通夜や葬儀といった一連の葬式の際には、遺族は「喪章」と呼ばれる腕章やリボンを身に着けることがあります。喪章は故人を悼む気持ちを表すとともに、弔問客に遺族であることを分かりやすく伝えるためのしるしです。必ずしも着用しなければいけないものではありませんが、意味合いや役割については知っておくとよいかもしれません。
この記事では、喪章の役割や着け方、喪章の価格と手に入れる方法などについて解説します。
<この記事の要点>
・喪章には故人を悼む気持ちを表し、弔問客に遺族であることを分かりやすく伝える役割がある
・喪章には「腕章タイプ」と「リボンタイプ」の2種類があり、いずれもも左側に着ける
・喪章の価格は数十円から1000円以下で、葬儀社や仏具店、コンビニなどで購入できる
こんな人におすすめ
葬儀を行う予定の方
喪章の意味や役割を知りたい方
喪章の種類について知りたい方
「喪章」とは、葬儀や通夜の際に腕に巻く黒色の腕章と胸元あたりに着けるリボンのことです。喪章は、日本の歴史の移り変わりとともに用いられるようになりました。ここでは葬式における喪章の意味合いについて解説します。
時代の流れとともに葬式のスタイルも少しずつ変わってきました。古来日本の葬式では、遺族側は白装束、弔問客は羽織袴などの正装というように、服装で立場が分かるようになっていました。
しかし、明治維新以降は遺族・弔問客ともに黒色の喪服を着用するのが一般的になり、関係者の区別のために喪章を用いるようになった、という背景があります。
喪章を着けていることで、弔問客に「遺族であることがひと目で分かる」ようになっています。加えて、黒い喪章を左腕に着用することは、故人を悼む気持ちを表すものとしての役割もあります。日本には仏教の教えに基づいた「本尊から見て右側が上位」という考えがあり、自身の身体の左側に喪章を着けることは最大の弔意を表すとされています。
喪章は遺族側の関係者が身に着けるものです。場合によっては喪主のみの着用であったり親族全員が着けたりすることもあります。また、葬式などのお手伝いをする遺族と近しい方や、葬儀社関係の方が着ける、ということもあるようです。
喪章の装着に関しては明確なきまりはありませんが、遺族側だけが着用するものであるということは覚えておきましょう。
喪章は「腕章タイプ」と「リボンタイプ」の2種類がありますが、どちらも左側に着けるという点は共通しています。これは先ほど解説した通り、仏教の考え方に由来していて、本尊から見て右側(仏壇に向かって左側)のほうが上位であるとされているためです。
イメージ写真の出典:【弔用・喪章】ビラ(安全ピン付き):フタバ装飾
イメージ写真の出典:[セレモニー関連] 喪章(マジックテープ付)(アセテート) | 株式会社サクラクレパス
腕章タイプは黒色の布で作られていますが、なかには白色で家紋の入った喪章もあります。喪章は左腕に巻き、二の腕の高さにピンで留めるのが一般的です。近年は喪服をピンで傷めないよう配慮されたマジックテープ型の喪章も多くなっています。
腕章タイプとリボンタイプのどちらがよいといったことはなく、マナーに沿って着けることと故人への弔いの気持ちが大切です。
リボンタイプの喪章にはさまざまなデザインがありますが、基本的に黒一色または黒色と白色の生地(多くの場合ポリエステル)で作られているのが一般的です。
形も腕章タイプと比較するとさまざまで、バラをイメージした記章にリボンが下げられたタイプや、文字通りリボン型になったものなどがあります。リボンタイプの場合は、左胸のポケットの上部にピンで留めますが、地域によっては腰付近に着ける場合もあります。こちらも正確なきまりはありません。
喪章を着用することを決めたら早めに準備しましょう。葬儀社で準備をしてくれるケースも多いですが、事前確認は必要です。仏具店、斎場に近いコンビニでも取り扱っていることがあるので問い合わせてみるとよいでしょう。リボンタイプは、文具店でも取り扱っていることがあります。
葬式のスタイルによっては喪章の取扱いがなかったり、準備した喪章では足りなかったりすることも考えられます。もしものときは、市販の黒色リボンと安全ピンで簡単に作ることもできると覚えておきましょう。
【腕章タイプ】 |
1枚200円~500円ほどで購入可能です。葬祭セットとして販売されているものの中に、ネクタイ・数珠・香典袋などと一緒に喪章が入っていることもあります。 |
【リボンタイプ】 |
デザインによって大きく価格が異なります。一般的にシンプルなリボンの場合は1枚数十円から購入でき、バラの花や五方黒などのデザインであれば1枚300円~1000円以下で購入可能です |
【自作する場合】 |
リボンテープや安全ピンを用意し簡単に自作可能です。デザインによって1枚の価格は変わってきます。 1. 幅2.5cm前後の黒色リボンを10cm長さに切り、両端をギザギザはさみで切る(ほつれ防止) 2. 中央でリボンを折りアイロンで軽く押さえ折り目をつけ、中央より5mm部分を縫う 3. 輪になった部分に安全ピンを通して完成 |
ビジネススーツやリクルートスーツなどに喪章を着けただけでは喪服にはなりません。遺族のひとりとして個人や弔問客に失礼のないよう、喪服を着用したうえで喪章を着けることが望ましいでしょう。
略式喪服であっても男性ならばブラックスーツに白いシャツ、黒いネクタイを締め喪章を、女性なら黒のワンピースやアンサンブルに喪章を合わせるのが基本的なマナーです。
喪章は関係者の区別のためにも、通夜から告別式までは着用しておく必要があります。一般的に、火葬前後からは遺族や親族のみが残ることになるため、遺族の目印としての喪章は不要です。葬儀社からのレンタルなどの場合は、火葬後に外してお返ししましょう。また、葬式以降の四十九日法要や年忌法要などでは喪章を着ける必要はありません。
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喪章は遺族が故人に対して弔いの気持ちを表すと同時に、参列される方への分かりやすい目印となるものです。
葬式に必須のものではありませんが、比較的容易に手に入れることができます。喪主をはじめとした遺族と話し合い、喪章を使用するかどうかを決めるとよいでしょう。着用する際は、黒を基調にしたものであれば、腕章タイプでもリボンタイプでも構いません。
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初七日とは故人の命日から7日目に行われる法要のことです。ホゥ。