送り火はいつやるもの?住んでいる場所別の方法も紹介

送り火はいつやるもの?住んでいる場所別の方法も紹介

大切な方が亡くなってから初めてお盆を過ごすという方もいるのではないでしょうか。お盆の儀式の中には「送り火」という儀式があります。

最近では住環境の多様化により、一般的な方法で送り火ができないと悩んでしまう方もいるかもしれません。送り火は一般的に亡くなった方や先祖の魂を見送るという儀式です。地域性に富んでいるだけでなく、家庭環境によって方法が変化するため正解がありません。送り火の概要や一般的な送り火の方法・代替え案を知ることで、ご自身に合うかたちで送り火ができます。

そこでこの記事では「送り火はいつやるものか」について確認しましょう。住んでいる地域や居住場所ごとでの方法を交えながら網羅的に紹介します。

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こんな人におすすめ

送り火はいつやるものなのか知りたい方

住んでいる場所別の送り火の方法を知りたい方

全国の送り火に関する代表的な行事を知りたい方

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送り火はいつごろやるもの?

一般的な送り火をする時期はお盆が終わるときですが、「いつやるべきか」については住んでいる地域によって異なります。また、送り火をいつまでやるかも地域や家庭環境によって差があるため一概にタイミングを言い切れません。ここでは一般的に送り火がいつなのか解説します。

お盆最終日の夕方ごろからが一般的

送り火はお盆最終日の夕方ごろから始めるというパターンが一般的です。送り火には自宅を訪問していたご先祖様の魂をお見送りするという意味合いが込められていることから、夕方17時頃から始める地域・家庭が多いようです。

また、お盆の中でも故人が亡くなって初めて迎える「新盆(初盆)」は特に重要視されます。新盆では、迎え火・送り火だけでなくお盆の法要を設ける場合があるため、一度葬儀社や菩提寺に手順を確認することをおすすめします。

送り火をするお盆の時期は?

お盆期間中に自宅にお迎えした魂を送り火の煙に乗せてあの世にお見送りすることから、お盆の最終日の20時ごろまでには送り火をします。一般的なお盆の時期は新暦でいうと8月13日~8月16日です。

ただし、お盆に関連する儀式・行事については設定時期も含めて地域性があることを考慮しなければなりません。

・東京や神奈川など一部地域:新暦7月13日~7月16日
・沖縄や奄美諸島:旧暦7月13日~7月16日

上記に挙げた一例のように一部の地域ではお盆の日程が異なります。住んでいる地域で「いつからいつまで送り火をするか」を詳しく知るためには、葬儀の際に依頼した葬儀社や菩提寺に確認しておくと安心です。

送り火の意味

お盆は日本特有の文化といわれています。この期間に亡くなった方の魂やご先祖様の魂を自宅にお迎えして一緒に過ごすという風習です。ここではお盆の行事から送り火に特化してどのような意味合いがあるのか確認しましょう。

ご先祖様の見送りのためにする

送り火は、お盆期間に自宅に帰ってきたご先祖様の魂をあの世へ見送るためにたかれる火です。

「現世に来た魂が無事にあの世に帰れるように」と祈りを込めて火をたくだけでなく、ご先祖様や亡くなった方とのかけがえのない時間に感謝するためにたくという意味合いも含まれます。

ご先祖様がお盆に帰ってくるという考えは日本独特の風習です。もともと日本に根付いていた祖先崇拝と仏教の盂蘭盆会が混ざり合って続けられてきたといわれています。

送り火と迎え火はセット

迎え火と送り火は、一般的にお盆の初日と最終日に執り行われる儀式です。両方セットで覚えておくと理解を深めるために役立ちます。

迎え火は、あの世から現世へ訪れるご先祖様や故人の霊が、迷わず自宅に戻ってこられるようにとお盆の初日にたかれる火です。故人やご先祖様の霊を歓迎する役割も果たしています。

浄土真宗では送り火がない

浄土真宗の場合、迎え火と送り火の儀式は一般的に執り行われません。これは、浄土真宗は往生即成仏の考えを持っていることに起因します。

浄土真宗では「亡くなった方の魂はこの世に戻らず仏になる」「故人は仏になるため、お盆の時期だけ現世に戻り、子孫の供養を受けるような人物ではない」という独自の死生観があるためです。

送り火の一般的な方法

送り火では細かな作法が異なることもありますが、ここでは一般的な方法を確認しておきましょう。まずは、住んでいる地域のしきたり、いつやるのか確認することがおすすめです。また、基本的に送り火では実際に火をたきます。周囲に十分注意し、火の始末をするところまでを一貫の流れとして考えておきましょう。

一般的な送り火で用意するもの

送り火に向けて用意するアイテムは迎え火のときと変わりません。以下の物を用意します。

・素焼きの器の焙烙(ほうろく・ほうらく)
・オガラ(麻ガラ)
・精霊馬

オガラ(麻ガラ)とは麻の芯のことです。燃やすことによりその場にいる人たちや場所を清めてくれる清浄な植物とされており、燃やした煙がこの世とあの世をつなぐ役割を果たすといわれています。

精霊馬とはナスでできた牛とキュウリでできた馬のことで、ご先祖様の乗り物です。精霊馬を送り火・迎え火する場所に置くことで魂が精霊馬に乗って煙と火を道筋にし、あの世とこの世を行き来できるようになるとされています。

一般的な送り火までの流れ

送り火はお盆の最終日である8月16日に執り行うのが一般的ですが、地域によっては旧暦の7月16日に行うこともあります。夕方以降に火をたくのは火がご先祖様から見えやすくなるためです。以下の手順でお盆の最終1日を過ごします。

・午前中のうちから精霊棚にお供え物をする
・家族で食事を囲む
・夕方から夜にかけて迎え火をたいた場所に精霊場を設置
・精霊場に精霊馬と焙烙を出す
・焙烙の上でオガラ(麻ガラ)をたく

送り火のやり方を居住地・居住タイプ別に紹介

最近では住居スタイルの多様化により、送り火の方法も変化に合わせてさまざまな方法がとられます。

中には、「送り火をやりたくてもできない」住環境の方もいるでしょう。住んでいる集合住宅のルールや、地域の防災ルールを考慮しながらできる送り火の方法もあるため、参考にしてみてください。

東京の送り火はいつ?どうする?

東京のお盆は新盆(東京盆)を採用している傾向にあり、7月13日からの新盆の地域では送り火も7月16日にします。

郊外など火をたいても周囲に迷惑がかからない場所に住んでいる場合は、一般的な送り火の方法で執り行っても差し支えないでしょう。

しかし、アパートやマンションなどの集合住宅に住んでいたり、火をたいたら近所迷惑になる可能性があったりする場合は、配慮が必要です。火をたかずに「送り」をする方法もあるので確認してみましょう。

地方の場合

地方は農業と密接な関わりをもって季節の行事があることも多く、明治時代に改暦があった際、お盆の期間を新暦の7月に移すのは難しい背景がありました。こうしたことから地方では8月15日前後にお盆を迎える地域が多く存在します。送り火も古くから伝わる地域の特色をもっていることが多いため、方法や流れは地域の方に確認してみましょう。

送り火では火をたいても周囲に迷惑がかからない場合、一般的な送り火の方法をベースに地域のしきたりに従って行いましょう。自宅前で見送ったり、お墓まで提灯を灯してお送りしたりするなど、独自のしきたりに準じた送り火でご先祖様や故人の霊をお見送りする地域もあります。

集合住宅や住宅地の場合

集合住宅や住宅地によっては防災ルールがあって、火をたけないという家庭もあるかもしれません。送り火では火をたけないものの、ご先祖様や亡くなった方をきちんと見送りたい場合は、炮烙とオガラ(麻ガラ)の代わりに提灯を使用しましょう。

最近では、蓮の花をモチーフにした可愛らしい小ぶりの提灯やランプも販売されていますのでおすすめです。

提灯を精霊馬の側に設置し、送り火の時間に灯りをつけてご先祖様や亡くなった方の霊をお見送りしましょう。

浄土真宗の場合の送り火の代用

故人や家庭が浄土真宗だった場合、浄土真宗独自の死生観もあるため基本的には送り火はしないものとされています。しかし、浄土真宗だからといって、必ずしも迎え火と送り火をしてはいけないというわけではありません。

浄土真宗の信者の中には、送り火と迎え火をたかない代わりに提灯を代用して故人と心の交流をする方もいます。遺族間や菩提寺に相談して対応を考えるとよいでしょう。

全国の送り火に関する代表的な行事

地域によって送り火は行事化されていることから、送り火は地域性に富んだお盆の儀式のひとつであることが分かります。

何らかの事情で個人的に送り火ができないという場合は、送り火に関する行事の中でご先祖様の霊や亡くなった方の霊をお見送りするという方法を試してみるとよいかもしれません。ここでは全国の送り火行事の一部を紹介します。

京都・五山送り火

「京都・五山送り火」はお盆の精霊を見送り無病息災を祈願するための送り火で、「京都市登録無形民俗文化財」に指定されている古くから親しまれている行事です。

通称「大文字焼き」とも呼ばれ、京都の夏の風物詩として国内だけでなく、海外からも観光客が訪れます。「京都・五山送り火」は例年、8月16日の夜20時ごろスタートです。

・松ヶ崎
・西加茂
・大北山
・嵯峨

の各山の上に文字が浮かび上がり、お盆の精霊たちを盛大に見送ります。

奈良・大文字送り火

奈良の高円山の中腹で点火される「奈良・大文字送り火」は先祖を見送る役割があるだけでなく、世界平和も祈られている送り火です。

例年8月15日に執り行われている「奈良・大文字送り火」の点火時間は、日が沈んだ後の20時からで、奈良市内の各所で鑑賞できます。

箱根・強羅大文字焼

箱根三大祭とされている「箱根・強羅大文字焼」は100年の歴史があるといわれる先祖供養の送り火で、例年8月16日の夜に執り行われている行事です。

200本~300本の松明で作られた「大文字焼き」だけでなく、その後は打ち上げ花火も鑑賞できます。

事前申し込みで大文字焼きに合わせた供養の受付も行っているため、気になる方は問い合わせてみましょう。

長崎・精霊流し

先祖を見送る「送り火」は、裸の火をたくタイプだけではありません。長崎県を中心に執り行われている「精霊流し」も送り火の一種です。

かつて、亡くなった方を海に流して供養していたという行事が発展し、現在では船型の提灯を川に流してご先祖様の霊や亡くなった方の霊をあの世へ送るという風習が誕生しました。

長崎県の精霊流しは観光行事としても有名です。同じ九州地方の熊本県熊本市や佐賀県佐賀市などの地域でも精霊流しが執り行われます。

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まとめ

送り火はお盆の最終日にご先祖様や亡くなった方の霊を、あの世へ見送るための大切な儀式です。送り火などのお盆に関する儀式や行事は地域性が強いことから、正解がありません。そのため、送り火をいつ、どうすればよいかなど、悩むこともあることでしょう。

ご自身の住居環境や地域のしきたりを考慮して、無理のない範囲でご先祖様や亡くなった方の霊を気持ちよくお見送りすることが大切です。また、時代の変化や住宅の多様化により、送り火に関して迷いが生じることもあるかもしれません。

送り火でお困りのことがある方は、葬祭のプロである小さなお葬式へお気軽にご相談ください。疑問を解消するアドバイスをいたします。
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監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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