冠婚葬祭で金封を包む際に用いられるのが「袱紗」です。なぜ袱紗が用いられるのか、袱紗で包むことにはどのような意味があるのかなど、気になる人も多いのでしょう。
この記事では、袱紗の意味や用途について解説します。包み方や渡し方などのマナーについても紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
<この記事の要点>
・袱紗は結婚式や葬儀などで現金を包む際に用いられる
・ポケットがついている「金封袱紗」は30,000円以上の金封には使用できない
・慶事では暖色の袱紗を右開きで使用し、弔事では寒色系の袱紗を左開きで使用する
こんな人におすすめ
袱紗の選び方がわからない人
袱紗の包み方や渡し方のマナーを知りたい人
袱紗の種類について知りたい人
冠婚葬祭などで、「袱紗(ふくさ)」という言葉を耳にすることもあるでしょう。儀式に参列する際には、袱紗がどのような意味を持つのかをきちんと知っておくことが大切です。
袱紗とは、絹やちりめんで作られた四角の布のことです。結婚や祝いごとで使用するご祝儀袋や、葬儀で遺族に渡す香典、僧侶にお礼として渡すお布施を包む際に使用します。袱紗の「袱」は風呂敷を意味し、「紗」は薄地の織物のことをいいます。
袱紗と同じ読み方の言葉には、「帛紗」「服紗」「覆紗」があります。基本的に儀式で用いられる「ふくさ」は「袱紗」を用いるのが一般的です。
「帛紗」は袱紗より小さなサイズで、主に茶道で用いられます。「服紗」や「覆紗」も同様です。しかし、どの漢字を用いても間違いではありません。
袱紗 | 儀式で用いられる布 |
帛紗 | 茶道で茶器を扱う際に用いる布 |
袱紗は主に結婚式や葬儀などで現金を包む際に用いられます。ご祝儀袋や不祝儀袋の水引がくずれたり、汚れたりするのを防ぐためです。
また冠婚葬祭のシーン別に色を使い分けることで、喜びや悲しみ、相手への心遣いを表現できます。
袱紗は「ふくさめる」という言葉で、「柔らかい」「ふっくらした」という意味があります。もともと袱紗は、貴重品が入った箱の上に掛ける風呂敷として用いられていました。
次第に日焼け防止や汚れ防止のために使用されるものへと変化していき、儀式で現金を包むものとして使われるようになりました。
袱紗は風呂敷状の四角い布と説明しましたが、包むタイプだけではなく、挟むタイプもあります。ここでは、袱紗の種類について解説します。
包むタイプの袱紗には「風呂敷状」「爪付き袱紗」「台付き袱紗」の3種類があります。特徴は以下のとおりです。
【種類】 | 【特徴】 |
風呂敷状の袱紗 | 正方形のシンプルな布で、裏地が付いているものが一般的です。 |
爪付き袱紗 | 留め具(爪)と留め糸が付いています。型崩れや中身の飛び出しを防ぐことができます。 |
台付き袱紗 | 袱紗と切手盆(祝儀盆)を組み合わせた仕様です。型崩れの心配もありません。 |
上記のように包むタイプの袱紗にはそれぞれ特徴がありますが、一般的に用いられるのは、風呂敷状の袱紗です。
「金封袱紗」という挟むタイプの袱紗もあります。長財布のような形状で、金封を入れるポケットが付いているのが特徴です。金封を包む手間もなく簡単で、人気があります。
しかし、略式であるため3万円以上の金封には使用できません。また、左開きは「弔事用」、右開きは「慶事用」と決められています。
袱紗はシーンによって適切な色があります。弔事で明るい色の袱紗を用いるとマナー違反になるため、注意しましょう。ここでは、シーン別の袱紗の色について解説します。
結婚式や七五三などの祝いごとで用いる袱紗の色は、明るいピンクや赤、オレンジ色などの暖色系を用いましょう。祝いごとには華やかな色が適しています。
葬儀で用いる袱紗の色は、黒・グレー・青・紺などの寒色系を選びましょう。紺色の袱紗は、男性であれば慶事でも使用できます。グレーや青でも、明るい色はふさわしくありません。
袱紗を1枚も持っていない場合、慶弔どちらでも使える色の袱紗を持っておくとよいでしょう。慶弔どちらでも使える袱紗の色は以下のとおりです。
男性 | 紺色 |
女性 | えんじ色 |
男女兼用 | 濃い紫色 |
袱紗には正しい包み方があります。使うシーンによって包み方が異なるため、マナー違反にならないように、ここできちんと押さえておきましょう。
以下の手順で包みましょう。
1.袱紗を裏側にし、角が上下になるよう広げる
2.ご祝儀袋を中央に置く
3.左、上、下、右の順にたたむ
4.余った布を裏側に折る
爪付きの袱紗を用いる場合は、爪が右側になるようにし、止め系をはめ込みます。
弔事では、「逆さごと」と呼ばれる、慶事とは真逆の包み方をします。葬儀に関係するものごとは従来の用途と逆にする風習があるためです。以下の手順で包みましょう。
1.袱紗を裏側にし、角が上下になるよう広げる
2.不祝儀袋を中央に置く
3.右、下、上、左の順にたたむ
4.余った布を裏側に折る
爪付きの袱紗を用いる場合は、爪が右側になるようにし、止め系をはめ込みます。
袱紗の包み方にもマナーがありますが、渡す際にも気をつけておきたいマナーがあります。包み方と同様に、慶事・弔事でも渡し方が異なるため、注意しましょう。
まずは左の手のひらに袱紗を置き、右手で袱紗を開いてご祝儀袋を取り出します。次に、袱紗をたたんでその上にご祝儀袋をのせ、渡す相手から見て表書きが読めるように、時計回りに回転させてから渡します。
まずは右の手のひらに袱紗を置いて、左手で袱紗を開き、お香典を取り出します。次に、袱紗をたたみ、その上にお香典をのせ、渡す相手から見て表書きが読めるように、反時計回りに回してから渡します。
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袱紗はご祝儀袋やお香典などの金封を包む際に用いる布のことをいいます。中身が汚れないようにするためや、渡す相手への心遣いを表すために使用します。袱紗を用いる際には、この記事で紹介した包み方や渡し方に気をつけましょう。
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袱紗の値段はどのくらいのものを選べばよい?
袱紗は必ず用意すべき?用意できなかった時は?
袱紗はどこで購入できる?
茶道における袱紗(帛紗)のマナーは?
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