遺体の安置方法・期間・料金などの安置の基本事項を解説

遺体の安置方法・期間・料金などの安置の基本事項を解説

「遺体の安置の手順が分からない」「自宅でも安置できるのか知りたい」「安置場所をどうするか悩んでいる」とお考えではないでしょうか。

遺体の安置は、大切な方の臨終後、すぐに決めなければばらない点が多くあります。そのため慌てて決めてしまい、きちんと検討できていなかったというケースが起こりやすいです。

この記事では、遺体の安置に関して、手順から費用まで丁寧に解説しています。事前にしっかりと確認をして、万が一の際に慌てないようにしましょう。

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遺体安置とは

安置とは、亡くなってから葬儀が行われるまで間、自宅や葬儀社などで遺体を保管することを指します。安置は、通夜の場所を決めたり、葬儀の日程を調整したりといった工程の前段階で実行する必要があります。

安置が必要な理由は、亡くなった方を火葬するまで一定の時間を要するからです。故人や遺族の希望であっても、日本の法律では死亡直後の火葬はできません。24時間を最低条件としているため、死亡後1日間の安置が必要になっています。

遺体安置の手順

「遺体を安置する手順が分からない」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。以下で、病院で亡くなった場合の遺体搬送と安置方法を解説します。

事前に遺体安置の手順を理解しておけば、万が一のときが来ても慌てることなく落ち着いて行動できるものです。どなたにも役立つ内容を盛り込んでいますので、ぜひ最後までご確認ください。

1.葬儀社へ遺体搬送車を依頼する

ご遺体を搬送する際は、葬儀社へ連絡して遺体搬送車を手配してもらうのが一般的です。個人の車でご遺体を搬送することは可能ですが、死体の取り扱いには法律のルールに従わなければならないからです。

遺体を目的の場所以外に搬送したり、車内に長時間置いておいたりすると刑法190条の「死体遺棄罪」が疑われます。自家用車で搬送するときは、不用意に寄り道しないで遺体安置場所や火葬場に搬送するように気を付けましょう。

葬儀社へ遺体搬送車の手配を依頼する際は、その葬儀社に葬儀も依頼するか決めてから連絡をしたほうがいいでしょう。

遺体搬送の依頼をすると、流れでそのまま葬儀まで任せることが多いです。もしも搬送をお願いした葬儀社に葬儀を依頼するかを迷っている状態であれば、「遺体の搬送だけをお願いします」と最初にはっきりと伝えることが大切です。

2.遺体安置場所の決定

ご遺体を搬送するためには、安置場所を決めておく必要があります。以前は葬儀が自宅で行われることが多かったため、自宅に搬送するのが一般的でした。

しかし近年では、斎場で葬儀が行われるケースが増えたことや、住宅事情の変化などによって搬送先の候補は増えています。遺族の希望、周辺の環境などを考慮して判断しましょう。

葬儀場を安置場所にしたいと考えている場合は、葬儀社を選んでおく必要があります。病院の霊安室を使える時間はあまり多くありません。ご遺体を搬送する際は、希望する搬送先を明らかにして、正確な住所を伝えることを心がけましょう。

3.病院から死亡診断書を受け取る

人が亡くなると、手続きのために死亡診断書が必要です。死亡診断書は担当医か検死を行った医師が作成します。

死亡診断書は、役所に死亡届を提出する際に必要になる書類です。死亡診断書は最低でも2通必要です。まず、死亡届を提出する際に添付しなければならないので、この段階で1通を利用することになります。また、年金の停止や保険の請求時にも死亡診断書が求められるため、必要な枚数をそろえましょう。何枚必要となるかすぐには判断できない場合は常識の範囲内で多めに出してもらうこともできます。

死亡届は亡くなった日から数えて7日以内に提出しなければなりません。死亡届を出さなければ、火葬許可証も発行されないので、手際よく手続きを進めるようにしましょう。受け取った死亡届は大切に保管しておきましましょう。

自宅で亡くなった場合は、かかりつけ医に連絡を取って死亡診断書の作成を依頼します。亡くなってから24時間以内の場合には、原則として死亡診断書が発行されますが、それ以上が経過すると死後診察が行われます。

かかりつけ医がいない場合、病院か救急に電話し、事件性の有無について調査を受けましょう。この場合には死体検案書が作成されます。

遺体を搬送する際には死亡診断書を持った方が同乗しておくと安心です。搬送時に死亡証明書を持っていなければならないと法律で定められているわけではありませんが、思わぬトラブルを防ぐために持つようにしましょう。

4.近親者へ遺体安置場所の報告

近親者へ連絡を取って、ご遺体を安置している場所を伝えましょう。特に遠方にいる近親者は移動の時間と泊りがけになる場合もあるので、早めに連絡をすることが大切です。

大切な方を亡くしたときは、悲しみで落ち着いた行動を取りにくくなります。伝えるべき近親者は漏れがないように確認をしましょう。事前にリストを作っておくのもおすすめです。

安置場所を伝えるときは、住所を正確に伝達することが大切です。訃報を受取った方もショックでメモを取り忘れる、などということも考えられます。まずは電話で伝えたのちメールで改めて住所を送ると、文字として残るため、あとからでも確認できます。

5.菩提寺へ遺体安置場所の報告

檀家(だんか)であれば、菩提寺(ぼだいじ)への連絡も忘れないようにしましょう。菩提寺とは、位牌を納めてあるお寺のことで、先祖代々で葬儀をあげる際にお世話になっていることが多いです。菩提寺と関わりのある人のことを檀家と呼びます。

遺体安置場所では枕経をあげるため、菩提寺の僧侶にお声がけします。近年では枕経を省略するケースも増えていますが、伝統を重視して省略を望まない方もいます。いずれにしても話し合いをして菩提寺に連絡をすることが重要です。

菩提寺に報告をするときは、「安置場所の住所」「枕経をお願いするかどうか」「希望の時間」などを伝えておくと、打ち合わせもスムーズに行えます。

看取りからご遺体の搬送までの時間は、思いのほか短いものです。大切な人を亡くしたショックや混乱から手違いなども起こりやすくなります。「落ち着いて正確な情報を伝える」ことを心に留めておくとよいでしょう。

遺体安置の場所は?

病院で亡くなった場合、遺体は霊安室に安置されます。霊安室が安置場所であると勘違いしやすいですが、霊安室は一時的な安置場所です。本来の安置場所に搬送するまでの間、仮に保管しておく場所なので注意しましょう。

家族は病院から遺体を引き取り、安置場所に搬送しなければなりません。故人に家族がいない場合、行旅病人及行旅死亡人取扱法にもとづいて死亡地の区市町村が引き取ります。

安置場所の候補には、自宅や葬儀社などがあげられます。それぞれの場所の特徴や、決め方について解説するので、参考にしてください。

1.場所の決め方

安置の場所が決まっていない方は、かかる費用も考慮して自分に合った選択肢を見極めることが大切です。安置場所を決める際には、遺族の意見も含め、葬儀会社に相談しながら希望のかたちを反映します。

葬儀にかける予算やスペースなどを考慮して安置場所を決めます。自宅を検討する際は、湯灌を行うスペースがあるかどうかの考慮も必要です。

信仰している宗教がある方は、不適切な場所がないか確認しましょう。宗教や宗派によっては、安置できる場所が決まっているケースがあるからです。場所を決定した後は、搬送や安置が可能な業者に依頼して手続きを進めていきます。

2.自宅安置

自宅で安置することが可能です。自宅で安置する場合は、布団を敷き、その上にご遺体を寝かせ、ドライアイスなどで冷やします。これは、腐敗を防いでご遺体の状態を維持するためです。

安置後には、遺体を棺に納める納棺を行います。住居が2階以上の場合はエレベーターに、棺が入るかをあらかじめ確認しておきましょう。

自宅は故人や遺族にとって慣れ親しんだ場所です。自宅内に安置するスペースがあれば、落ち着いて最後のお別れをするために、自宅に安置することも検討しましょう。

3.斎場・葬儀社での安置

斎場や葬儀社にも、ご遺体を安置する施設があります。病院からご遺体を搬送する時点で、利用する斎場や葬儀社が決まっている場合に利用可能です。斎場や葬儀社の安置室であれば、通夜や葬儀の際にご遺体をほとんど移動させる必要がないため、負担を軽減できます。

しかし、施設によっては付き添いができない場合もあります。安置室で安置をした後は、通夜・葬儀の当日まで対面できない場合もあります。また、希望者全員が付き添いをできない場合もあり、費用もかかりますので、事前に確認が必要です。

4.民間の遺体保管所

民間の遺体保管所は、火葬前の一時的な預かりであるため、通常は1~2日程度の利用となります。24時間営業の場合が多く、遺族がいつでも面会できます。しかし、自宅や斎場・葬儀社の安置室のように、亡くなった方に付き添うことはできません。

また、冷蔵設備が整っているかどうかは保管所によって異なり、ない場合は自宅の場合と同じくドライアイスで遺体の腐敗を防ぎます。スタッフが管理を行いますが、環境的には自宅とあまり変わらず、長期間の保存には適していません。

自宅や斎場にスペースが無い場合に、候補として検討してみましょう。

葬儀までに必要な遺体のケア

葬儀までに行わなければならない遺体のケアを、順に解説します。

葬儀までの安置をしている間、衛生的によい状態を保つためにケアが必要です。ケアの中には宗教的な意味合いが含まれているものもあります。

間違ってしまうと、遺体が損傷したり、宗教的に不適切な行動となったりしてしまいます。あらかじめ確認しておき、適切に遺体を取り扱い、葬儀を待ちましょう。

1.末期(まつご)の水

人が亡くなった場合、医師が死亡診断を行って家族に告げます。死亡が告げられると家族や近親者が故人の枕元に集まり、「末期の水」という儀式を行うのが一般的です。

末期の水とは仏教に由来する儀式で、故人の復活を願うとともに死後の世界で喉が渇くことがないように祈ります。他にも、喉を潤して安らかに旅立ってほしいとの想いや、生き返ってほしいという願いが込められています。

また、この水が喉を通ると生きているとされたり、この水が通る喉仏の音がしなくなると息が切れていると考えたりしたとも言われ、医学が発達する前は、死亡判定のために行われていたのかもしれません。

一般的に末期の水は箸先に脱脂綿を巻き、水に浸けて故人の口元から額・鼻・顎と順に当てて行きます。

所作としては、唇の左から右へなぞるようにし、上唇から下唇の順で当てていきます。この時、湿らせた脱脂綿や筆の先を唇に軽く当て、表面を濡らす程度にとどめるのが作法です。全ての人が終わったら、最後に故人の顔をきれいに拭いてあげましょう。

末期の水の順番は、故人との血縁の濃い順に行う風習があります。一般的には以下の順番で行います。

・配偶者
・故人の子供
・故人の両親
・兄弟姉妹
・故人の子供の配偶者
・孫

2.清拭(せいしき)・湯灌(ゆかん)

清拭とはエタノールに浸したガーゼを使って遺体の露出部分を拭くことです。遺体を衛生的に保つ目的があります。以前は、清拭を遺族が行っていました。しかし、病院で最期を迎えることが多くなった今では、看護師によって、清拭を行うのが一般的です。

清拭とは別に湯灌(ゆかん)が行われることもあります。湯灌とは遺体をきれいに洗うことです。遺体の状態を整え、葬儀に向けて故人の尊厳を保つためのものでもあります。「悩みを洗い流して成仏を願う」という宗教的な意味が含まれているのも特徴です。

湯灌は湯灌師によって施されます。葬儀社に依頼したり、プランに含まれていたりする場合がほとんどなので、そのまま葬儀社が手配してくれます。時間はだいたい1時間~1時間半程度です。専門の業者に湯灌を依頼する場合、費用は10万円前後となります。

場所は設備が整っている葬祭場や自宅で行います。移動式の湯船などがあるので、自宅にある程度のスペースがあれば自宅で安置後に湯灌を受けることが可能です。

清拭や湯灌は硬直が出始める死後2時間以内に終わらせるのがベストです。死後硬直が始まると遺体の体勢を変えにくくなり、進行に支障が出る場合があります。

3.エンバーミング(ご遺体衛生保全処置)

エンバーミングは、遺体を葬儀まで安置するために行われます。衛生的に安置するために重要で、遺体の状態を良好に保つために最適な方法です。

エンバーミングでは血液を抜いて防腐剤を注入したり、腐敗しやすいものを取り除いたりします。これによって腐敗の進行を遅らせ、葬儀まで遺体をきれいな状態を保てます。

エンバーミングの特徴は、安らかな顔をしている故人とお別れができることです。湯灌で遺体を綺麗にするという目的とは少々異なります。

エンバーミングの処置件数は年々増加しており、1995年から2016年の20年程で約4.5倍になっています。

1995年 2016年
日本での処置件数 8,415件 37,593件

出所:一般社団法人 日本遺体衛生保全協会HP(2016年調査)

エンバーミングを実施する場合、基本料金は日本遺体衛生保全協会(IFSA)によって定められており、かかる費用はおおよそ15万円~25万円程です。

ご遺体の状態にもよりますが、どの葬儀社でも同程度の費用がかかります。エンバーミングをするかどうか、遺族や葬儀社と相談して決めていきましょう。

遺体安置の手段と方法は?

遺体を安置する方法は宗教によって異なるので注意が必要です。

大切な人の臨終に慌ててしまうと、宗教ごとの注意点にまで気を回せない場合があります。事前に宗教ごとの安置ルールやマナーを落ち着いて確認し、万が一の際に慌てないようにしましょう。また故人の宗教についてはできるだけ生前に確認するようにしましょう。

仏教・キリスト教・神道の安置方法について、それぞれ紹介します。

1.仏式による遺体安置の方法

仏式で遺体を安置する場合は、敷布団を用意して頭を北方向か西方向に向けます。遺体に手に数珠を持たせ、合掌させておきましょう。

自宅に安置する場合、仏壇のある部屋に安置するのが基本です。腐敗防止のためにドライアイスを使用しますが、冷房もかけておきましょう。

掛け布団は上下逆さに設置します。枕元には白い布を掛けた机を用意し、燭台や水などを供えます。供え物の内容は教派によって異なる可能性があるため、事前に確認しておくことが大切です。

胸元で両手を合唱させ、数珠を持たせましょう。

2.キリスト式による遺体安置の方法

キリスト教式の場合、遺体の安置方法に関して聖書に書かれていないため複雑なルールはありません。しかし宗派によって異なる部分があるので、事前に確認しましょう。一般的には頭を北に向けて安置します。

カトリックの場合は司祭を呼び、祈りのあとに家族が聖体拝領を行います。続いて納棺式を行って遺体を安置するという流れです。

プロテスタント諸教派の場合は所属教会の牧師が立ち会って納棺式を行い、祈りを捧げます。納棺後は棺を白布で覆って生花を飾りましょう。白いユリを使用するのが一般的です。最後に棺を閉めて黒い布で覆い、安置します。

教派によっては遺体安置時に聖餐式を執行したり、讃美歌の合唱や聖書朗読を行ったりする場合もあります。枕飾りには故人が生前使っていた聖書や十字架などを用いるのが一般的です。

3.神式による遺体安置の方法

神式で遺体を安置するときは、頭を西もしくは東に向けます。神式の遺体の向きは他の宗教と異なるので注意してください。

遺体の顔に白布を掛け、合掌させます。枕飾りには、ろうそくや榊などを用います。お神酒や塩などを備えることもあるため、仏式の場合とは多少異なる部分もあります。数珠や香炉・枕団子などは仏式特有のもので、神式には用いません。

遺体安置の期間は?

火葬までに要する期間は、24時間が最短です。法律によって死後24時間以内の火葬は認められていません。一方で、火葬までの明確な期限は設けられていません。多くの場合、2日~3日間の安置を行う傾向にあります。

遺族のスケジュールや火葬場の営業時間によっては、3日以上の期間を必要とするケースもあります。依頼先の規定で実行が遅れる可能性も考慮しましょう。事前に決めた日程通りに進められることがほとんどであるため、双方の食い違いがないよう打ち合わせを重ねることが重要です。

自宅で安置する方法

自宅で遺体の安置を行うと、故人にゆっくりお別れを告げられます。そのため安置場所として自宅を選ぶ方もいます。しかし、自宅での安置は、安置所と異なり、必要なものを自分で準備する必要があります。

準備が不十分だと、遺体が腐敗してしまうなど問題が起こる可能性があります。事前に自宅で安置する方法を確認しましょう。

1.安置する場所

自宅の中に、遺体を寝かせておくスペースを確保する必要があります。仏壇がある部屋がある場合は、その部屋を利用しましょう。仏壇がない場合は、故人が生前に使用していた部屋かリビングの一角などを利用します。

和室で寝かせるという風習がありましたが、最近の家では和室が無いことも多いです。布団にこだわらず、ベッドで寝かせてあげても問題ありません。

2.寝具は白で統一

白は汚れのない色と考えられているため、故人の寝具は白いものを使用しましょう。もし白い寝具がない場合は、薄い色のもので代用しても問題ありません。

どちらにせよ、清潔なものを使用することが大切です。故人が生前使用していたものをそのまま使う場合もありますが、できるだけ洗ってから使用するようにしましょう。

また、冬に亡くなった場合でも厚手の布団をかけるのは控えましょう。布団内の温度が上がってしまうと腐敗が進んでしまうことも考えられます。できるだけ薄い布団をかけてあげましょう。

3.枕の位置

日本には「北枕」という、故人を安置するときに頭が北向きになるようにする風習があります。所説ありますが、これはお釈迦さまが亡くなる際に頭を北に向ける姿勢だった、という説話に由来するものです。

北枕は死者が行う風習であることから縁起が悪いとされる場合もありますが、本来ネガティブな意味合いはありません。また、北枕は仏教だけでなく神道においてもみられる風習です。

ご遺体の向きに決まりがない宗教もあります。しかし、北枕は日本人に深く根ざしている風習といえます。ご遺体は「北枕」つまり頭を北に向けるのが基本と覚えておきましょう。

住宅事情などにより、北枕が困難な場合は、枕を西に向けます。掛け布団は天地を逆さにしてかけまるのが一般的です。遺体を温めてしまうと、腐敗が進んでしまいます。できるだけ薄い布団を用意しましょう。

4.手は胸元で合掌

仏式の場合、遺体に手に数珠を持たせ、胸元で合掌させておきましょう。顔には白い布を被せます。弔問客が面会に来た際は、布を外しましょう。数珠には煩悩を消すという意味合いがあります。

5.布団の上に守り刀

守り刀とは故人の遺体にかけた布団の上に置く小さな刀のことを指します。日本の古くからの風習で、日本刀や短刀が使われている時代もありました。

現代では、葬儀専用の模造品を使用しますが、ない場合はナイフやはさみなどの刃物でも問題ありません。魔除けと故人が無事に死後の世界にたどり着けるようにという意味合いを持つ物です。

守り刀を置く際は、刃先が故人の方に向かないように気を付けましょう。刃先を足元に向けて、胸元部分に置くのが基本です。

納棺後は棺桶の上に置きます。火葬の際に、守り刀を一緒に焼くことはできません。焼きたい場合は、木製の守り刀を使用しましょう。守り刀に紐がついている場合もありますが、結び方が厳密に問われることはありません。

守り刀を置くタイミングは、枕飾りを置くときです。現代では、守り刀を用意しないことも多くなってきました。用意したいと考える場合は、葬儀社に相談するか、自分で購入しましょう。葬儀プランの中に含まれている場合もあります。

6.枕元に枕飾り

枕飾りは、故人が眠るひつぎの枕元に置く祭壇です。「仮祭壇」ともいわれる通り、お通夜や葬儀の際に設置する祭壇とは異なります。小さい規模で飾られるケースが多く、大きい物でも一畳程度に収まる枕飾りがほとんどです。

枕飾りを設置する主な目的は、「簡易的な祭壇」と「故人の供養」です。お通夜や葬儀に参列できない場合、自宅などの安置場所に足を運んで礼拝を行います。このとき、枕飾りを本祭壇に見立てて活用する方法です。

加えて、「故人の食欲・物欲が浄化される」といった考え方もあります。枕飾りに供えた食べ物によって、欲から解放されるためです。遺族だけでなく、故人にとって重要な役割を担う点も理解しておきましょう。

祭壇には以下の物を用意しましょう。

・白木台または白色の布を掛けた台
・一膳飯
・枕団子
・水
・香炉
・線香
・燭台
・花瓶
・植物(しきみや菊)
・鈴

枕飾りをご自身で用意する場合、費用は物品のグレードなどによって変わります。仏教の場合は準備するものが多く、また香炉など比較的高価なものも含まれているため、その費用も少し高くなることがあるようです。

葬儀社に枕飾りを頼んだ場合、多くは1万円~3万円程度で依頼できるようです。ご自身で準備すれば安くなることもありますが、時間が無い中での準備の手間など、金額以外の面も考慮して選ぶ必要があります。

7.神棚封じ

神棚封じとは、神棚の戸を閉じ、半紙を貼り、封印することを指します。死の穢れが神棚に入りこむことを避ける目的で、神道の風習からきています。

封印は遺族が行うのが望ましいですが、葬儀社の人が自宅に来てくれる場合はお願いしても問題ありません。葬儀を神式で行わない場合でも、自宅に神棚がある場合は封印したほうがよいでしょう。

神棚封じを行っている間は、お供えや礼拝を行いません。失礼に当たるのではないかと思われるかもしれませんが、それよりも神棚に穢れが入り込まないようにすることが重要だと考えます。忌明けになったら、神棚の半紙を取りましょう。

8.末期(まつご)の水を行う方法

末期の水とは「大切な故人が、死後の世界で喉が渇いて苦しむことがないように」という願いを込めて行う儀式です。神道の考えに基づいた儀式ですが、日本では宗派を問わずに浸透しています。

末期の水を行うタイミングは、宗派によって異なります。亡くなった直後、自宅安置中に行う場合が多いです。

新しい割り箸の先にガーゼや脱脂綿をくくりつけ、それに水を含ませて故人の唇を湿らせます。脱脂綿のかわりに、シキミや菊の葉、鳥の羽などに水をつけて行う場合もあります。また、筆を水で浸したものを使うこともあります。

脱脂綿などの当て方は、唇の左から右へなぞるようにし、上唇から下唇の順で当てていきます。全ての人が終わったら、最後に故人の顔をきれいに拭いてあげましょう。

9.冷却や室温保存に注意

遺体を安置する際は、冷却や室温保存に注意し、温めないようにしましょう。葬儀までの間に、遺体の腐敗が進むのを防げます。

火葬までには、少なくとも24時間以上、多くの場合で2~3日間の時間が必要です。葬儀社に依頼して、ドライアイスを用意しましょう。また、室温は18℃以下になるようにエアコンを利用しましょう。

遺体安置にかかる料金

安置の際に必要な料金は、依頼する業者や安置場所によって変動します。一般的な傾向を把握し、どのくらいの料金が必要になるか事前に確認しておきましょう。

場所別の費用が分かると、安置が必要になったときも、慌てずに決断できます。以下で、安置場所別にかかる費用を表にして紹介します。故人や遺族の希望通りに安置できる方法を考えましょう。

搬送距離以外に、搬送用の布団・シーツ・棺・ドライアイスにかかる経費も必要です。オプションとなりますが、すべて利用した場合で3万円~5万円ほどが目安です。頭に入れておきましょう。

1.距離に応じて変わるのが一般的

遺体安置にかかる料金は、病院から安置場所への距離によって変動します。病院から安置所が遠い場合は、予想よりも費用が高くなる場合があります。葬儀社に事前に確認しましょう。

多くの葬儀社では10キロメートルまでは一律の搬送料金が決められており、10キロメートルを超えた場合は超過距離に応じて料金が加算される形態を採用しています。

10キロメートルまでの基本料金は1万4,000円前後が相場になっており、移動距離が10キロメートル増加するごとに3,000円~5,000円ほど加算される場合が多いようです。深夜や早朝は3,000円~4,000円ほどの特別料金が発生し、車の留置料金が必要なケースもあります。

ほかにも、長距離の搬送を行う場合は有料道路料金や追加の人件費も必要です。降雪する地域では冬期割増料金が必要になるケースもあります。

2.自宅安置にかかる費用

自宅で安置するときには、5万円~7万円程度の費用がかかります。腐敗を防止するためのドライアイスが1日あたり1万円~2万円必要です。

ほかにも枕飾りを葬儀社に用意してもらうと3万円程度のコストがかかります。この条件で2日安置したと仮定すると、前述した5万円~7万円になります。

自宅に安置は、施設利用料を抑えられるため、全体的な費用が比較的少ないです。また、遺族が状態を確認できるため、付き添い費用も発生しない場合が多いです。以下は、自宅安置を選んだ場合の目安です。

遺体搬送費用 10kmの搬送につき2万円程度
安置施設利用料 なし
遺体保存にかかる費用 5,000円~3万円
付き添い費用 なし

自宅安置は全体的な費用が少ないため、金銭的負担を減らしたい方に適しています。ドライアイスなどは日数分の利用が可能です。

3.斎場・葬儀社の専用安置室にかかる費用

斎場や葬儀社が用意している施設に安置する場合、1日あたり5,000円~3万円のコストがかかります。自宅安置の場合と同様に、腐敗防止用のドライアイス費用として1万円~2万円が必要になることがあるので事前に確認しておきましょう。

斎場には公営のものと民営のものがあり、公営斎場を利用するとコストを削減できることがあります。斎場や葬儀社に2日間安置した場合、施設利用料とドライアイス費用を合わせて3万円~10万円のコストがかかるのが一般的です。

特定の葬儀社や斎場の安置室を利用する場合は、施設利用料や付き添い費用を支払わなくてはなりません。依頼先やエリアによって大幅に変わるため、以下の目安を参考に把握しておきましょう。

遺体搬送費用 10kmの搬送につき2万円程度
安置施設利用料 5,000円~3万円
遺体保存にかかる費用 5,000円~3万円
付き添い費用 5万円前後

葬儀社によっては、安置にかかる費用をセットプランに含む場合もあります。通夜や火葬も含めて依頼する方は、事前に詳しい内訳を確認しておきましょう。

4.民間の遺体保管所にかかる費用

民間の安置施設を利用する場合は、1日あたり1万円程度のコストがかかります。安置施設によって施設利用料の設定が大きく異なる場合があるため、事前に確認しておきましょう。

自宅や斎場・葬儀社の場合と同様に腐敗防止用のドライアイスが必要です。ドライアイス費用は1日あたり7,000円程度かかります。民間の安置施設に2日間安置した場合は、施設利用料とドライアイス費用を合わせて3万円~3万5,000円程度になるでしょう。

斎場への依頼に比べると、民間の遺体保管所の方が低価格な傾向にあります。依頼先によって対応が異なる可能性もあるため、信頼性も重視した上で選ぶことが大切です。以下の表を参考に、大まかな目安を確認しておきましょう。

遺体搬送費用 10kmの搬送につき2万円程度
安置施設利用料 1万円前後
遺体保存にかかる費用 7,000円前後
付き添い費用 5,000円~3万円

5.ドライアイスや枕飾りなどの料金

ドライアイスや枕飾りは、葬儀社が用意するのが一般的です。遺体を保存するのに、必要となるドライアイスは1日あたり1万円~2万円が相場です。

枕飾りとは、故人の枕元に置くお供え物のことを指します。具体的には、ろうそくや線香、香炉などで、1万円~3万円が相場になっています。葬儀社ごとに金額は異なります。事前に確認しましょう。

安置場所までスムーズに搬送できる葬儀社のポイント

人が亡くなったあと、遺族はさまざまな手続きをしなければなりません。スムーズに遺体搬送を行うために、事前に候補を挙げて葬儀社を選んでおくことも重要になります。

どのような葬儀社なら安心して任せられるのか、要点を確認しましょう。悲しみの中にあっても冷静な判断をしたいものです。

1.費用を明示している

見積もり段階で費用の明細をしっかりと提示している葬儀社を選びましょう。費用項目の明細がわかりやすければ、不必要なものに費用を割いていないかが判別でき、その分の費用を抑えられます。

特にお布施の費用があいまいになる場合があります。費用について疑問に思ったことはできるだけ葬儀を行う前の早い段階で聞いておきましょう。

事前に費用を確認しておかなければ、気がつかないうちに不必要なオプションを追加したり、意図せずグレードの高い装飾を使用していたりするかもしれません。

信頼できる葬儀社を見極めるポイントは「見積書」にあります。見積書をしっかり確認し、費用の明細を示している信頼できる葬儀社に葬儀を依頼しましょう。

2.親身な対応をしてくれる

葬儀社の遺族に対する対応は、満足のいく葬儀を行うために重要です。遺族の希望に沿った提案をしたり、要望に応える姿勢を取ってくれたりする葬儀社は、その後の手続きもスムーズに運ぶだろうと予想がつきます。

低予算で葬儀を希望しても丁寧な対応か、直葬や家族葬といった小規模な葬儀の実績は豊富かどうかも重要な判断基準です。希望を伝えたときに担当者がどのような反応をするか、しっかりと確認しましょう。

たとえ自社の利益が少なくても親身な対応をし、遺族の要望に寄り添うような葬儀社であれば安心して依頼できます。

また、葬儀についての質問に答えてくれるかというのも重要です。葬儀は故人や遺族にとって1度きりのものです。不明点や疑問点はすぐに聞くようにし、親身に答えてくれるか確認しましょう。

3.さまざまな支払方法に対応している

葬儀の費用は高額になりやすいです。予定外の出費もありえることから、料金の支払日やカード払いなど、多様な種類の支払方法に対応している葬儀社を選択しましょう。

かつては、葬儀費用は現金一括払いのみの葬儀社が多数でした。しかし最近では、クレジットカードやローン払いが可能な葬儀社も増えています。これらの支払方法は、すぐに現金を用意できないときでも葬儀を行えるので大変便利です。

しかし利息が発生するため、葬儀社の担当者と相談をして返済計画を立てた上で利用しましょう。また葬儀ローンを使用する場合は、万が一審査に通らなかった場合も考えて行動しましょう。

4.経験豊富なスタッフがいる

葬儀を行う際に、葬儀社に質問したいことがでてくる場合があります。経験豊富なスタッフがいないと、質問に答えてもらえないかもしれません。

葬儀の経験が多くあるスタッフが葬儀社にいるか事前に確認しましょう。特に、要望を反映したお葬式を希望する際は、その形式の葬儀経験がある葬儀社を選ぶことをおすすめします。

通夜前の面会でのマナー

通夜や葬儀に参列するのが一般的ですが、都合で通夜・葬儀に参列できない場合は、お通夜前に面会し、焼香できます。

しかし、故人と親交が深い場合や、身内である人に限ります。面会に行く際は、必ず遺族に確認を取り、マナーを守りましょう。以下で面会時の服装や手順などを紹介します。しっかり確認して、失礼のないようにしましょう。

1.事前確認を行う

面会を希望する際には、遺族と安置場所の施設に確認を取りましょう。安置場所が自宅である場合は、遺族の許可だけで問題ありません。安置場所には、面会時間が決まっているなどルールがあります。事前確認を怠らないようにしましょう。

一般的に通夜前に面会できるのは、三親等以内の親族か、生前に親しかった方のみです。できるだけ葬儀や通夜に参列し、通夜前に面会に行くのは避けましょう。

ご遺族からの訃報連絡がない場合に、こちら側から連絡を行い、面会を希望するのはマナー違反とされています。遺族の方は、大切な人の臨終の悲しみをこらえ、葬儀の準備をしている忙しい時期です。

必ず事前の確認を行い、許可を得てから面会に行きましょう。時間帯に気を使い、できるだけ遺族の負担にならないよう気を付けましょう。

2.面会時の服装

面会の際は、平服で行きましょう。平服とは、紺やグレーなどの落ち着いた色の普段着のことを指します。喪服を想像される方もいらっしゃいますが、喪服は通夜や告別式での服装ですので、面会には適しません。

ビジネススーツでも問題ありませんが、結婚指輪以外のアクセサリーは外しましょう。女性は薄めのお化粧を心がけましょう。

3.対面の手順

遺族にお悔やみを述べ、お供え物をお渡しします。お悔やみの言葉は、できるだけ短くするのがマナーです。遺族と故人に挨拶をし、長居せずに退室するというのが基本的な対面の手順です。

故人への挨拶は、
・故人の枕元で正座、両手をついて一礼
・遺族が故人の顔にかかっている白布を外したら、故人に一礼し、手を合わせる
・少し下がり、遺族に一礼

という手順で行います。

焼香遺族に勧められた場合のみ行いましょう。安置施設などで、焼香がない場合は線香で代用する場合もあります。すでに線香が立っている場合は、新しく足さずにお参りしましょう。線香が消えている場合や、短くなっている場合は、新しい線香に火を付けましょう。

線香は1本だけ立てるのが基本です。しかし宗派によっては、線香を寝かせるのがマナーの場合もあります。故人や遺族の宗派を確認しましょう。線香の火を、息で消したり、振って消したりするのはマナー違反です。手をあおいで火を消しましょう。

故人に触るのはマナー違反です。また遺族に故人の死因を尋ねるのは避けましょう。遺族は故人を亡くした悲しみにくれているので、臨終時のことを思い出させないようにするためです。短くお悔やみを伝え、長居せずに立ち去りましょう。

宗教ごとに避けるべきお悔やみの言葉というのが存在します。遺族の信仰している宗教を事前に確認してから面会に行きましょう。

4.香典は持参しない

故人との面会には、香典ではなく供物を持っていきましょう。香典を持っていくことは、故人の死をあらかじめ予想していたように感じられ、マナー違反に当たるからです。供物は、花や故人が生前好きだったものを持っていくのが一般的です。

5.お悔やみの言葉を伝える

面会の際は、遺族にお悔やみの言葉をできるだけ短く伝えましょう。遺族への気遣いの言葉を添えられるとスマートです。

お悔やみを述べる際に、故人の死因や、臨終の際の詳しい状況を聞くのはマナー違反です。また、生死に関する直接的な表現や忌み言葉は避けましょう

お悔やみの言葉の例

「お悔やみ申し上げます」
「ご愁傷様(しゅうしょうさま)です」
「ご冥福(めいふく)をお祈りします」
「哀悼(あいとう)の意を表します」

キリスト教の場合は、仏教や神道とは違った言い方をします。人の死を神の元に召されることと考え、神への感謝や故人を懐かしむことに重点が置くからです。例を紹介するので参考にしてください。

「安らかなお眠りをお祈り申し上げます」
「突然の訃報に接し、哀悼の意を表します。安らかにご永眠されますよう、心よりお祈り申し上げます」

亡くなってから安置までの流れ

故人の臨終後は、安置、葬儀社との打合せや納棺、お通夜という流れになります。以下で、お亡くなりから納棺まで詳しく解説しています。

安置までで頭がいっぱいになってしまうかもしれませんが、お通夜までにやることは多くあります。事前に確認して、スムーズにお通夜を行えるようにしましょう。不安な点や疑問点があれば、早めに葬儀社に相談しましょう。

1.お亡くなり

病院で亡くなった場合は、看護師または病院が提携している業者にエンゼルケア(死後の処置)を行ってもらいます。エンゼルケアには、故人の尊厳を守るだけでなく、感染症防止の目的もあります。

まず体をアルコールで浸し脱脂綿で拭く「清拭」を行い、その後治療でできた傷などを綺麗に整えます。着替えをさせ、髪をとかしたり、お化粧を施したりします。髪を整えてツメを切り、軽く化粧を施すのが共通の流れです。

加えて男性の場合はヒゲを剃り、女性は口紅やファンデーションを使ってより凝った化粧を行います。痩せて頬がくぼんでいる場合は、口の中に脱脂綿を詰めて元気だったころの表情に近づけることもあるでしょう。

生前に愛用していた化粧道具や化粧品がある場合は、それらを使って死化粧をするのもよいかもしれません。

遺体は、病院の霊安室に運ばれます。しかし霊安室は一時的な場所であり、数時間以内に退去を求められることが一般的です。

遺族は、葬儀社に連絡を取り、亡くなった場所(病院・自宅など)を伝えます。遺体を搬送するために迎えに来てもらいましょう。搬送先が決まっているとスムーズですが、決まっていない場合は、葬儀社に相談しましょう。この時、医師に「死亡診断書」を書いてもらいます。

2.お迎え・安置

法律により逝去後24時間は火葬することができないため、寝台車でご遺体を搬送して、安置をします。自宅での安置が可能な場合は自宅に、難しい場合は葬儀社の安置専用施設に搬送します。宗教によっては安置する場所が決まっているケースもあるので、事前の確認が必要です。

搬送の手続きを済ませたら、搬送車が病院に到着するまでのあいだに退院手続きを済ませておきましょう。原則としては病院側で手続きを進めてくれるので、用意された書類に必要事項を書き込みます。

医療費や入院費の支払いは後日となることが一般的ですが、対応は病院によって異なるのでしっかり確認しましょう。退院手続きが終わると、搬送車にあわせて遺体安置所に移動します。故人が入院していた場合は、病室の荷物もまとめておきましょう。

3.葬儀の打ち合わせ・段取り

故人の安置が終わったら、葬儀社と細かい葬儀の打ち合わせを行います。葬儀の規模や形式、日時や会場、遺影写真の準備など、決めるべき内容は多いです。故人の意向がある場合や事前に家族内で話し合って決まっていることがある場合はそれに従います。

打ち合わせの際に、疑問点や不安なことは聞いておきましょう。そのままにしておくと、葬儀後にトラブルになる可能性があります。打ち合わせの際に、見積書を出してもらいましょう。

見積書以外にもかかる金額があるか、オプションを付ける必要があるのかなどを聞いておくことも大切です。手続きが多く、慌ててしまうかもしれませんが、葬儀のトラブルを防ぐために打ち合わせは重要です。落ち着いて話し合いを行いましょう。

「死亡診断書」を葬儀担当者に渡し、「死亡届」や「火葬許可証」などの手続きを依頼します。職場や学校などの関係者への連絡、喪服の準備、供花・供物の手配などを行います。特に弔電や世話係、受付係など、手伝いが必要な相手には早めの連絡が必要です。

火葬場の予約を済ませないと、安置する時間が伸びてしまいます。斎場や葬儀社で安置をお願いしている場合は、期間が伸びると費用が上乗せされていきます。

また、自宅で安置を行なっていても遺体の腐敗が進んでしまう場合があります。なるべく早く葬儀の段取りを決めましょう

4.納棺

家族が揃ったところで故人を棺に納めます。納棺の儀式では、親族など故人と深い関係を持つ方がメインとなって進めるケースが一般的です。火葬の前に実施する儀式でもあるため、故人と遺族が向き合う最後の時間ともいえます。

最近は葬儀社・葬儀屋が行うことが多いです。宗教ごとに納棺のやり方に違いがあるので、故人の宗教に従いましょう。身なりを最後にもう一度整え、死装束を着用します。

仏衣に着替えさせる場合は、経帷子(きょうかたびら…死装束として着せる浄衣のこと)を左前に着せ、手には手甲(てっこう…手首から手の甲部分を保護する布のこと)を、脚には脚絆(きゃはん…すねを保護し、動きやすくするためのもの)を着けます。白足袋は左右逆に履かせます。死後の世界と現世は逆であると考えるからです。

近年では、伝統的な死装束ではなく、故人が愛用していた衣服を着せることも増えてきています。

そして、故人が好きだった品物を周りに入れます。以前は、故人の地位を表すものが入れられていました。土葬だった時代で、入れるものに制限がなかったからです。

しかし火葬が主流となった現在では、不燃物である金属やプラスチックは事故防止のため入れることはできません

納棺にも、宗教によって違いがあります。納棺時に僧侶を招いて「納棺経」を唱えてもらうこともあります。棺にふたをする前の段階で行われるため、適切な段取りで進めましょう。
遺族が希望しないのであれば、無理に読経を依頼する必要はありません。菩提寺がある方は、納棺前に僧侶へ相談して打ち合わせを済ませておきましょう。

キリスト教の場合は、神父や牧師の立ち会いのもと、一同で祈りを捧げ、聖書を朗読し、聖歌(賛美歌)を歌い納棺します。神式の場合は、納棺後は毎日、生前に故人様が好まれた食べ物かまたは未調理の洗米、塩、水などを供えて礼拝します。

納棺時の服装は喪服またはブラックフォーマルが適切です。30分程度で終わる儀式や直後にお通夜を行わない予定であれば、ジーパンなどのカジュアルな私服でも良いとするケースがあります。葬儀関係の服装はマナーとして知られているため、可能であればブラックフォーマルで参加した方が良いでしょう。

遺族が「私服でも良い」と考える場合は、無理に形式的な服装を整える必要はありません。具体的な通知がなく迷うときは、葬儀と同じ服装で参加しましょう。

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まとめ

遺体の安置に関しては、大切な人が亡くなってから早急に決めなければなりません。突然のことで慌ててしまうと、冷静な判断ができず、トラブルを起こしかねません。事前に安置に関しての知識を確認することが大切です。

また、安置中の故人に挨拶をしたいとお考えの方は、故人や遺族に失礼のないようマナーをしっかり確認しましょう。

小さなお葬式では、遺体の安置サポートを手厚く行っています。24時間365日コールセンターが稼働しており、葬儀の知識に長けたスタッフが対応します。

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監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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