海洋散骨はトラブルに注意！事例から見る回避の方法は？

海洋散骨とは

海洋散骨は海上で遺骨を散布する、新しい納骨スタイルの1つです。従来の納骨というと、先祖代々のお墓に遺骨を納めるものでした。

しかし、新たにお墓を建てるのは高額な費用がかかり、お墓の管理や手入れにお金や時間、労力が必要となってきます。お墓の管理・維持を子どもや孫に託すのは気が引けてしまうなどから、費用や負担を軽減できる納骨スタイルに注目が集まっています。

海洋散骨はこれらの問題を解決するのと同時に、故人が自然に還るという意味でも、多くの方に選択されるようになってきています。

【遺族・親族編】海洋散骨のトラブル

魅力が多い海洋散骨ですが、まだまだ浸透が浅いこともあり、トラブルが起こることも少なくありません。遺族や親族のあいだで起こるトラブルには、どういったものがあるのでしょうか。

散骨を反対される

本人が海洋散骨を希望していても、遺族や親族が快く賛成してくれるとは限りません。「なぜ先祖代々のお墓に入らないのか」「海に骨をまいてしまうなんて考えられない」など、否定的な考えの方もいます。

こうした意見に耳を傾けず海洋散骨を執り行うと、後々大きなトラブルに発展する可能性もあるため注意が必要となってくるでしょう。

許可なく墓じまいをする

「お墓の管理をしてくれる人がいなくなる」などの理由で、墓じまいをしてお墓に入っていた遺骨を散骨する場合もありますが、許可なく墓じまいをしてトラブルが起こってしまった事例も存在します。

特に、多くのご先祖様の眠るお墓の場合は1代の家庭だけの問題ではありません。親族間での話し合いを怠らず、納得のいく形で海洋散骨の実施に話をつなげていきましょう。

遺骨をすべて散骨してしまう

遺骨をすべて海にまいてしまうと、故人を象徴するものがなくなってしまうと考える方もいます。実際、後々のことまで考えずに遺骨のすべてを散骨してしまい、後悔する遺族の方も少なくありません。

お墓参りができなくなる

お墓参りができなくなることも、海洋散骨を反対する理由の1つです。古くから存在するお墓は、故人の象徴であるとともに、遺族の心のよりどころという役割もあります。「心のよりどころがなくてつらい」という思いから海洋散骨に肯定的になれない方もいることでしょう。

【業者編】海洋散骨のトラブル

海洋散骨時のトラブルは遺族・親族間だけに留まりません。海洋散骨には船の手配や遺骨の粉骨などが必要なため、業者に依頼する場合がほとんどです。業者選びに失敗してしまうと、大切なセレモニーが台無しになり、金銭面でのトラブルが起こることもあります。

ルールを守った散骨をしてもらえない

海洋散骨に、以下のようなさまざまなルールがあります。

・海洋散骨は遺骨を細かく粉骨する
・自然に還らないものを副葬品にしない
・散骨可能な場所でセレモニーを実施する
経験の浅い業者に依頼した場合、ルールを守ってもらえずにトラブルが起こったり、気持ちよく散骨を執り行えなくなったりする可能性があるため、注意が必要です。

天候が悪く予定日に散骨できない

強風や大雨など悪天候の場合には、予定していた日に散骨が執り行えないこともあります。別日に延期してもその日がまた天候に恵まれないと、さらに延期されたり他の散骨希望者の方と合同となったりする場合も少なくありません。

天候は業者にもどうにもできない問題です。延期続きで無理矢理出航した結果、船酔いをしてしまう遺族が続出したり、突然「天気がよさそうなので明日行きます」などと、無理をする業者も存在したりします。

生前に予約した業者が倒産するケースも

生前から予約し入金まで済ませていた業者が、いざ海洋散骨を実施するタイミングで倒産してしまっていたということもあります。きちんとした業者であれば、倒産後に他社に予約を引き継ぐ対応や、返金するといった対応をしてくれるでしょう。

しかし、なかにはそういった対応を行わない業者も存在します。法的効力を持たない契約書の場合、金銭面でのトラブルに発展することもあるため、信頼できる業者を選びましょう。

追加料金請求にも注意！

海洋散骨はお墓を建てるよりも安く済みますが、費用ばかりを追求し内容をよく確認しなかった場合、追加料金を請求される可能性もあります。散骨業者を選ぶ際の基準は人によって異なりますが、金額面ばかりを重視しないように気をつけましょう。

その他の海洋散骨に関するトラブル

海洋散骨におけるトラブルの多くは、遺族や散骨を依頼する業者間で起こります。しかし、稀に散骨場所の近隣住民とのトラブルが起こることもあるため注意しましょう。また、現在お墓を所有している方は菩提寺への配慮も忘れてはいけません。

近隣住民とのトラブル

海洋散骨そのものは、「節度を持って行えば違法ではない」とされています。しかし、散骨場所については決まりがあります。以下の場所での散骨は基本的にはできません。事前に許可を取れば不可能ではありませんが、知らずに散骨をするとトラブルになる場合もあります。

・海水浴場
・観光地の海岸
・漁をする場所
・養殖場
・個人の私有地
・自治体の条例で散骨が禁止されている場所

菩提寺とのトラブル

墓じまいをして納められていた遺骨を散骨したり、現在あるお墓に入らず散骨をしたりするなど、快く思わない菩提寺の方もいます。長年の付き合いがある菩提寺に相談もなく海洋散骨を決めてしまったため、ご住職に怒られたり、高額な離檀料を求められたりすることもあるかもしれません。

後悔しない海洋散骨にするためのポイント

海洋散骨は大切な方をお見送りするセレモニーの1つです。故人とのお別れをよりよい形で迎え、後悔しない海洋散骨を実現するにはどういったポイントに注意すればよいのでしょうか。

すべての遺骨を散骨しない

遺骨をすべて散骨してしまうと、故人を象徴するものが何もない状態になります。すべて散骨せず、一部は手元に残しておくのがおすすめです。手元に遺骨があれば自宅供養をしたり、先祖代々のお墓に納めたりすることも可能です。故人の希望を叶えつつ、遺族の意見も尊重できます。

親族とよく話し合って決める

「故人の意向だから」と押し切らず、海洋散骨をするかどうかは親族でよく話し合うことが大切です。1人でも反対する方がいればじっくりと意見を交わし、お互いが納得する結論を導き出しましょう。

頭ごなしに反対しているのではなく、故人を大切に思う気持ちから海洋散骨を受け入れられない方がいるということも、忘れてはいけません。

菩提寺への相談・報告も怠らない

現在お世話になっている菩提寺がある場合には、事前に相談しておきましょう。できれば海洋散骨を希望する方自身が、生前から相談に行くことをおすすめします。快く思われない菩提寺の方もいるかもしれませんが、先祖代々のつながりがあることを忘れず、できるだけ理解を得られるよう話し合いを進めましょう。

海洋散骨後には、長年お世話になったお礼の気持ちも込め、セレモニーが滞りなく終えられた報告をすることも大切です。

値段で業者を選ばない

値段ばかりを見て業者を選ぶと、ルールやマナーを逸脱した散骨をされてしまい、プラン内容が充実しておらず追加料金を払う羽目になるといったトラブルになりかねません。サービス内容や実績、クチコミなどもチェックし、総合的な評価で信頼できる業者を選ぶと、失敗も少なく済むでしょう。

事前に料金についてしっかりと確認する

ホームページなどに記載されている料金は、明確でない場合もあります。特に「○円より」「最低価格○円」といった文言には注意が必要です。

業者選びに失敗しないために、いくつかの業者に見積もりを依頼し、希望の内容に関する明確な料金を提示してもらうとよいでしょう。料金に含まれているサービスを細かく確認し、追加料金の有無などについても納得いくまで質問すれば、追加料金などのトラブルを回避できるでしょう。

トラブル回避！海洋散骨の注意点

海洋散骨におけるトラブルを避けるためには、海洋散骨に関する知識をある程度心得ておく必要があります。海洋散骨を円滑に進めるために注意したい点は、大きく3つあります。

海洋散骨の流れを知っておく

依頼者の知識があまりないことにつけ込み、高額な費用を請求する悪徳業者も少なくありません。

まずは海洋散骨がどういったものか、事前の準備や手続き、当日のセレモニーの流れについて把握しておきましょう。海洋散骨の内容や価格相場を知っておけば、業者選びや依頼をする際に役立ちます。

マナーを守って散骨をする

散骨場所や副葬品、海洋散骨時の服装などのマナーを守らないと、トラブルが発生したり、第三者に不快な思いをさせたりしてしまうこともあります。海洋散骨は遺族のみでなく、大勢の方が訪れる海で実施されることを念頭に置き、配慮を忘れないようにしましょう。

個人ではなく業者に依頼するのがおすすめ

海洋散骨は個人で執り行うことも可能ですが、船を借りる、粉骨をする、散骨場所の許可を得るなどさまざまな行程の段取りを組みます。そのため、費用や準備などの負担が大きくなることもあります。

海洋散骨は、必要な準備や手続きの多くを担ってくれる業者に依頼するのがおすすめです。実績と信頼のある業者を選ぶことができれば、落ち着いて故人とのお別れの時間を過ごせるでしょう。

トラブル解決！海洋散骨も「小さなお葬式」へ

「小さなお葬式」の委託海洋散骨は、大切な遺骨をお預かりし、スタッフが散骨を実施するサービスです。散骨代行はもちろん、散骨前の粉骨、献花や献酒、献水のご用意、骨壺の処分、散骨証明書の発行など、海洋散骨に必要な作業や品物の準備など、きめ細やかなサービスをご提供します。

また、日本全国の海域からお好きな散骨場所をお選びいただけるのも特徴です。サービス内容や海洋散骨当日の流れにつきましては、海洋散骨サービスのページもぜひご覧ください。

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まとめ

多くのメリットを持つ海洋散骨も、親族間の話し合いや業者選びを怠ると大きなトラブルを招きかねません。マナーやルールを守り、気持ちよく故人をお見送りするためにも、トラブル回避のポイントを抑えて準備を進めましょう。

小さなお葬式では、海洋散骨に関する皆様の疑問にお答えするお客様サポートダイヤルをご用意しています。葬儀に関するご相談も受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。