曹洞宗で「回向文(えこうもん)」と呼ばれる言葉を聞いたことがあるかもしれません。回向文とは法要やお勤めの終わりに読まれるもので、あらゆる功徳(くどく)を分かち合うための文章を指します。
この記事では、曹洞宗の回向文について解説します。回向文になじみのない方や宗派別の回向文に興味のある方に参考となるでしょう。
<この記事の要点>
・曹洞宗の回向文は功徳を分かち合うための文章で、法要やお勤めの終わりに読まれる
・浄土宗や浄土真宗の回向文には、浄土へ導かれたいという願いが込められている
・回向料はお布施として渡すのが一般的
こんな人におすすめ
曹洞宗を信仰している人
曹洞宗の回向文について知りたい人
回向文と聞いても、どのような内容のものかイメージするのが難しいかもしれません。回向文を知るには、功徳に対する理解を深める必要があるためです。
ここでは、曹洞宗における回向文の意味を解説します。
回向を理解するには、功徳を知る必要があります。仏教において、功徳とは現世や来世に幸福をもたらす善い行いのことです。仏の教えを守ることはもちろん、念仏を唱えたりお寺を建立したりすることも善い行いの対象になります。こうした善い行いを積み上げるのが重要である、と説いているのが功徳の本質です。
回向とは「転回する」「変化する」などの意味があります。仏教において回向とは、自分が積んだ功徳を他者に分け与えるという考え方です。そのような考えをきっかけとして、現在では葬儀や法要などの場で故人の冥福を祈る儀式を回向と呼んでいます。
法要において、回向文はお経から受けた徳を故人へ分け与える役割があります。曹洞宗で特徴的なのは、「略三法(りゃくさんぽう)」と呼ばれる回向文です。仏・教え・僧侶という3つの宝に感謝し、それによって得た功徳を多方面に向けるという考え方です。ただし回向文は状況によって読まれる範囲も変動していくことを認識しておきましょう。
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回向文は仏教のあらゆる宗派に存在します。宗派ごとに扱いや意味が異なるため、それぞれ比較してみると特徴が浮き彫りになるでしょう。
ここでは、宗派別の回向文を紹介します。
臨済宗の回向文は、曹洞宗とほとんど変わりません。略三法を軸に必要な項目を読み上げていきます。仏・教え・僧侶のそれぞれに感謝し、受け取った徳をさまざまな方向に向けることを表します。
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浄土宗と浄土真宗では、宗派の教えに即した内容の回向文を読み上げるのが特徴です。高い頻度で読まれる内容として、仏を拠りどころにしながら浄土へ導かれたいというものがあります。仏を信仰していれば、誰しも浄土へいける可能性があると説く宗派の思想とも親和性が高いといえるでしょう。
天台宗と真言宗では「自分の功徳をすべての存在と分かち合い、悟りを開けるように」という大意が込められた回向文を読みます。自分の力で積み上げた徳を他者や別の存在にまで届けたいという想いがうかがえるでしょう。ただし状況によっては異なる意味の回向文を読む場合もあります。
葬儀や法要で僧侶に読経をお願いした時に僧侶に渡すお礼が回向料です。
ここでは、葬儀における回向料について解説します。
回向料とは、葬儀や法要を執り行ってくれた僧侶に対して、お礼の意を込めて渡すお金のことを指します。
ただし一般的にはお布施として渡す場合が多く、回向料として渡す場合は、事前に確認をとっておきましょう。
本来、お布施と回向料は明確に意味が異なっていました。お布施は僧侶に儀式を執り行ってもらったことに対するお礼で、回向料は功徳を故人へ分け与えたことに対するお礼です。現在ではどちらも僧侶に対するお礼として認識されていることが多いでしょう。
回向料には納める際のマナーが存在します。事前に調べておくことで、マナー違反になることを防ぐことができます。
ここでは、回向料を渡す際のマナーを紹介します。
回向料の表書きには「御回向料」と自分の名前を記載します。名前を小さめに記載しつつ、回向料を大きめに意識するとバランスがよいでしょう。また記載する際には、濃い墨を使うのが好ましいとされています。筆と墨を用意しておくと安心でしょう。
回向料は不祝儀袋に包んで渡す方法と、無地の一重の封筒に包む方法があります。葬儀や法要の際に用意するのと同じ考え方で問題ありません。二重の封筒は「不幸が重なる」という意味が連想されるため、使用しないようにしましょう。
回向料は空いた時間に渡すのが好ましいと考えられます。納める時間に決まりはないため、葬儀や法要が落ち着いたタイミングで渡しましょう。御膳料やお車代を渡すことがあれば、回向料も一緒にに渡しておくのがおすすめです。
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回向文とは、積み上げた徳をあらゆる方面に分け与える「回向」を起源とした文章です。現在では故人の冥福を祈る儀式として認識されており、宗派によって読み上げる内容も異なります。
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