年金の税金は、支給額に応じて定められた税額が源泉徴収されます。この記事では「年金からいくら税金が引かれるのか知りたい」という方に向けて、税金計算のシミュレーション方法を解説します。
所得控除が非課税になるケースについても触れているので、ぜひ最後までお読みください。
<この記事の要点>
・日本の公的年金には「国民年金」と「厚生年金」の2種類がある
・公的年金の上乗せとして、保険会社が提供する「個人年金」に加入できる
・年金の税金計算は公的年金と個人年金共に計算式で求められるので、事前に計算しておくとよい
こんな人におすすめ
年金の税金が気になる人
自分で税金を計算してみたい人
公的年金・個人年金の違いを知りたい人
年金の税金を計算する前に、公的年金や個人年金について基本を押さえておきましょう。ここでは加入者の特徴や仕組みについて触れています。
公的年金は、「国民年金」と「厚生年金」の2種類があります。自営業の方は国民年金に加入し、公務員・会社員は国民年金と厚生年金に加入する仕組みです。
「将来受け取る年金額を増やしたい」「老後の生活をより豊かにしたい」という方のために、公的年金の上乗せとして「個人年金」に加入することができます。
個人年金には種類があり、希望の運用方法に合わせて選択可能です。
・確定給付企業年金制度(DB):受け取る給付額が約束されている
・確定拠出年金制度(DC):掛け金を自ら運用して、成果に応じて給付額が異なる
年金の税金計算をシミュレーションするには、雑所得の求め方や控除額について知る必要があります。ここではシミュレーションしやすいように、計算の4ステップを時系列で紹介します。
年金の収入は、雑所得として計算します。下記では、公的年金と個人年金それぞれの雑所得を計算する方法について確認してみましょう。
【公的年金の雑所得|計算方法】
雑所得=公的年金等の収入金額の合計 × 割合-控除額
【個人年金の雑所得|計算方法】
・雑所得=個人年金の収入金額の合計-必要経費
・必要経費:年金年額 × 払込保険料総額 ÷ 年金の支給見込額
公的年金は、収入金額に応じた割合を乗じて、さらに控除額を差し引きます。
収入金額 | 割合 | 控除額 | |
65歳未満 | 60万超130万円未満 | - | 60万円 |
130万円以上410万円未満 | 75% | 27万5,000円 | |
410万円以上770万円未満 | 85% | 68万5,000円 | |
770万円以上1,000万円未満 | 95% | 145万5,000円 | |
1,000万円以上 | - | 195万5,000円 | |
65歳以上 | 110万超330万円未満 | - | 110万円 |
330万円以上410万円未満 | 75% | 27万5,000円 | |
410万円以上770万円未満 | 85% | 68万5,000円 | |
770万円以上1,000万円未満 | 95% | 145万5,000円 | |
1,000万円以上 | - | 195万5,000円 |
※公的年金等控除額(合計所得金額1000万円以下の場合)
(参考:「国税庁 公的年金等の課税関係」)
上記で計算した雑所得から、さらに所得控除を引くことができます。該当する方は、要チェックです。
<基礎控除>
・合計所得金額に応じて決まる
・(例)2,400万円以下は48万円、2,500万円超は0円
<社会保険料控除>
・支払った金額分
・健康保険、介護保険
<扶養控除>
・扶養家族16歳~19歳は38万円、23歳~70歳未満38万円、19歳~23歳未満63万円
・生計を一にする親族との合計所得が48万円以下
<配偶者控除>
・所得に応じて決定(例)合計所得900万円以下:38万円
・生計を一にする配偶者との合計所得が48万円以下
<配偶者特別控除>
・所得に応じて1万~38万円
・生計を一にする配偶者との合計所得が48万円超133万円以下
<医療費控除>
・(医療費-給付金等で補てんされる金額)-10万円で算出された金額が控除される
・最高200万円まで
・年間10万円以上の医療費を支払った方
<生命保険料控除>
・支払った保険料に応じて控除される
・生命保険、個人年金、介護医療保険それぞれ4万円まで
<寄付金控除>
・2,000円
・AとBいずれか低い金額
・A「寄付金として納めた金額」、B「総所得 × 40%」
(参考:「国税庁 所得控除のあらまし」)
上記で計算した雑所得に対して、いくらの税率と控除額が発生するのか速算表でチェックしましょう。
【所得税の速算表】
課税対象の所得(1,000円単位) | 税率 | 控除額 |
195万円未満 | 5% | なし |
195万円~330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330万円~695万円以下 | 20% | 427,500円 |
695万円~900万円以下 | 23% | 636,000円 |
900万円~1,800万円以下 | 33% | 1,536,000円 |
1,800万円~4,000万円以下 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 45% | 4,796,000円 |
(参考:「国税庁 所得税の税率」)
ただし個人年金の場合、納付した者と年金の受取人が異なる場合、所得税ではなく「贈与税」が課せられます。
復興特別所得税の税率は、源泉徴収される所得税額の2.1%相当だといわれています。所得税+復興特別所得税の合計を求めるには、所得税率(%)× 102.1%の計算式も用いましょう(1円未満は切り捨て)。
<復興特別所得税の計算シミュレーション例>
・所得税5%:5 × 102.1=5.105%(合計税率)
・所得税10%:10 × 102.1=10.21%(合計税率)
なお復興特別所得税は、東日本大震災の復興財源として2013年1月1日~2037年12月31日まで徴収されます。
本項目では、実際に雑所得や課せられる税金の計算シミュレーションをしましょう。公的年金と個人年金それぞれのシミュレーション例を用意しました。自分自身の状況と照らし合わせて、確認してみましょう。
シミュレーションの条件をもとに、計算式に当てはめてみます。
<シミュレーションの条件>
・年齢:68歳
・公的年金の収入金額:500万円
・公的年金以外の所得合計:600万円
・雑所得:公的年金等の収入金額の合計 × 割合-控除額
→500万円 × 85%-68万5,000円
=356万5,000円
※公的年金以外の所得合計1,000万円以下の速算表を参照
雑所得をもとに、所得税の速算表を確認しましょう。
・所得税:税率20%、控除額42万7,500円
・復興所得税(102.1%)を乗じる:合計税率20.42%
つまり所得税の金額は、「356万5,000円 × 20.42%-42万7,500円=30万473円」です。
シミュレーションの条件をもとに、計算式に当てはめてみましょう。
<シミュレーションの条件>
・保険料:2万円(月額)
・払込保険料総額:720万円
・年金:65万円(年額)
・年金支給見込み額:15年
・年金以外の所得:300万円
・基礎控除:48万円
・雑所得:個人年金の収入金額の合計-必要経費
→65万円-48万円
=17万円
・必要経費:年金年額×払込保険料総額÷年金の支給見込額
→65万円 × 720万円 ÷(65万円×15年)
=48万円
課税対象は、17万円です。
・雑所得+年金以外の所得-控除額
→17万円+300万円-48万円
=269万円
雑所得をもとに、所得税の速算表を確認しましょう。
・所得税:税率10%、控除額9万7,500円
・復興所得税(102.1%)を乗じる:合計税率10.21%
つまり所得税の金額は、「269万円 × 10.21%-9万7,500円=17万7,149円」です。
すべての方に、税金が発生するとは限りません。所得税は、雑所得の金額によって課税されないケースもあります。
65歳未満の方は雑所得108万円未満、65歳以上の方は雑所得158万円未満の場合、所得税が免除になるので覚えておきましょう。非課税となる理由は、公的年金控除+基礎控除により課税所得がゼロになるからです。
また遺族年金や障害年金は、年金のひとつとはいえ、非課税に分類されます。
年金には所得税だけでなく、住民税もかかります。ここでは住民税の計算方法として、「所得割」「均等割」を紹介します。地域によって計算方法は異なるため、参考としてご覧ください。
均等割はすべての住人に対して、均等に課税する仕組みです。
<税額>
・市町村民税:3,500円
・県民税:1,500円
名称のとおり、所得に応じて課税するのが特徴です。計算式は、「課税所得金額 × 所得割税率※10%-税額控除額等=住民税の所得割額」を用います。
<※税額>
・市町村民税:6%
・県民税:4%
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年金の税金計算は、公的年金と個人年金それぞれの計算式を用いて求められます。納税前にシミュレーションしたい方は、年金の支給額や所得を照らし合わせて計算するとよいでしょう。
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