故人が生前に作った負債を遺族が抱えてしまう、という話をドラマや映画などで一度は見たことがある方は多いのではないでしょうか。故人の財産の中に借入金が多く含まれていたという事例は、現実でも多くあります。
「自分の両親は借金などしていないだろう」と考えていても、自分の子供には知らせていないだけで膨大な借入金を抱えていたということも少なくないのです。
そこで今回は、相続するものの中に負債が多く含まれていた場合の対処法と注意点をご紹介します。もしもの時のために目を通しておきましょう。
<この記事の要点>
・債務控除制度を利用すれば、相続財産からマイナスの財産を差し引くことができる
・金融機関や第三者からの借り入れも債務控除の対象になる
・団体信用保険がついた住宅ローンは控除の対象にならない
こんな人におすすめ
相続で負債が多く含まれていた場合の対処法を知りたい方
相続で負債が多く含まれていた場合の注意点を知りたい方
負債金を債務控除する方法を知りたい方
遺産に負債が含まれていた事例は意外と多くあります。理由はもちろん様々ですが、何かしらの負債があり、負債を多く抱えたまま逝去してしまったというものです。
「自分の両親は真面目だから負債などないだろう」と考える方が多いですが、負債があったとしても実の子供には伝えないもの。多くの場合が逝去してから知ることになります。
そこで、生前に負債があった場合どうなるのかをご紹介します。遺産相続の可能性がある方は、目を通しておきましょう。
遺産を相続する場合には負債もセットでついてきてしまいます。財産だけもらって負債は放棄したいという声も多く聞きますが、財産をもらう場合負債の放棄はできません。
負債があることを知らなかった場合、寝耳に水でしょう。しかし、負債があると発覚した時点で、遺産を丸ごと放棄するのかどうかの判断をしなければならなくなります。負債だけ放棄して財産はもらいたいということはできないため、注意が必要です。
負債が発覚したら財産調査を行いましょう。今回発覚した負債以外に借金があるのかどうか、もしくは発覚している以上の金額の財産を保持しているのかなどを、細かく調べなければなりません。
全ての状況を把握したうえで、財産を放棄するのかどうかを選択しましょう。多額の負債が発覚したものの、それ以上の財産が発見される可能性もあります。負債が見つかったからといってそのまま放棄してしまうのではなく、現状をしっかり調査し把握したうえで最終判断を行いましょう。
また、負債がよくわからない場合に「限定承認」という方法を取ることができます。財産と負債を相殺してくれる制度なので大変便利ですが、裁判所に申し立てを行ったり手続きが非常に入り組んでいたりとかなり難解です。
そのため、便利な制度なのに実際に利用する方が少ないのが現状です。限定承認を検討している方は、専門家への依頼を検討しましょう。
負債や財産の見落としがあると手続きは完了できません。財務所の判断によっては、悪質な所得隠しと判断されてしまうかもしれません。故人が遺した財産の処理は相続する方が責任を持っておこなう必要があります。
そこで、財産の見落としがないように確認するためのポイントをご紹介します。見落としがないように、ポイントに従って調査してみてください。
遺品整理をしていて財産や負債が発覚する事例が多くあります。故人が大事にしていたものや場所などは、しっかり確認しましょう。
銀行に預ける方が多いものの、中には銀行に預けずに自分で保管していることも多くあります。そうなると周りの方が把握するのはかなり困難でしょう。タンスの中や神棚の上などに封筒に入れられた現金が置かれている事例も少なくないので、家の中もくまなく探すことをおすすめします。
借用書などが発見されることもあるので、借り先と負債額も合わせて把握しなければなりません。後から相殺できるかどうかの重要な書類になるため、見落とさないようにしっかり調べましょう。
故人が利用していた金融機関に問い合わせ、預金残高を確認することも忘れてはいけません。遺族が思っていたよりも預貯金が多い場合や、その逆も当然あります。
親族に心配をかけたくないから、と金銭状況を普段から全て伝えない方も多いでしょう。遺族の予想と反した額が残高として遺っていることも十分考えられます。申告を行う際には残預金の把握も必ず行わなければなりません。
郵送物の中に遺族が知らない銀行からの郵送物が紛れている事例もあります。遺族が知らない口座を故人が作成しており、預貯金が遺されていたなどないように、故人宛の郵便物は細かくチェックしてください。
負債などの借り入れは、遺族が把握していない例がほとんどでしょう。親族に迷惑をかけたくないからと秘密にする方が多い傾向にあります。そのため、督促の連絡が入り発覚することも非常に多いです。
しかし、負債額を把握しておかないと申告も納税もできません。少し気が引けるかもしれませんが、故人宛の連絡は遺族が丁寧に全て対応しましょう。
故人が逝去したことで支払いが滞るはずなので、数ヶ月以内に必ず連絡があるはずです。借り入れ先と負債額を把握するためにしっかり対応してください。
また、金融機関からの借り入れであれば信用情報機関へ問い合わせることで把握ができます。相続人であれば情報の開示もスムーズにおこなうことができるので、必ず忘れずに情報開示をおこないましょう。
負債を相続してしまう場合、債務控除制度を利用できます。その場合、基礎控除として設けられている3000万円+600万円×法定相続人数の計算式が重要になります。計算式の合計以上であれば税金が発生しますし、それ以下であれば納税の義務は発生しません。
債務控除の場合、財産の総額から債務分が引かれ、その結果が上記の計算式以下であれば納税の必要がなくなります。受け取る財産は当然少なくなってしまいますが、相殺できるようであれば債務制度を利用しましょう。
しかし、債務控除の対象となる借金には条件があります。以下の条件に合致しているかどうかを確認してみましょう。
金融機関からの負債は債務控除の対象となります。逝去した時点で残った残高や利息は財産から引くことができます。あくまでも逝去した時点での残額になるので、過払い金として故人が支払った合計の返金を求めることはできません。
実際に、故人が逝去してから発覚する負債の中で一番多いのが銀行など金融機関からの借り入れです。銀行から借り入れている場合、信用情報機関に問い合わせるだけで簡単に把握できるため、計算しやすく対応もスムーズに進むでしょう。
第三者からの借り入れも、債務制度の対象になります。そのため金融機関からの借金と同じように、故人が逝去したときに残った金額と利子が財産から引く形で相殺できるでしょう。
とはいえ、第三者からの負債は金融機関からの借金と比べると少し厄介です。なぜなら個人的に借りているものに関しては督促や連絡を待つしか方法がありません。情報を開示しても記載されていないことがあるので、注意が必要です。
故人が連帯債務者となっている場合も同じように対象となります。
連帯債務者とは複数人で背負う債務のことですが、この場合も問題なく制度の対象になるでしょう。また、複数人の債務者の中で一人でも履行者が出ると、全員が免れることになります。
しかし、実際の控除額は、故人の分として割り当てられている金額のみになります。連帯での負債が全額控除になるわけではないため注意が必要です。
上記で紹介した項目を見てみると、ほとんどの負債が対象になるのではという印象を受けます。
しかし、中には対象にならない債務も存在しています。全ての借金が対応していると思っていると痛い目を見るかもしれません。対象外となってしまう負債と、その理由を以下で紹介します。
住宅ローンは、本来であれば控除の対象となります。しかし、団体信用保険がついたものに関しては控除の対象にはなりません。
故人が逝去したことで発生する保険金で支払われる仕組みなので、保険金から補填されます。そのため控除にはならないので注意が必要です。
契約方法や条件に応じて細かく変わるので、亡くなる前にローンの契約がどのような状況になっているのか確認しておけると良いでしょう。
第三者の保証人の場合、上記と同様に控除対象に認定されません。保証人になっているという契約状況は負債を背負っているという認識ではなく、返済が滞った時のための保証という位置付けなので故人の負債という認識にならないのが一般的です。
基本的に借金というのは借金をしている本人が支払う可能性があるので、故人が支払う将来は確実だったとはいえないでしょう。この場合は、故人が支払う予定だったものかどうかの判断が難しい不確実な支払いになる、という点で控除とはみなされません。
しかし、借金をしている本人が逝去しており、保証人になっていた故人に支払い義務が発生していた場合は控除対象となります。借金をした人が存命かどうか、または支払い能力があるかどうかで変わってくるので、しっかり把握しておきましょう。
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相続する内容の中に負債が含まれていた場合、借金を背負わされてしまうのではと不安になることでしょう。特に負債に関しては生前に周りの方に伝えない方が多いので、逝去してから対応に困ってしまうという例がほとんどです。
しかし、相続を放棄することで多額の負債を背負う必要はなくなります。また、金額によっては財産で相殺することができるので、安心してください。負債の相続に関しては手続きが細かくかなり複雑なので、不安がある方は専門家への依頼を検討してみましょう。
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