仏壇の開眼供養のお布施はどうする？金額目安・包み方などを解説

開眼供養とは？

開眼供養とは何なのかについて、歴史をさかのぼって理解しておきましょう。また、宗派によっては行わない場合もあります。儀式を行うタイミングについても説明しますので、参考にしてみてください。

開眼供養とは何か

開眼供養とは、仏壇や位牌やお墓を新しく購入したときに、魂を入れるために僧侶に読経してもらう儀式のことです。仏壇の場合は仏壇そのものに魂を入れるのではありません。仏壇の中には、御本尊の仏像や掛け軸、位牌などが安置されています。それらに魂を宿らせるために行う儀式です。

そのため、「魂入れ」や「入魂式」、あるいは「開眼法要」などと呼ばれることもあります。魂を注入することによって、位牌や本尊は、物から供養や礼拝の対象となるのです。

開眼供養の歴史

起源は、奈良時代に東大寺の大仏が完成したときであるといわれています。聖武天皇により建立された大仏殿の前で、752年に大々的に執り行われました。当時、仏像は最後に眼を描き入れることによって仏の魂が宿るとされていたため、大仏の開眼供養が豪華に行われたのです。

開眼供養を行うタイミング

仏壇を購入したときと、仏壇を別の部屋や別の家に移動させたときに、仏壇の開眼供養を行いましょう。仏壇を購入した場合には、単独で開眼供養のみを執り行うケースと、四十九日法要や一周忌法要にあわせて行うケースがあります。

仏壇を別の部屋に移動させたときや引っ越しの際には、移動前に「魂抜き」の儀式を行い、安置後に「魂入れ」の儀式を行うという流れです。

浄土真宗では開眼供養を行わない

浄土真宗では、亡くなった人はすぐに浄土に往生するため、死後の魂が位牌などに宿るという考え方がありません。そのため、開眼供養は行いませんが、新しく仏壇を購入した際には「御移徙（おわたまし）」「入仏式」と呼ばれる儀式を行います。魂を入れるという意味合いはありませんが、仏壇を開いて本尊をお迎えするための儀式です。

開眼供養の準備

開眼供養を執り行うにあたっては、必要となる準備がありますので押さえておきましょう。僧侶への依頼、参列者への連絡、お布施の準備の3点について解説します。

僧侶への依頼

読経してもらう僧侶に依頼をして、いつ執り行うのかを決定しましょう。菩提寺に連絡するのが基本ですが、菩提寺がない場合や、あっても関わりがあまりないような場合には、インターネット上の僧侶派遣サービスなども利用できます。

参列者への連絡

日時が決定したら、速やかに参列者に連絡をしましょう。誰を招くかについては特別の決まりはありません。親族や、故人と親しかった友人が一般的です。案内状を送付して出欠を確認します。

四十九日法要などと同時に開眼供養を行うのであれば、法要の案内状に、そのことを記載しておきましょう。

お布施の準備

僧侶にお礼として渡すお布施の準備もしておきましょう。この際、注意しなければならないのは、開眼供養のみを行うのか、四十九日法要などと同時に行うのかという点です。

開眼供養のみを行うのであればお祝いの扱いとなり、祝儀袋を用いますが、法要とあわせて行う場合には白無地の封筒などに入れます。

開眼供養のお布施の目安

読経してもらう僧侶にはお布施を渡します。金額の目安を把握しておけば安心です。また、お布施以外にも僧侶に渡す謝礼がありますので、あわせて解説します。

お布施の目安

お布施の目安は、開眼供養のみを行うのか、同時に四十九日法要などを行うのかによって異なります。

開眼供養のみを行う場合のお布施の目安は、3万円~5万円程度です。同時に四十九日法要などを行う場合には、開眼供養のみを行う場合よりも多く包みます。おおよそ1.5倍~2倍の金額が目安となるため、4万円~10万円程度と考えておきましょう。

なお、地域や親族の考えによっても金額は異なりますので、周囲の人に相談するのがおすすめです。

お布施以外に僧侶に渡す謝礼

お布施以外に僧侶に渡す謝礼としては、お車代と御膳料があります。それぞれ白無地の封筒に入れて渡しましょう。

お車代とは、僧侶に自宅に来てもらう場合の交通費として渡すもので、1万円程度が金額の目安です。

御膳料は、開眼供養後に設けた会食の席に、僧侶が出席されない場合に渡します。金額の目安は、5,000円~1万円程度です。

開眼供養のお布施の袋はどうする？

開眼供養のお布施は、どのような袋に入れて渡せばいいのでしょうか。開眼供養のみを行う場合と、法要と同時に行なった場合とに分けて解説します。また、表書きについても説明しますので、正しい知識を身に付けておきましょう。

【開眼供養のみ】お布施の袋と表書き

開眼供養のみを行う場合には、のしのついていない、紅白の水引の祝儀袋を選びましょう。表書きには「開眼供養御礼」や「御礼」と書き、下に自分のフルネームか名字を記入します。なお、浄土真宗の場合には「御移徙御礼」「入仏式」などと書きましょう。

【開眼供養と法要】お布施の袋と表書き

四十九日法要などを同時に行う場合には、いくつかの考え方があります。第1に、紅白の水引のついた開眼供養の祝儀袋の他に、法要の謝礼として白無地の封筒に法要のお布施を入れるという方法です。

第2に、白無地の封筒に、開眼供養と法要のお布施を合わせて入れる方法です。第3に、黒白や双銀の水引のついた不祝儀袋に、開眼供養と法要のお布施を合わせて入れる方法です。

表書きには「お布施」と書き、下に自分のフルネームか名字を記入します。地域によって作法が異なりますので、親族や周囲の方に確認してみましょう。

開眼供養のお布施の包み方・渡し方

お布施の袋を準備したら、中にお布施としてお金を包みますが、その際のマナーについて説明します。またあわせて渡し方についても紹介しますので、マナー違反にならないように注意しましょう。

新札を用いる

弔事に包む香典などには、不幸に対する準備をしていたように思われてしまうため、新札を用いないのがマナーです。ただし、開眼供養のお布施の場合は異なります。

開眼供養のみを行う場合はお祝い事とされるため、できれば新札を包みましょう。また、四十九日法要などと同時に行う場合は、弔事とされますが、それでも新札を用いるのがマナーとされています。

金額は旧字体で書く

お布施の袋の中袋には、包んだ金額を記載します。この際には、「金　伍阡圓」（5,000円）、「金　壱萬圓」（1万円）、「金　参萬圓」（3万円）などと書きましょう。第三者が金額を書き換えられないようにするために、旧字体で書くのがマナーとされています。

直接手渡ししない

お布施を僧侶に、直接手渡しするのはマナー違反であるとされています。切手盆と呼ばれる小さなお盆に乗せて、僧侶から字が読める向きに渡すのが正式な渡し方です。切手盆がない場合には、袱紗に包んでおき、袱紗から出した後にその上に乗せて渡しましょう。

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まとめ

開眼供養とは、仏壇や位牌やお墓を新しく購入したときに僧侶に読経してもらう儀式です。僧侶に渡すお布施は、開眼供養のみを行う場合と、四十九日法要などと同時に行う場合とで、金額の目安や包み方が異なりますので正しい知識を身に付けておきましょう。

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