仏様や故人を供養するための道具である「仏具」にはさまざまな種類があり、それぞれの名称の読み方も難しいものです。
そこでこの記事では、仏具の種類、読み方、使い方などについて詳しく解説します。また、仏具が持つ意味や仏壇への飾り方についても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
<この記事の要点>
・仏具には、香炉・燭台・花立・茶湯器などがあり、それぞれ配置方法が決まっている
・仏具には、手を合わせる対象となる「礼拝仏具」とその他一般の仏具がある
・茶湯器や仏飯器は直接仏壇の上に置かず、「仏器膳」と呼ばれるお膳にのせてお供えする
こんな人におすすめ
仏具に興味がある人
仏具の読み方を押さえたい人
仏具とは仏さまを供養するための道具です。基本となる仏具は「三具足(みつぐそく)」や「五具足(ごぐそく)」と呼ばれています。仏具の持つ意味を理解した上で、具足についての知識を身につけておきましょう。また、仏壇への仏具の飾り方についても説明します。
仏壇に仏像や仏具などを美しく飾ることを、「荘厳(しょうごん)」といい、その美麗な様子は、浄土や仏様への敬意を表しているとされています。信仰の気持ちを込めて仏具を整えれば、仏様や故人の供養にもなります。
お香をお供えするための「香炉(こうろ)」、灯明のための「燭台(しょくだい)」、供花のための「花立(はなたて)」の3種類の仏具のことを「三具足」といい、仏様の供養に欠かせないものであるとされています。
鎌倉時代になり、禅宗文化の影響によって仏具が左右対称に飾られるようになりました。三具足のうち、燭台と花立を一対ずつにした5つの仏具のことを「五具足」といいます。
仏壇への三具足の飾り方は、中央に香炉、向かって右側に燭台、左側に花立を置くのが基本です。また、五具足の基本の飾り方は、中央に香炉、その左右に燭台、一番外側の左右に花立を置きます。
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仏具には、手を合わせる対象となる「礼拝仏具」とその他一般の仏具があります。ここでは、礼拝仏具の種類について確認してみましょう。あわせて読み方も記載しておきますので、参考にしてください。
本尊はそれぞれの宗派において、信仰の中心となる仏様の像や掛け軸のことです。仏壇の最上段の中央に祀りましょう。例えば、浄土宗や浄土真宗では阿弥陀如来、真言宗では大日如来、曹洞宗では釈迦如来が本尊です。
また、本尊の左右には「脇仏」として、各宗派の開祖の仏像や重要な掛け軸を祀ります。
故人の戒名・俗名・没年月日などが記載された位牌には、故人の魂が宿っているとされています。
ただし浄土真宗においては、亡くなった人はすぐに極楽浄土に往生すると考えられているため、基本的には位牌を用いることはありません。位牌ではなく、故人の法名(ほうみょう)や没年月日などを記載した法名軸を仏壇に掛けて祀ります。
過去帳は、故人の戒名、俗名、没年月日などを記載する帳面です。過去帳は過去帳見台の上にのせて飾ります。
浄土真宗において、位牌の代わりとして飾られるケースが多い仏具です。ただし、他の宗派でも先祖代々の系譜を記したものとして用いられることがあります。
仏壇にお参りをする際に使う、三具足や五具足以外の仏具として、おりん、数珠(じゅず)、茶湯器(ちゃとうき)・仏飯器(ぶっぱんき)・仏器膳(ぶっきぜん)を紹介します。あわせて読み方も記載していますので、参考にしてみてください。
おりんは、音の出る仏具「梵音具(ぼんおんぐ)」のひとつです。本来は、僧侶が読経を始める際と終える際に鳴らして合図とするものですが、現代では、仏壇に手を合わせる際に使用されるようになりました。
おりんを鳴らすことによって、空間が清められ邪気を払うと考えられています。
もともと数珠は、念仏を唱えた回数を数える道具として使われていました。現在では合掌して仏様を拝んだり、法要で故人を供養したりする際に、手に掛けて使うことが一般的です。
宗派ごとに形式が定められた「本式数珠」と、各宗派で共通に使える「略式数珠」があります。
仏様に水やお茶をお供えするための仏具が茶湯器ですが、浄土真宗では水やお茶をお供えすることはありません。仏さまにお供えするご飯を入れるのが仏飯器です。
茶湯器や仏飯器は、直接仏壇の上には置かず、仏器膳(ぶっきぜん)と呼ばれるお膳にのせてお供えしましょう。仏具が滑り落ちる心配がなく、仏壇を傷つけたり濡らしたりすることも防ぐことができます。
仏壇にお参りする際に基本となる仏具を紹介しましたが、その他にもあると役に立つ仏具の代表的なものを紹介します。あわせて読み方も記載しておきますので、参考にしてください。
高杯は、仏さまにお供えするお菓子や果物などを置く仏具です。仏様への敬意を示すために、器の下に付いた脚の高さは、仏様への敬意を示しています。
仏壇が汚れるのを防ぐ役割もあるため、お供え物を直に仏壇の上に置くのは避けたほうがよいでしょう。左と右に一対で置くのが一般的ですが、仏壇のスペースに合わせて、ひとつだけ置くケースも増えています。
常花・吊灯篭・瓔珞などは、「荘厳具」(しょうごんぐ)と呼ばれる、仏壇を美しく飾るための仏具です。常花は金色のハスをかたどった仏具であり、仏壇の中に左右一対で飾るのが一般的ですが、浄土真宗では使われません。
吊灯篭は仏壇の天井から吊るして、本尊と仏壇内を照らすための仏具です。
瓔珞は仏壇の両側に吊るし、仏壇を華やかに装飾するとともに魔除けの意味もあるといわれています。
仏壇ではろうそくの火を灯しますが、お参りが終われば火を消す必要があります。火消はろうそくの火を消すための仏具です。仏教においてろうそくの火を人間の息で拭き消すことは失礼とされています。
手で仰いで消してもよいですが、火にかぶせたり、芯をつまんだり、仰いだりして消す道具が1つあると便利に使えるでしょう。
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仏具にはさまざまな種類がありますが、それぞれの持つ意味を理解すれば、いっそう心を込めて仏壇に手を合わせられるのではないでしょうか。
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