墓石には戒名や没年月日、墓石の建立者や建立年月日など、さまざまな文字を刻みます。最近では故人の好きだった言葉や遺族から故人へのメッセージを刻むケースも増えていますが、「どういったフォントで文字を刻むべきか」と悩まれる方も少なくないでしょう。
この記事では、墓石に刻む文字のフォントや種類、文字を刻む際の注意点などを解説します。墓石に適したフォントサイズや選び方を知り、スムーズに新たなお墓を建てましょう。
<この記事の要点>
・墓石には戒名や没年月日、建立者や建立年月日などが刻まれる
・フォントには楷書体・行書体・隷書体などがあり、楷書体がもっともよく使用される
・墓石に文字を刻む際は、実物を見てフォントや彫刻方法を選択する
こんな人におすすめ
墓石の文字のフォントに悩んでいる人
墓石に刻みたい文字が明確に決まっている人
お墓に文字を刻む際の注意点が知りたい人
墓石に刻む文字のフォント(書体)には、特にきまりはないため建立者が自由にフォントを選べます。故人の希望がある場合にはそれに従うか親族間で相談して決めてもよいでしょう。
しかし、墓地や霊園に行くと墓石のフォントの多くはある程度決まったものを使用しています。一般的に使用されていても墓石にふさわしくない、景観を損ねるようなフォントもあるため注意して選びましょう。
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自由に選べる墓石の文字フォントですが、どういったフォントがよく使用されているかを知ることで気に入ったものを選びやすくなるでしょう。また、文字以外にも墓石に図柄やレリーフを入れる家庭もありますので、費用やデザインなどによって決定するのもおすすめです。
墓石の文字に多いフォントは大きく分けて5種類です。フォントの種類と特徴は以下の通りです。
フォント | 特徴 |
楷書体(かいしょたい) | 筆文字を基調とし、「とめ」「はね」「はらい」を明記し、墓石の中で最も選ばれている書体。 |
行書体(ぎょうしょたい) | 筆文字を基調としているが、続き書きのようなやや崩れている書体。墓石のフォントとして人気が高い。 |
草書体(そうしょたい) | 行書体をさらに崩しているので読みにくいが、味がある書体。楷書体、行書体に比べるとあまり選ばれない。 |
隷書体(れいしょたい) | やや横長の形状の書体。読みやすく、楷書体、行書体、草書体とは異なる雰囲気がでるため、一定の人気がある。 |
ゴシック体 | 縦と横の太さが均等な書体。日常生活でも目にする機会が多く、親しみやすさが感じられる。 |
墓石に刻む文字でよく使われるフォントは楷書体、行書体ですが、その他のフォントも使用されていることがわかるでしょう。
墓石に使用するフォントにきまりはありません。しかし、中には墓石に刻むのに相応しくないフォントも存在します。たとえばポップ体はポスターなどにするには可愛らしく、ゴシック体よりもさらに親しみやすさを覚えますが、故人が眠る場所に刻むには相応しいとはいえないでしょう。
また、自分や書道家が書いた文字をスキャンし、オリジナルのフォントとして刻むことも可能です。しかし、字があまりきれいでない、達筆すぎてかすれや細かな部分が読み取りにくい場合は墓石に彫るのが難しいこともあります。
墓地・霊園によっては墓石の形やフォントにルールを設けている場合もあるため、お墓にふさわしいフォントを選ぶようにしましょう。
墓石には文字だけでなく、家紋や飾り図柄、レリーフなども刻めます。家紋は家柄や家系を表すシンボルで、お墓の水鉢や燈籠に刻むのが一般的です。また、表面の言葉を囲むように、花などのレリーフを刻むと他のお墓とは異なる印象を与えることができます。
飾り図柄は故人が好きだった花や富士山、蝶、生き物のシルエットなどデザインは豊富です。墓石のさまざまな場所に刻むことができ、アクセントとしての役割を果たしてくれるでしょう。
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墓石に刻む文字のフォントが決まったら、石材店に文字入れの依頼をします。墓石への文字入れは墓石の購入費用に含まれていることもあります。しかし、別途料金が必要な場合もあるため、相場を知っておくと安心できるでしょう。
また、追加での文字入れや掘り直しなども費用がかかる場合があります。文字入れに関するさまざまな費用相場を確認しておきましょう。
お墓を建てるときには、正面の文字や建立年月日・建立者などさまざまな情報を彫る必要があります。これを基礎彫刻といい、費用相場は5万円~10万円程度です。
石材店によっては、1文字あたりで費用を決定することもあります。この場合の相場は、1文字数千円です。地域によっては彫った文字に金の着色をしますが、金文字はさらに費用がかかり、相場は1文字5,000円程度となります。
すでにお墓があり、追加で俗名や戒名などを刻むときの1人あたりの費用相場は5万円程度です。また、複数の方の情報を一度に追加する場合は人数分の費用がかかります。墓地で作業ができない場合は、石材店へ墓石を運んで文字入れをするため輸送費なども必要となるでしょう。
石材店への支払い以外にも墓石から魂を抜く「閉眼供養」や、魂を入れる「開眼供養」のために、僧侶にお布施を用意する必要があります。お布施の相場は3万円前後で、閉眼供養と開眼供養それぞれ渡すため6万円程度必要です。
すでに墓石に刻まれている文字を消す場合は、文字を削る、もしくはパテで埋めて対処します。削るときは20万円~50万円、埋める場合は数万円程度の費用が必要となるでしょう。その後、文字を刻むのにも別途費用がかかります。その場合は5万円前後が相場となっています。
削る、パテで埋めるという作業は、それぞれメリット・デメリットがあります。追加費用もかかるので、できるだけ彫り直しのないようにしましょう。
家紋や飾り図柄など文字以外の模様を刻む場合にも別途費用が必要です。刻むものの大きさや数にもよりますが、5万円~20万円が費用相場となります。追加で刻む際には文字入れのときと同様に、「閉眼供養」「開眼供養」のためのお布施や墓石の輸送費などもかかるでしょう。
購入時の文字入れと一緒に刻む、追加の文字入れの際に図柄なども一緒に入れてもらうなどすると費用を抑えられます。
墓石にさまざまなフォントの文字や図柄を刻むときには、彫刻方法にも注目しましょう。同じフォント、図柄でも彫刻方法が異なると仕上がりの印象も変わってきます。彫刻方法と仕上がりの特徴は以下の通りです。
彫刻方法 | 特徴 |
彫り込み | 彫りの深さを調節することで文字の強弱を表現する。最も一般的な彫刻方法で文字に立体感を出すことができる手法。 |
線彫り | 「スジ彫り」とも呼ばれる細い線を彫る方法。一般的に図柄を彫る際に用いられることが多い手法。 |
浮かし彫り | 文字の周囲を彫って文字が浮いているように見せる彫刻方法。文字をくっきりと見せることができる手法。 |
平彫り | 深さに強弱をつけず、均等に彫刻する方法。落ち着きのある雰囲気に仕上がる手法。 |
ヤゲン彫り | 彫った文字の真ん中に影のように線を残す彫刻方法。立体感や芸術的な印象を与える手法。 |
墓石に刻む文字はフォントや彫刻方法によって大きく印象が変わるため、事前の確認が重要です。文字入れをする際には、希望に沿ったものであることや墓地のルールに従う、誤りのないようにするなど注意するポイントがいくつかあります。
石材店では希望のフォントや彫刻方法を用いて、墓石の完成イメージを見せてくれます。しかし、紙に印刷されている文字ではイメージが湧きにくい場合もあり、実際にできあがった墓石と雰囲気が異なることも少なくないでしょう。
ほとんどの石材店では、実際に墓石に文字入れをしたサンプルを提示していることがあります。実物を見てフォントや彫刻方法を選択することで理想的な墓石が完成するでしょう。
墓地や霊園によっては、墓石の形やフォントについて一定のルールを設けている場合があります。これは墓地の景観を損ねないためで、独自性の強い墓石に仕上げると設置ができない場合もあるからです。
事前にフォントなどに関するルールについて確認しておくと、墓石への文字入れの選択がスムーズになります。
誤字があるまま文字入れをしてしまうと修正した部分が目立ってしまう、新たに墓石を買い直すなど見た目や費用面でのデメリットが生じます。文字を刻む際には旧字体と新字体、漢字や日付の間違いがないよう、位牌や過去帳と照らし合わせて確認しましょう。
1人だと見落としてしまう場合もあるため、家族や親族など複数人で何度も確認をすることをおすすめします。
墓石に刻む文字には正字を用いるのが一般的です。正字は略字ではないもので、普段当たり前のように使っている漢字が、実は略字だったという場合も少なくないでしょう。
正字かどうかわからない場合は、位牌を確認したり業者に相談したりすることでミスを防げます。また、基本的な情報には正字を使用しますが墓石にオリジナルの言葉などを刻む際は略字を用いることが可能です。
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墓石に刻む文字は、お墓の「顔」ともいえる重要なものです。フォントや彫刻方法によって印象は大きく変わるので、実物を見てじっくり検討しましょう。また、文字入れの前には墓地・霊園への確認や誤字のチェックなども入念に行い、間違いのないように気を付けて理想の墓石に仕上げましょう。
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