彼岸花は、秋のお彼岸が近づくにつれて咲きはじめる花です。独特な見た目や毒性があることなどから「地獄花」「毒花」といった不吉な異名を持つ花としても知られています。
一方で、彼岸花の毒性について詳しく知っている方は少ないかもしれません。そこでこの記事では、彼岸花の毒について解説します。
<この記事の要点>
・彼岸花の毒は球根部分に多く含まれている
・子どもやペットが彼岸花を口にすると思わぬ事故につながるため、注意が必要
・彼岸花はネズミやモグラなどから故人を守るためにお墓の周辺に植えられている
こんな人におすすめ
彼岸花の特徴について知りたい方
彼岸花の毒性について知りたい方
彼岸花の活用方法を知りたい方
彼岸花は毒性のある花です。しかし、どの部分に毒がありどの程度安全なのかなど、正確な特徴がわからない方もいるでしょう。ここからは、彼岸花の毒の特徴を解説します。
彼岸花とはどのような花なのでしょうか。主な特徴や情報は以下のとおりです。
特徴 | 花弁が放射状に広がっており、茎を持たない独自の形状 |
分類 | ユリ目ヒガンバナ科ヒガンバナ属 |
分布 | 日本全国 |
開花時期 | 7月~10月頃 |
名前の由来 | サンスクリット語の「波羅蜜多(はらみつ)」 |
彼岸花の毒は、球根部分に多く含まれています。毒には「リコリン」や「ガラタミン」という物質が含まれており、人体だけでなくネズミやモグラなどの害獣にも有害です。また同じリコリス属の「キツネノカミソリ」や「ナツズイセン」などもで有毒の植物です。
彼岸花は、毒抜きせずに食べると最悪の場合死に至ることがあります。摂取後30分ほどで強烈な腹痛や吐き気を催す場合もあるため、不用意に口にしないように注意が必要です。
彼岸花の毒の致死量は67kg相当です。大量に摂取しない限り重篤化しないと考えてよいでしょう。
子どもやペットがいる場合は、彼岸花を口に入れないように細心の注意が必要です。手のひらに乗せたり匂いをかいだりするだけであれば問題ないですが、口にすると思わぬ事故につながります。家族に被害が及ばないように、できるだけ花を遠ざける配慮が求められるでしょう。
彼岸花は毒性のある花として知られています。一方なぜ危険な花が身近な場所で手に入るのか、気になる方もいるでしょう。ここからは、彼岸花が身近に生えている理由を解説します。
彼岸花には、ネズミやモグラなど地中の生物を寄せつけない効果があると考えられています。
そのため「故人の身の回りを守る」という意味を込めて、お墓の周辺に植えられるようになりました。また、食料を守るために田んぼの周辺に植えられる場合もあります。
彼岸花は、稲や野菜などの農作物を害獣から守るためにも植えられます。
実際に戦時中には、彼岸花が農作物を守り救荒作物として活躍した背景があります。不作が続く時期でも、彼岸花によって救われた農作物も数多く存在していたと考えられます。
彼岸花は、非常時の食料としても活躍します。本来は毒性があるため食用には適しませんが、毒抜きをすれば食べることができます。食料が手に入らない飢饉や戦時中には、貴重な食料として多くの人々を飢えから救ってきました。
彼岸花の毒抜きの方法は、以下のとおりです。
1. 球根の外側にある黒い皮を剥く
2. おろし器具を使って入念にすりつぶす
3. 流水にさらすことを7回以上繰り返し、数日かけて毒を流しきる
4. 鍋で煮込んでよく乾燥させてから、粉状にする
ただし、誤った方法で毒抜きをするとかぶれの原因になります。推奨はできないため、注意しましょう。
彼岸花を薬として活用する方法もあります。彼岸花には「石蒜(セキサン)」という生薬名があり、鎮痛や催吐作用のある漢方薬としても用いられます。とはいえ、一般的には毒草に分類されるため、自己判断で使用しないほうが賢明です。
彼岸花の色は赤色だけでなく、白や黄色の種類も存在します。また、彼岸花にはさまざまな別名があります。ここからは、彼岸花の種類や別名を紹介します。
彼岸花と聞くと、赤色の花弁を持つ花を連想する方が多いでしょう。しかし、彼岸花には次のような種類があり、それぞれ色も異なります。
ヒガンバナ | 赤色の花弁 |
シロヒガンバナ | 白い花弁 |
ショウキズイセン | 黄色い花弁で花びらが広い |
彼岸花には多くの別名があります。具体的には以下のとおりです。
曼珠沙華(マンジュシャゲ) | 仏教語に由来する名称 |
天蓋花(テンガイバナ) | 仏具として使う天蓋に似ていることからつけられた名称 |
リコリス | 学名「リコリス・ラジアータ」からつけられた名称 |
英語での呼び方も含めると、1,000以上の名称があるといわれています。
<h3>彼岸花の花言葉</h3>
彼岸花の花言葉には、「諦め」「悲しい思い出」などマイナスな印象のものがあります。一方で「情熱」というポジティブな意味の花言葉もあります。
彼岸花に不吉なイメージ持つ理由のひとつとして、古くから墓地の近くに植えられてきたことが挙げられるでしょう。また「食べると死後の世界へ行ってしまう」という迷信が存在するのも原因のひとつになっています。
独特の見た目と毒性を持つ植物だという認識によって、負の印象が刷り込まれているともいえるでしょう。
彼岸花は毒性のある花として知られていますが、彼岸花以外にも毒を持つ花は存在します。毒性のある花は以下のとおりです。
花名 | 毒性 | 注意点 |
スズラン | 非常に強い | 手に触れたら、必ず洗い流す |
スイセン | やや強い | 玉ねぎと似ていて誤食が多いため、注意が必要 |
ドクゼリ | 非常に強い | 皮膚からも毒が浸透する |
ヨウシュヤマゴボウ | 非常に強い | 遅効性の毒があるため、1時間~2時間後に症状が現れる可能性がある |
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彼岸花は、球根部分に毒を持つ危険性の高い花です。独特な見た目で、墓地の近くに植えられていたり有毒だったりすることから、負の印象を持たれることが多い花です。しかし、非常食や漢方薬としても利用され、身近な存在で親しまれてきた面もあります。
ただし、誤食によって重篤な症状をもたらす危険性もあるので、取り扱いには十分な注意が必要です。
彼岸花に関するご質問以外にも、お亡くなり後の手続き・直近の葬儀にお悩みの方は 0120-215-618 へお電話ください。
お彼岸の時期は年に2回で、春分の日、秋分の日の頃だと覚えておくとよいでしょう。ホゥ。