仏壇や墓前にはさまざまなお供えをします。餅もお供え物のひとつで、「お供え餅」や「鏡餅」と呼ばれて伝統的な文化の一部として親しまれています。しかし、お供え餅の由来や正しい飾り方が分からないという方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、お供え餅の意味や飾り方のマナーについて解説します。感謝の気持ちを込めてお供えする餅の飾り方を知ることで、より日本文化に親しみを持つことができるでしょう。
<この記事の要点>
・お供え餅は仏教的に位の高い食べものとされ、神様が宿る特別なご馳走と考えられている
・お供え餅を飾る時期はお盆・正月・法事の3回
・お供え餅は仏具に乗せて飾るのが正式な作法
こんな人におすすめ
お供え餅を飾る時期を知りたい方
お供え餅の選び方を知りたい方
お供え餅を飾る仏具について知りたい方
仏壇にお供え餅が飾られている光景を目にしたことがある方もいるかもしれません。では、なぜお餅をお供えする文化が生まれたのでしょうか。これには、仏教の思想と昔の暮らしの風習が大きく関わっています。まずは、お供え餅が生まれた背景について解説します。
仏壇やお墓にお供えするものは「五供」と呼ばれ、5つの要素から構成されています。五供の種類は以下のとおりです。
・香(線香)
・花(供花)
・灯明(ろうそく・提灯)
・水(浄水)
・飲食(食べもの)
餅は「飲食」に該当しますが、飲食の中にも位に序列があり、餅は仏飯に次いで高位のお供えものです。餅は神様が宿る特別なご馳走だと考えられていたため、菓子や果物よりも上位に位置づけられています。
線香や水とは異なり、お供え餅は常に仏壇に飾るものではありません。特別な食べものとして位置づけられている餅をお供えする時期は、お盆・正月・法事の日の3回です。故人や先祖の霊が帰宅すると考えられているお盆には、丸餅以外に白団子やぼたもちをお供えすることもあります。
正月は神道の行事なので、本来仏壇に特別な飾りは必要ありません。年初めによく飾られる鏡餅は神棚にお供えするのが一般的ですが、仏壇に飾っても問題ありません。四十九日や一周忌、三回忌などの年忌法要など規模の大きな法要では、飾った餅を参列者で分けて食べたり持ち帰ったりします。
お供え物に餅を用意することは知っていても、飾り方が分からないという方も多いでしょう。一口に餅といってもさまざまな形や色があります。ここからは、どのような餅がお供え餅としてふさわしいのか解説します。
餅の形にはいくつかの種類がありますが、お供えものにする餅は丸い形のものを選ぶのが一般的です。中にあんこの入っていない、シンプルな餅がお供えに適しています。地方や宗派によっては円形で平らな餅を積み重ねた「おけそく(またはおけぞく)」を飾るケースもあります。餅が傷みやすい時期は、砂糖で作った模造品で代用することもあるようです。
大きさについては特にきまりはないので、仏壇の規模に合わせて適切な量を用意することを心がけましょう。
お供え餅は基本的に弔事で飾るため、白い餅がよく選ばれます。紅白の餅は慶事で使うものなので、間違いのないようにしましょう。ただし、新たに仏壇を購入して「仏壇開き」をする際は、紅白の餅を飾ります。
家庭によっては、黄や白、緑と白の餅をお供えしてお土産に配るところもあります。どのような種類の餅を用意したらよいかわからないときには、詳しい方に確認しましょう。
お供え餅の個数は、はっきりときまっていないことが多いようです。弔事や慶事では吉凶を重んじて数字に関するマナーがありますが、お供え餅の場合はあまり気にする必要はありません。厳密なきまりはありませんが、4個~12個ほどお供えすることが多いでしょう。
しかし、これらはあくまでも一般的な傾向なので、宗派やお寺によっては具体的な数が定められている場合もあります。しきたりを守って飾りたい方は、事前に飾る個数を確認しておきましょう。
仏教では亡くなってから49日目に追善供養として四十九日法要を行う習慣があります。この際に「四十九日餅」という特別なお供え餅を飾ることがあります。四十九日餅は「傘餅(かさもち)」とも呼ばれ、小さく丸めた7個の餅を六角形に配置して7段に重ねて、計49個の餅の塔にのし餅という平たい円形の餅をかぶせて作ります。
四十九日餅は、49日分の食事であるという説や、餅を故人のご遺骨に見立てているという説が有名です。書物「福田纂要」では死者の体をあの世で支えるものであると説かれています。
お供え餅はそのまま置くこともありますが、仏具に乗せて飾るのが正式な作法です。使用する仏具は宗派によって異なるため、自家の宗派と使う仏具を確認しておく必要があります。
ほとんどの宗派では「高月(高坏)」という細く長い脚の上に杯が載っている仏具を使用します。杯にそのまま餅を入れても問題ありませんが、半紙を折って受け皿にするとより丁寧です。
浄土真宗では、2つで1セットの「供笥(くげ)」という仏具を用います。宗派によって角の数が異なり、浄土真宗本願寺派は角が6つ、真宗大谷派では角が8つの供笥を使うのが特徴です。
お供え餅を飾る際は、餅にカビが生えないように注意しましょう。真空パックされた市販品であれば問題はありませんが、新鮮な餅を使う場合は保存状態に十分な配慮が必要です。
通気性のよい場所に置いたり湿度や温度が高い場所を避けたりすることで、カビの発生を防げます。カビの菌糸は見た目よりも大きく広がるので、もしカビが生えてしまった場合は食べることは控えましょう
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お供え餅は位の高いお供えものとされており、お盆や正月、法事の日に仏具に乗せて飾ることが一般的です。使う餅の形は白い丸型が多く見られますが、一部の地域では黄色や緑色の餅を飾ります。正確な作法を知りたいときには、お寺や身近な方に聞いて確認してからお供えするのがよいでしょう。
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