通夜や葬儀で使用した遺影は自宅で飾ることができます。しかし、大きいサイズの遺影だと場所を取るため、保管や処分する場合が多いでしょう。とはいえ、処分する際に場所や正しい処分方法が分からない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、遺影の処分について方法から費用や保管法まで解説します。遺影の処分で困っている方はぜひ、参考にしてください。
<この記事の要点>
・遺影には宗教的な意味合いはないため、処分しても問題ない
・お寺や神社で遺影の処分が難しい場合、葬儀社や供養業者に依頼する方法がある
・遺影処分にかかる費用はお焚き上げ供養の場合5,000円~10,000円、業者に依頼の場合1枚1,700円が目安
こんな人におすすめ
遺影の処分方法に悩んでいる人
遺影の具体的な処分方法が知りたい人
遺影の処分にかかる費用が知りたい人
故人の姿が写っている遺影は、処分しにくいものです。自宅に保管する場合には、遺影のサイズによっては場所を取るため扱いに困ります。置く場所が無いからといって、捨てても問題ないか迷う方もいるかもしれません。通夜や葬儀で使用した後の遺影は、処分してもよいのでしょうか。
遺影は通夜や葬儀の祭壇にほぼ必ず設置され、故人の生前の姿や人柄を思い浮かべるために飾られています。しかし、遺影には宗教的な意味合いはなく必ずしも飾る必要がないため、処分しても問題はありません。
一方、仏壇や位牌のような魂の拠り所となる葬具に関しては、供養が必要です。処分する際は、宗教や宗派に則した方法で行います。
遺影は、日本の独特な風習として葬儀などで冥福を祈るために用いられ、故人を偲ぶという意味があります。遺影の歴史は古くからあり、遺影の起源とされている死絵(しにえ)は、江戸中期から明治後期に渡り記録が残されています。
諸説ありますが、写真の普及に合わせて葬儀社が演出の一環として取り入れたことで、世間に遺影の文化が広まったといわれています。
宗教や宗派によっては、四十九日の法要まで魂が現世に残っていると考えられています。そのため、遺影は四十九日まで後飾り祭壇で飾る方法が一般的とされています。
後飾り祭壇は、仮の位牌や供え物を飾る場所のことで、四十九日の法要が終わるまでの拠り所となります。法要が終わり、納骨を済ませたタイミングで処分することが一般的です。
後飾り祭壇を片付けた後、遺影は不要になるため、処分します。しかし、お盆や法事で使用する可能性のある場合には、後ろのスタンドを折りたたむなどして保管しておく方がおすすめです。
また、家庭によっては、床の間の壁などに飾り続ける方法もあります。最近では、小さいサイズの遺影を仏壇の近くに飾る方法が主流となっています。
日本では死者の供養とお寺や神社の関わりが強いため、遺影などの葬儀で使用した道具は、お寺や神社に処分を依頼するという印象を持つかもしれません。しかし、お寺や神社以外にも遺影を処分する方法がいくつかあります。ここでは、遺影の処分方法を3つ紹介します。
遺影には宗教的な意味合いはないため、葬儀の演出と認識されることも多いです。しかし、故人の姿が写っていることもあり、位牌と同じ扱いをすることも少なくありません。
そのような場合は、お寺や神社で「お焚き上げ供養」を行ってもらう方法がおすすめです。お焚き上げ供養とは、故人に関する物を供養しながら焼却を行う儀式のことを指します。そのままでは処分しにくい場合は、お寺や神社に相談するとよいでしょう。
お寺や神社での処分が難しい場合は、葬儀社や供養業者に依頼する方法があります。葬儀社は、葬儀や法要を行う際にお寺や神社との関わりがあるため、サービスの一環や片付けと合わせて処分してくれることが多いです。
供養業者とは、故人の大事にしていた物などの供養を専門的におこなっている業者のことで、インターネットからも依頼できます。遺影と一緒に、故人の愛用品も供養と処分をおこなってくれます。
遺影を写真入れとして見なすことで、ごみとして処分することもできます。しかし、思い出深い故人の姿が写った写真を、ごみ袋に入れて処分する行為は気持ちとして割り切れないかもしれません。
抵抗がある場合は、白い布や紙を使って遺影を包み、浄化効果があるとされる塩を振ってから処分する方法がおすすめです。
写真は可燃ごみ、額は不燃ごみといったように、自治体によっては遺影の部品ごとで分別して捨てる必要があります。事前に地域のルールを確認しておきましょう。
自分で遺影を処分できない場合は、お寺や葬儀社に処分を依頼しなくてはいけません。お寺や葬儀社に遺影の処分を依頼した場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。事前に費用を把握しておけば悩むことなく依頼ができるので、まずは費用の目安を確認しておきましょう。
お焚き上げの費用は、依頼するお寺や供養をお願いする量によって料金が変動します。ダンボール1個で5,000円~10,000円、手紙や写真のような小さなものは3,000円前後が相場です。
僧侶に供養物を自宅へ受け取りに来てもらう場合には、お金はお車代を含めて少し多めに用意しましょう。料金を設定しているお寺もあれば、お布施のようにお気持ち分を包んで渡す場合もあります。
葬儀社に依頼する場合の処分費用は、葬儀社によって異なります。また、葬儀や法要の料金に含まれている場合が多いので、依頼する際に葬儀社へ確認しましょう。
供養業者の相場は、写真であれば1枚1,700円が一般的です。郵送する場合は、送料が別途かかるので注意しましょう。遺影以外も依頼する場合には、みかん箱ほどの大きさのダンボール1箱に詰めた状態で5,000円が相場です。
遺影を処分するとしても故人の姿が写っているため、供養してから捨てるべきか迷う場合も少なくありません。遺影の処分には供養が必要となるのかどうか、わからない方もいるでしょう。ここで、遺影を処分する際の供養の必要性に関して把握しておきましょう。
遺影は基本的に供養は必要ありませんが、必要になる場合もあります。それは、遺影に開眼供養をおこなっている場合です。開眼供養とは、対象物に魂を入れる儀式で、入魂式とも呼ばれます。
開眼供養をおこなった遺影を処分する際は「閉眼供養」をおこない、遺影の中の魂を抜かなくてはいけません。このように、開眼と閉眼は対になっています。
開眼供養をおこなっているかわからない場合は、過去帳を確認するか、菩提寺へ問い合わせてみましょう。
開眼供養の確認が取れない場合は、念のため供養を行ってから処分することをおすすめします。供養せずに処分することに抵抗があり、不安を抱えたまま捨てるよりも閉眼供養でなくても供養をおこなってから処分した方が安心できます。
供養の方法は、さまざまです。気持ちの整理を付けたい場合は、故人との思い出や縁のある場所へ赴き故人を偲ぶことも供養になります。
遺影を処理しない場合、飾る場所がない場合もあります。そのような時は、遺影を処分せずに自宅で保管しなければなりません。では、どのように保管すればよいでしょうか。ここでは、保管の際に役立つアイデアを紹介します。
サイズを小さくして保管しましょう。通夜や葬儀の祭壇に飾る遺影サイズは大きいので、仏壇や部屋では飾りにくいです。遺影のサイズを小さくすれば、飾る場所が選びやすくなり、保管する場合でも場所を取りません。
サイズを小さくした遺影は、仏壇に飾られることが多いです。しかし、飾る場所によってはマナー違反になるので注意しなくてはいけません。仏壇の正面や中には飾らず、外に小さな机など用意して飾るとよいでしょう。
遺影をデジタルデータとしてパソコンやスマートフォンに保管することも可能です。データ化すれば保管する場所も取りません。スマートフォンに写真を入れておけば、いつでも故人を偲ぶことができます。
飾る際はデジタルフォトフレームに入れたり、印刷したりすれば好みの大きさで設置ができます。なお、データは消えてしまう可能性があるため、必ずバックアップを取っておきましょう。
遺影から写真のみを取り出し保管する方法があります。仏間や仏壇を置いていない家庭におすすめです。サイズを変えてアルバムに入れておけば場所を取りません。また、写真の劣化を抑えることも可能です。
遺影としての役目を終えるため、開眼供養を行っている際は、魂抜きやお性根抜き(おしょうねぬき)が必要になります。写真を取り出した後の額は自治体の方法に沿ってごみとして処分するかお寺や葬儀社に相談しましょう。
遺影をそのまま飾ると部屋の雰囲気に合わなかったり味気なかったりすることもあります。暗い印象を変えるには、額縁を明るい色にしてスナップ写真などと一緒に飾る方法がおすすめです。
遺影の雰囲気を変えることで、自然と部屋の雰囲気に溶け込み違和感をなくすことができます。自宅の中でも頻繁に通る場所に遺影写真を飾れば、故人を身近に感じながら日々を過ごすことができるでしょう。
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遺影の処分には決まりはなく、宗教的な意味合いも持ち合わせていないため、不要であれば処分してもかまいません。自分で処分することもできますが、難しい場合には、お寺や葬儀社に相談しましょう。
遺影を処分する前には、開眼供養をしているかどうかの確認が必要です。開眼供養をおこなっている場合には、閉眼供養をおこなう必要があります。
処分せずに保管する場合には、写真サイズを小さくしたり、データに変換したり、取り扱いやすい方法で保管するのがおすすめです。
遺影の処分に関してお困りの方は、ぜひ小さなお葬式へご相談ください。豊富な専門知識を持ったスタッフがお悩みに寄り添いながら親身にアドバイスします。
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