日本と同じく、タイでは仏教がもっとも信仰されていて、人口の96%が仏教徒という世界一の仏教国です。
お葬式も仏式で執り行われることが多いですが、日本で行われるものとは、ところどころで内容が異なっています。たとえば、お葬式を一週間にもわたって行われたり、参列時によしとされる服装が違っていたりと、同じ仏式であっても、日本と同じでは失礼となってしまうことも多くあります。
今回は、タイ仏教の葬儀における、タブーとされる行為や、葬儀の流れなどについて、日本との違いを踏まえながら、ご紹介したいと思います。
<この記事の要点>
・タイの葬儀は数日間にわたって行われ、裕福な家庭ほど長期間行われる傾向がある
・喪服を着る文化はなく、男性は襟付きのシャツ、女性は派手ではない服装で参列する
・火葬は葬儀の最後の日に行われる。遺骨は寺院の壁や仏塔に安置されて、数年後に散骨することが多い
こんな人におすすめ
タイ仏教の葬儀に興味がある方
タイの法事について知りたい方
タイ式の葬儀に参列予定の方
仏教への信仰心や文化の違いから、お葬式に参列する際には必ず注意しなければいけないタブー行為がいくつかあります。その中でも主要なものをいくつかご紹介したいと思います。
お葬式への参列などで寺院を訪れる際、半ズボンやミニスカートといった肌の露出の多い格好をしてはいけません。タイの人にとって、寺院は神聖な場所であり、慎んだ格好をしなければいけません。基本的に、足首から上が隠れていれば問題ないようです。
近年は観光客の増加を受けて、肌を隠すための布を貸し出している場合もあります。
日本の神社や寺においても、門の敷居は踏まないというマナーがあります。これはあくまでも「そうしたほうがいい」という程度であり、守らなかったからといって口頭で注意を受ける程度でしょう。
しかし、これがタイの場合であれば、敷居には善霊が宿るとされているため、絶対に踏まないようにしましょう。
日本でのお葬式へ参列する際には、香典や供花、供物といったものを送りますが、タイの葬式でも同じくこれらを準備します。ここでは、用意する物や参列時の服装をご紹介します。
日本と同じく、タイでも香典を送る習慣はあります。香典は社会的な地位や収入に応じて包み、個人での香典なら500バーツ~1,000バーツ(1,700円~3,500円程度)くらいが相場です。
学生ならもう少し低い金額からでも大丈夫で、上限は特にありません。親しければそれだけ金額も高くなります。
参考までに、タイの平均的な所得は30,000バーツ(約100,000円)なので、日本と同じような相場感と言えるかもしれません。ただし、日本と違って香典返しはありません。
香典と同じく、供花を送る習慣もあります。供花を送る際には、葬儀場の近くにある、花輪屋にて購入することができます。値段は500バーツ~3,000バーツ(1,700円~11,000円程度)くらいで販売されていて、500バーツでも十分に立派なものが用意できます。個人でも連名でも構いません。
日本では葬式の際には喪服を着ますが、タイでは喪服を着る文化はありません。
スーツである必要もなく、男性はポロシャツやワイシャツのような襟付きのシャツであれば構いません。女性の場合は、派手でない服装であれば大丈夫です。色は黒が望ましいとされていますが、白あるいは色付きのものを着る場合には、黒いリボンや腕章をつけるようです。子供の場合は黒い服を着せるのは好まれないため、白い服を着せます。
タイの葬式は仏式で行われますが、奇数日の数日間(1~7日程度)に渡って行われ、知人や同僚の家族の葬式にも参列するようです。裕福なほど、日数が長くなる傾向があるようです。
お葬式は基本的に、火葬場が併設された寺院で行われます。
式場に到着したら、まずは遺族への挨拶が行われます。遺族側は挨拶を受け、香典を受け取ります。次に祭壇に3度合掌して拝み、棺の側で遺族から線香を受け取って棺を拝みます。最後に線香を遺族に返し、着席します。
式ではまず複数の僧侶が数回お経をあげるため、まずはこれを合掌しながら聞きます。お経が終わると僧侶たちに花や品物を献上し、僧侶たちが退席します。僧侶たちが退席したあとは軽食や飲み物が配られるので、それを頂いたのちに引き上げます。
火葬は、数日間行われる葬式の最後の日に行われます。
基本的に葬式と火葬は別の日に行われるため、最後の日は火葬のみを行います。日本の火葬場のように高い火力が出せないため、遺骨を受け取るのは翌日になることもあります。火葬が済むと、灰と遺骨を壺へ納めます。
日本では墓地に埋葬するのが一般的ですが、タイには墓地がありません。
寺院の通路の壁や納骨堂の壁、仏塔などの一部を繰り抜き、そこに遺骨や遺品を安置して蓋をします。蓋をしたあとはモルタルで塗り固めますが、必ずしも永遠に安置するわけではなく、数年後に取り出して散骨することが多いようです。そのため、塗り固めた壁には故人の写真や名前が貼られています。
お葬式と同じく、法事に関しても日本とは異なるルールがあります。
タイの法事でも、日本と同じく読経を行ったあとに会食を行いますが、来ていただく僧侶が複数人であることと、食事の内容で違うところがあります。タイでの会食は、まず僧侶たちへ振る舞われます。食事のあとにはデザートを出し、食事のあとにもう一度、読経してから退席します。そして残された食事を、遺族や会葬者たちで食べるのです。
また、タイの僧侶は厳しい戒律を守っているため、お酒は飲みませんが、遺族や参列者には、お酒が振る舞われます。
仏教への信仰心の深さが違えば、基礎となる文化も異なります。
「微笑みの国」とも呼ばれるタイとは、互いの国への旅行者も増え続け、非常に良い関係が続いています。
今回は葬儀に関係する違いをご紹介しましたが、これをきっかけに、その他の文化についても調べられてみてはいかがでしょうか。
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