葬儀の準備

作成日:2014年08月27日  更新日:2020年07月10日

生活保護受給者の葬儀|全額支給で行える葬儀の内容と申請方法

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生活保護受給者の葬儀|全額支給で行える葬儀の内容と申請方法

生活保護を受給する方の葬儀を行うことになった場合、葬儀費用のことでご不安はありませんか?

そういった方の葬儀を支援するために葬祭扶助制度(そうさいふじょせいど)というものがあります。葬祭扶助制度とは、葬儀を行う方の金銭的負担をなくすために、自治体より葬儀費用が支給される制度です。この制度を利用するには、申請資格を満たし、葬儀を行う前に申請しておかなければ、制度の対象となりません。

生活保護を受給する方の葬儀や、生活保護を受給する方が葬儀を行うことになった際、知っておきたいことをご紹介します。

【もくじ】
生活保護者の葬儀は行うことはできる?
生活保護者の葬儀で使える葬祭扶助制度とは?
生活保護者の葬儀の流れ、手順
生活保護者の葬儀費用の支払いは誰がするの?
葬祭扶助の申請が遅れるとどうなる?
葬祭扶助が受理されなかった場合の対処法
葬祭扶助制度を利用して葬儀を行う際の注意点
生活保護受給者の遺品について
葬祭扶助に関するQ&A
生活保護受給者の方の葬儀を行う場合のポイントまとめ
まとめ

生活保護者の葬儀は行うことはできる?

保護を受けている方が亡くなったとき、条件を満たしていれば葬祭扶助を使用できる場合があります。この制度を利用すれば無料で葬儀を実施可能です。

扶助は葬儀を執り行う経済的余裕がない方への救済措置で、内容は質素なものに限られます。扶助制度を利用するには条件を満たした上で申請を行う必要があるので、利用方法はきちんと確認しておきましょう。

生活保護者の葬儀で使える葬祭扶助制度とは?

葬祭扶助の葬儀は、福祉葬民生葬などの呼び方が存在します。受給条件や対応も自治体によって違いがあるため、どのような制度なのか分かりにくいと感じる方もいるかもしれません。

葬祭扶助制度とはどのような制度なのか、どのような葬儀を行えるのかについて解説します。あわせて申請方法や支給額の知識を得て、理解を深めるのに役立ててください。

葬祭扶助制度とは?

経済状況しだいでは、死後の葬儀費用を用意するのは難しいことがあります。そのような方を扶助するために自治体が費用をサポートする制度です。対象となる項目や支給額は自治体によって定められており、内容は年度によって異なることもあります。

扶助を利用できるのは故人が生活保護を受給しており、葬儀の資産を残しておらず、喪主が生活保護を受けていて費用を払えない場合です。故人が受給者でも、喪主が費用を支払える場合は対象外となるので注意しましょう。

支給対象の項目は火葬や埋葬に必要な費用や、ご遺体の検案や運搬にかかる費用が該当します。扶助の対象と認められれば、これらの費用はすべて自治体によって支払われる仕組みです。

支給される金額は「火葬」を行える金額のみ

支給される扶助費は、故人が大人の場合、20万6,000円以内、12歳未満の子どもの場合は16万4,800円以内が目安です。支給金で行える葬儀形態は直葬と決められており、一般葬や家族葬などは認められていません。

直送は通夜式・告別式の儀式を省略して、ご遺体を安置後、通夜式や告別式を行わずに火葬を行うシンプルな葬儀形態です。祭壇の用意もせず、親しい方数名でお別れを行います。

搬送・棺・ドライアイス・火葬・骨壺といった、最低限必要なもののみで構成されており、華美な装飾や、お斎の席を設けることはできません。この内容なら自己負担は0円で実施できます。直送よりも豪華な葬儀を行うと経済的な余裕があると判断され、扶助費は受けられません。

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生活保護者の葬儀の流れ、手順

葬祭扶助制度を利用した葬儀を行うまでの流れと、申請手順を解説します。扶助を受けるには手順も重要で、手順が異なると対象外となることもあるので注意しましょう。事前にきちんと流れを把握し、金銭的負担なく葬儀を行う方法を確認することが重要です。

①福祉事務所に連絡をする

受給を希望する際は、申請者が在住する地域の民生委員ケースワーカー、あるいは役所の福祉係に相談します。死亡診断書などの故人の死亡を確認できる書類が求められるので、あらかじめ準備が必要です。事前に故人や喪主となる方の状況を相談しておくと話がスムーズに進むでしょう。

②葬祭扶助の申請、確認

福祉事務所で扶助の申請を行います。申請は葬儀前に行う必要があるので注意しましょう。葬儀後に申請しても扶助の支給は認められません。

申請を行うと喪主の経済状況などの審査が行われます。審査は在住地域のケースワーカーが行い、要件を満たしてれば扶助が支給されます。

③葬儀社に依頼

申請の認可を確認したら、葬儀社に連絡を行います。このとき、「葬祭扶助で葬儀を行いたい」と明確に伝えましょう。

その後、通常の手続きと同様に火葬場の空き状況を確認して日程を決め、内容の打ち合わせを行います。直葬に立ち会ってほしい方に連絡をして、葬儀の日時や直送の会場となる火葬場の場所なども伝えましょう。

④葬儀を行う

直葬は「搬送」→「安置」→「納棺」→「火葬」→「収骨」の流れで行われます。通夜式と告別式は行わないため、日程は1日で終了します。お斎も行わないので、参列者にはこれらの旨をあらかじめしっかりと伝えておきましょう。

参列者は遠方から訪れるケースもあり、葬儀のために宿を予約するケースも考えられます。1日で終了することを伝えなければ、宿が無駄になることや忌引きを申請するのに支障が出ることもあるので注意が必要です。

⑤葬儀費用の支払い

葬儀に関する費用は自治体から葬儀社に直接支払われます。喪主が扶助を受け取り支払うわけではないので、押さえておきましょう。適切な手続きを行っていれば、0円で故人をお見送りできます。葬儀開始前に申請をしなければ葬祭扶助が認可されない点は、注意しておきましょう。

生活保護者の葬儀費用の支払いは誰がするの?

受給者が亡くなった場合、扶養義務者がいれば喪主となって費用を負担するのが主流です。扶養義務者とは、父母・子・祖父母・孫・曾孫・兄弟姉妹までの親族を指します。

ご遺体の引き取り手がないときは、代わりに自治体が代行するのが一般的な流れです。自治体が行う場合も、扶助の支給金で直葬が実施されるのが決まりです。自治体は「政教分離の原則」により特定の宗教儀式には関われないため、火葬のみで宗教色のないもっともシンプルな形となります。

葬祭扶助の申請が遅れるとどうなる?

葬祭扶助制度の申請のタイミングはとても重要なポイントです。繰り返しとなりますが、葬祭扶助制度の申請は必ず葬儀開始前のタイミングで行わなければなりません。

「後から申請すれば良いだろう」と考え葬儀費用を自分で立て替えた場合、その費用を葬儀後に福祉事務所に申請しても受理されることはありません。これは実際に葬儀費用の支払が終わっていることから、支払うだけの蓄えがあったとみなされるからです。

葬祭扶助が受理されなかった場合の対処法

葬儀前という正しいタイミングで申請しても必ず受理されるとは限りません。受理されなかった場合はどうすれば良いでしょうか。

葬祭扶助制度の申請が受理されなかった場合、葬儀社が準備するプランの中から直葬プランを選ぶことで葬儀費用を抑えることが可能です。これは葬祭扶助の範囲内で行える葬儀も直葬プランの葬儀の内容と同じだからです。ただし、通夜や告別式を行いたい場合は、直葬プランではなく家族葬を選ぶことをおすすめします。

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小さなお葬式の家族葬

葬祭扶助制度を利用して葬儀を行う際の注意点

葬祭扶助申請のタイミングなど、葬祭扶助制度利用時の注意点をご紹介します。

必ず葬儀開始前に申請をする

繰り返しとなりますが、葬祭扶助の申請は必ず葬儀前に行わなければいけません。生活保護法が適用されるのは、経済的に困窮する方であることが前提です。無理をして集めた資金であっても、支払い能力があると判断されてしまいます。

住民票の管轄が異なる場合はそれぞれの条件を確認する

申請者と故人の住民票の管轄が異なる場合は、 原則として申請者の住民票がある自治体で申請を行います。しかし、自治体によって支給額が変わることがあるため、故人の住民票がある自治体にも確認をすると良いでしょう。

葬儀社は慎重に選ぶ

通常の場合でも葬儀社を選ぶ際には注意が必要ですが、葬祭扶助を利用する場合は特に慎重に選びましょう。葬儀社の中には葬祭扶助に関して不慣れであったり、制度自体をよく理解していなかったりという経験の浅い業者もいるからです。葬祭扶助を利用した葬儀自体を受け付けていないというケースもあります。

葬祭扶助が適用される範囲内で、できる限り良いかたちで故人を偲びそして送れるかは葬儀社の手にかかっていると言えます。葬儀社によって葬祭扶助の範囲内で対応できるプランの内容が異なるため、プランの内容を吟味して内容の良いプランが準備されている葬儀社を選ぶようにしましょう。

葬祭扶助制度は福祉事務所への申請が必要となります。手続きに不安のある方は、申請のサポートもしてくれる葬儀社を選ぶことをおすすめします。突然の訃報を受けて大変な中、慣れない葬儀の準備をするのは想像以上に大変です。準備の手助けやサポート体制が充実している業者を選ぶことで、慌てることなくスムーズに事を進めていくことができます。

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生活保護受給者の遺品について

遺品は近しい親族が整理を行うのが基本ですが、近くに遺品整理を行える親族がいないケースも珍しくありません。こういったケースでは遠方の親族を探すか、住居の連帯保証人が整理を代行するのが一般的です。

遺品に関しては国や自治体のサポートはありません。交通費や遺品の処分にかかる費用はすべて担当者が負担することになります。

葬祭扶助に関するQ&A

葬祭扶助は普段関わることが無い分、わからないことや疑問に思うことも多いのではないでしょうか。よくある疑問点を4つピックアップし、Q&A形式で具体的にご紹介します。葬祭扶助に関する疑問を解消していきましょう。

一般的な葬儀はできる?

葬祭扶助では一般的な葬儀は認められていません。つまり、宗教儀礼である通夜や告別式を行う葬儀という、祭壇を飾ってお坊さんに読経をしていただく葬儀はできません。その理由は、葬祭扶助制度の目的が、「お金がない」という理由で死体遺棄などの刑法に触れることになることを防ぐということであり、あくまでも決められた範囲内で葬儀を行うためのものだからです。葬祭扶助は葬儀費用を補う制度ではありません

また、受理されるのは、最低限度の生活を維持できないほど困窮していて、葬儀費用がまかなえないと判断された場合です。葬儀費用をまかなえるだけの収入や資産が故人や施主にある場合、利用は認められません。そのため葬祭扶助を利用するケースは、資金的に家族葬を含む一般葬を行うことができない状態だと考えられます。

基本的に葬祭扶助は、あくまでも葬儀費用がまかなえない人に対しての救済措置として位置付けられています。そのため一般葬は認められていないというよりも、費用的に行うことができないのです。

戒名はつけられる?

戒名をつけてもらうには、菩提寺のお寺に戒名をつけてもらいたい旨を依頼しなければなりません。その上、戒名をつけてもらうにはお布施が必要です。お布施の金額はお寺や戒名のランクによって異なり、2万円から100万円と大きな幅があります。

戒名をつけてもらうためのお布施にも原則として葬祭扶助は適用されません。一般的な葬儀ができない理由と同様に、葬祭扶助制度が適用される場合は戒名をつけてもらうためのお布施の支払いも難しい状態だと考えらえます。お布施が支払えなければ、戒名をつけてもらうこともできません。

ところで戒名は自分でつけられることをご存知でしょうか。ただし自由につけられるというわけではなく、いくつかのルールがあります。自分でつける場合は菩提寺であるお寺に相談しておきましょう。菩提寺がない場合、戒名をつけてもらえるサービスの利用がおすすめです。費用はかかりますが、お布施に比べて安くすみます。

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読経はしてもらえる?

読経はしてもらえないというよりも、原則として葬祭扶助が適用されないということを知っておきましょう。ただし、自治体によって支給される金額に差があるように、読経に対応してもらえる自治体もあるようです。

読経に対して必要なお布施の相場は、20万円から40万円とされています。支給される金額が少なく費用が足りない場合は、読経をしてもらうために別途自分たちでお布施を用意する必要があります。

しかし、葬祭扶助が支給された方にとっては、お坊さんに読経をお願いした際のお布施を支払うことは難しいと考えられます。お布施が支払えなければ、読経はしてもらえません。お坊さんによっては相談に乗ってくれることもあるので、事情を説明してお布施の金額含め読経について相談してみるのも良いでしょう。

香典は受け取っても良い?

葬祭扶助の支給を受ける場合、葬儀は基本的に直葬になるため、一般的な通夜や葬儀は行われません。しかし、通夜や告別式が行われなくとも故人へのお供えとして香典を受け取る機会もあるでしょう。

葬祭扶助が支給された場合であっても、香典を受け取とることはできます。なぜなら、香典は収入とはみなされないからです。香典を受け取ったことの報告や申請の義務もありません。香典を受け取ること自体は問題ありませんが、香典返しを渡す場合その費用に葬祭扶助は適用されないことを知っておきましょう。

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生活保護受給者の方の葬儀を行う場合のポイントまとめ

葬祭扶助制度を利用した葬儀を行う場合の、抑えておくべきポイントは3つです。

●制度を利用できるかは、葬儀を依頼する方の経済状況、扶養義務者かどうかで決まる
●葬儀は「直葬」で行うこととなる
●葬儀開始前に申請を進めておく必要がある


上記のポイントを把握したうえで、お葬式について事前に十分検討しておくことをおすすめします。

まとめ

生活保護受給者が亡くなったときも葬儀は実施できます。葬祭扶助を受給できれば、負担金0円で最低限の葬儀を行うことが可能です。葬祭扶助を利用するには、喪主を務める方が要件を満たしたうえで申請を行う必要があります。葬儀を執り行う前に申請する必要がある点には注意しましょう。

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最後に

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