神棚へお供えする際に、正しい配置や順番が分からないという方もいるのではないでしょうか。神棚に関する正しい作法を身につければ、心を込めて神様をおまつりできます。
この記事では、神棚へのお供え物にまつわる作法全般を紹介します。神棚にお供えをする頻度や、交換のタイミングについても解説しているので、参考にしてみてください。
<この記事の要点>
・お供え物は、重要度の高い米から順に、塩、水と続けて神様の近くに配置していく
・水は毎日、生米や塩であれば定期的に、榊は枯れた場合はすぐに交換する
・神棚にお参りする作法は、神社のお参りと変わらず「二礼二拍手一礼」が基本
こんな人におすすめ
神棚とはどんなものか知りたい方
神棚のお供えについて知りたい方
神棚のお参りの作法を知りたい方
ここでは、神棚そのものに関する基礎知識や作法を紹介します。神棚にまつわる知識を深めることで、まずは神棚と向き合う心を整えましょう。
神棚とは、主に神道における神様をおまつりするための棚です。神社からいただいた「お神札(おしんさつ)」を安置するためにしつらえたことが始まりといわれています。
現代において、神棚をしつらえる理由はさまざまです。一般家庭であれば家内安全や無病息災、事務所やお店などであれば商売繁盛祈願のためにしつらえることが多いでしょう。
神棚をしつらえる方角は、神棚の正面が東向きか南向きにするとよいでしょう。南東でも構いません。
その理由は、東は日が昇る方角であることから「勢いのよさ」の象徴とされてきたためです。一方、南は日中の日が降り注ぐ方角であることから「明るさ」を象徴としています。
神棚をしつらえる際には、まず目線より高い場所に設置するようにしましょう。なお、以下に当てはまる場所は、神棚にふさわしくないとされているため、なるべく避けるように心がけましょう。
・部屋の出入り口近くや真下など、人の行き来が激しい場所
・仏壇と向かい合わせになる場所
・お手洗いや浴室のそば、または真下にあたる場所
これらの場所はなるべく避けるように心がけましょう。
神棚の種類は「一社造り」と「三社造り」に大きく分けられます。違いは扉の造りで、扉が一枚であれば一社造り、三枚であれば三社造りの神棚です。
どちらの造りのほうが優れているということはなく、設置場所のスペースなど状況に合わせて選ぶのが一般的です。
神棚へのお供え物は、米、塩、水の3つが一般的です。場面によっては、酒や榊をお供えすることもあります。それぞれのお供え方法を確認してみましょう。
米をお供えする際は、炊いたものでも生米でも構いません。この際、ポイントとなるのは「汚れのない清潔なもの」を用意することです。
炊いた米の場合は、まだ誰も手をつけていない状態のご飯をお供えしましょう。生米の場合は、人の手が触れない状態がよいとする意見と、洗ってきれいにしたほうがよいとする意見に分かれます。どちらが正解ということはないため、自身の気持ちに沿って決めましょう。
塩をお供えする際は、粗塩を用意するのがおすすめです。粗塩とは、天然のミネラル分を残したままの塩であり、その力こそが神様にお供えするものとして大切であると考えられています。お供えだけでなく、お清めや魔よけにも、一般的には粗塩が使われています。
水をお供えする際は、なるべく「初水」を準備しましょう。その日に初めて使うお水のことを初水といいます。初水の用意が難しい場合には、天然水やミネラルウォーターでも構いません。一番重要なのは、「神様に大切なお水を召し上がっていただきたい」という気持ちです。
酒をお供えするのは、一般的に毎月1日と15日の月次祭(つきなみのまつり)をはじめ、お祝い事の時です。米、塩、水とは別に追加で用意しましょう。酒の種類は、米から作られた日本酒が基本です。
神様の力が宿るとされる榊もまた、酒同様にお祝い事の時に追加でお供えするのが一般的です。榊を選ぶ際には、青々と生命力に溢れたものを選ぶとよいでしょう。
なお外国産の榊は安く手に入りますが、国産のほうが持ちがよいといわれています。榊は、月次祭ごとに取り換えますが、枯れてきた場合も取り換える必要があります。そのため、長持ちする国産の榊がおすすめです。
正月には、神棚に鏡餅や果物などもお供えしましょう。また、誕生日、入学、卒業など家庭内のお祝い事があった際は、お赤飯などのお祝いの料理を食べる前に取り分けて、お供えします。
そのほかにも、旬の果物や野菜が手に入ったときにも、お供えするとよいでしょう。ただし、四つ足の動物の肉を使った料理はお供えしないように注意が必要です。
神棚には、専用の神具を用いてお供えするのが望ましいでしょう。ここでは、一般的にお供えに使われる神具について解説します。
米や塩を盛って神様にお供えするためのお皿が2枚必要です。神棚のサイズに合わせて、直径6センチメートル~8センチメートル程度のものを用意しましょう。特別な日のお供えをする際には、さらにお皿が必要になりますので、多めに準備しておくことをおすすめします。
水をお供えするための神具が「水玉(みずたま)」です。陶器、素焼き、金属製など、さまざまな種類があります。
蓋がついている場合は、蓋を閉めたままにすると神様に捧げたことにならないので、蓋を開けて神様が飲める状態にしてお供えしましょう。中に入れる水は、8分目くらいを目安にします。
「三宝(さんぽう)」とは、お供え物を並べる台のことです。折敷(おしき)と呼ばれるお盆の下に、台座がついた作りとなっており、台座に3方向の穴が空いています。「へそ」と呼ばれる継ぎ目がない側を神様のほうに向けて置きましょう。
三宝には、鏡餅、果物、野菜などをのせますが、スペースに余裕がある場合は、米、塩、水、酒なども置くとより丁寧なお供えの仕方になります。
<h3>瓶子・榊立て</h3>
酒をお供えするための神具である「瓶子(へいし)」は1対必要です。水玉と同じように蓋がついているため、酒を入れた後は蓋を開けておきましょう。瓶子の代わりに徳利(とっくり)を使うこともあります。榊をお供えする「榊立て」も1対用意しましょう。
ここでは神棚にお供えをする際の作法として、お供え順や配置をご紹介します。重要度の高い順にお供えするので、間違えないようにしましょう。
お供えの際は、こちらの神具を用意するのが望ましいでしょう。
お皿 | 米や塩をお供えするための神具 |
水玉(みずたま) | 水をお供えするための神具 |
瓶子(へいし) | 酒をお供えするための神具 |
榊立て | 榊をお供えするための神具 |
神具はすべて神棚に配置するため、神棚のサイズに合わせて選びましょう。
お供えは、重要度の高いものを神様の近くに置きます。そのため、もっとも重要とされる米から順に、塩、水と続けてお供えします。
追加で酒もお供えする場合は、米、酒、塩、水の順です。榊については特に順番は決まっていませんが、最初か最後にお供えするとよいでしょう。
三宝には、正方形と長方形のものがあります。お供え物を正方形の三宝の上に置く際は、神様に一番近い位置である中央の奥側にもっとも重要な米を置きましょう。
次に、米の位置を三角形の頂点に見立て、手前の右側には塩を置きます。また、手前の左側には水を置きましょう。月次祭などで酒もお供えする場合は、米を挟んで左右に瓶子を置きます。
長方形の三宝の場合は、横一列にお供えを並べます。中央の神様に使い場所から、重要度の高いお供え物を置いていきましょう。
まず中央に米を置き、その向かって右側に塩、左側に水を配置します。酒もお供えする場合は、米を挟んで左右に瓶子を置きましょう
榊は、神棚の左右に配置します。お神札は、神棚の造りによって並べ方が異なります。種類ごとの並べ方は以下の表の通りです。
一社造り:崇敬神社、氏神神社、神宮大麻の順にお神札を重ねて安置する
三社造り:向かって左に崇敬神社、右に氏神神社、中央に神宮大麻のお神札を安置する
神棚へのお供えは、お上げしたら終わりではありません。必要に応じて、お下げして交換する必要があります。ここからは、お供えの頻度や交換の目安を把握しましょう。
米・塩・水は基本のお供え物であるため、毎日新しいものに交換するのが理想的です。しかし、多忙な現代社会では、そこまで手をかけることは難しいかもしれません。その場合は、水だけは毎日交換しましょう。
米は洗っていない生米であれば、すぐに傷むことはありません。また、塩に賞味期限はありませんが、長く置いておくと埃をかぶってしまうため、定期的に交換しましょう。
酒は月次祭に合わせて、毎月1日と15日にお供えするのが一般的です。また、正月や家庭内のお祝い事の際にもお供えします。
ただし、次のお供えのタイミングまで置いておくと、長期間放置することになってしまうため、朝お供えして夕方に下げたほうがよいでしょう。
榊も酒と同様に月次祭に合わせてお供えするため、毎月1日と15日にお供えします。ただし、枯れてしまった場合はすぐに交換しましょう。
反対に、交換の時期がきてもきれいであれば交換しなくてもかまいません。榊は交換しない場合でも、榊立ての水を交換すれば長持ちするでしょう。
お下げしたお供えは、飲食できるものは神饌(しんせん)としていただきましょう。お供えには神様の力がこもっているため、体に取り入れることで邪気払いになるといわれています。
いただくことが難しいものや状態であれば、塩や酒ならお清めとして使ったり、水なら植物に与えたりする使い方がおすすめです。榊は焼いたり、土に埋めたりするなど、自然に返す方法がよいといわれています。
神棚にお供えした際にはもちろん、神棚へのお参りはぜひ日常の習慣にしましょう。そのための知識として、ここでは神棚のお参りにまつわる作法を2つご紹介します。
神棚へのお参りは、神社のお参りと変わらず「二礼二拍手一礼」が基本です。
1.神棚の前で深いおじぎを2回(二礼)
2.姿勢を正し、柏手を2回打つ(二拍手)
3.改めて両手を合わせ、祈りを込める
4.合わせた手を下ろし、深いおじぎを1回(一礼)
おじぎは90度に近い最敬礼を心がけましょう。
特に決まりはありませんが、起床後や出社前、登校前などの朝、または帰宅後や就寝前といった夜にお参りする方が多いでしょう。自分にとって習慣にしやすい時間帯にお参りするのがおすすめです。
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お供えやお参り方法を含め、神棚をまつる際にはさまざまな作法があります。しかし何よりも大切なのは、神様や祖先へと思いを馳せ、祈る時間を持つことではないでしょうか。その時間こそが気持ちを引き締め、日々を大切にする心を培ってくれます。
そのほか神棚やお供えについて、お悩みごとがあれば小さなお葬式へご相談ください。
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年金制度には大きく分けて公的年金制度と私的年金制度の2種類があります。ホゥ。