大切な人が亡くなった直後に、気持ちを切り替えて通夜式や告別式、火葬の準備をするのは、簡単ではないかもしれません。いざというときに慌てないためにも、火葬場の予約から葬儀の流れまでを知っておくことが大切です。
一般的に、通夜式・葬儀式の前に火葬場を予約をします。この記事では、火葬場を決めるのに役立つ情報についてまとめ、火葬場の種類や費用、火葬のタイミングについて解説します。
<この記事の要点>
・火葬場には公営と民営があり、公営の場合は無料~6万円程度で利用できる
・火葬は死後24時間経過していないとできない
・火葬場に到着したら火葬許可証を係員に渡し、火葬後はお骨上げの儀式を行うのが一般的
こんな人におすすめ
火葬場の種類や費用について知りたい方
火葬するタイミングを知りたい方
火葬する際の流れが気になる方
火葬場には、公営と民営があります。火葬を予定している場合、どちらを利用したらよいか迷ってしまうかもしれません。それぞれ運営主体や相場、予約の取りやすさが異なるため確認しておきましょう。
公営の火葬場は、自治体が主体となって運営しています。公営の火葬場は各市町村に設置されており、住民票のある方は誰でも利用可能です。ただし、基本的に低価格で利用できるため、順番待ちのケースもあります。
費用の目安は、無料~6万円程度です。待合室や霊安室を利用する場合、別途費用がかかることもあります。
民間の火葬場は、葬儀社といった民間企業が運営しています。住民票の有無に関わらず、利用できるのが特徴です。公営に比べると予約しやすいため、家族の都合にも合わせやすいでしょう。火葬の時間帯は柔軟に対応しているケースが多く、夜間に予約できる場合もあります。
火葬の料金はやや高めに設定されている分、設備が充実しています。費用の目安は、5万円~10万円程度です。豪華な内装やゆとりのある空間、完全個室のプランは料金が高くなります。
火葬場にある火葬炉には、主に「ロストル式」と「台車式」の2種類あります。どちらも人体を火葬するための、特別な設備です。ただし設備によって、燃焼時間や火葬後の遺骨の状態が異なります。それぞれの違いをチェックしてみましょう。
ロストル式の火葬炉は、オランダ語で「格子」を意味するロストルが語源です。格子の上に棺を置いて火葬し、遺骨が骨受け皿に入っていく仕組みです。
設備によって異なりますが、一般的に40分~50分で火葬できます。早く火葬する分、遺体の形状を残しにくいのが難点です。
シンプルな構造になっているため、費用は少額で済みます。ただし近年では、1割程度しか使用されていないといわれています。
台車式の普及率は高く、国内において葬儀場の9割が利用しています。台車と棺を主燃料炉に運搬し、火葬する方法です。燃焼時間の長い台車式は、遺骨を人型のきれいな状態のまま残せます。
構造としては「遺体を焼く炉」と「発生したガスを焼いて無害にする炉」を設置しており、ロストル式より複雑なつくりになっています。その分、かかる費用はやや高めになります。
一般的な燃焼時間は約60分です。燃焼時の悪臭や有害なガスの漏れを防げるのが特徴です。
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小さなお葬式で葬儀場をさがす
人が亡くなったあとは、通夜式や葬儀式をして火葬します。しかし、火葬はすぐにできるわけではありません。ここでは火葬できるタイミングと後火葬について説明します。
「墓地、埋火葬に関する法律」の第3条に、死後24時間経過していないと火葬できないと定められています。その理由は24時間以内だと、蘇生の可能性があると考えられてるからです。
医学が発展していなかった時代、搬送中や火葬中に蘇生するケースがあったようです。そのため、火葬は確実に死亡を確認できる死後24時間後に可能になりました。
ただし、例外も存在します。下記の場合は、24時間以内の埋葬・火葬が可能です。
・指定感染症での死亡
・妊娠7か月に満たない死産
一般的に、通夜式・葬儀式のあとに後火葬をします。亡くなって2日目の夕方から通夜式、3日目の午前中に葬儀・告別式、そして火葬の流れが基本です。
ただし後火葬ではなく、通夜式や葬儀式前にする「前火葬」「骨葬」をする地域もあります。例えば、死後すぐに駆けつけられない雪山の地方では、「腐敗が進む前に」と前火葬をしていました。そのため東北地方では、前火葬・骨葬の慣習も残っています。
出棺からお骨上げまでの段取りを把握しておくと、当日スムーズに進められるでしょう。落ち着いた状況で故人とお別れをするために、火葬の流れについて紹介します。
葬儀や告別式を終えたら、祭壇から棺を降ろして遺体を火葬場まで運びます。出棺するために、家族と葬儀社の担当者6人~8人で、霊柩車や寝台車に棺を乗せましょう。棺を乗せる際は「故人が帰ってこないように」と、遺体の足側を先にします。
火葬場まで同行するのは、遺族と特別に縁の深い方です。位牌を喪主が持ち、次につながりの深い方が遺影を手にします。霊柩車や寝台車で移動する前に、喪主・代表者から参列者に挨拶をしましょう。
火葬場に到着したら、自治体により発行される「火葬許可証」を係員に渡しましょう。そして、火葬する前に、故人と遺族の最後のお別れ「納めの式」を執り行います。火葬炉の前に棺を置き、祭壇の位牌と遺影を飾ります。
準備が整ったら、僧侶による読経を始めます。その間、喪主や家族、参列者が順番に焼香する流れです。
全員で合掌したあと、火葬炉に棺が運ばれます。火葬炉のなかに納まるのを見送り、遺体を火葬します。火葬には1時間~2時間半ほどかかるため、控室で待つのが通例です。待っている間に、用意しておいたお茶やお菓子を参列者に提供します。
火葬場によっては飲食類を持ち込めない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
火葬が終わると、アナウンスにしたがって拾骨室へ移動します。そこで、故人の遺骨を骨壺に入れるのが「お骨上げ」の儀式です。
「故人が三途の川を渡れますように」という思いを込めて、箸渡し(橋渡し)を行います。2人1組で長い箸を使い、足→腰→胸→背→腕→のど仏→頭の順番に遺骨を拾い上げます。故人とつながりの深い方が「のど仏」を骨壺に納め、頭骨で蓋をして終了です。
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小さなお葬式で葬儀場をさがす
火葬の予約をしなければ、葬儀の準備は進められません。しかし、時期やタイミングによって火葬場の予約は混み合っており、予約が取りにくいケースがあります。ここでは、早めに火葬場を予約する重要性について解説します。
火葬場の混雑を避けるために、早めの予約をおすすめします。団塊の世代の高齢化により、年間の死亡者数が増えて、混雑している可能性があるからです。
火葬場の予約は、基本的に葬儀社が手配をします。個人からの予約は、そもそも受け付けていないケースがある上に、葬儀の用意に負担がかかってしまいます。火葬の日取りを早めに決めたら、葬儀社に問い合わせましょう。
火葬場の稼働数には限りがあり、混雑していると予約不可能です。とはいえ、長く安置室を利用すると、ドライアイス代がかさんでしまいます。余分な安置料金をかけないために、火葬日を早めに決めておく必要があります。
時間に余裕のある方は、葬儀社の資料を取り寄せて検討するとよいでしょう。もしお急ぎの場合は、電話による問い合わせ・申し込みが確実です。
火葬をした後の流れは、信仰している宗教によって異なります。ここでは、仏教・キリスト教・神道の場合、火葬後に執り行う儀式や弔う方法について紹介します。
もし故人や家族に信仰している宗教がある場合、事前に確認しておきましょう。
仏教の場合は、火葬後に寺院や葬儀場に戻って初七日法要を執り行います。初七日法要は本来、死後7日目にする追善法要です。しかし、繰り上げ初七日法要で葬儀式当日にする方が多い傾向にあります。
初七日法要は「故人の魂が無事に成仏できますように」とお祈りする習わしです。
キリスト教の場合は、火葬後の特別な儀式はありません。自宅に帰り、遺骨を安置したら終了です。
ただし、カトリックの場合は亡くなってから3日目、7日目、30日目に「追悼ミサ」をします。神父、遺族、近親者を招いて、聖書の朗読や聖歌の合唱をして故人を偲ぶのが一般的です。
またプロテスタントの場合は、亡くなった日を「召天記念日」と呼び、7日目~10日目、または30日目に「召天記念式」をします。牧師、親族、故人の友人らが集まり、祈祷、説教と聖書朗読、賛美歌合唱を通して故人を偲びます。
神道の場合は、火葬後に遺骨を持ち帰り、帰家祭(きかさい)を執り行います。帰家祭は、葬儀が無事に終了したことを神に奉告する儀式です。
火葬場から持ち帰ってきた遺骨を安置し、遺影、神饌(しんせん:供え物)、灯明を飾りつけます。その後、葬儀式終了の奉告(ほうこく)、玉串奉奠(たまぐしほうてん:仏式の焼香にあたる)、礼拝の手順で進めるのが基本です。
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火葬場は混雑する可能性があるため、早めに予約しましょう。予約が取れなかった場合、遺体の安置費用がかさんでしまうことに注意が必要です。
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