墓石の納骨室の開け方とは?自力で行ってもよいのか

墓石の納骨室の開け方とは?自力で行ってもよいのか

墓じまいなどでお墓を取り外すときや新しい遺骨を納骨するときには、墓石の納骨室を開く必要があります。しかし、納骨室を開扉することは滅多にないため、その方法がわからないという方がほとんどでしょう。また、納骨室の種類も多種多様なので余計に混乱してしまうかもしれません。

そこで、この記事では納骨室を開扉するときの手順や、自力で行ってもよいのかについて解説します。現在、納骨室について疑問や悩みを持っている方はぜひ参考にしてください。

こんな人におすすめ

納骨室の開け方を知りたい方

納骨室を開けた後に行うことを知りたい方

納骨室を開けるときに注意することを知りたい方

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納骨室を開ける前に行うこと

お墓には遺骨を納めるための納骨室と呼ばれる空間が備わっています。別の呼び方では「カロート」といわれています。

納骨室は扉が備え付けられており、自在に開閉できます。しかし、中には納骨室の扉を開扉することに対して抵抗を感じる方もいるでしょう。

納骨室の扉を開扉することは、悪い行為ではありません。納骨室の扉を開扉したからといって天罰が下るわけではないので安心してよいでしょう。

ただし、特別必要がない場合は開扉すべきではありませんし、中の遺骨を許可なく持ち出すことは法律で禁止されています。扉を開扉するだけでも、あらかじめ僧侶や住職に断ってから行いましょう。許可なしで納骨室を開扉すると、最悪の場合「墓荒らし」として警察も関わる事件になる可能性があるため注意しましょう。

納骨室を開ける手順

納骨室の扉を開けると聞くと、ただ扉を開扉するだけでそこまで難しくないと思う方もいるでしょう。しかし、納骨室を開扉する手順は地域や納骨室のタイプによって異なるので、いざというときに迷うことも考えられます。そこで、まずは納骨室の種類を確認するところから始めましょう。

納骨室の種類は2つの種類があり、以下のように分けられています。

・関東式
・関西式

種類ごとに開け方に違いがあるので、1つずつ解説します。

関東式

関東式では、お墓の中心の下部に香炉が設置されており、その下に排石と呼ばれる蓋となる石板が存在します。排石の下に納骨室が設けてあり、骨壷を約8つ納めることが可能です。

納骨室を開ける際は、まずは香炉を抱えて他の場所へ移動させましょう。移動させるときは、不安定な場所には絶対に置かないように注意が必要です。

香炉も他の部分と同じく石でできているため、高いところから落としたり強い衝撃を与えたりすると、欠けたりバラバラになってしまったりします。特に人力で移動させる場合には、とても重量感があり、重いものでは100キログラム程のものもあるので気をつけましょう。

続いて、香炉の下に敷いてある排石を持ち上げます。この排石も香炉と同様に重量感があるので、落としたり強い衝撃を与えたりしないようにしましょう。

排石は蓋の役割を果たしているため、モルタルで固めてあることがあります。このような処置をすることで、雨や虫が納骨室に入るのを防ぐことが可能です。モルタルは人力だけでは絶対に取れないので、間にバール等の器具を挟んで、てこの原理を利用して開扉しましょう。

排石は、モルタルの他にもコーキング材でも接着されていることがあるようです。この場合もモルタルと同じようにバール等でこじ開けるか、カッターなどの刃物で切り取ります。その際、墓石を傷つけることがないように注意しましょう。

排石を開扉したら直接納骨室に入れるので、人ごと入ってしまいましょう。関東式の納骨室はとても広いので、足からそのまま入れます。関東式の納骨室が広い理由は、関東の火葬は全収骨であるからだとされています。

関西式

関西式の場合は、香炉を横にスライドするだけでそのまま納骨室につながります。香炉はとても重いので、指を挟んだり落としたりしないように注意しましょう。

関東式では、地中に納骨室がありますが、関西式ではお墓の中に納骨室があるイメージです。

関西式の納骨室は関東式と比べて狭くなっています。その分、関東式と比べると納骨可能な数も少なくなります。また、人が直接入ることは不可能なので、中の遺骨を取り出したり新しい遺骨を納骨したりする場合はかがんで行いましょう。

納骨室の蓋がないお墓

お墓の種類には、納骨室の蓋がなく地中に直接遺骨が埋めてあるものもあります。このタイプのお墓は、明治時代に建立されたお墓であり、土葬であるためそのような造りになっている可能性が高いです。

ごく稀に、土葬した遺骨を掘り出して骨壷に入れてから再度地中に埋めている状態のものがあります。土葬された遺骨は見つけることが不可能だと思われるかもしれませんが、決してそうではありません。

地上に墓が建っている場合は、遺骨はその直下に埋めてある可能性が高いでしょう。さらに、地上にお墓がない場合は、遺骨が埋まっているすぐ上に土が盛られた「土饅頭」が存在します。そのため、簡単に見つけることができるでしょう。

お墓を建立せず土饅頭が作られた理由は、当時お金がなくてお墓が建てられなかったからだといわれています。土饅頭から遺骨を取り出す場合は、自力で掘るパワーショベルのような重機で地面を掘り進めましょう。

重機で掘り進める場合は、遺骨を傷つけたりバラバラに破壊したりしないように細心の注意を払うことが大切です。地中に埋まっている遺骨が確認できたら、最終的には手作業で遺骨を回収しましょう。

納骨室を開けた後に行うこと

お墓の納骨室を開扉したら、そのままにしておくことはあまりおすすめできません。納骨室は滅多に開扉することがないため、次に開くまでできるだけ清潔に保っておくための準備をしましょう。

納骨室を開扉した後にした方がよいことは以下の通りです。

・納骨室内の空気を循環させる
・骨壷に溜まっている水を抜く
・納骨室内の清掃を行う

それでは1つずつ解説します。

納骨室内の空気を循環させる

納骨室は重い蓋で閉ざされており、その中は密閉空間です。そのため、扉を開扉しない限り中の空気が入れ替わることはありません。そのため、納骨室の扉を開扉する機会があったなら、その際に空気の循環を行いましょう。

納骨室の中に新鮮な空気を取り込むことで、内部にカビが繁殖するのを抑えたり、濡れている部分を乾かしたりすることが可能です。納骨室内の空間を清潔に保つためにも、空気の入れ替えは行いましょう。

骨壷に溜まっている水を抜く

納骨室が地下にある場合、蓋をしていない骨壷の中にはどうしても水が溜まってしまいます。水は一気に貯まることはないですが、長い時間放置されることでどうしても一定量は溜まってしまうでしょう。

納骨室の扉を開扉したときに水を抜かないでいると、骨壷の中の水位が徐々に増して遺骨が水浸しになってしまう可能性もあります。遺骨が水に濡れてしまうと、カビが生えてボロボロになってしまいます。

水を抜く際は、骨壷を逆さにしてしまうと水だけでなく遺骨まで全て出てしまう可能性があるので、少しずつ丁寧に行うことが大切です。

納骨室内の清掃を行う

お墓の中に納骨室がある場合は、墓石に長年放置された汚れや、水気によって繁殖したカビ等が付着している可能性があります。

汚れをそのまま放置しているとお墓が内側から腐食していくので、できる限り清掃するようにしましょう。このときの清掃では、特殊な洗剤や専用の道具を使う必要はありません。雑巾などの柔らかい布で、ある程度汚れが落ちるまで磨きましょう。

納骨室は自力で開けてもよいのか

納骨室は業者に頼んで開けてもらうことが一般的です。しかし何らかの理由で、自分の手で行わないといけない場合があるかもしれません。その場合は納骨室の扉は自分で開扉しても問題ありません。しかし、他人のお墓は開扉できません。開扉が可能な納骨室はあくまでも自分が所有しているお墓に限ります。

自分で開扉してもよいとはいえ、数十キログラムの石を移動させたり持ち上げたりする必要があるため、納骨室を自力で開扉することは困難です。無理をするようであれば、業者に依頼するようにしましょう。

納骨室を開けるときに注意すること

納骨室を自分で開扉するときは、以下のように注意することがあります。

・洋服が汚れる
・手や足を怪我する可能性がある
・周囲のものを壊さないようにする
・複数人で作業する

それぞれ重要なことなので、1つずつ解説します。

洋服が汚れる

納骨室を開扉するときは、地面を掘ったり納骨室の中に入り込んだりするので、洋服が汚れる可能性が高いでしょう。

そのため、スーツなどのきっちりとした格好をしている場合は、一旦汚れてもよい動きやすい服に着替えてから作業することをおすすめします。

手や足を怪我する可能性がある

納骨室を開扉する作業は、重い石を持ち上げたり移動させたりする必要があるので、手に大きな重量がのしかかります。そのため、素手で行うと手の皮が剥けたり最悪の場合骨折したりするかもしれません。なるべく軍手を着用しましょう。準備可能であれば滑り止めがついている軍手を用意するとよいです。

履物も、サンダルや下駄などの肌が露出するタイプは避けましょう。万が一、香炉などの重いものが足に落ちてしまうと軽傷では済みません。自分の身を第一に考えて行動しましょう。

周囲のものを壊さないようにする

お墓の周りにはいろいろなものが存在します。香炉などの重いものを移動させる際、周囲のものにぶつけてしまうと壊してしまう可能性があります。

そのため、事前に安全な場所に移動できないものには、緩衝材を巻いたり柔らかいものをかぶせたりして対処しましょう。

複数人で作業する

重いものを持ち上げるときは、必ず複数人で行いましょう。香炉や排石は最低でも50キログラム程度の重さがあります。これらを1人で移動させると、怪我をしたり事故が起きたりする可能性が高いので、極力避けましょう。

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まとめ

墓石には遺骨を納める納骨室が備え付けられています。その納骨室には扉がついており、自在に開扉することが可能です。開扉の方法は納骨室のタイプによって異なります。

しかし、扉はかなり重量があるので、1人ではとても動かせないことが多いでしょう。そのため、扉を開扉するときは業者に頼む方が無難です。仕方なく個人で扉を開扉する場合は、必ず複数人で作業するようにしましょう。

墓石や納骨に関してのお悩みや疑問に対しても、小さなお葬式ではアドバイスしております。専門知識を持つスタッフが365日対応可能な体制を整えておりますので、お気軽にご相談ください。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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