するものと考えられているようです。

まっさらな状態で浄土に行くため

白はまっさらな色で、何色にも染まっていないという考え方もあるようです。何色にも侵されていない色を纏って浄土に行くことで、きれいな状態で極楽浄土の土地へ行ってほしいという願いが込められたという説が有名です。

これは、巡礼時に経帷子を纏うことにも由来しています。巡礼時、煩悩や俗世を捨て、清らかでまっさらな感情で旅に出発をしてほしいという習わしがあるようです。この習わしにしたがって、死装束は白色という概念が生まれたのかもしれません。また、白には邪念を打ち消すといった意味合いもあるようです。

このように、さまざまな通説や仏教を中心とした考えに基づき、現代にいたるまでに死装束の概念が固まったのでしょう。白色は、まっさらで邪念のない色という意味だと考えられているため、死装束の色は白だという説が唱えられていることが一般的です。

多様化する死装束

死装束で経帷子を着用させるのは、古くから僧侶が修行のために用いていた衣装からの派生の可能性があることを紹介しましたが、それはあくまで仏教の場合です。しかし、死装束に用いられるのは経帷子だけではありません。ここでは、死装束として用いられているものをいくつか紹介します。

着物でもよい

死装束は白い経帷子が絶対というきまりはありません。故人の生前の遺言や、宗教、地域の習わしによってはその限りではないかもしれませんが、故人の生前の愛用品で送り出すことも可能です。

故人が思い入れのある着物がある際は、着用させてもよいでしょう。色も白い着物にこだわる必要はありません。故人に何を着せてよいか迷った際には、葬儀社に相談することをおすすめします。

着物を着せる際には、着せ方に注意が必要です。生前の頃とは違い、着付け方は左前に統一する必要があります。左前・右前等の着付け方を誤ると極楽浄土に行けないという宗教もあるため、注意して覚えておきましょう。葬儀社が着付けを代行してくれることもあるので、分からない場合は葬儀社に依頼するのがおすすめです。

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仏衣・神衣

仏教では、経帷子と呼ばれる白装束を纏うことが通常の習わしです。一方、神道の場合は衣装の形態が若干異なります。「神衣」という、平安貴族の衣装に似た装束を纏うことが多いでしょう。見た目が通常の死装束と異なり、男性と女性で着るものも変化します。

神道由来の神衣では、故人は「烏帽子」と「狩衣」を着用するのが通例です。女性の衣装も同様に、統一感のあるスタイルとされています。女性は白い小袿を着用し、手は組まず、笏や扇を軽く持つことがほとんどです。平安時代を思わせる衣装を着るという特徴を持っているのは、神道ならではといえます。

故人が好きだったお気に入りの服でもよい

生前、故人が愛用していた着物を着てもよいでしょう。また、普段着でも問題がないという点についても知っておきましょう。

宗派にもよりますが、キリスト教のような海外の慣習がある宗教の場合、海外には死装束が存在しないのでそもそも死装束は着用しません。そのため、海外の習わしに倣って、日本でも普段着でいつも通り送り出そうという考えが浸透してきています。

また、故人が「この服で納棺されたい」と指定する場合もあるようです。しかし、服装の素材等によっては火葬に適さない場合もあるので注意が必要です。あらかじめ火葬場や葬儀社に確認し、その洋服は火葬する際に問題ないのかを問い合わせておくと安心です。

服を選ぶ際は、死後硬直している身体でも、無理なく着用させてあげられる服を選ぶことが大切です。洋服の場合は着る工程が着物よりも難しいため、着せづらい可能性があることを意識しておきましょう。

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エンディングドレスという選択肢もある

女性の場合、「最後まで華やかに過ごしたい」と考える方も少なくありません。最後を美しく飾りたい女性のニーズに応えているのが、エンディングドレスです。終活のひとつとして、自分が最後に纏うドレスの購入が追加されていることも珍しくありません。

水色やピンクなど、淡い色を中心とした色合いのドレスも展開されています。デザイン性はもちろんですが、死後硬直を考えて、葬儀社に対する配慮がされているのも特徴です。

楽に着られるように工夫されており、女性の最後を飾る新しい選択肢が増えたと感じる方も多いでしょう。気になった方は一度チェックしてみることをおすすめします。

まとめ

この記事では、納棺前に故人に着用させる死装束の由来や、着せ方の注意点などを解説しました。白色で統一されている理由や、付属品だけでなく、その他の宗教や新しい観点での衣装が理解いただけたのではないでしょうか。

小さなお葬式では、死装束の準備をするだけでなく、着付けにも対応しています。衣装選びや葬儀社の選定に迷った際には、ぜひ一度小さなお葬式にご相談ください。専門的な知識と豊富な経験を持ったスタッフが適切にご対応いたします。

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最後に

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