葬儀ではいくつかの手順や式のあとに、故人を納棺します。納棺の際は、棺の中にいくつか副葬品と呼ばれるものを入れることが多いでしょう。その中でも異彩を放っているのが、六文銭と呼ばれるお金を入れる文化です。
納棺時に入れることを推奨されている六文銭には、本来どのような意味があるのでしょうか。また、入れないことで何か不都合が発生することはあるのでしょうか。六文銭の持つ意味だけでなく、納棺のマナーにも触れながら解説します。
大切な人が亡くなった時に不備が発生することがないよう、六文銭について深く理解をすることが大切です。マナーと合わせてしっかりと確認しておきましょう。
<この記事の要点>
・六文銭とは納棺時に故人と共に入れる六枚の金銭を指す
・六文銭は三途の川に通じる渡し賃と考えられている
・六文銭は通夜が始まる直前か、少し時間が空いているときに棺に入れる
こんな人におすすめ
納棺について知りたい方
六文銭の由来や意味を知りたい方
六文銭を入れる際に気をつけることを知りたい方
葬儀にはさまざまな形式があり、近年簡略化されている傾向にあります。しかし、通夜が執り行われる直前などに、納棺という儀式が行われることは多いでしょう。納棺とは、葬儀会社のスタッフなどによって故人の着替えが行われ、棺の中に故人を入れる儀式を指します。
安置のためでもありますが、一般的には旅支度を整えるための儀式とも呼ばれています。また納棺では、いくつかの副葬品を故人と共に入れることが風習になっています。
納棺の場合、故人が生前によく使用していた副葬品が一緒に入れられることも多くありましたが、近年、火葬の関係から断られることも多く、厳しくなっているようです。
しかし、昔から入れられてきた副葬品は納棺時に入れてもよいとされており、六文銭も副葬品の一つとして数えられています。
現在、納棺の形式や伝統は、必要な部分は以前からの伝統が受け継がれつつ、新しい現代らしい変化も見られる傾向にあります。例えば、服装が多様化していたり、自由になってきたりという点があります。
多様化しつつ、故人が快く旅立てるよう納棺時にはさまざまな工夫が施されています。急な不幸で悲しい気持ちになることもありますが、故人が安心できるよう納棺の際は故人のことを想って用意をすることが大切です。
服装や持ち物に関しては、葬儀会社に問い合わせたり相談をしたりすることで、あらかじめ用意してもらえるものもあります。また、どうしても棺に入れたいものがある場合も相談しておくとよいでしょう。
納棺時には、着替えを含めさまざまな副葬品を必要とします。地域や宗派によっては、読みづらい漢字があてられた副葬品や装飾品が10品以上展開されていることもあります。しかし、全ての名称をきちんと覚えたり、一つずつ自分で用意したりすることはありません。
通常、葬式会社に依頼した際は宗派などを聞かれます。副葬品についてはその折に質問に答えてすり合わせをし、見積もりを取ることで用意してもらえることがほとんどです。依頼さえしておけば着替えなども行ってもらえるので安心してよいでしょう。
また、地域によっては副葬品が微妙に異なることがあります。そこで、事前に親族に相談したり、檀家がある場合は住職に聞いてみたりするなどしてリサーチしておくことをおすすめします。分からない場合は、葬儀会社に委託することで全て用意してもらうこともできるので、気負わずほかの用意や手配に専念できるでしょう。
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六文銭は納棺時に故人と共に入れる六枚の金銭ですが、具体的にはどのような意味が込められているのでしょうか。六文銭を入れる意味は、古くから言い伝えられてきた歴史や伝承から紐解くことができます。
故人を棺に入れたあと、さまざまな副葬品を「旅道具」として持たせます。六文銭をはじめとした旅道具を持たせることで、黄泉への旅路を困難なく進んでもらおうという、残された遺族の願いが込められているようです。
頭陀袋と呼ばれる、文字が書かれた袋の中に入れられた金銭も、そういった類の意味が込められています。なぜ、亡くなった人にお金を持たせる必要があるのでしょうか。
六文銭の持つルーツや由来は、江戸時代あたりまで遡るといわれています。当時の金額で300円程度の価値に相当する六文銭は、三途の川と呼ばれる黄泉に通じる渡し賃と考えられてきたようです。
六文銭のほかに、髪の毛を一緒に入れたり、食べ物も納棺したりすることで、黄泉に行った際に困らないようにという願いが込められている傾向があるようです。地域によって棺に入れるものは微妙に異なるようですが、全国的に六文銭を一緒に入れるところは多いと考えてよいでしょう。
三途の川をはじめ、黄泉の国には6つの道があり、生前にどのような罰や罪を犯したかによって輪廻転生の道が変わるといわれています。六文銭を持っていることで、罪がなく、きれいな人生を送ってきたと考えられることから、お礼に一銭ずつ六文銭を道においていくという、仏教的な風習があるようです。
江戸時代由来の文化、風習が現在に至るまで残っていることから、納棺ではそのまま採用されているようです。簡略化は進んでいるようですが、現在でも三途の川を渡るための賃金として持たされているようです。
故人のことを最後まで大切に思っているという、遺族の想いの表れともいえます。大切な家族が亡くなった場合は、六文銭を忘れないように入れるのがおすすめです。
通常、六文銭を棺に入れるのは、通夜が始まる直前か、少し時間が空いているときに行われます。催事場等を予約している場合は、納棺時は普段着で問題ないでしょう。しかし、そのまま連続して通夜等の儀式が執り行われるなどの場合は、あらかじめ喪服を着ておきましょう。
また、納棺の際は、入れるものにも注意しましょう。例えば、葬儀会社の指示に沿わないガラスや金属は故人を傷つけたり、十分に火葬しきれない可能性があります。
トラブルを避けるために、事前に担当者に確認を取るなどしておきましょう。入れてはいけないものを勝手に入れてしまうと、火葬時に釘を打ったあとの棺を開き直さなければならないなど、問題になる場合があるようです。事前によく確認することでこれらの事態は防げます。
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葬儀関連で使われることもある六文銭ですが、六文銭と葬儀を結び付けてイメージする人は多くないでしょう。それよりも、戦国大名である真田幸村をイメージする人のほうが多いのではないでしょうか。
真田家は代々、六文銭が家紋として使われている由緒正しい家柄です。祖父から受け継いだ六文銭を常に所持し、いつ死んでもよいように用意をしていたという話が残っているほどです。そのため、六文銭という名前や意味が分からなくても、見たことがある程度まで認識されていることもあります。
死地に赴く戦国武将ですら、死んだ際に溺れずに黄泉の国に行けるようにと六文銭を所持していたとされています。このような歴史や逸話などからも、六文銭の存在は、死や葬儀などの儀式と深く関連していることがわかります。
六文銭は、真田家のことだけでなく、葬儀にも利用されることがある仏教由来の副葬品ということがより深く分かるでしょう。
六文銭は、通行料金として利用するという仏教の考え方に由来していることから、故人が問題なくあの世に行けるようにと願いを込め、納棺の際に入れることが多い副葬品の一つです。
江戸時代以前の戦国時代では、真田家も同じような意味を込めて所持していた記録が残っています。このことからも、六文銭は通行料だけでなくお守りとして活用していた可能性が考えられます。
以上のことから、かつては六文銭を家族の安寧のためにお守りとして同封したり所持したりすることで、残された家族が安心してそのあとの生活ができると考えられていたのでしょう。
このように、お守りや安心するための材料としても活用することができたため、現代にいたるまでずっと語り継がれ、風習が途切れることなく続いてきたのではないでしょうか。また、副葬品としては金額も手ごろで、すぐに用意できるため無理なく続いてきたのではないかと考えられます。
お守りとして、故人のことを想う気持ちとして、六文銭という文化を知っておくと、快く送り出せるのではないでしょうか。
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大切な家族が亡くなったあと、残された家族はさまざまな儀式を執り行って故人を見送ります。その際に行われるのが、納棺です。納棺にはさまざまな衣装や副葬品を活用します。その一つが六文銭です。
故人と一緒に入れることで安心して見送れるという意味合いや、お守りとして活用するという意味合いが考えられます。故人が、あの世に旅立つための通行料金としても考えられるようですから、しっかりと入れてあげましょう。
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葬儀の挨拶では、不幸を連想させてしまう忌み言葉と重ね言葉には気をつけましょう。ホゥ。