お供えは、お葬式や法事・法要、弔問に持参するものです。お中元などと違い毎年経験するものではないため、何を用意すればよいか分からない方もいるのではないでしょうか。
弔意を示すために用意した品物で遺族に不快感を与えないためにも、お供えのマナーについて知る必要があります。この記事では、お供えの選び方や、迷ったときに役立つおすすめの商品を確認しましょう。失敗しないためのお供え選びのポイントが分かる内容です。
<この記事の要点>
・お供えとは故人の霊を慰めたり、感謝を示したりする意味が込められた贈り物を指す
・お供えの金額目安は5,000円~1万円で、掛け紙をして贈るのがマナー
・お供え物には花や日持ちするお菓子、線香などがおすすめ
こんな人におすすめ
「お供え」とは何か知りたい方
宗教ごとに適したお供えを知りたい方
おすすめのお供え物を知りたい方
仏前や神前、霊前に捧げるものが「お供え」です。ひとくちにお供えといっても、花や食べ物などさまざまな形式があり、宗教や宗派によって捉え方も異なります。まずは、お供えをする意味や、宗教ごとの違いについて知りましょう。
お供えは「供物(くもつ)」や「お供えもの(おそなえもの)」とも呼ばれ、故人の霊を慰めたり、故人への感謝を示したりする意味が込められた贈り物です。供えるべきものが宗教ごとに変わるのは、故人や霊に関する考え方が宗教によって違うためと覚えておきましょう。
お供えの種類は「遺族が仏壇や神棚などに毎日用意するもの」と「弔事の際に遺族以外からいただくもの」の2つに分けられます。葬儀や法事などでいただいたお供えは、供物台や祭壇の横に飾るのが一般的です。
仏教のお供えは線香、花、ろうそく、水、食べ物の5種類が基本で、これらは「五供(ごくう)」と呼ばれます。何を贈ればよいか迷った場合、五供から選べば失敗を防げるでしょう。また、故人が好きだったものを供えるのもおすすめです。
五供にはそれぞれに意味や役割があります。線香の煙と花の香りは仏様の食べ物であり、捧げることで供養につながります。また、死者はのどが渇くと考えられているため、きれいな水をお供えするのも大切です。しかし、浄土真宗の場合は水をお供えしないなど、宗派や地域によっても違いがあります。
神道のお供えは「神饌(しんせん)」と呼ばれ、代表的なものは米や酒、塩です。また、仏教と同じく故人が好きだったものも供えられます。
神饌には海産物や野菜や果物、玉串なども含まれ、仏教の五供と比較して種類が多いのが特徴です。神道には神様の力をいただくという意味も込めて、一度神様に捧げたものをみんなで分けて食べる「直来(なおらい)」という行事があります。
キリスト教には、仏教や神道のようなお供えの概念はなく、代わりに生花を贈ります。キリスト教の葬儀では、かごにお花を入れた「バスケットフラワー」を供えるのが主流です。また、持参した生花には名札を付けないというマナーがあります。
カトリックかプロテスタントかによっても会葬に際してのマナーが大きく違うため、不安な場合は教会側への確認がおすすめです。
宗教ごとの品物選びのほかにも、いくつか守っておきたいポイントがあります。ここではお供えに適した金額の目安や、掛け紙(のし紙)の選び方、避けるべきものなどを紹介します。マナーを守らずお供えを贈っても失礼にあたる可能性があるため注意しましょう。
お供えの金額目安は5,000円~1万円と考えておきましょう。故人との関係性や地域性、香典の有無によっても金額が上下する点には注意が必要です。遺族側はお供えを受け取ったら返礼品を用意します。香典や供物があまりに高額だと施主の負担になるため、香典を別途渡す際にはお供えの金額を抑えるように調整しましょう。
地域によっては、現金をお供えとして渡すこともあり、「お供物料(おくもつりょう)」とも呼ばれます。その場合、品物で用意するよりも多めの金額とすることが主流です。
ギフトショップなどでお供え物を購入する際、「のしはお掛けしますか」とよく聞かれます。ここで言う「のし」は品物に掛ける「掛け紙」のことです。本来の「のし」はアワビを伸したもののことでお祝い事に使われます。お祝い事の掛け紙にはのしがあるためのし紙と呼ばれますが、弔事のそれにはのしがありません。
仏教、神道のお供え物には掛け紙をして贈るのがマナーです。一方、キリスト教では生花を贈りますが、生花には必要はありません。
また、「一度切りでくり返すことがないように」という思いを込めて、結びきりの水引を選びます。
仏教や神道では、故人の好きだったものを供えることもありますが、何を選んでもよいというわけではありません。例えば、匂いがきついものをお供えすると、他の参列者に迷惑がかかります。また、仏教では無駄な殺生はタブーとされているため、肉や魚など命をいただくようなものもNGです。
花はどの宗教においても共通して贈れるものですが、とげや毒があるもの、色の濃すぎるものは避けたほうがよいでしょう。
「盆提灯」はお盆独特のお供えものです。地域によっては親族が初盆に提灯を贈り、2年目以降はその盆提灯を飾るという風習もあります。住宅事情で盆提灯が贈れない場合は「御提灯代」を包むのもひとつの方法です。近しい親族へお供えをする前には、一度周囲に何を用意するべきか相談しましょう。
また、お盆にはナスとキュウリを飾るという家庭も多いのではないでしょうか。日本ではお盆にご先祖様の霊が家に帰ってくると考えられており、これらの野菜はご先祖様の乗り物です。家に来るときは早く到着するように足の速いキュウリの馬を、帰りは少しでも長くいてもらうためにゆっくりと進むナスの牛を用意します。
葬儀や法事などお供えを渡す状況はさまざまですが、基本的には到着後すぐに渡すのがマナーです。会場が自宅でもお寺でも、挨拶をして中に入るより先に施主または受付の方に渡します。渡すときには「御仏前(御霊前)にお供えください」など一言添えるとよいでしょう。また、お供えの持ち運びには袋や風呂敷を使い、渡す直前に中身を出します。
渡すタイミングを逃してしまっても、勝手に供えるのはマナー違反です。遅くなってしまったことを詫びて、許可をとってからお供えしましょう。
お供えできる品物は多くあるため、何を選べばよいのかわからないという方もいるでしょう。ここでは、さまざまなシーンで安心して贈れる3種類の品物を紹介します。お供え選びに迷っている方はぜひ参考にしてください。
かつては葬儀や四十九日を過ぎるまで、菊やユリを中心に白一色で用意するのが主流でした。現在はあまりそうした縛りにとらわれることはありません。ただし、遺族が気にする場合もあるため、葬儀や四十九日法要で供花を考えていたら葬儀社に相談するとよいでしょう。
四十九日を過ぎたら色の付いた花をお供えしても問題ありません。また、生花だけでなくプリザーブドフラワー渡すこともできます。一方、四十九日以降でも地域によっては派手な色を嫌がる方もいるかもしれません。色が派手すぎるもの、匂いがきついものは避けるのがおすすめです。
キリスト教では、ユリやカーネーションをお供えすることが多く、仏教や神道のお供えで定番の菊はあまり使われません。キリスト教の供花はかごを使ってアレンジした「バスケットフラワー」が主流で、生花のみを贈るのがマナーです。
フルーツやお菓子などの食べ物も、お供えの定番のひとつです。フルーツは日持ちしやすいものを選び、盛籠(もりかご)する際には奇数にならないように注意しましょう。
お菓子を選ぶときは、賞味期限が重要です。クッキーやせんべいなどは日持ちするため人気があります。お供えは下げる際にみんなで分けられるよう、小分けになったものを選ぶとよいでしょう。パッケージは華美なものは避けたほうが無難です。
線香の香りはお参りする方の身を清める意味もあります。また、仏教では「生前によい行いをした人は、死後に良い香りを食べる」とされており、線香は重要なものと考えられています。
毎日のように使う消耗品のため、いくらあっても困らないでしょう。ろうそくとセットになったものや、少し高級な線香などは贈り物としても最適です。色や香りのバリエーションも豊富なので、故人の好みに合わせたものを選ぶと喜ばれるでしょう。
お供えは受け取る側にも守るべきマナーがあります。初めて葬儀や法事をする場合、何もせずにいると失礼にあたってしまうかもしれません。そうならぬようお供えをもらった場合の返礼に関する注意点をしっかり確認しておきましょう。返礼品の金額目安やタイミングを知り、正しい手順でお礼をすることが大切です。
お供えは香典と同様、返礼品を贈るのがマナーです。いただいたものの1/3または半分の金額を目安にしましょう。
返礼品には掛け紙を掛けます。法事の返礼品の表書きは「志」または「粗供養」、四十九日では「満中陰志」や「忌明志」と書くこともあります。水引は黒白のものが一般的ですが、地域によっては黄白を選ぶこともあるため、家族や親族に確認するとよいでしょう。
返礼品は、お供えのときと同じく消耗品または実用品がよいとされています。なかでも、お菓子やお茶、入浴剤、タオルなどが人気です。
食品を贈りたいと考えるならば、調味料やうどん、缶詰、のりなど賞味期限が長いものを選びましょう。カタログギフトは数ある商品の中から贈られた側が好きなものを選べるため、好みがわからないときに便利です。
葬儀でいただいたお供えの返礼品は、香典返しと同様に四十九日が過ぎてから1か月以内を目安に届けます。
法事の日程と参加者が決まっている場合、いただいた金額に関わらず、参列者全員に同じものを渡すのが一般的です。来ていただいたお礼として、行事の終わりまたは会食後に手渡しをしましょう。品は1家族につき1個を用意し、持ち帰りやすいように手提げ袋などに入れます。
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お供えは宗教ごとに贈るべき品物が違います。失礼にならないためにも、お供えを贈る相手の宗教や地域性を踏まえて選ぶことが重要です。また、お供えの金額目安や包装の仕方などのマナーも守りましょう。
葬儀や法事は頻繁にあるわけではなく、不明点も多いかもしれません。特に葬儀はいつ参列することになるか予想がつかないため、事前に準備をすることが大切です。
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忌引き休暇は、実は労働基準法で定められた休暇ではありません。ホゥ。