
作成日:2022年05月09日 更新日:2022年05月13日
桜葬とは?概要や注意点を解説!樹木葬とは何が違う?
日本において故人の遺骨を納める手段は、単に「納骨堂やお墓へ安置する」というだけではありません。故人の意向や遺族の好みにあわせてさまざまな納骨の方法を選択できます。
納骨の型について調べている中で、「桜葬」という単語を目にした方もいるでしょう。桜葬は樹木葬の一種で、メリットが多いことから希望する方も増えている納骨方法です。ここでは、桜葬の概要をはじめ、費用や注意点についてまとめました。桜葬に関心がある方はぜひ参考にしてみてください。

【もくじ】
・桜葬とは桜樹を墓標とする納骨手段
・桜葬にかかる費用
・桜葬がおすすめの人
・桜葬をする際の注意点
・桜葬を申し込むまでの流れ
・まとめ
桜葬とは桜樹を墓標とする納骨手段
桜葬とは、桜の木を墓標とする樹木葬の一種です。供養のために故人の遺骨を安置する際、その手段は複数存在します。例えば「墓石の納骨室に安置する」「納骨堂へ納める」などです。樹木葬は立木を墓標とする方法で、その中でも桜樹を墓標にする手段を「桜葬」と呼びます。
「樹木葬は知っているが桜葬については知らない」という方のために、まずは桜葬の概要について解説します。
発祥
桜葬の発祥は、葬儀に関連する交流会の主催や支援運動を行っている組織「NPO法人エンディングセンター」です。エンディングセンターは世の中の情勢を鑑みて、市民の生活とマッチしたお墓を体現させたいという計画から、桜樹を墓標として納骨を行うようになりました。
かつては樹木葬自体の認知度も低かったのですが、日本において桜は人気が高いこともあり、次第に「桜葬」という言葉が広まったと考えられます。
特色
桜葬の特色は以下のとおりです。
・桜樹を墓標(シンボル)とする
・宗教を問わない
・継承が不要
・合同供養祭がある
合同供養祭とは、決まった時期に僧侶をお招きし、読経を行う行事を指します。永代供養である桜葬では、毎年春に執り行うのが一般的です。
樹木葬との相違点
桜葬と樹木葬の違いは主に以下の2点です。
・お墓が区切られている
桜葬は遺骨が納められている場所が区切られておらず、1つの桜樹に対して複数人の遺骨を納める「集合墓」が採用されるため、個人的な空間は比較的狭いといえます。一方で樹木葬では、お墓と同じように各自のスペースが区切られて納骨されることも少なくありません。
・植える木の指定ができる
集合墓である桜葬では、植える桜を指定できません。一方で樹木葬には、好きな植物を選んで植えられるケースもあります。

桜葬にかかる費用
桜葬を行う際にかかる費用目安は、1人あたり40万円前後です。家族でまとめて納める形式もありますが、人数制限に注意しましょう。また、費用は墓苑によって異なるため、詳細は各墓苑へ問い合わせることをおすすめします。
桜葬がおすすめの人
桜葬に興味があるけれど、一般墓と異なる点も多いため迷うこともあるかもしれません。ここからは、桜葬がどのような方におすすめなのかについて詳しく解説します。
子孫にお墓の保全を任せたくない人
お墓の保全には時間もお金も必要となるので、保全を担う方には負担が生じます。最近ではお墓が遠方にあることも多く、自分の子どもや孫に受け継ぐのは申し訳ないと思う方も少なくありません。負担軽減のためや、お花見気分でお墓参りをしてほしいと考えて桜葬を選択するケースもあります。
子どもがいない夫婦や独身の人
子どもがいない夫婦や独身の場合、継承者がいないこともあり得ます。桜葬は永代供養を前提とするものが多く、継承が不要です。また、希望すれば継承も選択できるため安心です。
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草木が好きな人
桜葬は自然や草木が好きな方に適しており、桜の木の下で安らかな眠りにつきたいと憧れる方もいます。また、桜が散っている時期でも、芝生などの植物が多い墓苑を選べば、一年中草木に囲まれながら眠ることが可能です。
合葬を希望しない人
合葬とは、一定期間後に遺骨を取り出し、ほかの方と一緒に埋葬することです。土に帰ることを理念とする桜葬では、合葬をすることはほとんどありません。
支出を抑えたい人
お寺や墓苑に墓石を建立して保全していくとなると、そのときにかかる支出は決して安くありません。「お墓にそれほど費用をかけたくない」と考えている方は、遺骨を納める方法に悩むこともあるでしょう。一般的なお墓よりも費用が安いという理由で桜葬を選ぶ方もいます。
宗派にこだわらない人
桜葬は宗教・宗派にこだわらず、基本的にはどなたでも選択できます。そのため「どの宗派も信仰していない」という方にもおすすめです。
桜葬をする際の注意点
桜葬にはメリットがあると同時に、デメリットも存在します。注意点を把握していないと、いざというときに思わぬハプニングが生じる恐れがあるでしょう。ここでは、桜葬を選択する際の注意点について解説します。
立木が限定されている
樹木葬では、故人の好みに合わせて墓標となる立木を選択できます。しかし、桜葬は墓標となる立木が「桜」と限定されている点では、自由度が低いといえるでしょう。より故人の好みに合った方法を選びたい方は注意が必要です。
一年中桜が咲いているわけではない
桜葬の魅力には「桜の美しさ」が挙げられます。ただし、桜は一年中花を咲かせているわけではありません。花が満開になる春以外は、期待している景色とは異なるケースもあるでしょう。
遺骨を取り出せない
一般的なお墓は、開閉可能な墓石の納骨室に遺骨を納めるため、改葬が可能です。一方、桜葬は遺骨をそのまま土に埋めることが多く、取り出しは自由に行えません。改葬も視野に入れている方は、事前に墓苑へ相談するとよいでしょう。
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墓苑が広すぎる
桜葬を実施している墓苑は、敷地が広い傾向にあります。あまりに敷地が広いと、故人が眠っている場所まで出向くのに時間がかかる恐れがあります。足腰の悪い方やあまり移動ができない方は不便と感じるかもしれません。
桜葬を申し込むまでの流れ
桜葬を希望しているが、周囲に桜葬を選択した方がおらず「どう申し込めばよいかわからない」と悩む方もいるでしょう。最後は、実際に桜葬を申し込むまでの流れを1つずつ解説します。
墓苑を探す
桜葬が可能な墓苑は限られています。お墓参りを行うためにも、まずは自宅からの距離を考慮して地域を選びましょう。また、費用や人数制限も墓苑によって異なる部分です。パンフレットやインターネット検索などを利用し、情報収集から始めましょう。複数の候補を挙げて、見積もりを比較するのもおすすめです。
現地を見学する
候補がある程度絞れたら予約をし、実際に墓苑を見学しましょう。墓苑までのアクセスはよいか、周囲の眺めはよいか、希望する雰囲気に合っているかなどは、実際に目にしてみなければわからない部分です。故人や周囲の方が望むかたちで供養するためにも、見学は欠かせません。
申し込み完了後、入金する
条件の比較や見学が終わり墓苑が決まったら、申し込みを行います。申し込み完了前には、契約に間違いがないかなどの最終確認をするとよいでしょう。その後、入金を行えば完了です。入金後には使用許可証を受け取ります。
まとめ
桜葬とは、桜樹を墓標としてその周辺に遺骨を埋める手段のことです。一般的なお墓よりも費用が抑えられ、継承が自由といったメリットがある一方で、個人の空間が狭かったり植える立木が限定されていたりするといったデメリットもあります。より故人の希望にそった供養をするためにも、特徴や方法をしっかり調べることが大切です。
もし納骨の方法について悩みや不安がある場合は、小さなお葬式にご相談ください。専門の知識と経験を持ち合わせたスタッフが、適切なアドバイスをさせていただきます。
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