納骨の方法が多様化する中、樹木葬(じゅもくそう)がどのような埋葬方法なのか気になるという方もいるのではないでしょうか。
「樹木葬とはどのようなお墓なのか?」
「費用はどのくらいかかる?」
この記事では、樹木葬の概要や埋葬方法をはじめ、メリット・デメリットも紹介します。最後まで読めば、樹木葬に関する基礎知識が身につき、後悔のないお墓選びができるでしょう。
終活の一環として樹木葬のお墓を購入したい方は参考にしてください。
<この記事の要点>
・樹木葬は樹木や花を墓標にする
・樹木葬の費用目安は、埋葬方法や納骨先によって変わる
・樹木葬のメリットとして、お墓の維持管理費を節約できる
こんな人におすすめ
樹木葬をお考えの方
樹木葬のメリット・デメリットを知りたい方
樹木葬の相場を知りたい方
樹木葬は一般的なお墓と違い、樹木や花を墓石の代わりにするのが特徴です。人気があるのは桜で、ハナミズキ・サルスベリなどあまり成長しない低木も好まれます。
樹木葬の発祥は岩手県一関市にある「知勝院」というお寺で、1999年に誕生しました。少子高齢化により先祖代々のお墓を維持できない家庭が増え、跡継ぎのいらない樹木葬のニーズは年々伸びています。
樹木葬は全国的に広まりを見せていて、2012年には都立霊園でも樹木葬のお墓が造営されました(出典:東京都公式サイト)。
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樹木葬は3つの種類に分けられます。都市部では公園型やガーデニング型が多く、住宅街から離れた地域では里山型の樹木葬が見受けられます。
・都市型・公園型
・ガーデニング型
・里山型
それぞれの特長を紹介しますので参考にしてください。
都市型または公園型の樹木葬は、目印となる樹木の周りに遺骨を埋葬するのが一般的です。埋葬方法は以下の2種類があります。
・ひとりに対して1本の樹木を植える
・1本の樹木を植えた区画に複数の遺骨を埋葬する
スペースの問題から、ひとり1本の樹木が割り当てられる埋葬方法に対応している霊園・墓地はあまり多くないようです。また埋葬スペースが狭いため、散骨するときと同じように砕骨することもあります。
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「ガーデニング型樹木葬」は霊園や納骨堂の近くにある植物に囲まれた場所に遺骨を埋葬します。アクセスのよい場所にあることが多く、年配の方でもお参りしやすいでしょう。
庭園は西洋庭園であることが一般的ですが、最近では日本庭園を採用する霊園も見受けられます。墓碑のデザインや植える樹木の種類を選べるところもあるので、お墓の意匠にこだわりたい方におすすめです。明るく開放的な雰囲気のお墓を選びたい方にもよいでしょう。
ガーデニング型とはいえ、遺族が好きなように区画を管理できるとは限りません。また、墓石を置く「ガーデニング霊園」という樹木葬とよく似た墓地も存在するので、注意が必要です。
「里山型樹木葬」は、許可を受けた山林など広い場所に埋葬する方法です。ガーデニング型よりも自然に近い樹木葬といえるでしょう。なお、日本最初の樹木葬は里山型でした。
樹木葬の根幹である「自然に還る」を体現しているだけでなく、自然保護の観点からも注目される埋葬方法です。
ただし、里山という立地上、都市部にお住まいの方はお参りしにくい点がデメリットです。
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樹木葬と一口にまとめても、埋葬方法は3つに分かれます。
・合祀埋葬
・個別埋葬
・家族埋葬
それぞれの特徴を知らないと、埋葬してから後悔するかもしれません。以下で解説しますので、参考にしてください。
参考:小さなお葬式『永代供養について』
「合祀埋葬(ごうしまいそう)」は骨壺から遺骨を取り出して埋葬する方法です。家族以外の方の遺骨と一緒に埋葬されるため、樹木葬の中でも比較的安価な埋葬方法です。
しばしば合葬(がっそう)と混同されますが、他の遺骨と混じらないよう骨壺単位で埋葬するため、その点で違いがあります。ただし、一定期間が経過したら合祀に移行するケースが大半です。
「個別埋葬」は区画の使用料を支払うことで、故人ごとに専用区間を設けて埋葬する方法です。遺骨は、骨壺に入った状態・遺骨を取り出した状態・粉骨された状態、いずれの状態であっても埋葬することができます。
供養のプランや樹木葬を扱う霊園によっては、個別埋葬から一定期間経過すると合祀埋葬に改葬する場合があることを覚えておきましょう。
家族専用の区画を設けて埋葬する方法が「家族埋葬」です。遺骨の取り扱い方法は、個別埋葬と似ていて供養のプランによって異なります。集合型の埋葬方法に含まれ、夫婦や家族単位になっているケースが多いでしょう。集合型樹木葬とは、1つの墓標に対して複数の遺骨を埋葬する方法です。
【家族埋葬における遺骨の取り扱い例】
・骨壺に入れる
・遺骨を取り出して埋葬
・粉骨してパウダー状に加工して埋葬 など
一定の期間が経つと合祀埋葬に改葬する可能性があるという点も、個別埋葬と同じルールです。
霊園によっては友人と一緒に使える場合もあるため、家族埋葬を検討中の方は確認してみてください。
樹木葬は、樹木を墓標に見立てその周りにご遺骨を埋葬する方法です。埋葬の際に合祀を選択するか、それとも個別の埋葬を選択するかによって費用は変わってきます。納骨先によっても費用は変動するので、まずは希望する納骨方法で見積もりを取ってもらうことをおすすめします。
参考:墓石の費用目安はいくら?種類や墓石、墓地の基礎知識を解説
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続いては、樹木葬のメリットを解説します。
1.お墓の維持にかかる費用や手間を節約できる
2.継承者や管理者が不要な永代供養を前提としている
3.宗教や宗派を問わない場合が多い
4.ペットと一緒に埋葬してもらえる霊園がある
これから樹木葬を申し込む予定の方は参考にしてください。
樹木葬が選ばれる理由として、維持管理にかかる費用や手間を減らせることが挙げられます。年配になるとお墓の掃除に苦労しますが、たまに草むしりをする程度で済むので、お墓の管理も楽になるでしょう。
樹木葬のお墓には基本的に墓石がないため、お墓にかかる出費を抑えられると考えられます。
埋葬する人数にもよるものの、1名~2名なら100万円以下になると想定されます。それ以上だと使用する区画が増え、値段が上がるかもしれません。
永代供養とは、お墓にお参りできない遺族に代わって、お寺や霊園が遺骨を管理することです。全ての樹木葬のお墓に永代供養がついているとは限りませんが、前提として継承者不要になっているケースが大半です。
その背景には「人は亡くなったら自然に還る」という考えがあります。おひとり様の高齢者や、子ども・孫世代にお墓の負担をかけたくない方のニーズとも合致しているといえるでしょう。
寺院墓地の場合、檀家(特定の寺院に所属し、経済的に支援している家)にならなければお墓を購入できないこともあります。樹木葬に関しては、宗教や宗派を問わず埋葬を受け付ける霊園が増え、仏教徒以外でも受け入れてもらえるようになりました。
最近では寺院墓地でも樹木葬の区画を設けるところがあり、宗教不問でお墓を購入できるケースが見受けられます。ただし中には檀家になることを条件にしているお寺もあるため、契約の条件をよく確認してください。
樹木葬のお墓ではペットの埋葬が認められているところもあります。ペットは家族の一員という考えが一般的になった影響と思われますが、全ての霊園に共通しているわけではありません。
ペットの埋葬ができるとしても、人間とその他の動物で区画が分かれている場合もあるため、埋葬方法は必ず確認してください。契約後に「家族とペットが別々のお墓だった」と知り、希望通りに埋葬してもらえない可能性もあります。
樹木葬のデメリットは以下の4つです。
1.お墓へのアクセスが悪い場合もある
2.お参りの対象がわかりにくい
3.大人数だと埋葬スペースを確保するのが難しい
4.埋葬後に遺骨を取り出せない霊園もある
以下、それぞれについて解説します。
樹木葬のお墓は緑に囲まれた景観の良い場所にあることが多く、お参りに行きにくいかもしれません。とくに里山型は郊外に位置しており、自家用車や送迎バスなどの交通手段が必要です。
高齢になると運転免許を返納する方が増えるため、お墓参りに行くのが難しくなる状況も想定されます。自宅からどのくらい距離があるか、公共の交通機関でもアクセスできるかなど、将来を見据えてお墓を購入しましょう。
樹木葬では一般的に墓石を設置しないため、どこにお墓があるかわかりにくいのがデメリットです。墓標代わりの樹木や花はありますが、明確な目印はありません。
墓石のあるタイプのお墓を見慣れている方からすると、「あまりお墓らしくない」と違和感を抱くことも考えられます。最近の樹木葬のお墓はおしゃれな外観になっているため、なじみにくいかもしれません。新しいスタイルのお墓を柔軟に受け入れられる方なら問題ないでしょう。
樹木葬のお墓は、少人数の埋葬を前提に造られています。お墓の契約者本人のみ、もしくは夫婦のみのケースなら埋葬スペースを確保しやすいでしょう。
ただし「先祖代々の遺骨を納めたい」「両親と子どもの全員が同じお墓に入りたい」という場合は、樹木葬以外を検討すべきです。人数が多くなるにつれて費用もかさむため、お墓に入る予定の人数を考慮してください。
樹木葬のコンセプトは「遺骨を自然に還す」ことなので、骨壺から取り出して土に埋めるケースが多数です。この場合は、埋葬後に別のお墓へ改葬したいと思っても遺骨を取り出せません。
なかには骨壺のまま埋葬するタイプの霊園もありますが、基本的には希望が通りにくいと考えるべきでしょう。なお合祀タイプを選ぶと最初から他の遺骨と混ざった状態になるため、家族の遺骨を取り出せなくなります。
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メリットの多い樹木葬ですが、注意点もあるため把握しておきましょう。
1.粉骨しないと埋葬できない霊園がある
2.季節によっては風景が変わることもある
3.火災防止のため線香やお供え物が禁止されている場合が多い
以下、それぞれ解説します。
粉骨とは遺骨を細かいパウダー状に加工することを指し、「砕骨」とも呼ばれます。埋葬する区画が狭い霊園では、少しでもスペースを確保するために遺骨を砕いてから納骨すると定められています。
ただし霊園によっては遺骨の一部を手元に残してくれる場合もあるようです。粉骨に抵抗がある方は検討してみましょう。
霊園のパンフレットに掲載されている写真は、あくまで景観の一部です。春や夏などはきれいに花が咲いていても、秋冬になると葉が枯れて寂しい景色になるかもしれません。
自然を売りにしている樹木葬ならではの注意点として、頭の片隅に入れておきましょう。できれば冬にも現地を見学しておき、季節の変化を確認するとギャップを感じずに済みます。
樹木葬のお墓では、通常のような墓参りや法事ができないケースも想定されます。自然に近い環境にあるため、線香が火災の原因になったり、野生の動物がお供え物を狙ってお墓を荒らしたりするからです。
お墓がある場所ではなく、離れたところにお参りできるスペースが設置されている霊園もあります。あらかじめ施設の概要を確認しましょう。
ここでは樹木葬に関する3つのトラブルを紹介します。
・親族に反対される
・好きな樹木を選べるとは限らない
・想定より費用が高くなる
いずれもよくある内容なので、樹木葬を検討している方は知っておきましょう。
日本における樹木葬の歴史はおよそ20年ほどと浅く、一般的なお墓と比べて認知度が高いとはいえません。若い世代には受け入れてもらいやすいですが、年配の方から反対される可能性もあります。
樹木葬に限ったことではありませんが、契約する前に家族や親戚とよく相談してください。埋葬方法を巡りトラブルになるかもしれません。
霊園によって植えられる樹木がいくつか決まっており、選択肢に気に入ったものがないこともあります。また区画ごとに植物を植えるのではなく、シンボルツリーの周辺に遺骨を埋葬するパターンも考えられます。霊園のパンフレットに目を通し、細かい情報も把握しておきましょう。
樹木葬は少人数向けのお墓なので、埋葬する人数が多いと想像以上に費用がかかります。お墓の費用を節約したい方はぜひ覚えておきましょう。
霊園が都市部にある場合は、もともと費用が高めに設定される傾向にあります。あとからお墓に入る人数が増える見込みなら、あらかじめ墓石があるタイプのお墓を選んだほうが割安でしょう。
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樹木葬は埋葬方法の1つであり、通常のお墓を購入する場合と手順は変わりません。
1.霊園や墓地を探す
2.お墓を見学する
3.契約手続きをする
4.墓地の使用許可証を取得する
5.埋葬と納骨を行う
なお、墓石が存在しないため魂入れ(僧侶に読経してもらい位牌に故人の魂を宿らせる)の儀式は不要です。
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