
作成日:2022年04月25日 更新日:2022年04月26日
「菩提寺が遠い」葬儀をする斎場選びや僧侶の手配などはどうする?
菩提寺とは、先祖代々のお墓が所在するお寺のことです。そして、葬儀では菩提寺の僧侶を招いて読経してもらうのが一般的です。しかし、斎場と菩提寺の距離が遠い場合、僧侶を呼んでもよいのかわからないという疑問を抱えている方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、菩提寺が遠い場合のさまざまな対応について解説します。菩提寺のことで悩みや疑問がある方は、ぜひ参考にしてみてください。

【もくじ】
・菩提寺とは
・菩提寺が遠い場所にあるときは
・菩提寺と檀那寺の違い
・菩提寺に葬儀を依頼するときは
・菩提寺がわからないときは
・そもそも菩提寺がないときは
・遠い場所にある菩提寺は変更できるのか
・よくある菩提寺とのトラブル
・まとめ
菩提寺とは
菩提寺は、自身の家系で代々管理し続けているお墓があるお寺のことです。「菩提」とはサンスクリット語で「目覚め」を意味し、菩提寺は人々が目覚め、悟るために建てられました。
自身の家系が檀家であれば、菩提寺を経済的に支援し、お寺の運営を支えるのが義務です。代わりに、葬儀や法要で僧侶に読経してもらったり、位牌やお墓を置いてもらったりします。また、葬儀のことでわからないことを相談できるのも檀家のメリットです。
ただし、菩提寺の存在を家族全員が知っているとは限りません。菩提寺の場所がわからないだけでなく、自家が檀家なのか不明な場合もあるでしょう。菩提寺があるにもかかわらず、他のお寺に葬儀を頼んでしまうと菩提寺とトラブルになる恐れもあるため、この機会に調べてみることをおすすめします。

菩提寺が遠い場所にあるときは
菩提寺は先祖代々受け継いできたお墓がある場所で、以前は自分の生まれ育った場所の近くにある場合がほとんどでした。しかし、近年では仕事や進学を理由に遠く離れた場所に移り住んだ方も多いでしょう。そのため、菩提寺に葬儀をお願いしたいと思っていても、遠くまで僧侶に来てもらうことを申し訳なく感じるかもしれません。
とはいえ、菩提寺へは連絡したほうが賢明です。葬儀が必要になった際に相談すれば、こちらが交通手段と宿泊施設を手配し、交通費や宿泊費を支払うことで来てもらえる場合もあります。来てもらうのが難しいときは、菩提寺の僧侶が他のお寺を紹介してくれることもあるので、紹介されたお寺へ連絡するとよいでしょう。紹介してもらえるお寺がない場合は、葬儀社の担当者に相談することをおすすめします。
菩提寺と檀那寺の違い
菩提寺と似た言葉に「檀那寺」があります。いずれも頻繁に耳にする言葉ではないため、詳しい意味や菩提寺との違いを知らない方もいるでしょう。菩提寺との違いは、お寺の敷地内に自分の家系で代々運営しているお墓があるかどうかです。
お寺を信仰してあらゆる面で支えていても、敷地内にお墓がなければ檀那寺と呼びます。一方で、お寺に先祖代々のお墓があり、葬儀や法要をお願いするのが菩提寺です。ただし、使い分けを間違えても指摘されたりマナー違反になったりするわけではありません。

菩提寺に葬儀を依頼するときは
自身の家系が檀家であれば、菩提寺に葬儀を依頼する場合がほとんどでしょう。医師から死亡を告げられた際に菩提寺へ連絡すると、僧侶が枕経を行うために故人の元へと駆けつけてくれます。その後、葬儀の日程や場所など必要なことを話し合いましょう。葬儀に呼ぶ僧侶の人数を相談して決めておくと、お布施の金額を把握できます。
葬儀を菩提寺以外にお願いしたい場合、菩提寺に亡くなったことを知らせた上で、他のお寺に依頼したい旨を伝えます。多くの場合、近くのお寺を紹介してもらえるでしょう。菩提寺への連絡を怠ると、お墓への納骨を断られたり、戒名を改めなければならなかったりするため注意が必要です。
菩提寺がわからないときは
菩提寺に葬儀を依頼したいと考えているものの、菩提寺がどこか不明で、連絡先もわからない場合も少なくありません。長年親族と関わりがなかった方や、滅多に地元に帰らない方に多く見られます。その場合は、逝去した方の親族へ連絡することで、戒名や仏壇から菩提寺を割り出せることがあります。
そもそも菩提寺がないときは
葬儀に僧侶を招きたいが菩提寺がない、もしくは探しても見つからない場合は、葬儀社に紹介してもらうのもひとつの方法です。葬儀社に宗教や宗派を伝えれば、希望に添った菩提寺を紹介してもらえます。菩提寺とは今後長い間お付き合いをすることになるため、宗教や宗派はきちんと伝えることが大切です。
遠い場所にある菩提寺は変更できるのか
菩提寺は以前から引き継いできたお墓が建っているお寺で、他のお寺に変更するのは難しいイメージがあるかもしれません。ここでは、菩提寺を改めるときの手続きについて解説します。
変更は可能
菩提寺の変更は可能です。ただし、お墓を移動するには役所で手続きをしなければなりません。変更の事由に制限はなく、「自宅から離れた場所にあるから」「宗派が変わったから」といった事情でも変更は可能です。お墓の受け入れには時間がかかるため、まずは新しい菩提寺を決めることから始めましょう。
変更する際の注意点
お寺は数多くあるため、異なる宗派を選ばないように注意しましょう。また、墓石を取り壊さずにそのまま移動して使用するか、新しい墓石を建てるかを決めることも大切です。
大まかな流れが決まったら、遺骨が納骨されていることを証明する「埋蔵証明書」を元の菩提寺から受け取りましょう。移動する事由とお墓を管理してくれたことに対する感謝を述べると、円満に移動できるでしょう。新しい菩提寺からは「受け入れ証明書」という受け入れの際に必要な書類をもらいます。
お墓があった場所は、お墓を建立する前の状態に戻さなければなりません。石材店や墓石業者が原状回復作業を請け負う場合もあるため、必要に応じて依頼しましょう。
よくある菩提寺とのトラブル
菩提寺とは長い間お付き合いをしていくことになります。そのため、何かしらのトラブルが生じる恐れも否定できません。よくあるトラブルを把握しておけば、揉め事を未然に防げて、いざというとき慌てずに済むでしょう。ここからは菩提寺とのトラブルの事例を紹介します。
菩提寺とは違うお寺から戒名を受け取った
菩提寺があるにもかかわらず、他のお寺で戒名を受けた場合、菩提寺としては気分がよくないでしょう。最悪の場合、永久に納骨ができなくなる可能性もあります。とはいえ、菩提寺があるとは知らずに戒名を受け取り、後になって菩提寺があることを把握したという悪意のない事例も存在します。
菩提寺の規則上、戒名を受けたお寺以外で納骨はできません。菩提寺で納骨をしたい場合は戒名を改める必要があるでしょう。菩提寺の有無に関しては十分に調べた上で葬儀を依頼することをおすすめします。
お布施等の金銭的トラブル
菩提寺とは頻繁に金銭のやり取りがあるため、トラブルへ発展するケースも少なくありません。想像していた金額よりも高額なお布施を求められたり、金銭のやりとりはないと思っていたらお金がかかったりと、トラブルの種類はさまざまです。
お布施はあくまでも「お気持ち」なので、定価はありません。そのため、基本的には自由に金額を設定できますが、極端に安すぎたり高すぎたりするとマナー違反になります。金額の目安がわからないときは、自分だけで判断せず親族など身近な人にアドバイスをもらいましょう。もしも、法外な金額を請求された際はすぐには支払わずに信用できる方に相談するのもひとつの方法です。

位の高い戒名を受け取ろうとした
戒名には位があります。戒名をもらう方の中には「高い位の戒名ほど偉い」と勘違いし、多額のお布施を納めて位の高い戒名をつけていただこうと考える方もいるでしょう。ただし、多額のお布施を包んだからといって高い位の戒名を受け取れるわけではありません。戒名の中には、相応の地位や身分がある人にだけ授けられる格式高いものもあるからです。このように、戒名とお布施の関係からトラブルに発展する事例もあります。
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まとめ
菩提寺とは、先祖代々受け継いできたお墓があるお寺のことです。葬儀の際は、菩提寺の僧侶に来てもらい式を執り行ってもらうのが一般的です。
しかし、菩提寺が自宅から遠く、僧侶を招くのが困難な場合もあります。お寺によっては交通費や宿泊費を負担することで来てくれることもあるため、家族が逝去したことを報告する際に相談するとよいでしょう。
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