家族や親族などの親しい人がなくなった場合、ほとんどの状況で火葬を選択するかと思われます。ところがそこまで数多く経験するものでもないので「火葬の流れがよくわからない」「作法について知りたい」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
いざ執り行うことになった際に、スムーズに進められるようにしたいものです。
そこでこの記事では、火葬のタイミングや流れ、費用・相場、マナーや服装など、火葬に関する基本的事項を細かく解説します。当日に慌ててしまわないように、しっかりと確認してみてください。
こんな人におすすめ
火葬の流れについて知りたい方
骨上げの作法や服装について調べている方
火葬のみの葬儀についても知りたい方
まずは火葬について、意味や目的について紹介します。火葬と聞くと「葬儀後に遺体を焼くこと」というイメージを持っている方もいらっしゃるとは思いますが、地域や年代によって執り行い方やタイミングは変わるため注意が必要です。
火葬について知識をつけておくためにも、概要について今一度確認してみてください。
火葬は簡単に言うと「遺体を焼いて葬る」という葬儀方法です。日本には仏教と共に伝わったと言われており、縄文~弥生時代から使われています。
その後明治時代に「火葬禁止令」という形で禁止されましたが、狭い土地で土葬する場所がうまく確保できなかったということもあり、制度は廃止されました。
仏教がメインの考え方である日本にとっては土葬よりも馴染みのある方法なので、基本的には「死体を葬る方法=火葬」という認識ができています。よって火葬について詳しく知っておくことは、今後起こると考えられる身近な人の逝去にスムーズに対応するためにも大切です。
日本は仏教がメインの考え方であるため、火葬の割合が非常に高いです。日本の火葬率は99.9%とも言われており、他の国に比べてもかなり多くなっています。その理由には、宗教や土地の狭さが大きく影響しています。
では他国はどうかというと、例えば隣国である中国や韓国では、土葬と火葬がほぼ半々です。もともとは火葬を「魂の還る場所をなくしてしまう重大な親不孝」と考えていたため土葬が主流でした。ところが中国は人口が多く、韓国は国土が狭いです。そのため火葬のケースも増えており、今では半々となっています。
また、アメリカやヨーロッパでは土葬が非常に多いです。欧米ではキリスト教徒が多く、死者の復活が信じられています。「遺体を焼く=復活できない」という考え方のもとで、土葬が採用されているのです。割合としては、約70%が土葬だと言われています。
他国に比べると火葬率が非常に高く、ほぼ100%だということを覚えておいてください。
火葬と切り離せない儀式のひとつに「四十九日法要」というものが挙げられます。これは仏教の考え方で、故人は亡くなってから49日後に仏の元へ向かうというものです。
それまでの間、7日ごとにお裁きを受け、49日目に来世の行き先や極楽浄土に行けるかどうかが決まる「最後の審判」を受ける日が四十九日だと考えられています。
故人の最後の審判が下る四十九日は、最も重要な日であると考えられているため、盛大な法要を行い供養するのです。
この四十九日法要が終わったあとに、火葬後の遺骨をお墓や納骨堂に納める「納骨式」が行なわれます。火葬後に残った遺骨を墓に納めることによって供養を行い、火葬全体の工程が終了するのです。
四十九日の数え方は、命日を1日目として数えていくのが通例です。つまり、四十九日法要は、故人が亡くなってから48日目に執り行います。
ただし、仕事の都合などで正式な日に四十九日法要を行えない場合もあるでしょう。そのようなときは、当日に近い土日や祝日などに行っても問題ありません。法要の日取りをずらす場合、基本的には48日目より早い日にちで設定します。
実は、火葬は死後24時間以内に行うことを禁止されています。これは「墓地、埋葬等に関する法律」という法律で定められていることなので、守らなくてはなりません。
24時間以内の火葬が禁止されている理由としては「蘇生の可能性がある」という点が挙げられます。「墓地、埋葬等に関する法律」が制定された時代はまだ医学が発達しておらず、死亡認定が確実ではありませんでした。
そのため仮死であっても死亡と判断され、棺の中で蘇生してしまったり、生きている人を火葬してしまったりするケースがあったそうです。
そのような事態を防ぐために、24時間は火葬してはならないという法律ができあがりました。現代の医学では蘇生の可能性は薄いものの、ルールとして定められている以上は守る必要があります。
ただし妊娠24週に満たない死産や、感染症が死因の際には、24時間を待たずに火葬できるケースも存在します。とはいえ、頻繁に起こり得るケースではないため、基本的には24時間待ってから火葬を行うと覚えておいてください。
こちらでは、火葬を執り行うタイミングについて解説します。火葬は葬儀の後に行うイメージを持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、厳密には「前火葬」と「後火葬」の2つが存在します。
地域によって変わる場合があるので、どちらにも対応できるように確認しておいてください。前火葬と後火葬の特徴を紹介していきます。
前火葬は「葬儀の前に火葬を行うこと」を指します。別名で「骨葬」とも呼ばれる方法です。前火葬が行なわれるのは、主に北海道や東北地方が多いとされています。
雪が多く降る地方では、突然の訃報を受けたとしても葬儀に参列することが困難です。そのため先に火葬を済ませておき、暖かい季節になってから葬儀を行うという手法が使われるようになりました。
今では雪が降ってもすぐに駆けつけられるため、そこまで使われる火葬方法ではありません。
後火葬は「葬儀の後に火葬を行うこと」を指します。一般的によく使われる手法です。葬儀を執り行ってから火葬場へ向かい、火葬をしたあとに骨上げを行います。そして四十九日法要が終わった後に納骨をするという流れです。
最近では火葬と葬式を同時に行う、火葬式も増えています。直葬とも呼ばれ、火葬炉前で僧侶に読経してもらった後で、実際に火葬を行います。後ほど詳しく解説しますので、参考にしてください。
こちらでは、火葬の流れについて解説していきます。人生において、そこまで火葬を頻繁に行うという経験はなかなかありません。そのため、一度やったとしても忘れてしまうケースがほとんどです。
ただし、身内の訃報はいつ起こり得るかわかりません。正しく執り行えるように、流れをしっかりと確認しておきましょう。これから5つの流れについて紹介していきます。
葬儀を終え、故人の出棺が済んだら、火葬場へと移動します。火葬場に同行するのは遺族や親族などの親しい人のみです。仕事関係者や友人などは一般的に参加しません。
火葬場についたら、まずは死体火葬許可証を提出します。これは役所に死亡届を提出したときに受け取るものです。こちらは火葬が済むと「火葬済証明印」が押され、埋葬許可証へと変わります。
埋葬許可証は、お墓に遺骨を納めるために必須の書類なので、火葬を無事に済ませたら必ず受け取るようにしましょう。
火葬をする前に、火葬炉の前でお別れの式を執り行います。まずは位牌と遺影を祭壇に飾り、その後は僧侶による読経と焼香です。僧侶の焼香が終わると、葬儀と同じく、喪主→遺族→親族→友人の順に焼香を進めます。仮に僧侶がいない場合は、喪主の焼香から始めましょう。
焼香とは、細かく砕いた香をつまんで落として焚く行為のことです。宗派によって回数が異なります。真言宗や日蓮宗は通常三回です。しかし、天台宗や浄土宗など特に定めが無い場合もあります。事前に宗派について確認しておきましょう。
式が終わると、遺体が入った棺を火葬炉の中に収めます。
棺を火葬炉に入れ、扉を閉めたら、火葬が始まります。火葬時間は炉の種類によって変わりますが、だいたい40~120分ほどが一般的です。遺族や親族は終わるまで待機が必要なので、係員が誘導する控室へと移動します。
控室にはお茶やお菓子が用意されているため、喪主や遺族は参列者や僧侶へのもてなしを忘れずに行動してください。待機中は会話をしても問題ありませんが、別れの場所という意識を持って、控えめな言動を心がけましょう。
火葬が終わると係員から連絡が入るので、火葬炉の前に移動し、収骨を行います。収骨は、遺骨を骨壷に入れる行事で、骨上げとも呼ばれます。収骨にはいくつかマナーがあるので、しっかりと意識しておきましょう。
収骨は全部の骨を納める場合と、一部のみを拾い上げる場合が存在します。いずれも基本的には歯を収め、足から頭に向かって順番に拾い上げます。そして最後に喉仏の部分を、故人と最も縁が深い遺族が収めて完了です。
収骨を終えると、火葬場から別の場所に移動し、精進落としを行います。これは、親族やお世話になった方へ酒食をふるまう宴席という意味です。地域によっては、火葬中に精進落としの会食を行うところもあります。
精進落としは、遺族が参加者にふるまうものなので、喪主または施主が内容を決めます。メニューは比較的自由に選べますが、予算や飲み物の種類、量などを考えて準備、手配しなくてはなりません。不安な点やわからない点は、葬儀社に相談してみても良いでしょう。
こちらでは、火葬にかかる費用や相場について解説します。火葬と一口に言っても、公営や民営など様々な方式があるため、料金は一概には言えません。
さらに故人が子供や大人かによっても変わるので、しっかりと確認しておくことが大切です。これから、4つのパターンでの料金について紹介していきます。
公営火葬場とは、市町村の地方自治体によって運営されている葬儀場です。料金はだいたい0~6万円ほどで利用できます。公営火葬場の場合、自治体の地域に住民票があれば無料で利用できることも珍しくありません。もちろんすべての自治体が無料ではないので、注意しましょう。
また、住民票がない場合でも、公営火葬場を利用することは可能です。ただし住民票がある場合に比べて料金が割高になる可能性があるので、前もって確認することをおすすめします。
公営の火葬場を探す場合は、公営斎場相談センターやネットなどで検索してみましょう。
一般の法人や個人が運営している民営火葬場は、だいたい5~10万円が相場です。相場的には公営火葬場よりも割高ですが、地域によっては公営を下回ることもあるので、事前に確認しておくとよいでしょう。
また民営の場合は、火葬方法にランクを設けている場合があります。この場合は上位のプランを選ぶと高額になり、20~30万円近くかかることも珍しくありません。
さらに火葬場によっては控室の利用に別料金が発生することもあるので、やはりあらかじめ料金体系について確認しておくことが重要です。
民営=高いと思うのではなく、比較した上で火葬場を決めるようにしてみてください。
意外かもしれませんが、故人が子供と大人の場合で、料金が変わることもあります。身体が小さい子供の場合は、焼却にかかる時間やコストが短くなりやすいからです。
料金は地域によって変わりますが、だいたい大人の7割程度の金額で利用できます。子供の定義に関しても火葬場によってまちまちですが、だいたい12歳までを子供とする場所がほとんどです。
また、仮に死産した子供の場合は、さらに料金が安くなります。公営であれば0~1万円、民営であれば2~3万円と、大人の半額以下になることも多いです。
相場としては子供のほうが安くはなりますが、やはり葬儀場の方針や地域差によって変わるので、事前の確認は欠かさないようにしましょう。
生活保護を受給する方の葬儀を行うことになった場合、葬祭扶助制度(そうさいふじょせいど)というものがあります。支給される扶助費は、故人が大人の場合、20万6,000円以内、12歳未満の子どもの場合は16万4,800円以内が目安です。支給金で行える葬儀形態は直葬と決められており、一般葬や家族葬などは認められていません。
葬祭扶助制度とは、葬儀を行う方の金銭的負担をなくすために、自治体より葬儀費用が支給される制度です。この制度を利用するには、申請資格を満たし、葬儀を行う前に申請しておかなければ、制度の対象となりません。
受給を希望する際は、申請者が在住する地域の民生委員やケースワーカー、あるいは役所の福祉係に相談します。死亡診断書などの故人の死亡を確認できる書類が求められるので、あらかじめ準備が必要です。さらに、申請は葬儀前に行う必要があるので注意しましょう。
両親や祖父母など身近な人が亡くなったら、火葬の日程を決めなければなりません。長い間闘病されていたり高齢であったりする場合、ある程度前もって考えておくこともできます。ところが事故などで突然亡くなられた場合は、日程を決めるための時間的余裕がありません。
実際身近な人の死に直面したときに慌てず対応できるように、どのようにして火葬の日程を決めるのかを知っておきたいものです。そこで、スムーズに日程を決めるための手順をご紹介します。
亡くなられた翌々日に執り行うと仮定して、だいたいの希望時間を決めてから火葬場に連絡します。希望の時間帯に火葬場が空いていれば、最初に決めたスケジュールで進めていくことになります。
もし空いていなければ、時間を前後にずらして日程を組んでいきましょう。希望する日がどの時間帯も予約で埋まっているという場合もあるかもしれませんが、そのようなときはお葬式の日にちを遅らせることになります。
火葬場を予約した日がお葬式を執り行う日になるため、お葬式の日程が決まればお通夜の日も決まっていきます。
火葬の日程を決めるに当たって守らなくてはならないのは「死後24時間以降」ということです。死後24時間以内は亡くなったとされる故人が蘇生する可能性が否定できないからです。これは法律で決められており、特殊な状況を除いて従わなくてはなりません。
死因が感染症の場合は24時間以内の火葬が認められます。新型インフルエンザなどで亡くなってしまった場合、感染予防の観点から早めに火葬が行われることがあります。また、妊娠24週に満たない死産も24時間以内の火葬が認められます。
これ以外の場合は、基本的に24時間が経過してから火葬を行うと考えておきましょう。火葬場に日程を確認し、24時間以降で最も早い日程を組むのが大切です。
火葬の日程を決めた後に、葬儀の日程を決めていきます。お通夜やお葬式の日程を先に決めてから火葬場の予約をしようとすると、希望の時間帯が既に予約で埋まっている可能性があるからです。
火葬場の日程が合えば、最後に参列者のスケジュールを確認します。遠方からの参列者がいる場合は、公共交通機関の兼ね合いもあるため日程の調整が必要な場合もあるでしょう。参列してほしい親族には前もってスケジュールを確認するようにしてください。
仮に葬儀を一日葬で行う場合は、当日にすべてを行うスケジュールを組みます。一日葬とは通夜をせず、告別式から火葬までを1日で行うプランです。高齢者や遠方の方などの負担を軽減できるうえ、葬儀としての必要な流れは行うので、故人とのお別れがしっかりとできる点がメリットです。
一日葬であれば、火葬場が空いている日にすべてを終わらせるため、スケジュール管理が簡単です。ただし参列して欲しい親族の予定を確認しておかないと、不満の残る葬儀になってしまう可能性もあるため、事前に連絡しておくようにしましょう。
希望したスケジュールで火葬場が空いていない場合や、火葬の日程を死亡からすこし経過したタイミングにする場合は、遺体を安置しておく必要性が出てきます。
遺体の安置は一般的に、自宅もしくは遺体安置所で行うことがほとんどです。それぞれにどのような特徴があるのか、こちらでは安置方法について解説していきます。
まずは自宅で安置するという方法です。自宅内に安置できるスペースがあれば、自宅は亡くなった方にとっても遺族にとっても慣れ親しんだ場所であるため、落ち着いて最後の別れができるという意味でも良い方法だといえます。その反面、遺体の安置方法には気を使う必要があるので注意しましょう。
自宅で安置する場合には布団を敷き、その上にご遺体を寝かせ、ドライアイスなどで冷やします。これは、腐敗を防いでご遺体の状態を維持するためです。
夏場は部屋の温度に注意しましょう。エアコンの温度は18度に設定し、なるべく涼しい状態を保ちます。また、冬場だからといって安心もできません。厚手の布団をかけてしまうと、布団内の温度が上がってしまい、遺体の腐食が進んでしまう可能性があります。
自宅で安置する際は、細心の注意を払いましょう。
斎場や葬儀社にも、ご遺体を安置する施設があります。病院からご遺体を搬送する時点で、利用する斎場や葬儀社が決まっている場合に利用可能です。斎場や葬儀社の安置室であれば、通夜や葬儀の際にご遺体をほとんど移動させる必要がないため、負担を軽減できます。
しかし、施設によっては付き添いができない場合もあります。安置室で安置をした後は、通夜・葬儀の当日まで対面できない場合もあります。また、希望者全員が付き添いをできない場合もあり、費用もかかりますので、事前に確認が必要です。
斎場や葬儀社が使えない場合は、民間の遺体保管所を利用します。火葬前の一時的な預かりであるため、1~2日程度の利用が一般的です。24時間営業の場合が多く、遺族がいつでも面会できます。とはいえ、自宅や斎場・葬儀社の安置室のように、亡くなった方に付き添うことはできません。
また、冷蔵設備が整っているかどうかは保管所によって異なり、ない場合は自宅の場合と同じくドライアイスでの対応となります。スタッフが管理を行いますが、環境的には自宅とあまり変わらないため、長期間の保存には適していません。
自宅・斎場・葬儀屋・民間と、安置所によって特徴が変わるので、遺族になるべく負担がない場所を選びましょう。
こちらでは、火葬にかかる時間について解説します。火葬には、一般的に40分~120分ほどの時間が必要です。かなり差があるのですが、基本的には以下の要因で時間が変動します。
・遺体の大きさ
・棺の材質
・炉の温度
遺体の身長や体重によって燃焼時間は変わり、火葬炉の種類によっても効率が変わります。子供など小柄な遺体を火葬する場合は、そこまで時間がかからないでしょう。
遺族は火葬中にやることがないため、控室でお茶やお菓子を口にしつつ待機します。
こちらでは、火葬場へ持っていくものについて解説します。基本的には告別式の後に火葬場へと移動するケースが多いため、事前に準備しておくことが大切です。貴重品はもちろんのこと、次の3つの持ち物を忘れないようにしましょう。それぞれについて詳しく紹介します。
まず必要なのは、火葬許可証です。火葬許可証がないと火葬を執り行えないため、火葬場への移動が無駄になってしまいます。当日に忘れないか不安な場合は、葬儀社に相談して預かってもらうと安心です。
重要な書類になるので、後ほど詳しく解説します。
遺体を火葬した後の骨を納める骨壷や骨箱も、必要に応じて持参しましょう。
骨壷は遺骨を納める壺のことです。火葬がすんだ故人様のご遺骨は骨上げによって骨壺に収納されます。
骨壷や骨箱は、葬儀社が用意してくれる場合と、そうでない場合が存在します。あらかじめ葬儀社としっかり打ち合わせを行い、仮に自分たちで用意する場合は、火葬場への移動の際に忘れないように意識しておいてください。
茶菓子や簡単な食事も、火葬場へ持っていくようにしましょう。火葬には40~120分ほど時間がかかるので、その間は控室で待機しなくてはなりません。そこで同行者をもてなすために、茶菓子やお茶を用意するのが、喪主や遺族としてのマナーです。
茶菓子や食事に関しては、火葬場が用意してくれるケースも存在します。事前に問い合わせておいて、自分たちで用意する必要があるのか確認しておきましょう。
火葬や納骨の際には「火葬許可証」という書類が必要になります。火葬許可証がなければ、スムーズに火葬を執り行えません。また申請は事前に行う必要があるので忘れないようにする必要があります。
そこでこちらでは、火葬許可証や申請の流れについて紹介します。当日困らないようにするためにも、しっかりと確認しておいてください。
火葬許可証とは、市区町村役場で発行される、亡くなった人の遺体を火葬する許可を証明する書類です。日本の法律では、必ずしも火葬することを義務付けているわけではなく、土葬も認められています。ただし現在では、9割以上が火葬になっています。
死亡届は、死亡を知った日から7日以内に提出しなくてはなりませんが、火葬についての期限は定められていません。ただし葬儀の日に火葬するのが一般的になっているので、火葬許可申請書は死亡届と同時に提出するのが通例です。
ちなみに、死後24時間経過してからでないと火葬できないことが、法律で定められています。スムーズに火葬を執り行うためにも、火葬許可証は死亡届と同時に申請しておきましょう。
市区町村役場の窓口に死亡届を提出するのとあわせて、火葬(埋葬)許可申請書を出して手続きを行います。火葬許可申請書には、故人の本籍地、現住所、火葬場などを記入する必要があります。
書類に不備がなければ、その場で火葬(埋葬)許可証が発行されますので受け取り、火葬の日まで保管しておきましょう。
死亡届の提出と火葬許可申請の手続きは、葬儀業者が代行してくれるケースも多いので相談してみましょう。
こちらでは、火葬当日に火葬許可証を提出する流れについて紹介します。死亡届の手続きを葬儀業者に代行してもらった場合は、火葬許可証をそのまま葬儀業者が預かっていることもありますので、火葬場に向かう前に確認するようにしましょう。
火葬当日は、役場で発行された火葬許可証を火葬場の管理事務所に提出する必要があります。忘れないように持参しましょう。
火葬が済み、遺骨を骨壺に納める収骨(骨あげ)が終わったら、火葬許可証には火葬執行済の印が押されます。そして、遺骨を納めた骨壺と一緒に遺族に返されますので、忘れずに受け取るようにしましょう。
火葬許可証の役目は、火葬が済んだら終了ではありません。火葬執行済の印が押された火葬許可証は、後日遺骨をお墓に納めるときに必要になります。
火葬は葬儀後即日行いますが、火葬から納骨まではしばらく日にちがあきます。一般的に納骨は、四十九日の忌明けの法要と合わせて納骨を行われることが多いです。
火葬執行済の印が押された火葬許可証(=埋葬許可証と呼ばれることもあります)は、納骨の際に必要になりますので、それまで自宅で保管しておき、納骨のときに墓地や霊園に提出しましょう。
お墓の準備が整っていない場合や、それぞれの事情がある場合などは、四十九日のタイミングではなく、もっと先に納骨を行うこともあります。一周忌や三回忌など、年忌法要のときに行うケースも少なくはありません。
火葬から時間が経つと、書類の存在を忘れてしまったり、どこに保管しているのかわからなくなったりしてしまうことが考えられます。ただし納骨の際には必要になるので、大切に管理しておくようにしましょう。なくしたときのことを考えて、コピーをとっておくことをおすすめします。
それでも万が一、火葬執行済の印が押された火葬許可証(=埋葬許可証)をなくしてしまった場合は、火葬許可証を発行してもらった自治体に再発行を申し出ましょう。5年以内であれば、火葬許可申請をしたときの控えが残されているので、比較的スムーズに対応してもらえます。
ただし、5年以上経過している場合は、対応してもらえないこともあるので、火葬場から返された火葬許可証はなくさないよう注意が必要です。
火葬の際には、喪主からの挨拶が行なわれます。喪主は遺族を代表して葬儀を執り行う立場なので、挨拶を行う機会は多いです。通夜や告別式はもちろん、火葬の中でも挨拶をする機会が存在します。
では、火葬場ではどのようなタイミングで喪主が挨拶を行うのか、こちらでは4つのパターンについて紹介します。前もってタイミングを知っておくことで、当日慌てないようにしましょう。
喪主から順番に棺に生花を入れ、蓋をします。その後、位牌、遺影、遺骨の箱、棺の順で寝台車に納めます。そして出棺の準備が完了したときが、喪主が挨拶を行うタイミングです。
出棺前の挨拶では感謝の気持ちが大切であり、葬儀に参列してもらったことに対するお礼と、生前お世話になったことに対するお礼が基本になります。加えて、死因の簡単な説明や、故人の生前の様子や人柄についてと、今後の決意表明などを盛り込みましょう。
◆基本的な例文
本日はお忙しいところ、父○○の葬儀にご会葬くださり誠にありがとうございます。
皆様から心のこもったお別れの挨拶を賜り、故人もさぞかし喜んでいると存じます。
生前中のご厚誼(こうぎ)に、厚く御礼申し上げます。
私どもは未熟ではありますが、故人の教えを守り、精進していく所存です。今後とも故人同様、ご指導、ご鞭撻(べんたつ)いただけますことをお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。
◆故人が急逝した場合
父は勤勉な人で、朝は5時に起きて調べ物をし、夜は12時すぎまで机に向かっておりました。
その生活が体に負担をかけたのか、先日脳梗塞で意識不明となり、病院に駆けつけたときにはすでに帰らぬ人となっていました。
あれほど元気だった父が、よもや亡くなろうとは思ってもいませんでした。
父にはまだまだ教わりたいことがたくさんあったのですが、もう聞くこともできないのが残念でなりません。
◆闘病の末に亡くなった場合
夫は昨年の冬に病に倒れ、それ以来入退院を繰り返していましたが、○月○日の午後、家族の見守るなか静かに旅立ちました。
享年○○歳でございました。
夫は仕事一筋の人でしたが、家族思いで、定年後はよく娘夫婦と共に旅行に連れて行ってくれました。
もう夫に会えないかと思うと胸が詰まる思いですが、夫にしてみればやっと長く苦しい闘病生活から解放され、ほっとしている事でしょう。
最後になりましたが、生前賜りましたご厚情に、深く感謝申し上げてご挨拶とさせていただきます。
納めの式は、火葬場に到着してから行う儀式のひとつです。火葬炉の前にスペースがあるので、そこで棺の小窓から、故人との最後のお別れをおこないます。
僧侶による読経と焼香があり、その次は喪主→遺族→親族→友人の順に焼香を進めます。そして締めくくりとして、喪主による挨拶を行うのです。
◆例文
父はここ20年余り、家督(かとく)を譲りまして以来悠々自適な生活を送っておりました。
先日○○病院にて○○歳の生涯を終えましたが、大往生とも言える安らかな最期であったことは、子として何よりの慰めでございます。
父が晩年を豊かに過ごせましたのも、ひとえに皆様方のご厚情(こうじょう)のたまものと深く感謝致しております。
火葬場では、精進落としという食事の席が設けられます。精進落としの席では、始めと終わりに挨拶が必要です。
始めの挨拶では、葬儀を無事に終えられたことに対する感謝や、ゆっくりと過ごしてもらいたいことなどを伝えます。終わりの挨拶では、これでお開きとすること、今後も良い関係を続けていきたいことなどを伝えましょう。
◆始めの挨拶例
本日はお忙しいところ、最後までお見送りいただきまして誠にありがとうございました。
おかげさまで滞りなく葬儀を済ませることができました。
ささやかではございますが、精進落としのお膳をご用意いたしましたので、父の思い出話でもしながら召し上がっていただければと存じます。
どうぞ、お時間の許す限りゆっくりとおくつろぎください。
◆終わりの挨拶例
本日はお忙しい中、また遠方よりお越しの方もおられる中、お時間頂戴しましてありがとうございました。
これにて、お開きとさせて頂きたく存じます。
父がいなくなって寂しくはなりますが、遺された家族一同助けあっていきたいと思いますので、どうかこれからも変わらぬご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。
杯を捧げて故人に敬う気持ちを表すことを献杯(けんぱい)といいます。葬儀や法事後に食事の席が設けられた時に代表者の挨拶が済み、会食がスタートする前の声掛けとして使用する言葉です。基本的には、精進落としの後に行われます。
◆例文
本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございました。
故人も安心してくれていることかと思います。
この席では、父が好きだった酒を味わいながら、思い出話を伺えればと思っております。
それでは、まずは献杯させていただきます。献杯。
火葬時の挨拶はただ行えばいいのではなく、礼儀やマナーを意識して話す必要があります。そのためある程度事前に考えておき、喪主として恥ずかしくない挨拶を行うのが大切です。
こちらでは挨拶を考えるうえで、注意すべき点を3つ紹介します。いずれも大切なことなので、意識して挨拶を考えるようにしてみてください。
挨拶を考えるうえで大切なのは、短めにまとめるという点です。葬儀や火葬は、当然ではありますがあらかじめ決まったスケジュールが存在します。挨拶で時間を取られると、その後の工程に支障が出ることになりかねません。
挨拶を行う際は、簡潔に伝えたい内容をまとめて、ハキハキと短く行うように意識しましょう。
挨拶には、御礼の言葉を含めることも大切です。故人のために時間を割いて参列してくれた弔問客や、生前の好意に対してお礼を言います。この時は、生前のエピソードなどを交えると更に効果的です。
以下の4つの項目を組み込む場合が多く、お礼や感謝を申し伝えることがマナーとされている部分もあるので、しっかりと感謝を伝えましょう。
・弔問へのお礼
・生前のお礼
・故人との関わりやエピソード
・今後のこと
挨拶で、不幸が重なる事を意味する「重ね重ね」「ますます」などの重ね言葉は、弔事では禁句とされています。
また、「死亡」「急死」「生存中は」などの忌み言葉も禁句とされており、挨拶では次のように言い換えます。
「死亡」⇒「逝去(せいきょ)」
「急死」⇒「突然の事」
故人を偲ぶ場での言葉使いには注意が必要です。いつも使っている言葉が失礼にあたることがあります。忌み言葉や重ね言葉を避けて、挨拶を考えてみてください。
挨拶を考える際は、読み終わるまでに3分以内でおさまるよう組み立てます。「3分だと長くて覚えきれない」という方は、紙を見ながら挨拶することも可能なので安心してください。
挨拶の際に重要となるポイントは、大きく分けて5個あります。下記で紹介するポイントを組み込んで、3分以内に抑えた文章にしましょう。
最初に考える部分は「自己紹介」です。故人と自分の関係性を明確にする必要がありますので、挨拶の最初の方で組み込むようにしましょう。
次に「弔問客の皆様へのお礼」です。ここには弔問くださった方へのお礼を忘れずに入れましょう。告別式の挨拶は、参列いただいた皆様への感謝を述べる場です。心を込めてお伝えします。
「故人への生前のお礼」では、弔問くださった皆様へ生前の厚意に対して感謝を表します。そして「故人の生前のエピソード」も取り入れましょう。ここでは故人の人柄が分かるエピソードを紹介します。
最後は「今後について」です。締めの文章として、遺された家族に対しての力添えをお願いしましょう。
故人の生前のエピソード以外については、決まり文句をもとに自分の立場に応じて文面を考えます。故人の生前のエピソードについては、挨拶で使用してはいけない言葉を避け、自分なりの言葉で文面を考える必要があります。その人となりを紹介しましょう。
火葬場で挨拶をするのは出棺時・納めの式・精進落としの食事の3つのタイミングがあり、それぞれにふさわしい内容があります。
告別式が終わると、故人のご遺体帯を納めた棺を霊柩車に載せて火葬場へ搬送する「出棺の儀」を行います。参列者全員でお見送りをする際に、喪主が挨拶を行うのが一般的です。故人との関係を説明し、会葬してくださったお礼を簡単に伝えます。
納めの式は、故人と遺族との最後の別れで、火葬炉の前に棺を置いた状態で行うのが決まりです。僧侶の読経の後に火葬場に同行した人たちがお焼香をして、締めくくりとして喪主が挨拶を行います。故人との最期のお別れになるため、故人に関するエピソードなどを交え、お別れと感謝の言葉を伝えます。
精進落としは、火葬後に参列者や僧侶をねぎらうために設ける食事の席です。参加者が全員席に着いた後、喪主が挨拶を行います。改めて感謝の意を表し食事の場を設けたこと、今後もよりよい関係を続けていきたいということなどを伝えます。
火葬は通夜や告別式と違い、ある程度人数が絞られた状態で行なわれます。火葬場自体がそこまで大きくないケースが多いのと、故人との最期の時間を親しい人だけでゆっくりと過ごすためです。
では実際に、どのような人が参列するのか、こちらでは2つのパターンについて紹介します。「親族」と「故人と親しい人」のそれぞれを確認していきましょう。
葬儀が終わった後に火葬場に行き、火葬に立ち会うのは、故人の親族が基本です。具体的には喪主・故人と直接関わりのある遺族・親戚という顔ぶれが集まります。ただし親戚については、故人と血縁関係が近く、付き合いを持っていた方がついていくのが一般的です。
なお、葬儀場から火葬場に移動する際、喪主が故人の位牌を持ち、喪主以外の遺族が遺影を持ちます。親族や親戚関係は、基本的に葬儀だけではなく火葬場に行くということを覚えておきましょう。
親族や新規関係以外だと、状況に応じて故人と親しい人も同行します。生前から特に親しくしていた友人や職場の同僚などが当てはまります。
ただし、ただ単に故人と親しいというだけでは、火葬場まで同行することを許されることはありません。基本的には遺族から同行をお願いされたり、知人側から同行を申し出て許可されたりした場合のみ、許されるものだと思っておいてください。
仮に遺族から許可が出なかった場合は、葬儀場でお別れという形になります。火葬前は故人と親族の最期のお別れの場であることを理解し、失礼のないように同行の申し出を行ってみてください。
こちらでは、参列する人の服装について紹介します。基本的には葬儀に続いて行なわれるものなので、葬儀と同じ服装で問題ありません。一般的には喪服を着用して訪問しますが、最近では平服でも問題ないというケースが増えています。ただし、平服といってももちろんお葬式にそぐわない服装ではいけません。
ポイントを押さえて「場違いな格好」にならないよう気を付けましょう。
男性の場合は上下黒のスーツが基本です。ワイシャツの色は白で、ネクタイや靴、靴下などの小物は黒で統一しましょう。装飾品は結婚指輪以外身につけないのがマナーとなっています。ネクタイピンや腕時計も金属製の光物は避けましょう。
女性は黒無地のワンピースやアンサンブルを着用するのが基本です。ストッキングや靴も黒を選びましょう。
靴を選ぶ際は、エナメル質のものや光る金具があるものを控えましょう。メイクも軽いものはOKですが、派手なメイクはやめておきましょう。髪型はゴムで縛るなどでまとめ、落ちつきのあるものにしましょう。
男性の場合と同様に金属製のものや装飾品は身につけないのが基本ですが、女性は真珠の1連ネックレスであれば付けても良いとされています。
学生で制服がある場合は、制服を着ていきましょう。制服も礼服のひとつとして認められています。制服がない場合は、男の子は白か黒のワイシャツに黒か紺色のズボンを着用します。靴は地味な色にしましょう。女の子は、白か淡い色のブラウスやワイシャツに、丈が短すぎないスカートを合わせます。
靴はスニーカーやローファーを履きます。制服の一部であるネクタイやリボンは、明るい色でも取り外す必要はありません。
乳幼児を連れて行くにも服装に気を使いましょう。服の色は、黒や紺の落ち着いた色にしておきましょう。ベビー服のお店では取り扱いが少ない色なので、持ち合わせていない場合は、アイボリーなど地味な色の服を着用します。
なるべく失礼のないような服装を選んで参列しましょう。
葬儀や火葬でスーツを着用する場合があります。
スーツの種類だけなく、状態やコーディネートなども気をつけなければなりません。黒色なら大丈夫だろうと思っていても、マナー違反に当たる場合があります。
喪主や遺族に失礼のないよう前もってしっかり確認しておきましょう。
葬儀中では光沢のあるスーツを着るのはマナー違反とされています。もちろん火葬でも控えるべきです。
光沢のあるビジネススーツが多く、黒色を選んだとしても葬儀ではふさわしくないことがあります。お通夜や葬儀では、失礼の無いように礼服やブラックスーツを着用しましょう。
ブラックスーツは略礼服にあたるため、葬儀や告別式に着て行くことができます。ビジネススーツの黒色よりも濃い黒で、光を反射しにくいのがブラックスーツの特徴です。ジャケットはシングルとダブルのどちらでもいいですが、ズボンの裾はシングルを選ぶようにします。
綺麗な保存状態のスーツを使用しましょう。汚らしいスーツでは故人に対して失礼です。
礼服はたまにしか着る機会がないため、正しく保管していなければ保存状態が悪くなってしまうこともあります。いざという時にしわになっていたりヨレヨレになっていたりすると参列までにクリーニングに出さなければなりません。
場にふさわしいスーツを着用していても、しわやヨレがあると印象が良くありません。定期的にクリーニングに出し、綺麗に保管しておくようにしましょう。
礼服やブラックスーツを着用する際は全身のコーディネートを合わせることも大切です。まずは自分に合ったサイズのもの、季節に合った素材のものを選ぶようにしましょう。シャツは白ですが、ネクタイやベルト、靴下といった他の小物は全て黒無地のものを着用します。
自分をアピールする場ではないので、マナーを守った服装が大切になります。マナーを守りながら、全身のバランスを考えたコーディネートをすると印象が良くなります。故人を偲ぶ気持ちを忘れずに参列しましょう。
遺体を火葬するまでには手順があり、それなりに時間がかかります。途中で待機する場面も出てきますが、そこでもなるべく気を抜かず、故人を偲ぶことが大切です。
こちらでは火葬中の行動について、大きく分けて2つの内容を紹介します。それぞれしっかりと確認して、失礼のないように行動しましょう。
遺体の火葬を行っている場合は、別室での待機が必要です。この際、火葬場に応じて、2つの方法が用いられます。
1.火葬場に控室があり、収骨まで待機するケース
2.点火後に斎場で精進落としを行うケース
この2つは、火葬場が斎場の近くにあるかどうかで決まります。斎場の近くにある場合はわざわざ待機する必要がないので、先に精進落としを行って、効率よく火葬を進めるほうが良いでしょう。
精進落としの席では、故人を偲ぶだけではなく、遺族として弔問客に対して感謝の気持を示しましょう。弔問客の中には、わざわざ遠方から駆けつけた方もいらっしゃいます。故人が生前お世話になったことを感謝し、お礼をしっかりと伝えてください。
繰り返しにはなりますが、火葬には勝手に同行してはいけません。火葬についていける人は、基本的には親族や親戚のみです。一部親族が許可した場合のみ、親しい間柄の友人や職場の同僚なども同行できます。許可がない場合は、火葬場についていくことは許されません。
もし火葬にも同行したいのであれば、葬儀の場で遺族に許可を申し出ましょう。ただし火葬はあくまでも親しい間柄の人が最後のお別れをする貴重な時間です。
あまり多くの人が集まるような場所ではないため、よほどの理由がない限りは葬儀でお別れを済ませておいてください。
いかなる理由があろうとも、許可なく勝手に火葬場へ同行することは避けましょう。
骨上げとは、火葬後に遺骨を骨壷に納める儀式です。火葬が終わったらお骨の周りに遺族が集まり、箸で拾ってお骨を骨壺の中に入れていきます。分骨するときは、骨壺を2つ用意しておきましょう。
こちらでは、骨上げの作法やマナーについて解説していきます。
骨上げには、拾い上げる骨に順番が存在します。足の骨から身体の上部の骨へ向かって順番に拾い上げ、生きているときと同じ形になるよう、骨壺に納めていきます。最後に、故人と最も縁の深かった人が喉仏の部分を納めて終わりにするというのが一般的です。
収骨する量や拾い方など、骨上げの作法は、実際は地域によりかなり差があるようです。どのくらい納めるのか、どの骨を拾うと良いのかなどは、係員が教えてくれますので、それに従って行いましょう。
喉仏の収骨が終わると、係員が骨壷を箱に入れてくれます。その際に、納骨に必要な埋葬許可証を一緒に入れるので、なくさないように注意してください。
拾い上げは、故人と縁の深かった順に行うのが一般的です。喪主から始めて、遺族、親族の順で行いましょう。もし子供が小さくて骨上げが難しい場合は、無理に執り行う必要はありません。できる範囲で構わないので、近親者から順に行うということを意識してみてください。
骨上げでは、2人1組になってひとつの骨を、長さの違う竹製と木製の箸1本ずつを1組として拾い、骨壷に納めます。どのような意味があり、なぜこのような作法で行われるのか、確かなことはわかっていません。しかし、多くの地域でなされる収骨の風習となっています。
一説には、お葬式の儀礼の多くに用いられている「逆」を行うしきたりに準じていて、普段は行わない「箸をたがえる」という作法を、非日常のこととして行っていると言われています。また、竹と木は互いに接ぎ木できないことから「決別」を意味しているとも、三途の川を渡るときの橋渡しをするという意味があるとも考えられています。
骨上げは確実に行なう必要性はなく、しないという選択も可能です。故人の意向や親族間での話し合いによっては、骨上げをせずに火葬を終了することも十分にありえます。
骨上げをしない場合は、火葬場に「遺骨は不要です」と申請しましょう。この場合、骨は放棄した扱いとなり、火葬場側でしっかりと処分されます。
骨上げの拒否は、一度申請すると撤回ができません。遺族や親戚間で話ができていないと「なぜ骨上げをしないのだろう」とトラブルを引き起こす可能性があります。骨上げを拒否する場合は、遺族全員に確認を取り、意思を尊重してから決断するようにしましょう。
骨上げは、地域によってルールが異なる場合があります。骨上げの種類は、主に「全収骨」と「部分収骨」の2つです。どちらも名前の通りで、全収骨は骨のすべてを、部分収骨は一部の骨のみを骨壷に入れます。
一般的には、東日本では全収骨、西日本では部分収骨が行なわれることが多いです。収骨する量が違うため、骨壷のサイズも西と東で大きく異なります。具体的には、全集骨の場合は7寸ほど、部分収骨の場合は4寸ほどの骨壷が一般的です。
葬儀を執り行う場所によって違うため、事前に火葬場や葬儀社に確認しておくと良いでしょう。東日本と西日本で骨上げのルールが違うという点は、しっかりと覚えておいてください。
葬儀に参列する際には、香典をお渡しすることが一般的です。ところが火葬から参列する場合や、直葬(火葬のみを行う形式)の場合は、どのように渡せばいいのかがわからない方も多いでしょう。
そこでこちらでは、火葬場で香典を渡すケースについて解説します。火葬場での立ちふるまいについて知りたい方は、確認してみてください。
火葬から葬儀に参列する場合も、香典の持参は必要です。香典は故人にお供えする金品を指すので「葬儀に行かなかったから不要」というものではありません。仮に葬儀や火葬に参加しなかった場合でも、現金を不祝儀袋に入れ、現金書留用の封筒で送るという必要性が生まれます。
もし親族や遺族のみの比較的少ない人数で実施する「直葬」であっても、香典は用意しておいたほうが無難です。ほかの参列者が香典を渡しているのに、自分だけ持参していなくて恥をかくこともあります。特に連絡がない場合には、香典は準備しておくとよいでしょう。
ただし香典を受け取るのか受け取らないのかの判断は喪主が行うので、喪主がはっきりと「いらない」と言った場合は準備しなくても構いません。
香典は火葬場であっても、基本的に受付で渡します。受付がない場合は、喪主や遺族に直接渡すこともあるでしょう。
受付がなく、喪主や遺族に渡す場合は、相手の状況を判断して負担のないタイミングを見計らうようにしてみてください。渡す場所に決まりはないため、少し時間があとになったとしても、落ち着いた時間帯を狙うほうが無難です。
火葬から参列した場合でも香典は必要で、基本的には受付で渡し、なければタイミングを見計らって喪主や遺族に渡すということを覚えておいてください。
火葬場からの参列であっても、香典は基本的に必要です。そのため、渡し方についてもしっかりと学んでおく必要があります。とはいえ、火葬場だけの特別な渡し方というものはありません。袱紗から取り出して、お悔やみの言葉と共に渡すのが一般的です。
これから香典の渡し方について紹介するので、あまり自信がない方は再確認するつもりでご覧ください。
火葬場で香典を渡す際には、通常の葬式と同じようにマナーを守ることが大切です。香典袋を袱紗から取り出して、両手でしっかりと渡すようにしましょう。香典を袱紗以外のものに入れておいたり、両手ではなく片手で渡したりすると、相手によっては不快感を与えてしまうことがあります。
また、袱紗から取り出すタイミングが早かったり遅かったりすると、失礼にあたる可能性があります。早すぎると包んだ意味がなくなりますし、遅いとモタついてしまって、時間がかかってしまいます。
自分の順番が来た際に、スムーズに香典を渡せるように、袱紗を忍ばせておく場所はしっかりと意識しておいてください。
香典を渡す際には、一緒にお悔やみの言葉も言うようにしましょう。とはいえ長々とお悔やみの言葉を言う必要はなく、短く簡潔な言葉を準備しておくことをおすすめします。
遺族が対応で忙しそうだったり、憔悴しきっていたりする様子なら「この度はご愁傷様です」「こちらをお供えください」などの一言だけ添えて、さっと渡すのが無難です。
声のトーンは大きくならないように注意し、消えるや死ぬなどの忌み言葉も避けるようにしてください。
先方に気を遣わせないようにするのもマナーのひとつですので、あまり気負いすぎず、スマートに済ませることを意識しましょう。また、悲しみに沈む遺族を思いやる気持ちを忘れないようにしてください。
副葬品とは、故人とともに棺の中に納める物品を指します。副葬品は送り出す人の思いがこもっているものや、故人が生前に愛用していたものを入れます。とはいえ、何を入れれば良いのか悩む方もいるでしょう。
そこでこちらでは、副葬品や棺に入れるものについて解説します。葬儀は突然執り行われるので、前もって準備しておくことが難しいです。何を入れれば故人を偲べるのか、前もって知識として持っておきましょう。
なお、お花に関しては葬儀社が用意することがほとんどなので、わざわざ持参する必要はありません。
手紙は、副葬品として一般的に多く入れられます。葬儀は故人との別れを受け入れるためのものなので、感謝の気持ちを乗せた手紙は副葬品としてふさわしいです。
出棺までに故人に宛てた手紙を用意しておき、納棺のタイミングで入れるようにしてみてください。また、手紙は連名でも問題ありません。場所も限られているので、寄せ書きなどでひとまとめにして入れるケースも十分にありえます。
また送り出す人の手紙だけでなく故人が大切に保管していたものがあれば、一緒に入れておきましょう。
写真も、副葬品として一般的に入れられる品物です。故人が幸せそうに写っている写真や、寂しくならないように家族やペットと共に写っているものが入れられます。故人が生前大切にしていた写真があれば、それを中心にいくつか用意しておくと良いでしょう。
ただし写真に関しては「一緒に連れて行かれてしまう」という迷信が存在します。人によっては写真を入れることを嫌がるケースもあるので、事前に写っている人に確認しておきましょう。また故人との思い出の品が少なくなってしまわないように、複製しておくことも忘れないようにしてください。
最後は、故人のお気に入りのものです。あの世でも楽しく安らかにすごせるようにと、生前好きだったものを入れておくのは珍しくありません。
特に多く入れられるのは、生前によく食べていたお菓子やタバコ、衣類などです。他にも故人が大切にしていたものは、場所の許す範囲で入れてあげてください。
ただし、副葬品の中には入れてはいけないものも存在します。故人と縁があるものであれば何でも入れて良いわけではないので、事前に葬儀社に確認することが大切です。
こちらでは、棺に入れてはいけない副葬品について紹介します。故人が好きだからといって好き勝手に入れてしまうと、遺体が損傷したり、公害や汚染につながったりするリスクが発生するので注意が必要です。ひどい場合には、火葬場の設備が故障してしまうという可能性も生まれます。
故人を送り出すために入れてあげたい気持ちはわかりますが、しっかり判断して、スムーズに火葬を執り行えるものを用意しましょう。
基本的に不燃物は、副葬品として入れてはいけません。高温で溶けてしまい、遺体を傷つけたり、汚したりしてしまいます。さらに物によっては有害物質が発生し、周囲の関係者に悪い影響を与えることもあるでしょう。
・メガネ
・携帯電話
・時計
・指輪
などは、ついつい入れてしまいがちな物品です。これらは不燃物にあたるので、入れないようにしましょう。
次は、水分を多く含むものです。水分が多いと火葬時に温度を下げる要因となりえます。すると火葬に時間がかかり、ひどいときには機材の故障にもつながってしまいます。
故人が生前好きだった飲み物や果物など、水分を多く含む飲食品は避けましょう。ただし果物に関しては、小さくカットすれば入れることも可能なので、葬儀社に相談してみてください。
基本的には水分が無い副葬品を入れると覚えておき、どうしても入れたいものがあれば事前確認を行うようにしましょう。
当然ではありますが、爆発する危険性があるものも副葬品としては入れられません。遺体の損傷や、設備の故障につながってしまいます。
副葬品として入れたいと多く考えられていて、なおかつ爆発のリスクがあるものは以下のとおりです。
・ライター
・缶飲料
・スプレー
・バッテリー
故人が大切にしていたものであれば入れたくなる気持ちはわかりますが、危険性を考えて入れないようにしてください。
公害や汚染につながるものも、入れてはいけません。万が一有毒物質が発生してしまうと、葬儀に参列している方や火葬場の関係者などに、多大なる迷惑がかかる恐れがあります。
代表的なのはビニール製品や、プラスチック製品です。これらは有害物質であるダイオキシンを発生させてしまう恐れがあります。基本的にはしっかり燃えるものを中心に、副葬品を考えるようにしましょう。
火葬場の設備に影響があるものも、入れてはいけません。設備が故障してしまうと、火葬がうまく進まず、ひどいときには損害賠償を請求されてしまう恐れがあります。
爆発物は、火葬場に影響があるということは理解できるかもしれません。実は他にも、ゴルフクラブや釣り竿、杖、ラケットなどのカーボン製品も設備に影響を与えるとされています。
カーボンは燃えにくいため、燃え残った炭素繊維が細かな粒になって浮き上がり、火葬炉の集塵装置や換気設備に巻き込まれ、故障につながるのです。
「生前ゴルフやテニスなどのスポーツが大好きだった」という場合は、故人が利用していたものを写真に収めて入れると良いでしょう。現品を入れたくなる気持ちはわかりますが、設備を故障させないためにも、対策方法を考えてみてください。
遺骨を傷つける可能性があるものも、入れてはいけません。遺骨は骨壷に納め、永く残り続けるものなので、故人のためにも傷つけない意識を持ちましょう。
代表的なのは、金属やガラス製品です。これらは燃え残ってしまうので、遺体が焼却されたあとの遺骨に影響を与えるリスクがあります。
お金も、入れてはいけない副葬品のひとつです。特に硬貨は溶けないうえに、傷つけること自体が法律違反とされています。紙幣に関しては法律違反にはなりませんが、燃やして損傷する行為はなるべく避けるようにと国立印刷局が見解を示しています。
お金に近いものを入れたいのであれば、木製のレプリカや、紙や写真に印刷したものを入れるのが一般的です。ただしお札をコピーする行為は偽造の罪に問われる可能性があるので辞めておいたほうが無難でしょう。
こちらでは火葬炉の種類と仕組みについて紹介します。あまり意識することは少ないかもしれませんが、実は火葬場にある火葬炉には「台車式」と「ロストル式」の種類が存在します。
どちらも目的は故人を送り出すことに変わりはありませんが、それぞれの特徴を知っておくことで、より満足の行く葬儀を送れます。以下に詳しく解説していくので、ぜひ確認してみてください。
台車式はその名の通り、台車に乗った棺を炉の中に入れて火葬を行う方法です。一般的な火葬は、この台車式によって行なわれています。
電動のコンベアーのうえに棺を置き、炉の中と外を出し入れする仕組みです。火葬室が小さく作られているため、燃焼効果が高く不完全燃焼になりにくいという特徴を持っています。また騒音が聞こえづらく、遺骨がキレイに残りやすいというのもポイントです。
さらに遺族が利用する前室の扉を閉めることで、参列者に見られることなく棺を開けて、副葬品やドライアイスなどの燃えにくいものを取り出せます。
ただし隙間のない構造になっているため、酸素があまり供給されず、もともとの燃焼力はそこまで高くありません。そのため火葬時間は60分以上と、長めの時間がかかることが多いです。
他にもコストがかかるなど、火葬場側へのデメリットはありますが、参列者からするとメリットが大きい火葬方式です。
ロストル式は、オランダ語のroster(火格子)が語源となっている火葬方式です。金属の棒を炉内で格子状にしたものの上に、棺を乗せて火葬を行います。
台車式に比べると採用している火葬場は非常に少ないため、あまり見かけることはないかもしれません。
格子部分や、下の受け皿になっている部分の温度が高く、効率よく火葬ができる点が特徴です。効率性の高さから、1日に多くの火葬を執り行えるため、スケジュールの確保をしやすいのもメリットだといえます。
ただしロストルの隙間から遺骨が落ちて傷がつくリスクがあったり、炉の前にあるホールにまで臭気がただよってしまったりという点がデメリットです。また火葬炉の構造上、耐熱扉を開くと炉の内部を遺族が見てしまうことになるため、不快に感じてしまう方がいるかもしれません。
こちらでは、火葬後に行うことについて説明します。火葬とはその名の通り「故人の遺体を焼却してお見送りすること」ですが、火葬自体が終わってもその後にやるべきことは多いです。前もって流れを把握しておき、慌ててしまわないように注意しましょう。
火葬後に行うことは「初七日法要・精進落とし・僧侶へのお布施」です。それぞれ詳しく解説していきます。
まず行うのは「初七日法要」です。遺族、親族、友人、知人などが参列し、僧侶の読経の後、焼香・お食事(お斎)を行います。
初七日法要は名前の通り、正式には故人が亡くなった日から七日目に行うのが一般的です。命日も含めての七日目となっていますので、死後六日目ということになります。
ただしこれは地域によって異なっており、命日の前日から数えた七日目とすることも多いです。いずれの場合でも、この「七日間」とは、故人が亡くなってから三途の川に辿り着くまでの期間と考えられています。
ただし近年では、遠方からの参列者に配慮して告別式後にそのまま初七日法要を行ったり、火葬終了後すぐに初七日法要を行ったりする場合も多いです。また、火葬後に行う「還骨法要」と「初七日法要」を併用して営むことも多くなってきています。
また、仏教の中でも浄土真宗は例外です。浄土真宗では、亡くなってすぐに極楽浄土に辿り着くと考えられているため、初七日に法要をする必要はありません。浄土真宗で初七日や四十九日の法要を執りおこなうのは、遺族が故人を思い偲ぶ形式的な意味合いがほとんどです。
精進落としは、法要の後にふるまわれる食事です。かつては、親族が亡くなったときには、仏教の思想によって肉や魚を断ち、精進料理を摂っていました。精進落としは四十九日の忌明けに、それを通常の料理に戻す区切りというのがもともとの意味です。
しかし次第にかつての意味は薄れ、初七日法要の際に僧侶等をねぎらう宴席へと変わっていきました。
さらに現代では、火葬場から戻った際に、親族やお世話になった方へ酒食をふるまう宴席を精進落としと呼ぶのが一般的になっています。地域によっては火葬中に精進落としの会食を行うところもあります。
精進落としの料理は、仕出し弁当や寿司、懐石料理などです。今はメニューについて細かい決まりは特になくなっているため内容は自由ですが、伊勢海老や鯛など、お祝いの席で出される食材は避けましょう。
皆が食べやすい煮物や、季節の食材を使った料理などがお勧めです。精進落とし用の専用メニューを用意していたり、「精進落としでふるまう」と言うとそれに合わせて作ってくれたりするお店もあります。
手頃なものから高価なものまで、ニーズに合わせて選択できるようになっているので、必要に応じて利用するとよいでしょう。
お寺にお墓がある場合は、僧侶へのお布施を渡しに行きましょう。お布施は、火葬後にお寺まで伺って納めることが多いです。ただし、前もって僧侶から「後日でも良い」と言われた場合は、精進落としが終わった後に、お礼の挨拶を述べて渡しに行くようにしましょう。
お布施の本来の意味は「他人に金品を施すこと」ですので決まった金額(相場)はありませんが、葬儀・葬式の日数や内容によってお布施の額は違ってきます。いくら包めばいいのか分からない場合は、葬儀社・お坊さん・神職に相談するとよいでしょう。
なお、仏式の場合、戒名をつけていただいた場合は、お布施とは別に戒名料を包みます。さらに、葬儀・葬式のために出向いていただいた場合は、お布施とは別に御車代を包んでください。
また、都合によりお坊さんや神職がお食事の席に付けない場合は、お布施とは別に御膳料を包みます。
身内が亡くなった場合、市役所などで様々な手続きを進める必要があります。期限が定められている場合があるので、気持ちが下がっていたり、忙しかったりする場合もあるとは思いますが、スケジュールを決めて進めましょう。
以下の手続きが必要です。市役所などで相談もできるので分からない点があれば確認してみましょう。
・健康保険、介護保険の喪失届の提出
・雇用保険受給資格者証の返還
・国民年金の受給停止申請
・厚生年金の受給停止
・姻族関係終了届
・シルバーパスの返却
・運転免許証の返却
また、以下のような公共サービスも手続きが必要です。
・電気、ガス、水道の名義変更
・NHKの名義変更
・電話、インターネットの名義変更
・賃貸住宅の解約手続き
・死亡退職届や退職金の申請
財産や相続の手続きも進める必要があります。以下の手続きも必要であれば行いましょう。
・遺言書の検認
・相続人の決定
・生命保険の申請
・高額医療費の申請
・不動産の登記変更
お世話になった人たちに挨拶に伺いましょう。
葬儀の準備や実行で忙しく、きちんとお礼が言えていない状態に陥ることが多いです。気持ちが落ち込んでいることも多いので、仕方無い部分でしょう。
気持ちが落ち着いてきたら、近所や親戚に改めて挨拶に伺いましょう。「生前はお世話になりました」と伝えながら、手土産を持っていくと丁寧です。
故人が会社勤めだった場合は、故人の会社に挨拶に行くのも忘れないようにしましょう。取引先への連絡や社内業務の引き継ぎなどで、お世話になっている可能性が高いです。
電話やメールで上司や同僚にアポイントを取ってから向かいましょう。
気持ちが落ち着いてからで構わないので、挨拶に伺いましょう。
亡くなってから49日目に四十九日法要を行います。故人の命日から七日ごとに行われる忌日法要の中でも、四十九日法要は最も重要なものです。
故人は初七日を迎えた後7日ごとに生前に犯した罪を閻魔様によって裁かれ、四十九日をもって来世の行き先が決定されると言われています。
親族や故人と縁の深かった人々は、故人の成仏と極楽浄土へ行けることを祈って法要を営みます。また、四十九日は、それまで喪に服していた遺族が日常生活にもどる日という側面もあります。
当日は法要を行なった後に納骨式を行います。納骨式とは、火葬後の遺骨をお墓や納骨堂に納める儀式のことです。四十九日法要の後すぐに納骨式を行う場合が多いです。
その後開眼法要を行います。開眼法要とは、仏壇や位牌を新たに購入した際や、お墓を新たに建てた際に行われる法要のことです。開眼法要は「入魂式」「魂入れ」「仏壇開き」のように宗派の違いなどによって様々な呼び方があります。
最後に、施主が列席者を招待して行なう会食である御斎(おとき)を行います。僧侶や参列者に対する感謝の思いを示した席であり、参列者全員で思い出話をして故人を偲びます。
火葬の際に収骨した遺骨は、四十九日法要で納骨となります。
こちらでは、精進落としでのマナーについてお伝えします。精進落としは火葬が終わった後に行なわれる会食なので、今までの重い雰囲気から開放されて、ついつい気が抜けがちです。
しかし、精進落としは葬儀行事のひとつなので、しっかりマナーを守らないと、故人や遺族、参列者に対して失礼になってしまいます。
しっかりとマナーを意識して、参列者全員が満足できるような会を目指しましょう。
遺族が精進落としについて覚えておかなければならいマナーは、出席者の「席順」です。僧侶が出席する場合は、僧侶が最上席となります。その次に会社関係者、友人や知人、親族という席順で配列しましょう。主催者である喪主は、入り口付近に席を設けます。
席順を間違えてしまうと、出席してくれた方たちを不快な気持ちにさせてしまうかもしれません。精進落としに出席する方は、あらかじめ決まっています。
喪主は席次表を作成しておけば、出席者を的確に席へと案内できるでしょう。ほかにも、席に名札を置くなどの工夫をすれば、精進落としに出席してくれた方たちをスムーズに案内できます。
精進落としに出席する方は、故人の死を思い浮かべるような話題は避けなければなりません。遺族に対して失礼となる可能性があるからです。故人の最期の様子や死因などを話題にすると、遺族の悲しみや寂しい感情を高ぶらせてしまうかもしれません。
遺族は、大切な家族の死や葬儀などで、心も体も疲れている可能性が高いでしょう。遺族に対して、故人を亡くした悲しみや寂しさを気遣う心を忘れてはいけません。故人の話をする場合は、生前の故人との楽しいエピソードなど、明るい話題を心がけましょう。
精進落としの場は、出席者たちで故人を偲ぶ場所です。ある程度くつろいだ和やかな時間を過ごすことは構わないでしょう。精進落としの会食の場では、アルコールが出るケースがほとんどです。アルコールによって気が緩み、くつろぎすぎて他の出席者や遺族へ迷惑をかけないよう注意しましょう。
アルコールによって気が緩んでしまうと、話し声が大きくなることもあります。自分が楽しい気持ちでも、聞こえてしまった内容が遺族や周囲の出席している方を不快な気持ちにさせてしまうかもしれません。故人を偲ぶ場所だということを頭に入れて、節度ある行動を心がけましょう。
最近では耳にする機会も増えている「火葬式」ですが、「実際にどのような形式の葬儀なのかはよく分からない」という方もいるのではないでしょうか。
火葬式とはどのような形式の葬儀なのかに加えて、お布施の相場や流れなどの疑問を解決することで、よりスムーズに火葬式の執行ができます。こちらでは、火葬式の流れについて解説します。
日本人の宗教感情を尊重するのに加えて、蘇生の可能性が0%とは言い切れないことから、亡くなってから24時間以内に遺体を火葬することを禁じています。墓地埋葬法という法律で定まっているため、死因が感染症などの例外を除き、24時間以降に火葬します。
病院などで亡くなった場合でも、寝台車でお迎えをしてからご遺体を安置できる場所まで搬送するのが一般的です。自宅で安置することが可能であれば自宅へ搬送する一方、自宅での安置が難しい場合には葬儀社の安置施設へ搬送します。
24時間以上経って火葬ができるようになれば、仏衣で故人を包み納棺です。故人に着せる全身白一色の着物である仏衣以外にも、最近では故人が普段着用していた服や大切にしていた洋服などで身を包むことが増えています。
納棺後は、花なども一緒に納めながら、最後に故人との別れをして出棺というのが一般的な流れです。故人が好きだったものなども一緒に棺に入れても構いませんが、不燃物は入れないなどのルールもあるため気を付けましょう。入れたいものが明確な場合には、事前に担当者を通して確認しておけば安心です。
火葬炉前で僧侶に読経してもらった後で、実際に火葬をします。火葬が終わるまで一時間ほどかかるため、そのあいだは控室などで待機し、骨上げを行う流れです。
骨上げとは、火葬後に遺骨を骨壷に納めることで、二人一組になって骨を骨壷へと納めます。このとき、喪主から順番に血縁の深い順に行うのが一般的です。また、骨上げをする際には、足側の骨から拾いはじめ、最後に喉仏を骨壷に納めます。
火葬式は、葬儀と火葬を同時に行うので、準備にかかる期間が短くなります。
また、式場を使わないのでその分費用も安くなります。引き取り手のないご遺体を火葬する際にも利用されるなどの特徴があります。
火葬式の特徴を解説するので、ぜひ参考にしてください。
家族や親戚がいない状態で亡くなった方の葬儀は火葬式で行うことが多いです。
自治体などが主となって火葬をする場合に利用されます。引き取り手がない方でも、儀式的に葬儀を行えるスタイルとなっています。
式自体の内容が非常にシンプルなので、参列者の負担が少なくて済みます。
通例通りの葬儀と比べて、逝去から火葬までの時間が短いです。葬儀社との打合せや準備があまりなく、遺族の負担が非常に少ないです。
火葬式を執り行う際も、火葬場に集まり、火葬炉の前で5分から10分でお別れを行なってから火葬を行います。長時間の拘束がないので、体の不自由な方や高齢者の方、子供がいても問題なく式を進めることができます。
火葬場で行う以上、参加人数が限られます。訃報連絡や案内なども最低限の準備で済ませることが可能です。
火葬式は、一般的な葬儀と比べて非常に費用が安く済みます。
通例では、式場でお通夜と葬儀・告別式を2日に分けて行います。告別式の終了後に火葬場へ移動し、火葬へと移ります。火葬式は、火葬場しか使用しないので、式場の使用料や食事代など負担しません。
火葬式で発生する費用は、ほとんどの場合以下の3つです。
・火葬代
・棺
・骨壺
読経も行わないので僧侶を呼ぶこともありません。祭壇の費用やお布施なども必要ないので、非常に安価に葬儀を進めることができます。
ただ、読経などの儀式を行いたいのであれば、僧侶を呼ぶことも可能です。その際はお布施やお車代などを負担することとなります。儀式的な内容を入れて火葬式を行いたいのであれば、その旨を葬儀社に相談してみましょう。
火葬式を行う場合であっても、僧侶を呼ぶのであれば、僧侶への感謝の気持ちを示す心付けとしてお布施が必要です。
そこで「火葬式におけるお布施の相場を知りたい」という方もいるのではないでしょうか。ここでは、読経料や戒名の相場とともに、お布施の相場が変わる理由についても詳しくご紹介します。
読経とはお通夜や葬儀、法事、法要などで僧侶が経を読み上げることを言い、それにともなうお布施が読経料です。火葬式での読経は、火葬場や安置場所でのみ読経するのが一般的で、この際の読経料は3万円~10万円が相場となります。
ただし、先にもご紹介したようにお布施はあくまでも僧侶への感謝の気持ちを表すものであり心付けであることから、僧侶に対しては読経料などと呼ばないように気を付けましょう。
なお、お布施の相場に幅がある理由のひとつとして、菩提寺かどうかが関係します。菩提寺とは、先祖代々のお墓があるお寺のことです。菩提寺がある場合、そのお寺に勤める僧侶に今後も供養をお願いすることになるため、相場の目安は10万円~50万円と高くなります。
戒名とは仏門に入った人が受け取る名前のことで、浄土真宗では「法名」、日蓮宗では「法号」と宗派によって異なる呼び方をします。
仏門に入った人が持つ名前である戒名は、僧侶であれば誰もが持っている一方、ほとんどの方にとっては亡くなった方に付けるものというイメージがあるでしょう。
仏門に入らずに亡くなると、仏式のお葬式ができないことから戒名を付ける必要があります。戒名を付ける際のお布施は、10万円~15万円程度が相場です。
また戒名には位があり、位によってお布施の相場が大きく変わってきます。例えば、最も低い戒名の位である「信士」や「信女」であれば、お布施の相場は10万円前後です。
続いて30万円~50万円の位になると、「居士」や「禅定門」、「大姉」、「禅定尼」が戒名に付きます。
さらに「院殿」や「居士」、「院」、「大姉」などは50万円~80万円となるほか、最高位の戒名である「院殿」や「大居士」、「清大姉」などは100万円以上がお布施の相場です。このように、戒名の位が高ければ高いほどお布施の相場も高くなります。
お布施の相場を参考にしながら包む料金を決めたら、後はお布施の包み方や渡し方のマナーにも注意が必要です。
最近では白い封筒を使ってお布施を包む方も増えていますが、無地であるかの確認とともに、縁起の悪い二重タイプの封筒ではないかをチェックしましょう。また、お布施の表書きや裏書きの正しい書き方についてもご紹介します。
お布施の正しい渡し方として、本来であれば奉書紙に包んで渡すのが正式な方法です。しかし、最近では無地の白い封筒を使用することも増えています。
無地の白い封筒であれば、文房具を扱っているお店はもちろん、コンビニなどでも気軽に手に入れることが可能です。
ただし、無地がマナーとなることから、郵便番号の記入欄として枠などを印字しているものはNGとなるため気を付けましょう。また、封筒の内側に紫色の紙が入っているなど二重タイプの封筒は、不幸の連鎖をイメージするとしてお布施にはふさわしくありません。
お布施には表書きと裏書きがあり、表書きとしてまずは「お布施」もしくは「御布施」と自筆で上半分のスペースに書きましょう。また、その下の部分には、施主である自身のフルネームもしくは○○家と苗字を書きます。
白い封筒にお布施を入れる場合、裏書き部分には何も書く必要がありません。ただし、奉書紙に包んで渡す正式な形式でお布施を包んだ場合には、裏書きに氏名や住所、金額などを書くのを忘れないようにしましょう。
お布施を正しい方法で包み、表書きや裏書きも必要に応じて記入したら、後は僧侶に直接お布施を渡します。お布施の渡し方としては、切手盆や小さなお盆に乗せるのがマナーです。
火葬場などでお盆を用意するのが難しい場合、袱紗に包んで渡すと良いでしょう。風呂敷のような袱紗は、紫などの落ち着いたカラーを選ぶのがおすすめです。また、僧侶への手渡し時には、紫など落ち着いた色合いの袱紗を選ぶとともにお盆や袱紗は床に置かないことも徹底しましょう。
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葬儀や火葬はそこまでたくさん経験するものではないので、どのように段取りを進めれば良いのか毎回困ってしまうことが多いでしょう。
当日に慌ててしまうと、せっかく故人を見送るための大切な会を満足の行くものにできません。落ち着いて執り行えるよう、火葬への知識をしっかりと身につけておきましょう。火葬に関して気になる点があれば、小さなお葬式へお問い合わせください。流れや料金など、納得の行く方法を提案いたします。
お彼岸の時期は年に2回で、春分の日、秋分の日の頃だと覚えておくとよいでしょう。ホゥ。