贈与契約書とは財産を譲るときに、贈与者と受贈者とで交わした契約を記す文書です。子や孫といった身内への贈与を考えている方は、贈与契約書を作成しましょう。
しかし契約書の必要性や書き方が分からない方もいるかもしれません。ここでは作成理由や作成方法、便利な雛型を紹介します。作成時に注意すべきポイントも挙げているので、ぜひ読んでみてください。
<この記事の要点>
・贈与契約書は贈与の証拠として提出できるため、不当な課税を防ぐことができる
・贈与契約書の形式に指定はなく、手書きでもパソコンを利用して作成しても問題ない
・贈与契約書を作成する際、贈与者と受贈者の署名・日付は自筆が望ましい
こんな人におすすめ
贈与契約書を作成すべきか悩んでいる人
贈与契約書の書き方が知りたい人
贈与契約書の作成時の注意点が知りたい人
財産を誰に譲るか口約束にしていると、トラブルのもとになるかもしれません。ここではトラブル例を挙げつつ、書面で残す理由を3つ紹介しています。契約書の必要性に疑問を抱いている方は、参考にご覧ください。
財産を贈る贈与は、その性質上トラブルに発展しやすい一面を持っています。口約束によるトラブル事例として、「親の面倒を積極的にしていた長女が財産の8割をもらうと主張してきた」「兄弟で財産を分けるとは聞いていたが分配方法が不明確で揉め事になった」といったケースが考えられます。
誰が・いつ・何を・どのくらいの割合で贈与を受けるといった取り決めを書面で残しておくと、認識の間違いによるトラブル防止になるでしょう。
税務調査で指摘を受けやすいのが、贈与ではなく「名義預金ではないか」という点です。名義預金とは、預金の所有者は親や祖父母で、名義を子や孫にしているケースを差します。つまり実際の所有者と、名義人が異なっているのが特徴です。
税務署から名義預金だとみなされたら、相続税が発生します。しかし贈与契約書を作成しておくことで、「贈与の証拠」として提出でき不当な課税を防げるでしょう。
遺産分割の場において、すべての推定相続人が納得のいく結果になるとは限りません。「公平に分配して欲しい」「相続の割合をどう決めたのか理由が知りたい」といった意見が上がる可能性もあります。
贈与契約書を手元に置いて協議をすれば、話を進めやすいでしょう。また契約書には金額も詳細に記載できるため、贈与者の意志を反映しやすいのもメリットのひとつです。
自分で契約書を作成する方のために、書き方を紹介します。記載すべき事項、様式・形式について、作成の流れまでまとめました。また作成を依頼しようか迷っている方も、本項目を読んで検討するとよいでしょう。
贈与契約書を作成するにあたって、記載すべき事項があります。財産分割をスムーズにするためにも、曖昧な記載は避けましょう。
・誰と誰が契約を交わしたか(未成年の場合は親権者名も記す)
・契約を交わした者の住所
・贈与の契約をした日
・贈与の履行日
・贈与の内容と手段(例:現金〇万円を銀行預金口座に振り込む)
・実印の捺印
贈与契約書を初めて作成する場合、様式や形式の指定があるのか気になるかもしれません。結論から述べると指定はないため、雛型やサンプルを参考に作成するとよいでしょう。なお手書きでも、パソコンのWordを利用して作成しても問題ありません。
ただし上述した記載すべき事項に、漏れがないようにします。特に金額や贈与の手段を詳細に記すことで、相続の協議で揉めにくくなるでしょう。
作成の流れは、以下のとおりです。
1:契約を交わす者同士が贈与の内容に合意
2:契約書の作成日と履行日を決定する
3:契約書を2枚作成し、同一の文書である証明として割印する
4:贈与者と受贈者、それぞれで契約書を保管する
紛失や改ざんの心配がある方は、公証人に依頼し「公正証書」を作成する方法もあります。通常の契約書より信頼性や執行力は高く、公証役場で保管できるのが利点です。
財産を譲るにあたって、金銭だけでなく土地や建物、株式が対象となるケースもあるでしょう。何を譲るのかによって、契約書の記載内容が一部異なります。そこで各ケースの雛型を用意しました。書き方に悩んでいる方は、確認してみましょう。
お金を贈与する場合の雛型を確認しましょう。
贈与者___(以下、甲という)と受贈者___(以下、乙という)は、以下のとおり贈与契約を締結した。
第1条 甲は、乙に対して現金_万円を贈与することを約し、乙はこれを承諾した。
第2条 甲は、第1条に基づき贈与した現金を、令和_年_月_日までに、乙が指定する__銀行__支店(普通預金口座・口座番号___)に振り込むこととする。
以下の契約を証するため本書を2枚作成し、記名捺印のうえ、甲乙各1枚を保有するものとする。
以上
令和_年_月_日
甲(住所)(氏名)印
乙(住所)(氏名)印
不動産を贈与する場合は、土地や建物の所在地を記載します。前文や後文は、上記の金銭贈与と変わりません。以下では、第1条と第2条の雛型を確認しましょう。
第1条 甲は、甲の所有する下記の財産を乙に贈与するものとし、乙はこれを承諾した。
(土地)
所在_____
番地_____
地目_____
地積_____平米
持分_____
(建物)
所在_____
家屋番号_____
種類 住宅
構造_____(例:木造・鉄骨)
床面積_____平米
第2条 甲は、第1条に基づき贈与した現金を、令和_年_月_日までに、乙へ引き渡すものとする。
株式を贈与するとき、所有している株の銘柄や数量を記載します。契約書の前文と後文は、金銭贈与と同様に記入しましょう。下記では、第1条と第2条のサンプルを紹介します。
第1条 甲の所有する下記の財産を乙に贈与することを約し、乙はこれを承諾した。
銘柄名___
数量___株
第2条 甲は乙に対し、令和_年_月_日までに当該財産を引き渡しものとし、当該引き渡しにより所有権が移転する。
契約書の作成において、いくつか注意点があります。作成したにもかかわらず、無効になってしまうのは避けたいでしょう。収入印紙の用意や客観的証拠になる贈与方法、定期贈与に関する項目も要チェックです。
不動産を贈与するとき、収入印紙を貼り忘れないようにしましょう。土地や建物の金額によっては、200円以上の収入印紙が必要になります。
収入印紙は、贈与契約書の左上に貼り「消印」を押しましょう。使用済みである証明の消印は、収入印紙と文書にまたがって押すのが基本です。
「贈与」であることを証明するために、客観的な証拠を残しておきます。例えば金銭の贈与は、銀行口座への振り込みがおすすめです。振込み日や振込み依頼人名、金額を記帳できるので、もし税務調査が入っても証拠として提出できます。
また預金通帳や印鑑は、受贈者が管理しましょう。贈与者が通帳を管理していると、名義預金を疑われるかもしれないからです。株式や不動産も名義を変更しておき、贈与の証拠を用意しておくと相続税の課税リスクを抑えられます。
1年のうち110万円までは、贈与しても課税されません。しかし税金対策として「毎年〇万円を〇年に渡って贈る」と記した贈与契約書を作成すると、全額が課税対象になります。
定期贈与を避けるには、そのたびに契約書を作成するのがよいでしょう。数年分の贈与をまとめて記載しなければ、定期贈与として課税されるリスクを軽減できます。
本文の内容は、パソコンで入力しても問題ありません。本人の記載であると証明するため、贈与者と受贈者の署名・日付は自筆が望ましいでしょう。また契約書としての信頼性を持たせるために、実印で捺印します。
加えて未成年者の場合、親権者の署名・捺印も忘れないようにしましょう。
「小さなお葬式」では、無料の資料をご請求いただいた方全員に「喪主が必ず読む本」をプレゼントいたします。
喪主を務めるのが初めてという方に役立つ情報が満載です。いざというときの事前準備にぜひご活用ください。
\こんな内容が丸わかり/
・病院から危篤の連絡がきたときの対応方法
・親族が亡くなったときにやるべきこと
・葬儀でのあいさつ文例など
「小さなお葬式」では、お電話・WEBから資料請求をいただくことで、葬儀を割引価格で行うことができます。お客様に、安価ながらも満足できるお葬式を心を込めてお届けいたします。
小さなお葬式は全国4,000ヶ所以上※の葬儀場と提携しており、葬儀の規模や施設の設備などお近くの地域でご希望に応じた葬儀場をお選びいただけます。(※2024年4月 自社調べ)
贈与契約書の作成は、文書で証明できる、税務調査で証拠として提出できるといったメリットがあります。誰が誰に・いつ・どのくらい財産を譲るかを詳細に記載しておけば、相続の協議を進めやすくなるでしょう。契約書には記入漏れやミスのないように注意し、自筆で署名、実印で捺印します。
終活の一環として、葬儀の準備をしておくことも大切です。参列者名簿の作成やプランの検討をすれば、家族の負担軽減になるだけでなく人生の振り返りができるでしょう。
小さなお葬式では、葬儀に精通したスタッフが24時間365日連絡をお待ちしています。小さな疑問にも回答しますので、お気軽にご相談ください。
お亡くなり後の手続き・直近の葬儀にお悩みの方は 0120-215-618 へお電話ください。
包む香典の金額は、故人・遺族との関係の深さ、年齢や社会的な立場で異なります。ホゥ。