がんのような大きな病気を患った場合、残念なことに余命宣告を受けることがあります。突然の出来事に目の前が真っ暗になり、自分のことだけでなく、大事な家族の行く先が心配でたまらないという方は多いのではないでしょうか。
余命宣告を受けたあと、人の心は段々と変化していくことが多く、それを手助けする周囲のサポートを受けることもできます。気分が落ち着き始めたら、今後に向けて何を準備すべきなのでしょうか。自分のために、そして家族のためにできることをまとめました。
<この記事の要点>
・余命宣告を受けた際の心のケアとして、専門家のサポートを受けることが大切
・保険に加入している場合は契約内容を見直し、治療に役立てられるものがあるか確認する
・余命宣告を受けたら残された家族のために相続の準備をしておく
こんな人におすすめ
余命宣告を受けた家族がいる方
余命宣告後にするべきことを知りたい方
遺言書の作成について知りたい方
余命宣告を受けてショックを受けない人は存在しません。たとえ病院に入る前に心の準備をしていたとしても、目の前にある重い事実に打ちひしがれてしまうのは当然です。呆然としてしまい、ネガティブな感情に支配されるのも当たり前のことだといえます。
誰かから励ましの言葉を受けても、他人事のように感じてしまい、余計に腹が立つこともあるでしょう。動揺してしまいやり場のない怒りを覚えたり、孤立したように感じたりすることは誰にでもあります。無理に心を落ち着ける必要はありません。
余命宣告を受けたあとは、少しずつ心の変化が生まれていくものです。不安定な気持ちが完全に晴れないとしても、徐々に色々なことを考えられる余裕が生まれていきます。
今はまだそのときのことを考えられないかもしれませんが、同じ境遇に置かれている多くの人が同じようにこの過程を経験しますので、ここからは繊細な心の変化についてご紹介します。
個人差がありますが、余命宣告を受けてから2週間~3週間後に心境が変化するという方が多くおられます。現実を受け入れられないという気持ちこそ変わらないものの、少しずつ落ち着きが生まれ、病気以外のことも考えられる余裕が出てくるものです。
この段階に差しかかれば、周囲の人々から寄せられる声も、すんなりと心に落とし込むことができます。2週間~3週間という期間で落ち着きを自覚できなかったとしても、焦るのではなく、自分の心とじっくりと向き合う意識をもつようにしましょう。
人間は弱い生き物ですが、一方で強い心の持ち主でもあり、大変な状況をこれまで何度も乗り越えてきたという人も少なくありません。
余命宣告によって弱っていると脳が判断すれば、自然と心を守ろうとする作用が働きます。また、過去に受けた傷を癒したときのことを思い出し、それを参考に対処しようともします。
このような状況下で前向きになるのは難しいことですが、自分自身の心が支えになることもあるはずです。自分を信じることが、残された人生を明るくするためのカギを握り、周囲のサポートをすんなりと受け入れるためのコツにもなります。
人は普段から自分だけの力で生きることはできません。余命宣告を受けた状態となればなおさらであり、周囲のサポートを受けながら心をケアすることも大切です。
家族や友人、専門知識をもつ人に頼ってみてもよいでしょう。他人の力を借りることは恥ずかしいことでも、恥じることでもなく、弱さを見せることこそが真の強みともいえます。
自分と向き合うことも大切ではありますが、周囲に辛い気持ちを打ち明けて乗り越えることも考えましょう。家族に話しにくいことがあれば、信頼できる友人に会ったり、電話やインターネットで連絡を取り合ったりするだけでも気分が晴れるかもしれません。
話をしているときに落ち込んだり、泣いてしまったりしても、きっとあなたのすべてを受け止めてくれる人はいます。言葉にすることができなくても、誰かと同じ時間を過ごしているだけで、孤独を感じずに済んだという方も少なくありません。
気持ちが不安定なまま晴れずに、余計に落ち込んだりしてしまうこともあります。このままではまずい、でも頼れる人が近くにはいないというときは、専門家のサポートを受けましょう。心療内科や精神科医、臨床心理士など、多くの立場の人々が助けてくれるはずです。
ご飯が喉を通らない日が続いたり、眠れない毎日を過ごしたりしていると、体力や免疫力が下がります。体調を崩してしまわないように、体のケアだけでなく、心のケアを受けることも大切です。
余命宣告を受けたあとは、いくつかの選択肢の中から今後の生活について決めることになります。気持ちの整理がついてきたタイミングで構いませんので、生活の方針を決めながら病気と向き合いましょう。
治療に向かって努力を続けることもできますし、少しでも体の痛みを取り除いて、負担を軽くしながら生きていくこともできます。
セカンドオピニオンを受けて自分自身の体を別の医師や病院に診てもらうと、別の診断結果や治療方針の提示を受けられる可能性があります。
たとえ結果が同じだとしても、診断を受けるまでの間に、混乱してしまった気持ちを整理することもできるでしょう。
セカンドオピニオンを希望する際は、基礎的な検査を繰り返さなくて済むように、担当医に依頼して検査結果のデータを用意してもらいましょう。最近はセカンドオピニオンに積極的な病院もあるほどで、これを希望することは決して失礼にあたりません。
余命宣告はあくまでも一般論をもとにした目安であり、その期間を超えて1年、2年と生き続ける人もいます。たとえば、がんに対しては副作用を伴う抗がん剤治療などが用いられますが、これに耐えながら懸命に生きようとしている人は現実に多くいらっしゃいます。
病気を完治させることができず、進行を緩やかにすることしかできないかもしれません。時間稼ぎのような状態だとしても、その間に医療技術が進歩することがあります。諦めずに治療を続けることで、人生を変えるチャンスが生まれます。
病気の内容によっては、じっとしていても激しい痛みを伴うことがあります。現在はそのような兆候がなかったとしても、病気の進行に伴って痛みが増し、眠ることすら困難になる可能性も残念ながら少なくありません。
しかし、命が尽きるまでその苦しみが続くわけではありません。緩和ケアに切り替えることで、専門医療により体を楽にすることができます。モルヒネなどを使った治療も受けられますので、痛みから解放された余生を過ごすことが可能です。
保険に加入している場合、今から利用できる特約を見つけられる可能性があります。まずは契約内容を見直して、治療に役立てられるものがあるか、現金を手に入れる方法はあるかといった点をチェックしましょう。
保険があれば金銭的な不安を取り除ける可能性が高まりますので、わからないことがある場合も保険会社に連絡してみましょう。
余命宣告後に治療を継続する場合、これまでとは違った特殊な治療を提案される場合があります。しかし、画期的な先進医療は健康保険対象外になる場合が多く、自費で治療を受けると数十万円~数百万円という費用がかかることも珍しくありません。
受けたい治療があっても資金的な問題で治療を受けられない場合も少なくありませんが、これを解決させるのが先進医療特約です。特約に加入していると、先進医療にかかる費用の全部、または一部を保険会社に負担してもらえます。
リビングニーズ特約とは、6ヶ月以内の余命宣告を受けた場合、存命中に死亡保険金を受け取れるという特約です。ほとんどの保険会社において無料で追加できる特約であり、適用することでその後の生活の質を高めることができます。
リビングニーズ特約があれば、先ほどご紹介した先進医療特約がなくても、ある程度の先進医療を受けられるかもしれません。お墓を購入したり、緩和ケアに使うお金を用意したりといった費用に充てることも可能です。
リビングニーズ特約は、死亡保険金の前払いだと考えましょう。使用することによって死亡後に保険金が支払われることがなくなります。また、保険料は亡くなるまでの間に継続して支払わなければなりません。
さらに注意すべきなのは、お金を使い切らずに遺族に遺した場合は保険金とは異なり、贈与税の課税対象となることです。家族がいない一人暮らしの方にとっては強い味方になる特約ですが、そうではない場合は利用すべきか否かを慎重に検討すべきでしょう。
突然死を迎えてしまう人は、家族のことを考える間もなく旅立つことになります。しかし余命宣告を受けている場合、残された家族がトラブルを起こさぬように、相続の準備を整えるだけの時間的余裕を確保することが可能です。
この項目でご紹介する注意点も把握しながら準備を進めることで、不安を残すことなく、安心して旅立ちの日を迎えられます。
まずはお金に関するトラブルを防ぐために、財産の種類と額を正確に把握します。特に株式や不動産のように現金以外の財産を所有している場合は、時価総額の計算が複雑です。相続がスムーズに進むように財産を把握し、整理しましょう。
会社経営をしている方の場合は、プラスの財産だけではなく、借金などのマイナスの要素も相続の対象になります。その点も考慮しながら、必要に応じて行政書士などのプロに財産調査を依頼することも検討しましょう。
遺言書がなくても、法定相続分という制度にもとづいて遺族に遺産が分配されます。相続分は配偶者に渡る割合がもっとも多く、次いで子ども、兄弟といった順番で割り振られていきます。この配分を変えたい場合は、その意思を示す遺言書を作成しましょう。
たとえば同じ子どもが2人いて、どちらか一人が熱心に闘病中の世話をしてくれていたとします。そういった場合、その子どもに30%、もう一人の子どもに20%という形で配分の差をつけることも可能です。
余命宣告後に遺言書を作る場合、精神的なダメージを引きずりながら作成せざるを得なくなる場合があります。また、病気の内容や進行度合いによっては、遺言書を作成する物理的な力が残っていない可能性も考えなければなりません。
このようなケースでは、公正証書遺言を活用しましょう。これは相続人(余命宣告を受けた人)の意思を確認しながら、公証人と呼ばれる財産のプロが遺言書を作成してくれるサービスです。費用はかかりますが、公式で確実な遺言書を遺すことができます。
前向きに考えれば、余命宣告によって死を迎えるまでの目安を事前に察知できたともいえます。それまでの間にできることを整理して、やれることは積極的に実行しましょう。その際、リストを作ることをおすすめします。
今すぐにでもできること、頑張ればできそうなこと、今のままでは難しそうなことなど、どんな内容でも構いません。項目をひとつずつクリアすることで自信や喜びにつながり、今後の目標に向かって努力するという希望を見つけることもできます。
終活の一環として、葬儀の準備を進めることもおすすめです。用意すると便利なものに「エンディングノート」があります。これを用意すると、希望しているお葬式のスタイルや規模を整理しつつ、家族にも希望を伝えることが可能です。
エンディングノートは、これまでの人生を振り返って整理するうえでも役立つアイテムです。遺言は公式な文書ですが、エンディングノートは非公式であり、何を書いても構いません。家族に思いの丈を伝えるツールとしても活用しましょう。
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余命宣告を受けたばかりで、先のことを考える余裕をもてる人というのはほとんどいません。無理に元気を出そうとする必要はありませんが、周囲の支えや時間の経過とともに少しずつ心境に変化が生まれるはずです。余裕が出てきたら、終活にも力を入れてみましょう。
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初七日とは故人の命日から7日目に行われる法要のことです。ホゥ。