墓石に刻まれている家紋の意味とは?入れるのは必須なのか?

墓石に刻まれている家紋の意味とは?入れるのは必須なのか?

霊園などに出向いてお墓参りをしていると、家紋が刻まれている墓石を目にする機会があるでしょう。中には「なぜ自分の家の墓には家紋がないのか」「家紋を入れた方が縁起はよいのか」といった疑問を持つ方もいるでしょう。

墓石の家紋についての理解を深めると、いざ自家の墓に家紋を入れるときに役立つでしょう。そこで、この記事では墓石の家紋について解説します。現在、家紋について悩んでいる方はぜひ参考にしてください。

こんな人におすすめ

家紋について知りたい方

家紋の色や種類について知りたい方

自家の家紋がわからない方

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家紋とは

家紋とは、はるか昔から先祖代々自家に伝わってきた家の紋章です。武家社会であった当時の日本では、その家庭の身分や役割等を見分けるのに利用されていました。

昔の人にとってこの家紋は自家のシンボルマークと同様の存在として扱われ、家紋が描かれた提灯などを掲げることで威厳を示していました。このような目的や意図があって利用されていた家紋が、現在でもお墓に刻まれるなどして受け継がれています。

家紋の色

家紋に用いられる色は幅広くなく、その数は限定されています。以下の色が使われていることが一般的です。

家紋の色で最も一般的な色は黒色です。黒色は重厚感があり、家紋をはっきりくっきり浮かび上がらせます。

白色は墓石の色が暗い色であればあるほど、家紋を目立たせてくれる色です。暗い色のお墓に関わらず、さまざまな種類のお墓と馴染む色なので、多くの方に重宝されています。

金色の家紋は煌びやかで、見た人に上品な印象を与えてくれます。九州地方では文字の色としても多く使われ、白色と同様に暗い色のお墓と相性がよいです。

家紋の色は上記の3色が多いですが、法律等で厳しく制限されているわけではないので、墓石の雰囲気に合った色を選択するとよいでしょう。

家紋の種類はどのくらいあるのか

家紋の種類は日本各地に5000種類あるといわれています。しかし、本家の家紋を少しアレンジしたものが多いため、系統が全く異なる家紋はそう多くはありません。

系統ごとに大きく分けると10種類にまとめられます。その10種類を共通点でまとめると6種類ほどになります。

植物紋

植物紋に分類される家紋が一番多いとされています。桐や藤、梅などをモチーフにした家紋は植物紋として分類されているようです。

植物紋に分類される家紋が多い理由は、日本が自然豊かであったからだといわれています。豊富な植物の中でも、葉の落ちない長寿の植物をモチーフにしている家紋が多いようです。

動物紋

鷹や鶴をモチーフにした家紋は動物紋にカテゴライズされているようです。鳥類がモチーフの対象になることが多く、四足動物などはごくわずかです。

自然紋

「自然」という名ですが、こちらの家紋のモチーフは植物ではなく自然現象です。例えば、月や波、雲などが該当します。一昔前、自然現象は神が起こしているといわれていました。そのため、神様のご利益を信じていた人々が自然紋を採用しました。

建造物紋

建造物紋は当時の建物やその一部をモチーフにした家紋です。有名な家紋には「井桁」があります。建造物紋を家紋にしている家系は、家名に建造物の名前が含まれていることが多いでしょう。

器物紋

普段生活する中で使っていた道具をモチーフにする、器物紋という家紋も存在します。例として、弓矢や扇、笠などが挙げられます。器物紋をモチーフにする家系は、当時道具の扱いに長けていたようです。

文字紋

文字紋は漢字一文字をモチーフにしている家紋です。モチーフにされた文字の例として「十」「上」「利」「卍」「葵」などがあります。こちらも建造物紋と同様、家名と関連のある漢字がモチーフになっているようです。

墓石に家紋を入れる理由

なぜ、墓石に家紋を入れるのでしょうか。その理由は、昔から続いている「墓石に家紋を入れることで、子孫繁栄を願う」という願いからです。

もう1つの理由としては、時代の流れで合戦がなくなったからです。江戸時代には定期的に合戦が行われていました。その合戦の際、旗や持ち物に家紋を刻んで家系を周りに知らせていたそうです。時代の流れと共に、合戦が無くなり家系を知らせる機会が無くなったため、代わりにお墓に家紋を入れるようになりました。上記の2つが、お墓に家紋を入れる理由です。

自家の家紋がわからない場合

お墓に家紋を入れたいが、自家の家紋がわからないという場合はどうやって調べたらよいのでしょうか。

家紋は古くから代々引き継がれているものですが、現在に至るまでに風化されていることもあります。そのため、いざ調べようとしてもなかなか家紋にたどり着けない可能性があるでしょう。

ここからは家紋がわからないときの調べ方を解説します。

親族に尋ねる

一番手軽でコストも抑えられる方法が、親戚に尋ねるという方法です。歴史を重んじる家系では、この方法を用いることで高い確率で家紋が見つかるでしょう。両親や本家の方、曾父母に聞いてみることをおすすめします。

この方法のデメリットとしては、親戚の方々が亡くなっていると聞くことができないことです。また、記憶が曖昧な方に聞いてしまうと正確な情報を聞き出せません。正確な情報を入手したい場合は、より多くの方々の情報を聞くようにしましょう。

墓石を調べる

親族に聞いても家紋がわからない場合は、お墓を徹底的に調べましょう。お墓は家紋が入れられる場所としては有名なので、隈無く探せば見つかるかもしれません。

お墓に刻まれた家紋は時間と共に消えることは滅多にありません。お墓に入っている家紋が誤っているものである可能性も低いでしょう。ただし、お墓が複数ある場合は全てを回らないといけない点がデメリットです。

仏壇等を調べる

自身の家や本家にある仏壇を調べ、家紋が記されていないかを確かめましょう。小さな仏壇よりも大きな仏壇の方が、家紋が入っている可能性が高いかもしれません。

大きな仏壇は中心の上下のどちらか、あるいは両方に家紋があることが一般的です。身の回りに大きな仏壇がある場合は探してみるとよいでしょう。

家族の資料から探す

資料を調べて家紋が載っていないか確かめましょう。資料とは以下のようなものです。

・アルバム
・人形
・袱紗
・着物
・過去帳

これらの資料やアイテムは、家族の大切な思い出が詰まっているため、なかなか処理されることはないでしょう。したがって、昔から代々受け継がれている物も中にはあると思うので、正確な情報を得られる可能性も高いです。

この調べ方は墓じまいをした後や仏壇じまいを行った後でも有効なため、さまざまな状況下で執り行えます。

業者に頼む

これまでの方法を試しても家紋が見つからないという場合は、家紋を調べてくれる専門の業者に頼むのも1つの手です。しかし、依頼から調査終了まで短くても1ヶ月の期間を要し、費用も数万円~25万円ほどかかります。

家紋のありどころが近くで、調査が比較的短い期間あるいは少ない労力で済んだ場合、費用は少なく済むでしょう。しかし、本家等が遠く離れた場所にあり現地まで調査に行くなどした場合は、その分費用が高くなるので注意しましょう。

具体的な目安としては、戸籍謄本の調査は5万円程度で、遠出の現地調査の場合は場所にもよりますが数十万円程度です。さらに、調査の結果が不十分でも代金の減額はなく、予定通りの金額の支払いが必要な業者がほとんどなので、その点も考慮しておきましょう。

墓石に家紋は必ず入れなければいけないのか

お墓参りに出向いた際、自家以外のほとんどのお墓に家紋が入っていたため「もしかして自家のお墓にも家紋を入れなければいけないのか」と不安や疑問を抱えている方もいるでしょう。

結論としては、お墓への家紋の彫刻は絶対ではありません。よって、もしも自家のお墓に家紋が入っていなかったとしても、無理をして彫刻を依頼する必要はないでしょう。しかし、家系の血筋を周囲に知らせる必要がある家庭は墓石への彫刻が必要になることもあるでしょう。

墓石に家紋を入れる場所

家紋を入れる場所として、水鉢を選ぶ家庭が多いでしょう。水鉢とは水を入れて供えるために少し凹んでいる部分のことを指します。家紋を入れる位置は水鉢の正面です。

水鉢ではなく、花立てや竿石に家紋を入れる家庭もあります。とはいえ、家紋を入れる場所にきまりはないので、目立つ場所に入れましょう。なお、大きさにも規定はありません。

入れた後に正規の家紋が発見された場合

一度、家紋を入れたがその後に正式な家紋が現れてしまったときにはどうしたらよいのでしょうか。結論としては、家紋を彫刻するときはそこまで深く掘らないため、家紋の掘り直しは可能です。

作業の手順としては、最初に家紋を消すために石の表面を削ったり、取り替えたりします。次に、新たな家紋を彫り入れて大方の作業は終了です。

費用としては、表面を磨いて彫り直す場合は2万円~5万円程度で済むでしょう。ただし、墓石の交換は目安がないため、石材店との話し合いが必要になります。

家紋を彫刻するときに魂抜きの儀式を行う場合は、担当してもらった僧侶にお布施として、2万円~5万円程度を包みましょう。誤って彫ってしまった家紋やその家紋が載っている資料は、子孫が困惑しないように自家の家紋ではないことを伝えておくことをおすすめします。

複数家が1つのお墓に眠っている場合

両家墓のように、複数家が1つのお墓に眠っているケースがあります。その場合、どちらの家の家紋を彫ったらよいのか迷ってしまうでしょう。結論としては、両方の家紋を入れても問題ありません

また、両家の家紋を合体させて新しい家紋を作り出しても問題ないとされています。入れる場所も、2つの家紋を横並びにして彫るのが無難でしょう。

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まとめ

一昔前、家系や自家の威厳を周囲に示すために使われていたのが家紋です。「植物紋」「動物紋」「自然紋」「建造物紋」「器物紋」「文字紋」といったように複数の種類が存在します。

家紋は先祖代々受け継がれているため、現代の私たちの目にも止まることがあります。実際に、お墓に彫刻されているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、家紋は「お墓には必ず彫らないといけない」というわけではありません。

また、自家の家紋がわからない場合は、詳しい親族の方に聞いたり、本家に出向いて仏壇や資料を確認したり、あるいは専門の業者に頼むようにしましょう。業者に頼む場合は費用として5万円~数十万円程度かかるので、その点は考慮しておきましょう。

小さなお葬式でも、家紋に関するご相談を承っております。疑問や不安がある場合は、専門のスタッフまでご相談ください。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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