供物とお供え物の違いとは?選び方・贈り方についても解説

供物とお供え物の違いとは?選び方・贈り方についても解説

葬儀の際に「供物」を贈りますが、「お供え物」との違いはあるのでしょうか。また、供物には、どのようなものがふさわしいのかを知っていれば、マナー違反になってしまうこともありません。この記事では、供物とお供え物の違いや供物の選び方、贈り方について詳しく解説します。

<この記事の要点>
供物は供養のために捧げるお供え物を指し、お供え物と同じ意味である
供物には果物や日持ちするお菓子などが適している
供物を贈る際、のし紙には「御供物」や「御供」と書き、水引は結びきりにする

こんな人におすすめ

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供物とお供え物に違いはあるのか

「供物」と「お供え物」という言葉は、それぞれ一般的に使われます。そもそも供物とは何かについてや、供物とお供え物との違いについても説明します。

供物とは何か

供物とは葬儀や法要などに参列する際に、故人への供養のために捧げるお供え物のことです。遺族に弔意を示すとともに、生前、お世話になった故人への感謝の気持ちを込めて贈ります。

供物としては、果物、お菓子、飲料、花、線香・ろうそくなどが一般的です。また供物の代わりに、御供物料として金銭を包む場合や、香典のみを渡す場合もあります。

供物とお供え物の違い

基本的には「供物」は、供養のために捧げるお供え物を指し、「お供え物」と同じ意味の言葉です。ただし、「供物」はお供え物を贈る方が使う言葉で、故人の家族や親族が用意したお供え物は「供物」とはいわないという考え方もあります。

つまり、家族や親族ではない方から贈られたお供え物を「供物」と呼び、家族や親族が用意したものは「お供え物」と呼ぶということです。

供物としてふさわしいもの

供物には故人が好んでいたものを選ぶのがよいでしょう。わからない場合には、供物として適しているとされるものの中から選びましょう。また、宗教や宗派によって注意するべきポイントがあるため合わせて確認するのがおすすめです。

果物

果物は供物の定番です。供物用としてセット販売されている場合もあり、サクランボ、メロン、スイカ、リンゴ、梨、ブドウなどが一般的です。

果物の種類についての決まりはありませんが、賞味期限が長くて傷みにくいものを選ぶとよいでしょう。匂いの強いものや、果汁が出やすいものは避けたほうが賢明です。

お菓子

お菓子を供物にするときは、生クリームを使ったケーキなどの賞味期限が短いものは避け、日持ちのよいものを選びましょう。

クッキー、マドレーヌ、フルーツゼリー、ようかん、もなか、まんじゅうなどが人気です。また、個包装になっているものは、分けたり配ったりしやすいので喜ばれるでしょう。

飲料

故人が好んでいた飲み物も供物として適しています。生前にお酒が好きだった方であれば、ビールや日本酒など、故人の好みの銘柄を選びましょう。

ただし、お酒を選ぶ場合には、地域の風習や宗派によっては避けたほうがよい場合もあるので注意が必要です。また、コーヒー、紅茶、ジュースなどを好んだ方の場合には、飲料の詰め合わせでもよいでしょう。

四十九日までは、白菊、ユリ、胡蝶蘭などがよいとされています。四十九日以降であれば、色のある花をお供えしてもかまいません。故人の好きだった花を選んであげましょう。

とはいえ、キリスト教のカトリックでは、葬儀での供花を認めていない場合が多いので、贈る前に確認が必要です。

線香・ろうそく

仏教においては、供物は「香」「花」「灯明」「水」「飲食」の5つが基本とされ、「五供」と呼ばれます。

そのため、「香」にあたる線香、「灯明」にあたるろうそくも、供物にはふさわしいものです。ただし、神式の葬儀の場合には、線香やろうそくは贈らないように気をつけましょう。

供物にふさわしくないもの

仏式の場合、供物にふさわしくないものは、殺生を連想させる肉や魚などです。また故人が好んでいたとしても、お酒はお祝い事に使われるものだと捉えられて、マナー違反になる場合があります。事前に遺族や葬儀社に確認しておくとよいでしょう。

花を贈る場合には、トゲのあるバラなどは避けましょう。トゲは殺生を連想させ、あの世にいる故人にまで痛みが届くとされているからです。また、水替えの際に怪我をする可能性もあるので控えましょう。そのほかには、毒のある水仙やチューリップ、彼岸花などもふさわしくありません。

供物の贈り方

供物を贈る際には、注意するべきポイントがあります。ここでは、のし紙・水引のマナーや供物の手配方法、供物を遺族が辞退していないかを確認する必要性の3つの注意点について解説します。

のし紙・水引のマナー

のし紙の表書きには、「御供物(おくもつ)」や「御供(おそなえ)」と書きます。水引は「結び切り」にします。これは、一度結ぶと解けない結び方であり、弔事を繰り返したくないという意味が込められています。

また、通夜、葬儀においては黒白の水引が使われるのが一般的です。

手配方法

供物は葬儀場に飾られるため、遅くとも葬儀の開始数時間前までに届くようにしなければなりません。葬儀場での準備の時間も必要なので、通夜であれば当日の午前中に、葬儀であれば前日までに届くように手配するとよいでしょう。

供物の手配は、葬儀の宗教・宗派、会場、日程を把握している葬儀会社に頼むのが確実です。

辞退していないか確認する

遺族が供物を辞退している場合があるので、事前に確認しておきましょう。葬儀の案内に「御供物の儀は辞退」や「ご厚志を辞退」などと書かれている場合に供物を贈ると、遺族に負担をかけてしまいます。遺族から辞退されている場合には、故人や遺族の意思を尊重して供物を贈ることは控えましょう。

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まとめ

この記事では、供物とお供え物の違い、供物の選び方、 供物の贈り方などについて解説しました。 供物は「供養のために捧げるお供え物」のことをいい、遺族に弔意を表すとともに生前にお世話になった故人への感謝の気持ちを込めて贈ります。「お供え物」と同じ意味の言葉として使われますが、家族や親族ではない方から贈られたお供え物を「供物」と呼び、家族や親族が用意したものは「お供え物」といいます。

供物としては、果物やお菓子、飲料、花、線香、ろうそくなどが一般的です。殺生を連想させる肉や魚、トゲや毒のある花などはふさわしくないため、選ぶ際には注意が必要です。供物を適切に準備して遺族に弔意を表し、故人への感謝の気持ちを伝えましょう。

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