香典を包むかわりに線香を送ろうと考えたとき、どんな送り方が一番適しているのか困ってしまうことはないでしょうか。お線香の選ぶポイントやいつ渡したらよいか、そもそも香典のかわりとして線香を送るのは失礼にあたらないかなど疑問はいくつもあります。
香典の代わりにすることから、金額の相場も気になるポイントと言えるでしょう。包む金額と同程度の値段のものを買えばよいのか、どんな香りを選ぶのが適切かもまとめています。
<この記事の要点>
・葬儀に参列できなかった場合など、香典の代わりにお線香を送るのは一般的
・御進物用のお線香を選ぶのがポイント
・葬儀に参列しなかった場合、のし紙は内のしの方がよい
こんな人におすすめ
香典の代わりにお線香を送るのはどんな時か知りたい方
お線香の選ぶポイントと送り方を知りたい方
線香代は香典の代わりになるのかを知りたい方
香典のかわりにお線香を送るときはどんなときか確認してみましょう。香典を包むことになったとき、場合によってはお線香を渡した方がよいときもあります。
どういった状況のときに香典がよいのか、またはお線香がよいのかをあらかじめ知っておくことでより柔軟に対応することができるでしょう。適した状況としては以下のようなケースが例にあがります。
案内状などをいただいていて、葬儀があることは知っていたけども事情があって参列することができなかった、というのが一つ目です。葬儀や通夜に参列することができなかったときにお線香を送るのは代表的な例と言えます。
本来であれば通夜や葬儀に参列した上で香典を渡すのが一般的であるため、お線香を渡すのは相手の事情もしくは自分の都合が合わないときとなります。
相手が香典を不要だと感じているときは別ですが、そうでなければ葬儀が終わって落ち着いた時期にお線香を送ることは、相手方のご遺族にとっても心休まる機会となるでしょう。
続いて喪中はがきによって故人が亡くなっていたこと、葬儀が終わっていたことを知るケースがあります。訃報を知るのが葬儀よりも遅かった場合、香典を包む機会もなくなってしまいます。こういったときにもお線香は適しています。
最近では家族葬が増えてきました。葬儀にかかるお金や周囲の人との人間関係など様々な要因が関係しています。直近では新型コロナの影響によって長距離の移動が危ぶまれている面も無視できません。
特に故人、遺族ともに高齢者の場合は、喪主も参列者も高齢者が集まる傾向にあります。葬儀の案内状が来たら行かなくてはならないと考えて、気が重たくなる人もいるでしょう。相手に余計な気を遣わせたくないからと、家族葬にしたいという方もいます。
お線香を送る機会として、法要時のお供物があります。葬儀でも同じことが言えますが、法要のときにもお供物を持っていくのがマナーとされています。最近はご供物料として現金を持っていくことも多いのですが、お線香を送るのも問題ありません。
お供物として送る際、気をつけたい点がいくつかあります。持ち運びできる大きさであるか、日持ちするものであるか、個包装かどうかです。お線香はお供物として古くから採用されているため安心できます。
ここで一度、お線香を送る理由について考えてみましょう。送る理由が分かれば、自ずと適したシチュエーションにも目が向きやすくなります。お線香を送る理由の多くはご遺族のことを考えてのものと言えます。
まず一つ目に香典をいただくことを辞退するご遺族が増えていることです。日本に伝わる立派な風習ですが、同時に労力や経済的な負担にもなってしまいます。香典返しなども存在することから、そもそも辞退したいと考える人が増えています。
次に、お線香を送るそもそもの由来も関係していると言えるでしょう。元々お線香は仏様の食事と考えられています。お供物の香りが仏様の食事であり、これは香食(こうじき)とも呼ばれています。
お線香を送ることは由緒正しい行動で、より仏教の核となる考えに近いものです。仏教の考え方に則しているため、他の宗教を信仰している方には送ってはいけません。
お線香を送ると決めたら、次に気になるのはお線香を選ぶときのポイントと送り方です。香典を包もうと思っていたけれどご遺族側の希望で渡せなくなってしまった、というケースにお線香は適しています。
しかし、せっかく送ったとしても場にそぐわないものを送ってしまったのでは、相手も自分もわだかまりが残ったままになってしまうでしょう。送り方をしっかり確認しておくことをおすすめします。
お線香を選ぶポイントはいくつかありますが、より理解を深めるためにまずはお線香を送る風習を一度おさらいしていきましょう。香典のかわりにお線香を送ることに問題はなく「喪中はがきで亡くなったことを知った」ときのように状況によってはよりしっくりくることもあります。
故人を偲び、お線香を供える習慣は仏教から来ています。仏様へのお供物は大切で、よい香りは仏様の食事になるとされています。このことから、香りというのは仏様にお供物をするときに重要なファクターになってきます。
香り以外にも花、灯明、水、飲食がお供物として適しています。香りも含めてこれら5種を御供といい、仏教ではお供物の基本を構成する大切なものです。
御進物用のお線香はお供えされることを想定しているものですから、ここから選ぶのがよいでしょう。杉線香と匂い線香の2種類があります。御進物用のお線香には伽羅や白檀、沈香などが代表的なものとして知られています。
選ぶときのポイントとして相手の住居環境を考えることも忘れずに行いましょう。昔と違い、今はアパートやマンションのような集合住宅に住んでいる人も多くいます。
お線香の香りは仏様の食事となり、またあの世への道案内の役割も果たしていると言います。こういった考えから四十九日はお線香を絶やしてはいけないと言われますが、現在の集合住宅では煙の多い種類のお線香を炊き続けるのは難しいのも事実です。
近隣住民とのトラブルを避けるため、煙の少ないものを選ぶ人が増えています。葬儀や四十九日、喪中期間など慣れない人にとっては思わぬトラブルやストレスになってしまうこともあります。
相手のことを思って包む香典やお線香だからこそ、相手の住居環境など細やかな部分にまで配慮して送りたいものです。御進物用のお線香の中にも希有のように煙の少ないものもあります。
故人が生前に好きだった香りを知っている場合、その好みに合わせてお線香を送るのも選び方のポイントの一つです。お線香は身を清め、仏様との繋がりを持てるものだとも言われています。
相手のことを思って何か贈り物ができるのは、お線香に限らず素敵なことです。お線香を送る際も、繋がりを感じつつ故人を気遣った振る舞いをしたいものです。
お線香に使われる香木にもいくつか種類が存在します。先ほども名前を出しましたが沈香、伽羅、白檀について詳しい情報を確認しておきましょう。
沈香は軽い原木からできていますが樹脂がついている部分は重く、熟成することで良質の香材になります。加熱することでその香りはより深みを増します。
伽羅は沈香の中の更に最上級のものを指します。希少価値が高く、沈香と同じく鎮静効果のある香りを発します。
白檀は彫刻にも用いられることのある香材です。充分乾燥させた上で刻んで使用します。さわやかな中にもあまい香りをしています。
次に気にするべきポイントは値段です。お線香の中でも、御進物用に使われるものの大体の相場を知ることで、場にそぐわないものを渡すこともなくなるでしょう。
一口にお線香と言ってもその価格帯は広く、贈答用のものであっても価格はまちまちです。安いものでは2千円ほどで購入することができます。安いものはご近所付き合いがある人に対して、もしくはちょっとした知り合いのときには最も送りやすいです。
高い価格のものだと1万円を超えるものもあります。お世話になった目上の人や故人と血縁関係がある場合のように、1万円以上のものを送る方が適しているときにおすすめです。
よい香りは香りを食事とする仏様も喜ぶとされるため、金額に見合ったお線香を送るのはよい方法と言えるでしょう。
続いてのし紙についてです。葬儀の場合、結び切りと呼ばれる結び方の水引を選びましょう。結び切りの結び方は解けないのが特徴で、結婚や弔事のときによく使われます。生涯を共にすることを誓い、一生忘れない出来事の記念と言えるでしょう。
のし紙には内のしと外のしという2つのかけ方があります。内のしは、言葉の通りに直接箱にのしをかけるため、包装紙の中にのしをかけます。葬儀に参列しなかった場合は内のしの方が適しているとされています。
一方外のしは、箱の外、つまり包装紙の外側に更にのし紙をかけます。こちらの外のしは内のしと逆に、葬儀に参列した場合に使われるものです。直接手渡しをするときは外のしにしましょう。
これまでに相手の好みや値段の相場などをまとめてきました。お線香に関するポイントはやはり多く、のし紙も含めて少し難しいイメージがあるかもしれません。最後に送るときののし紙の表書きについて確認しましょう。
表書きは送られる時期によって文言が変わります。通夜や葬儀以外にも法事やお盆など、のし紙の表書きが必要とされる場面は他にもあります。
葬儀の場合の表書きは通夜と共通しています。表書きには「御供」や「御供物」「御霊前」などが書かれます。御供や御供物という表書きは法事のときと共通していますが御霊前という単語は通夜もしくは葬儀のときにしか使わない点に注意です。
通夜、葬儀のときに用いられる水引の色は白黒です。これは全国的にほぼ統一されているものと言ってよいでしょう。法事やお盆のときは地域性が水引の色に出ることもありますが、葬儀のときは一致しています。
香典の代わりにお線香を送るときの送り方や注意点が分かったところで、最後にお線香代についても知っておきましょう。香典の代わりにお線香、更にその代わりにお線香代ということで、香典と同じくお金のやり取りになってきます。
代わりとして相応しいものか、お線香代に使う袋や表書きについてこの見出しではまとめてあります。
お線香代はその名の通り本来であればお線香を渡すところ、その代わりとしてお金を送ることです。葬儀のときだけでなく、法事やお墓参りのときにも使われるものです。地域によってはお線香代の風習がないところもあります。
お線香を直接渡すわけではないため、ご遺族側がお線香以外の用途に使うことができるのも特徴です。お線香を直接送られた場合は使い切るしかありませんが、お金を包まれた場合はお菓子など他の御供物として使うこともできます。
お線香代は香典を辞退したご遺族に対して送られることもあります。ご遺族が香典を辞退していても、相手を気遣って渡したいときにお線香代として使われます。
使う袋は不祝儀袋(ぶしゅうぎぶくろ)がよいとされています。不祝儀袋は香典袋と同じもののため、どちらかの名前であれば問題はありません。
中身となるお札は向きを揃え、包みを開けたら表面が見えるように入れるのがマナーとされています。新しいお札は避けるほか、きれいなお札を入れることになった場合は折り目を入れておきましょう。
不祝儀袋は故人の宗教、宗派によってどれを選ぶべきかが変わってきます。キリスト教徒の人であれば蓮の花が印刷されている仏教の不祝儀袋を使って送るのは避けたいものです。
キリスト教など仏教以外の宗教を信仰している人のために、専用の不祝儀袋が用意されている場合もあります。宗教によって袋自体が変わるため注意しましょう。
最後は表書きについてです。不祝儀袋の表書きは上段中央に書くようにしましょう。表書きの下に、水引を挟むように自分の氏名を書きます。更に漢数字で中袋の中央に金額を記入しましょう。裏側にはまた自分の氏名を忘れずに記入しておきます。
中袋がない場合もありますが、なかったとしても失礼にはあたりません。この場合は氏名や金額、住所をのし袋の裏に記入しておきましょう。中袋がない場合でも、必要な事項はどこかに書いておく必要があります。
連絡として住所を書きますが、問題ないようであれば電話番号を添えてもよいでしょう。住所だけでは受け取る側も連絡をつけられないため、もしも連絡先を交換していないときは状況に応じて書いておくことをおすすめします。
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香典の代わりにお線香を送る場合の選び方や送り方、また注意点についてご紹介しました。送るときには気をつけるべきポイントが複数あるため、慣れていない人には大変に感じるかもしれません。故人の情報をそこまで深く知らないということもあるでしょう。香典を直接渡すことができればよいですが、渡せないときはお線香やお線香代を送るのは礼儀正しいマナーの一つと言えます。葬儀に関しての質問は小さなお葬式へご相談ください。
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