葬式の引き出物はどうしたらいい?相場や渡し方も解説

葬式の引き出物はどうしたらいい?相場や渡し方も解説

葬式では、会葬者から香典や供物をいただくのが一般的です。喪主側は贈られた気持ちに対して感謝を表すために、引き出物を用意します。ただし、引き出物にはマナーがあるため、会葬者に対して失礼にあたらないように品物を選ぶことが大切です。

この記事では、葬式の引き出物について解説します。相応しい品物や相場、渡し方を把握しておくと、いざという時に慌てなくて済むでしょう。これから葬式を控えている方にとっても役立つ内容です。

こんな人におすすめ

葬式の喪主として準備を進めている人

引き出物の用意に悩んでいる人

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葬式の引き出物とは

お通夜や葬儀の際に会葬者にお渡しする引き出物は、一般的に「香典返し」といいます。四十九日を過ぎた法事でお渡しする場合は、「引き出物」と呼ぶのが通例です。

また、香典の有無に関係なく、会葬者全員にお渡しする品物も引き出物といいます。引き出物と聞くと結婚式に使う印象がありますが、もともとの意味は「出席者へのお礼・お土産」であり、弔事でも変わりありません。

葬式の引き出物における相場

引き出物の相場は、地域や宗派によって異なる上に、故人との関係性も踏まえて考えるため一概にはいえません。特に、親族や故人と懇意にしていた方は、香典を多く包む傾向にあり、引き出物も比例して高額になるでしょう。

とはいえ、引き出物はいただいた香典や供物と同額にする必要はありません。いただいた額面の3分の1〜2分の1程度が一般的です。

また、葬儀の後に「御斎」と呼ばれる食事の席を用意している場合は、御斎一食分の金額と引き出物一人分を合わせて、香典の70〜80%程度でよいとされています。御斎を設けず、仕出し弁当を用意した場合も同様です。

葬式の引き出物にかける掛け紙について

葬式における引き出物は、掛け紙をかけてお渡しするのがマナーです。掛け紙にはさまざまな種類があり、書き方に関しても決まりがあるため悩む方も多いかと思います。続いては、引き出物にかける掛け紙のポイントについて解説します。

掛け紙と熨斗の違い

慶事や祝い事、お礼の際に品物を贈るときは「熨斗(のし)」の付いた「熨斗紙」をかけるのが一般的です。同じように、葬式の引き出物にも紙をかけますが、弔事では「掛け紙」を選びます。

熨斗紙とよく似ていますが、掛け紙には「熨斗あわび」と呼ばれる図柄が描かれていません。理由としては、熨斗あわびは慶事の際に添える縁起物であるため、葬式には相応しくないからです。

本来なら、引き出物に紙をかけ、さらに水引を結びますが、昨今は簡略化されています。そのため、水引が印刷された掛け紙を使用するのが通例です。

掛け紙の種類

掛け紙と一括りにしても、実はいくつかの種類があります。仏式の葬式を執り行う場合は、蓮の花が描かれた掛け紙を使うのが一般的です。一方で、仏教以外の葬式では、蓮の花が描かれたものは使いません。

水引は、「黒白結び切り」を選ぶのが通例です。ただし、関西〜西日本エリアや北陸地方では、「黄色結び切り」を使うケースも見られます。葬式で使う水引の「結び切り」には、二度と繰り替えさないといった意味があり、婚礼やお見舞いなどでも使うデザインです。結び切りは、一度結ぶと解けないことが由来となっています。

表書きについて

掛け紙にデザインされた水引の上部分には、贈り物の目的を書くのが通例です。葬式の引き出物では「志」や「粗供養」と書くのが一般的でしょう。ただし、エリアによっては「満中陰志」と書くケースもあります。また、キリスト教や神道では「偲び草」と書くため注意しましょう。

水引の下部分には、喪主側の名前で「〇〇家」、もしくは姓だけを書くのが一般的です。最近はフルネームで書くケースもあるようです。

葬式の引き出物の渡し方

葬式は、会葬者の対応や準備などで忙しくなるため、引き出物を渡すタイミングや渡し方に悩む方も少なくありません。滞りなく葬式を執り行うためにも、速やかに引き出物を渡したいものです。また、渡せなかったときのことも考えておく必要があります。

続いては、引き出物の渡し方に関するポイントをまとめます。

会葬者が帰路につくタイミングで渡す

葬式において、引き出物を渡すのに適した場面は、会葬者が帰路につくタイミングです。また、会食がある場合は会食を終えたときがよいでしょう。あまりに早い段階で渡してしまうと、荷物になるばかりか、会場に忘れてしまう可能性もあるので要注意です。

引き出物は僧侶にも渡すのが通例ですが、僧侶に対しては法要が始まる前か終わった後に、お布施と合わせて渡すのがスマートです。

引き出物を郵送する場合

親族や故人の知人に葬式の案内を出したものの、事情によっては参列できないことも考えられます。そうした場合、香典を郵送していただくこともあります。郵送でいただいた香典に対しても、きちんと引き出物をお返しすることが大切です。

直接お会いして渡すのも一つの方法ですが、遠方にいる場合などの状況によっては郵送することもあります。その際には、品物だけではなくお礼の手紙も添えておくと丁寧です。

ご家族で会葬された場合

ご家族や夫婦で会葬された方からは、香典や供物を世帯でまとめていただくのが一般的です。そのため、引き出物も家族単位で一個渡します。ただし、夫婦別々にお供えをいただいた場合は、それぞれに引き出物を渡すようにしましょう。

身内に対する引き出物

基本的に喪主と生計を共にしていて、かつ共に暮らしている家族や兄弟に関しては、お供えを渡す立場にないため引き出物も必要ありません。一方で、すでに独立して別に暮らしている身内からのお供えに対しては、引き出物を手渡すのが通例です。

葬式の引き出物に相応しい品物

葬式の引き出物は、相場さえ合わせていれば何を用意してもいいというわけではありません。マナーを守って相応しい品物を用意することが大切です。

また、会葬者が斎場から自宅まで持ちかえることも踏まえて、品物選びをすることも欠かせません。遠方から来てくださった方の負担にならないように、できるだけ重量がないものを選びましょう。

食品ギフト

葬式のお返しは「不祝儀」と呼ばれ、悲しみや不幸を繰り返さないように使ってなくなる「消えもの」を贈るのがマナーです。食品は食べたらなくなるため、葬式の引き出物として相応しいでしょう。

特に、お茶・海苔・砂糖といった日常的に使う頻度が高い品物は、会葬者側にとっても重宝される品物です。

菓子折り

食品ギフト同様に、菓子折りも葬式の引き出物としてよく選ばれます。和菓子・洋菓子を問いませんが、生ものは日持ちがしないため避けるようにしましょう。クッキーやあられなどの焼き菓子が適切です。

また故人が好んで食べていたお菓子を用意すると、会葬者も故人を偲ぶことができ喜ばれるでしょう。

日用品

「消えもの」は食べ物だけではありません。洗剤や石鹸、タオルなども引き出物に使える品です。特にキッチン・入浴用品には悲しみを洗い流すといった意味もあり、葬式の引き出物として頻繁に使われます。

ただし、洗剤や石鹸はある程度の重さがあるため、できるだけ軽量タイプを選ぶと親切です。

カタログギフト

最近、葬式の引き出物として主流になっているのがカタログギフトです。相応しい商品が掲載されているため、安心してお渡しできます。また、会葬者側も自由に品物が選べる上に、配送してもらえるので便利でしょう。

特に、葬式に会葬する機会が多い方は、毎回同じようなものをもらって溜まっているケースも見られます。一方で、カタログギフトであれば必要なものをもらえるため重宝されるでしょう。

葬式の引き出物で控えるべき品物

消えものであっても、葬式の引き出物では控えた方がよいとされる品物があります。知らずにお渡しして無礼にならないように、準備する前に確認しておきましょう。

昆布や鰹節

昆布や鰹節は、結婚式や結納で使われる品物です。それぞれ験担ぎの意味があり、不祝儀である葬式の引き出物には相応しくありません。海苔やお茶と並んで選択肢に入れがちな品なので、注意する必要があります。

お酒

日本酒やビールも、一見消えものなので葬式の引き出物に使えそうですが、実はあまり相応しくありません。葬式の引き出物に不向きな理由として、重量がある点が挙げられます。

また、祭り事や神事などのお祝いシーンをイメージさせることもあり、避けたほうが無難です。御斎の席では日本酒やビールを振る舞うため、意外と見落としてしまいがちなマナーです。

冷蔵・冷凍品

肉や魚などは、殺生を連想させることから弔事ではタブーとされています。また保存の面を踏まえても、傷みやすい冷蔵・冷凍品は葬式の引き出物として相応しくありません。特に、夏場の暑い時期は要注意です。葬式の引き出物には、消費期限が長い加工品を選ぶのが適切です。

金券

金券は、お金ではないものの額面が明確になるため、葬式の引き出物として相応しくないとされています。特に、大勢が会葬するような葬式では注意が必要です。しきたりを気にする方や年配の方が会葬される場合、明確に金額がわかる金券は遺族へ反感を買う可能性があります。

ただし、関係性が深い方や小規模で開催する身内だけの家族葬では、好きなものに使ってもらえることから商品券を渡すケースも増えてきました。会葬者に配慮は必要ですが、問題がないと判断した場合は商品券を用意するのも一つの方法です。

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まとめ

葬式の引き出物に関するマナーは多岐に渡ります。特に品物選びは慎重にすることが大切です。意外な品物がマナー違反に該当するケースもあるため、品物が持つ意味や相手に与える印象も踏まえながら選ぶように心がけましょう。

葬式の引き出物で悩む場合は、カタログギフトをうまく活用するのも一つの方法です。小さなお葬式でも、葬式の引き出物に関するご相談やWeb上でカタログギフトの申し込みを承っております。これから引き出物を準備する予定がある方は、ぜひご相談ください。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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