葬式の火葬前に行列を組んでいた理由や現代における変化とは
雑学

作成日:2022年03月14日  更新日:2022年03月14日

葬式の火葬前に行列を組んでいた理由や現代における変化とは

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葬式の際、弔問客や親族など近しい人々が行列をなして故人を送る風習は、現代でも形を変えて残っています。葬式で行列を組むことには、どのような意味があるのでしょうか。

この記事では、火葬の前に行列となって歩いていた理由や詳細、行列を組む風習が現代でどのように変化したのかについて解説します。

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【もくじ】
葬式に行列を組む理由
現代の野辺送りとは
葬式の際の野辺送りの手順
行列以外の風習
まとめ

葬式に行列を組む理由

葬式の際に行列を組む理由は、単に死者を埋葬するためというわけではなく、亡くなった人との離別を悲しむため、そして、人々の手によって遺体を運び出すことで魔から遺体を守るためであったと考えられています。

ただし、「魔から守るために行列を組む」という考え方は、仏教や神道、さらには地域によって考え方に差異があるため、行列を組む理由を一つに絞ることは難しいでしょう。

野辺送りとは

葬式前や火葬前に故人のところに集まり、柩の四隅に釘を打ち込み、親族などが列を作って故人を囲み移動することを「野辺送り」といいます。

火葬が普及する前には、葬儀後、親族一同や近所の人々が柩を担ぎ、行列をなして埋葬地へ運ぶ風習もありました。

行列を組む際、親族をはじめとしてさまざまな役割があります。位牌など葬儀に使った道具や、遺影を持って練り歩くのが一般的です。男性は柩を持つ役割を担うことが多いようです。

行列を組む専門的な業者もいた

古来より神道では、死は穢れであるとされています。死穢は生きている人間に害を及ぼすと考えられてきたため、埋葬の際は一層気を付けることが徹底されていました。

葬式に関わる儀式の一つでもある行列は、主に親族で行うことも多くありましたが、場合によっては専門としている職業の人に依頼することもありました。このことから、行列を組む儀式は昔から特別かつ神聖なものとして取り扱われていたことがわかります。

現代の野辺送りとは

葬式時に行列を形成し故人を埋葬地まで運ぶ、昔ながらの野辺送りは、火葬が一般化されている現代ではあまり見られません。葬式などを、親族と町内会などの取り仕切りによって行っていた時代が少しずつ変化し、家族葬や親族のみで行う葬儀が主流となりつつあることが原因の一つです。

しかし、現代でもまだ野辺送りの伝統や風習を守り続けている地域もあります。特に離島などは、火葬をする設備がいまだに整っていないこともあり、現代の風習に変化することなく、脈々と受け継がれている場合もあります。

全国的には、現代においての行列の儀式は、本来の目的や意図からは変化しつつありますが、行列を作り、柩を運ぶという内容は変わらないようです。また、地域によっては、野辺送りの際に使用されていた神具を用いて霊柩車まで移動することもあります。遺体と別れを告げ、火葬へ向かうための心構えをする時間は、故人を想い、埋葬に向かう野辺送りの際の心境に似ているといえます。

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葬式の際の野辺送りの手順

葬式の際に行われていたとされている野辺送りは、どういった手順を踏むのでしょうか。過去に行われていた野辺送りと、現代に合わせて変化した野辺送りの両方について解説します。

昔の野辺送り

行列の中で、近親者は位牌や香炉、水桶やご飯などを持っていました。それ以外のさまざまな道具を運ぶ役割は主に女性が担当し、男性陣は柩を持つことが多い傾向にありました。

魔を払うといわれている松明や、灯篭を持った人が列の前後に立ち、灯りを付けて先導するのが習わしとされていたそうです。もとは夜に行われるのが一般的でしたが、江戸時代以降は昼間でも行われるようになりました。

昼夜を問わず、松明を付けた人が先導し、その後ろで米や小銭を蒔きながら進むことで、魔を払いながら埋葬地まで移動したと言われています。

現代の野辺送り

現代の日本では、基本的に火葬を行います。そのため、行列を組んで埋葬場まで移動する風習は、時代に合わせて変化してきました。

現代では、近しい親族の男性を中心に柩を持ち、霊柩車までの距離を歩いて運びます。参列者が旗や花、位牌や遺影を持って後に続くこともあります。

その後、霊柩車に乗せられた故人は火葬場へと向かいます。霊柩車が出棺する際、大きくクラクションが鳴らされ、遺族や参列者は合掌をして祈りを捧げます。無事に旅立ってほしい、安らかに眠ってほしい等の願いを込めて手を合わせる風習は、野辺送りに由来しているのかもしれません。

行列以外の風習

野辺送りに関連する風習はそのほかにもさまざまあります。ここでは行列を組む以外の風習について紹介します。

柩を回す

野辺送りの風習の一つに、柩を三度回転させるというものがあります。死の穢れが、家の周りだけでなく今生に少しでも残らないための儀式です。三回回すことで、柩の中に入っている遺体の方向感覚を狂わせ、野辺送りをした後に家に戻って来られないようにするためという考えもあるようです。

移動距離を長くする

三度柩を回すのと同様に、野辺送りでは遺体の魂が自宅に戻ってくるのを避けるために移動距離を長くしたとされています。また、家ではない場所に門を立て、そこから出発するなど、穢れを家に戻って来させないためのさまざまな試みがされてきました。

釘打ち

野辺送りの際に大切な儀式の一つとされてきたのが、釘打ちです。釘打ちを行うことで、穢れを柩に閉じ込めようとしたと考えられています。

江戸時代などでは、火葬がまだ一般的ではありませんでした。そのため、保管状態によっては感染症や不衛生による病気が蔓延することが多くありました。

穢れだけでなく、人への病気などの被害を避けるために、遺体を集落から離れた場所に埋葬し、病気の蔓延を防ぐために棺に釘を打つ風習が一般化したとされています。

釘打ちを行う理由にはほかにも諸説あり、遺体が外に出ないために行うという説もあります。遺体を入れる棺桶は木材で作られており、湿度や温度の変化によって変形し、蓋が取れる可能性があったためです。もしくは運んでいる最中に蓋が取れ、遺体が転げ落ちるリスクを減らす目的もあったのかもしれません。

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野辺送り後の風習

古来より穢れは日常生活と切り離し、タブーとして扱われることもありました。そのため、身に着いた穢れを落とし、身体をきれいに清めることが大切とされています。風呂に入って洗い流すだけでなく、地域によっては玄関前に塩やみそ、コップ一杯の水を用意しておき、穢れを払ってから家に入るなどの風習も見られます。

まとめ

この記事では、野辺送りの変化の過程や、現代においてどのように変わったのかについてご紹介しました。野辺送りとは、個人を埋葬地まで運ぶ一連の儀式です。遺族などが行列を組み、目的地までの道のりを歩いて運ぶということが江戸時代頃まで行われていたようです。

現代では、火葬場へ送り出す出棺の際に、野辺送りの名残を見ることができます。地域によっては、野辺送りや行列を組んで出棺・埋葬する風習がまだ残っているところもあるでしょう。

小さなお葬式では、地域ごとに異なる可能性のある野辺送りの詳細や、火葬場まで送り出す際にどのようなことをすればよいのかというご相談も受け付けています。お気軽にご相談ください。

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