街を歩いていると、たまに見かける霊柩車(れいきゅうしゃ)。
霊柩車について私たちが知っていることは意外に少ないもので、死者を運ぶ車であるということしか知らない人も多いでしょう。そんな知られざる霊柩車についてご紹介したいと思います。
<この記事の要点>
・霊柩車は故人を運ぶための車で、一種免許を所持する方だけが運転できます
・霊柩車には「宮型霊柩車」「洋型霊柩車」「バス型霊柩車」の3種類があります
・寝台車は病院や自宅で亡くなった方を葬儀場や火葬場へ運ぶための車両で、霊柩車とは異なります
こんな人におすすめ
霊柩車の目的を知りたい方
霊柩車の種類を知りたい方
寝台車について知りたい方
霊柩車は、死者を運ぶための車です。もともと霊柩車は、人力で棺を運んでいた時代に棺を装飾していた輿(こし)を、自動車として再現したものだと言われています。霊柩車が出始めた頃は、自宅で通夜や葬儀を行うことが多く、自宅から出棺して火葬場に向かう際に霊柩車を利用していました。
しかし、現代では葬儀を自宅で行う事が少なくなり、セレモニーホールや斎場で行なわれることが増えました。そういった施設に火葬場が隣接していることもあり、霊柩車を使用せずとも火葬施設に運ぶことができるため、霊柩車を見掛けることが少なくなっています。
道路運送法では、ご遺体は「貨物」に分類されます。そのため、国土交通大臣と地域運輸局長から、一般貨物自動車運送事業(霊柩限定)としての許可を受けた事業者が選任した、一種免許を所持する運転者しか、霊柩車を運転することができません。一種免許は通常の自動車免許のことで、許可を受ければ運転が可能ということです。二種免許の保有を義務付けている会社もありますが、霊柩車の運転自体に二種免許は必要ありません。ただし、バス型霊柩車のように、遺族を乗せるのであれば、旅客運送となるため二種免許が必要になります。
また、市、区、郡といった自治体に対し、霊柩車の保有台数の上限が決められています。そのため、新しく霊柩車を所持したい会社があったとしても、空き枠がなければ難しいのです。 霊柩車の中には、軽自動車枠に収まる仕様のものもごく少数存在し、その場合は保有制限に含まれません。
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霊柩車は輿を再現したものであり、宮型霊柩車(みやがたれいきゅうしゃ)と呼ばれています。古くはこの宮型霊柩車が広く利用されていましたが、最近では葬儀の規模や金額などによって、いくつかの種類の中から選べるようになっています。
●宮型霊柩車
屋根や彫り物などの装飾がなされた霊柩車で、棺を運ぶ輿を再現したものです。日本独自の形であり、最もメジャーな霊柩車でもあります。しかし、最近では目立ちすぎるという声が増え、乗り入れを拒否する施設もあり、また葬礼に関する考え方も変わったことから、その数や利用は減少傾向にあります。
●洋型霊柩車
欧米などで広く使われている霊柩車で、宮型霊柩車のような和的装飾は一切ありません。国産高級車や大型の外車を改造して作られるもので、後部の棺を納める部分に簡易の装飾が施されています。 昔は故人に対して失礼だというイメージから、あまり使われることはありませんでしたが、昭和天皇が使用したことから一般的に広まりました。
●バス型霊柩車
マイクロバスなどを改造した霊柩車で、搭乗人数が多いのが特徴です。そのため、火葬場の駐車場のスペースが限られていても、大人数で移動できます。一般の葬儀でも使用されますが、密葬や家族葬など、小規模な葬儀の場合で見られることも多いです。
最近霊柩車を見かけることが少なくなったのは、見た目に分かりやすい宮型霊柩車があまり使われておらず、洋型・バス型霊柩車や寝台車を利用されることが多くなり、気がつかないといったことがあるようです。
また、寝台車を利用すると葬儀費用を抑えられるため、お葬式にはお金をかけない方が増えてきている現代のニーズに合っているといえます。
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霊柩車には大きく3つの種類と寝台車があり、それぞれに見た目や乗車人数などに特徴があります。自身の葬儀での霊柩車のタイプや希望の葬儀の形式などと合わせて生前に検討しておきましょう。
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