墓じまいはお墓を取り外す作業なので、気軽に行える作業ではありません。もしも独断で行ってしまうと、お墓に関わるさまざまな人からの反感をかってしまうかもしれません。
とはいえ、墓じまいを行うときには誰にどのような相談をしたらよいのでしょうか。誰に相談してよいかがわかると、相談すべき人に相談せずにトラブルになる可能性を限りなく減らすことが可能です。
この記事では、墓じまいの相談に関する疑問や、起こりうるトラブルについて解説します。現在、墓じまいのことで悩みや疑問を抱えている方はぜひ参考にしてください。
<この記事の要点>
・墓じまいを行う際、まずはじめに自身の親族と墓地の管理人に相談する
・見積もり金額と請求額に大きな違いがあった場合は、トラブルになる前に警察に相談する
・高額な離檀料を請求された場合は、警察や弁護士に相談する
こんな人におすすめ
墓じまいについて知りたい方
墓じまいの流れやコストを知りたい方
墓じまいのときに起こりうる問題を知りたい方
墓じまいとは、お墓のあった場所から墓石を取り外して、その土地を元の所有者に返還する行為のことを指します。墓じまいを行う理由は人それぞれで「経済的な負担を軽減したい人」や「後継者に負担をさせたくない人」などさまざまです。
お墓を取り外すとなると、ご先祖様に対して失礼に感じる方がいるかもしれません。しかし、決してそうではないということを知っておきましょう。むしろ、経済的な問題で管理の行き届かないお墓を放置したり、墓地の管理人に管理費を支払わなかったりするほうが失礼に値します。
墓じまいの流れは以下のように進めます。
1. | 関係者に相談する |
2. | 石材店と工事の内容や日程を決める |
3. | 見積もりを出してもらう |
4. | 実際に工事を行う |
それでは、1つずつ解説します。
まずは墓じまいを行うことを関係者に伝えましょう。ここでいう関係者とは、自身の親族と墓地の管理人のことです。
まずは親族に話して、墓じまいを決行してもよいという了承を得ましょう。了承を得る理由は、親族の中には墓じまいに対してマイナスな意見を持つ方がいるかもしれないからです。
そういった方々を無視して墓じまいを行ってしまうと、その後の関係が悪化してしまうかもしれません。親族とは今後も付き合っていくことから、トラブルへの発展は避けたいところでしょう。
また、墓地の管理人への相談も忘れずに行いましょう。墓地の管理人は今までお墓を見守ってくれていた方なので、本来は感謝すべき存在です。そのため、無許可で墓じまいを行ってしまうと、管理人としてはよい気持ちはしないでしょう。相談して「墓じまいをしてはいけない」といわれることは少ないでしょうから、積極的に相談しましょう。
墓じまいを行う旨を伝えて了承を得たら、次は石材店に墓じまいの依頼をします。このときに、工事の内容や日程などの大まかな部分は決めてしまいましょう。
日程を決めるときのコツは、予定している工事の日から1ヶ月~2ヶ月前までには決定することです。工事には準備が必要なため、上記のように時間が必要になります。
石材店に墓じまいを依頼する際は、当日どのような段取りで工事を行うかを伝えておきましょう。この段階でより詳しく伝えることで、工事当日にイメージと違う工事をされることが減るでしょう。
工事の段取りなどが決定したら、次は石材店に見積もりを出してもらいましょう。見積もりは複数の業者に依頼すると安心できます。より安いコストで工事を担当してくれる業者を見つけることが可能になるためです。
しかし、中には安すぎる値段が故にサービスの質が最悪な業者もあるので、サービス内容と照らし合わせて検討しましょう。
当日になったら、実際に工事を行います。工事には立会人を必要とする場合があるので、事前にどなたか立ち会う人を決めておきましょう。
ただし、立会人が不要な工事もあります。その場合は、工事前の写真と工事後の写真を撮影してくれるので、後で見比べることが可能です。工事の出来に納得がいったら、最後に支払いを済ませましょう。
万が一、見積もりと違う金額を請求された場合は、支払わずに警察などに連絡しましょう。
墓じまいにかかる費用は、おおよそ50万円~70万円です。しかし、この金額はあくまでも平均で、更地に戻すだけの工事であれば1平方メートルあたり10万円ほどで済むでしょう。
これにお布施を合わせると、目安として30万円程度になります。さらに、新しいお墓を建てるとなると80万円~130万円ほどかかることが一般的です。
墓じまいを行うときには少なからず問題が起こる可能性があります。万が一問題が起きてしまうと、余計な費用がかかったり墓じまいを行えなかったりします。
しかし、起こりうるトラブルを事前に認識しておくことで未然に防ぐことが可能です。そこで、ここからは墓じまいのときに起こりうる問題について、種類ごとに解説します。現在、トラブルの渦中にいる方は参考にしてください。
よくあるケースで、親族間でトラブルになることがあります。
●墓じまいをすることに対して猛反対を受けた
墓じまいを行うときは、親族にその旨を伝えるのが一般的です。その際に猛反対を受けて、最終的に墓じまいを中止したという事例もあります。反対される理由としては、親族が「お墓を取り外すことは罰当たりだ」と考えているからです。
解決策としては、こちら側から真正面に対立しないようにしましょう。こちらが感情的に反発してしまうと、親族の方もヒートアップしてしまいます。そうなると余計に墓じまいから遠のくでしょう。
まずは落ち着いて、墓じまいは何も悪い行為ではないということを伝えていきましょう。
●名義人である方が、墓じまいを行えない状態にある
お墓の名義人が自身ではなく、親族である場合もあるでしょう。その場合、もしもその方が介護施設に入られていたり病床に伏せていたりすると、墓じまいを行えません。そういった状況に陥ってしまった場合は、書類に一筆もらって自分で墓じまいを代行しましょう。
しかし、そういった状況になる前に墓じまいを行うほうが賢明です。お墓の名義人がどなたかを確認して、体調と相談しつつ墓じまいを進めましょう。
墓じまいを行うにあたり、業者との接点は必ず生じます。
●見積もりの金額と請求額に大きな違いがあった
見積もりのときは妥当な金額だったが、いざ請求書を渡されると法外な額を請求されている、というケースがあります。
そういった場面に遭遇した場合は、絶対に支払ってはいけません。相手はそういった行為を常に行っている悪徳業者である可能性があるため、そこで支払ったら音信不通になり泣き寝入りするしかなくなります。大きなトラブルに発展する前に警察などに連絡して指示を待ちましょう。
なお、見積書を保管していないと請求額が違った場合に指摘できないので、見積書は大切に保管しておきましょう。
●サービスの質が悪すぎる
実際に依頼していた内容と大きく異なる工事をされる可能性もあります。例として「お墓の基礎部分を取り外していなかった」というケースがあります。基礎部分とはお墓の土台となる、地中に埋まっている部分のことです。基礎部分は、取り外していなくても土を上からかぶせれば更地と見分けがつかなくなります。
しかし、墓じまいの条件は、お墓が建つ前の状態に戻すことです。そのため、基礎部分を取り外さずに墓じまいが完了したとはいえません。この問題を指摘して、再工事してくれる業者であればよいのですが、中には指摘しても連絡が一切取れない業者も存在します。
墓地指定の業者であればそのような心配はありませんが、自ら手配する業者であればこのような問題も起こりうるでしょう。そうならないためにも業者はしっかりと吟味することをおすすめします。
墓地とのトラブルもまた、よく起こる問題の1つです。
●離檀料が高すぎる
離檀料とは主に寺院からお墓を取り外したり、移動させたりするときに渡すお布施のことです。
この離檀料は僧侶や住職に渡しますが、中には常識の範囲を超えた額を請求してくる方もいます。双方で話し合っても高額な離檀料を求められる場合は、遠慮なく警察や弁護士に相談しましょう。
●1つの業者にしか依頼させてもらえない
墓地には提携している業者が存在する場合があります。墓じまいをするときには、その業者をおすすめされることが多いでしょう。
しかし、業者を自由に選ぶ権利はこちら側にあります。墓地側には指定の業者を使わせる権力はありませんが、中には指定の業者を利用することを強制してくる墓地もあります。そういった状況に陥ってしまったら無駄に張り合わず、消費生活センターに相談して対応を待ちましょう。
墓じまいは滅多に行う機会がないため、数々の疑問が生まれるでしょう。ここからは墓じまいに関する疑問について解説します。
手続きに関する疑問として、「お墓が遠方にあっても墓じまいを行えるのか」というものがあります。結論としては、離れていても手続きをすることは可能です。
まず、墓地の管理人への報告は電話で行います。続いて、必要書類の作成はインターネットからダウンロードして郵送で提出しましょう。魂抜きの立ち合いは地域によって異なりますが、立ち会わないといけないという法律があるわけではありません。工事も同じく立会人が立ち会う必要はありません。
親族に関する疑問として、「親族との仲が悪い場合でも相談した方がよいのか」というものがあります。結論としては、そういった関係性でも相談は行いましょう。
話し合いをせずに墓じまいを行うと、後々の関係がさらに悪化するかもしれません。仲の悪い親族と話し合うのは気が引けますが、後で大きなトラブルに発展させないためにも話し合いはしておきましょう。
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墓じまいとは、墓石を取り外して、土地を元の所有者に返還することを指します。墓じまいは、一生に一度あるかないかの行為なので、独断で行うのはよくありません。そのため、親族や墓地の管理者には絶対に相談するようにしましょう。
墓じまいを行うときは注意点が存在します。トラブルを防ぐためにも、注意点は前もって確認しておきましょう。
そのほか、墓じまいに関して疑問が残る場合は、小さなお葬式にご相談ください。専門の知識を豊富に持ったスタッフが、いつでもお客様のお悩みに寄り添います。
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