融通念仏宗とはどのような宗派なのか、気になっている方がいるかもしれません。融通念仏宗は、日本生まれの仏教宗派と考えられています。宗派独自の考え方もあるため、明確に押さえておきましょう。
この記事では融通念仏宗の特徴やマナーを解説します。仏壇の祀り方を参考にしたい方にも役立つ内容となっています。
<この記事の要点>
・融通念仏宗は日本で初めて発祥した仏教で、念仏を重んじる宗派
・融通念仏宗の葬儀では、銅鑼や太鼓を使用し、力強い音色と鮮やかな色彩で故人を送り出す
・仏壇の祀り方は、本尊のみで祀る方法と、本尊と脇侍をそろえて祀る方法の2種類がある
こんな人におすすめ
融通念仏宗について知りたい人
融通念仏宗を信仰している人
融通念仏宗の葬儀に参列予定の人
融通念仏宗と聞いても、どのような宗派なのか詳しくイメージできない方がいるかもしれません。融通念仏宗は仏教の宗派で、念仏を重んじています。ここでは融通念仏の概要を解説します。
融通念仏宗は、国内ではじめて発祥した仏教と考えられています。元々仏教はインドや中国をはじめとする三国伝来を基本とする宗教でしたが、日本で修行を続けた良忍(りょうにん)が改宗したのです。一般的には浄土系の宗派として考えられることが多く、長い歴史を持っています。
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融通念仏宗では、「十界一念・自他融通」と呼ばれる念仏を唱えるのが日課となっています。毎朝起床後に10遍、一日を通じて100遍の念仏を唱えるのが特徴です。念仏を唱える方角も決まっており、極楽浄土につながるとされている西に向かって念仏を唱えます。
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融通念仏宗独自における念仏の重要性や経典に関する知識などを知っておくことで、宗派への理解が一層深まるでしょう。融通念仏宗が重視する価値観や本尊を紹介します。
融通念仏宗では、念仏を唱えることが重要だと考えられています。「ひとりが念仏を唱えることで世の万物と融合し、やがて浄土へと導かれていく」という発想を持つのが特徴です。
融通念仏宗は、法華経と華厳経をよりどころとしています。とりわけ観音経・坐禅和讃・般若心経を唱える慣習が強く、それぞれ次のような特徴を持ちます。
経典 | 特徴 |
観音経 | 法華経の一部で、生きるうえで苦難から救済されるという考えを持つ |
坐禅和讃 | 禅宗の経典を日本語表記にしたもので、誰しもが世に生を受けた瞬間から仏であると説く |
般若心経 | 仏教の真髄である教えが集約されている経典で、読経により徳を積むことができると説く |
融通念仏宗では、天得如来(てんとくにょらい)を本尊として祀っています。阿弥陀・観音を含む十一体の菩薩が周囲を囲んでいる様子から「十一尊天得如来(じゅういっそんてんとくにょらい)」という名称で知られています。融通念仏宗が仏教の宗派として認められて以降、共通認識が広まったといわれています。現在では京都国立博物館で鑑賞可能です。
融通念仏宗では、葬儀においても宗派特有の慣習があります。参列する際は事前にマナーを覚えておきましょう。ここでは融通念仏宗の葬儀について解説します。
力強い音色と鮮やかな色彩で故人を見送るのが特徴です。葬儀では主に、銅鑼(どら)や太鼓といった音の出る葬具を使います。念仏を唱えれば誰もが浄土へ行けるとされているため、比較的自由度が高いのも特徴のひとつといえるでしょう。
焼香マナーに関しては、独自の決まりはありません。具体的には、次のような流れを参考にしましょう。
1.祭壇の手前で僧侶と遺族に一礼する
2.右手で抹香を額の前まで持ち上げ、香炉の上に落とす(3回繰り返す)
3.ふたたび僧侶と遺族に一礼して、自席に戻る
より詳細な流れや作法については、お寺によって解釈が異なります。事前に僧侶へ確認しておくと安心でしょう。
融通念仏宗の仏壇は本尊のみで祀る場合と、脇侍をそろえる場合の2種類あります。それぞれどのような飾り方があるのか、ポイントを押さえておきましょう。ここでは融通念仏宗における仏壇の祀り方を解説します。
本尊を中心に仏壇を飾る方法です。融通念仏宗では、十一尊天得如来を本尊としており、次のような飾り方で本尊を祀ります。
・掛け軸のみで飾る
・仏壇のみで飾る
・仏壇と小さな常花で飾る
いずれも簡易的な飾り方ですが、本尊の荘厳な雰囲気を演出できるのが特徴です。仏壇をコンパクトに祀りたい方にもおすすめの方法といえるでしょう。
本尊と脇侍をそろえて飾る方法です。融通念仏宗では、脇侍に法明上人と良忍上人を祀ります。次のような祀り方ができるため、参考にしてみましょう。
・掛け軸のみで飾る
・仏像と掛け軸で飾る
本尊と脇侍をすべて掛け軸にする方法と、本尊を中心に据えて脇侍を掛け軸で祀る方法があります。地域の慣習やマナーに沿って、適切な祀り方を選択しましょう。
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融通念仏宗は、念仏を重要視している日本発祥の仏教宗派です。世の万物は互いに融通し合っており、誰もが念仏によって浄土へ行けるという考え方を持っています。
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