空海は歴史の教科書にも登場する、日本でも有名な僧です。しかし、教科書に載っている理由を詳しく知らない方も少なくありません。
仏教宗派のひとつである真言宗と関わりの深い空海とは、どのような人物なのでしょうか。この記事では、空海の生涯や宗派の特徴をはじめ、真言宗における葬儀のマナーについても解説します。
<この記事の要点>
・空海は774年に香川県で生まれ、18歳で大学に入学したが中退して僧侶の道を選んだ
・真言宗の教えの特徴は「即身成仏」で、生きているうちに仏になれるという考え方がある
・真言宗の葬儀では「灌頂」や「土砂加持」という独自の儀式が行われる
こんな人におすすめ
真言宗を信仰している人
真言宗や空海について知りたい人
空海は、平安時代初期に日本へ真言宗を広めた人物です。真言宗は、護摩祈祷などの現世利益に応える儀式があることから、現在も信仰されています。真言宗を伝えた空海とは、どのような人物なのでしょうか。その生い立ちから、誕生の経緯や功績までを紹介します。
現在の香川県で774年6月15日、郡司の家系に生まれた父と母の間に、三男として生まれました。「真魚(まお)」と命名され、幼少期から聡明だったといわれています。
少年時代は、伯父の阿刀大足(あとのおおたり)から漢語や儒教など多くを学び、15歳の頃には誘いを受けて都へ上りました。その後、学問に精進する道を選び、18歳で大学へ入学します。
空海が入学した大学は、出世を目的とした勉強が基本で、自分が学びたい学問とは違っていたのです。「困っている人を助けるためには仏教が必要だ」と考えた空海は、大学を中退します。
その後、僧の道に進むことを決意し、修行の旅を始めます。四国各県や奈良県の吉野山を巡り、20歳で僧侶となるために受戒し、22歳で空海に名前を改めました。
空海と名を改めた後、続けていた修行の中で『大日経』と言う密教の経典と出会います。経典だけでは密教の教えは分からないと考えた空海は、理解を深めるため唐へ渡る機会を探りました。
そして、空海が31歳の時に遣唐使として唐へ渡り、密教の勉学に励みます。唐では恵果(けいか)という密教の師に出会い、3ヶ月という短い期間で空海を真言密教の師と認め、密教の教えを伝授しました。その後、806年に日本に帰国した空海は、真言密教を布教していきます。
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空海の他にも唐に渡り、仏教を学んでいた最澄と呼ばれる僧がいます。帰国してからは、空海が真言宗を布教したように、最澄は天台宗を開きました。
天台宗では、法華一乗(ほっけいちじょう)という全ての人々が仏になれる教えを説いています。唐では2人の面識はなく、日本で初めて交流しました。しかし、思想の違いや弟子の取り合いから、仲違いしたようです。
日本の仏教には、十三宗五十六派もの教えがあり、真言宗は13種類ある宗派の内のひとつです。空海との関わりも深い真言宗とは、どのような宗派なのでしょうか。真言宗が生まれた経緯や教えの特徴について解説します。
真言宗が生まれた源をさかのぼると、インドの仏教が出発点です。仏教は、アジア圏を中心に広く伝わることで、宗派ごとに戒律が変化しました。真言宗が広く知られるようになったきっかけは、空海が中国に渡り、密教を学んだことが始まりです。
空海は、中国で師匠となる人物に出会い、密教の継承者として選ばれました。その後、帰国した空海が全国各地を歩き回り、広まったと言い伝えられています。そのため、真言宗は密教が由来であることから、真言密教とも呼ばれています。
真言宗における本尊は、大日如来で、「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」が基本の教えです。現世でも生きているうちに仏になれるという教えで、修行を通して心を清く保つことが重要になります。
真言宗の修行である修法は、三密加持(さんみつかじ)や三密瑜伽(さんみつゆが)と呼ばれ、瞑想で精神統一を行います。三密とは身密(しんみつ)、口密(くみつ)、意密(いみつ)を指し、互いに感応し、仏と一帯になる修行です。
空海を拝む際は、御宝号(ごほうごう)と呼ばれる真言宗において重要なお経を唱えます。「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう) 」と言い、空海に帰依することや大日如来を意味します。
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金剛峯寺とは、高野山真言宗の総本山で、空海(弘法大師)によって、和歌山県高野山に建てられました。寺の名前は、『金剛峯楼閣一切瑜伽瑜祇経(こんごうぶろうかく いっさいゆが ゆぎきょう)』というお経から名付けられたと言い伝えられています。
819年から建立が始まり、現在まで1200年以上も歴史が続くことから、世界文化遺産に登録されました。また、高野山そのものが寺院という考え方であるため、山内には金剛峯寺をはじめ100件以上の寺院が建っています。
宗派によって焼香の作法や仏壇の飾り方は異なります。葬儀を執り行う場合や参列する場合には、宗派のマナーを把握しておかなければなりません。 真言宗における教えの特徴や葬儀のマナーについて解説します。
真言宗における葬儀には「密厳浄土(みつごんじょうど)」へ送り出す意味があり、「灌頂(かんじょう)」「土砂加持(どしゃかじ)」という独自の儀式を行います。どちらも現世での悪い考えや習慣などを落とすための儀式です。
灌頂は、故人の頭部に水を注ぎかけることにより、仏の位にのぼるという意味があります。土砂加持は、清めた土砂を棺の中に入れ納棺する儀式です。苦悩を取り除き、罪を滅して成仏するために善を生むとされています。
通夜や葬式で行う焼香は、宗派の特徴が顕著に表れます。真言宗の場合は、焼香を3回行うのが正式な方法です。一連の流れは以下のように行われます。
祭壇の前方まで進み、僧侶から遺族の順に一礼する
焼香台の前方まで進み、遺影へ一礼する
抹香(まっこう)をつまみ、目の高さまで持ち上げ、香炉に置く動作を3回行う
遺影へ合掌し一礼する
僧侶から遺族の順に一礼して席に戻る
会場の時間や参列者の人数に合わせて1回に省略する場合もあるため、式場の案内に従って対応しましょう。
宗派や地域によって変化する仏壇の飾り方を紹介します。真言宗では中央の最上段に本尊である大日如来、右側に弘法大師、左に不動明王を祀る方法が一般的です。
脇掛けには、宗派を広めた中興の祖や、宗派を作った開祖を飾ります。そのため、真言宗に関わりの深い弘法大師、大日如来の化身と言われる不動明王を祀ります。豊山派や智山派の場合は、脇掛けに観世音菩薩や地蔵菩薩などを祀ることもあります。
真言宗の香典に関するマナーは、他の宗派と大きな違いはありません。表書きは、御霊前あるいは御香典と記載し、下に自分の名前を書きます。中袋には、包んだ金額や住所を記載しましょう。
四十九日を過ぎている場合は、表に御仏前あるいは御香典と書きます。包む金額は友人や会社の関係者であれば5,000円前後が目安です。親族であれば1万円~10万円を包みます。
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唐へ渡った空海は密教を学び、真言宗を開きました。真言宗は、多くの人に信仰され約1200年もの長い歴史を築いています。真言宗をはじめ、葬儀に関するマナーは宗派によって異なるため、適した方法を確認しておきましょう。
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