夫婦や会社関係など香典を連名で用意する場合もありますが、記名の際は何と書くのが正しいのでしょう。受け取る側が困らないように、きちんとした作法を知っておきたいという方もいるのではないでしょうか。
そこでこちらの記事では、香典を連名で出すときのマナーについてご紹介します。記名の仕方のほかに、連名のケースの金額の相場なども解説します。複数人で香典を出そうとお考えの方はぜひご一読ください。
<この記事の要点>
・香典を連名で出しても失礼にはあたらない
・夫婦で出す場合は夫の氏名のみを書くが、故人との関係性によっては連名でもよい
・会社から連名で香典を出す場合、3名以下と4名以上では書き方が異なる
こんな人におすすめ
香典を連名で出すときの基礎知識を知りたい方
夫婦連名で出すときの香典の書き方を知りたい方
連名の場合の金額相場を知りたい方
香典を連名で出す際の基礎的な知識から解説します。香典はお悔やみの気持ちを込めて出すものなので、ひとまとめにするのに抵抗がある方もいるかもしれません。こちらでは、複数人で出すことの可否や包む額の相場に加えて、香典返しの対応などもご紹介します。
香典を連名で出すことが失礼にならないか、気になる方もいるのではないでしょうか。結論を述べると、連名で出してもマナー違反ではありません。
香典は個人で出すのが基本です。個人で参列するのであれば、個人名義で出したほうがよいでしょう。しかし事情が合って葬儀に出られず、代表者のみが出席するときは、多人数で用意するケースも見られます。
連名の香典を持参するのは、故人との関係性が近い人が適しています。参列できる方が限られる場合は仕方がありませんが、可能な限り親しい人が代表になるように心がけましょう。
香典に包む額は、1人で用意する場合とは決め方が違うため注意が必要です。複数人で準備するときの額の決め方は大きく分けて2種類です。
ひとつ目は、合計金額を先に決めて人数で割る方法です。この方法は端数が出ずに平等に負担を分担できますが、人数が少なければひとりひとりの負担額が大きくなります。
ふたつ目は、同額を出し合い集まった額を香典とする方法です。こちらは人数によっては金額に端数が出ることになります。また、香典はきりのよい数字に揃えて出すのが慣例ですので、集めた後で額の調整が必要です。
先に目標額を定める場合は、先方との関係にもよりますが、5,000円か1万円を目安に集めることが多くなります。この場合の1人あたりの負担額は1,000円~2,000円程度が目安です。香典の額は4と9を含まないように調節するといったマナーにも気を配って準備を進めましょう。
香典を出すと喪主から香典返しがあるのが基本です。ただし、連名のときは香典返しを辞退するのも配慮となります。連名では喪主はお金を出した人全員にお返しをする必要が出てきます。2~3人程度ならまだしも、部署全員で出し合った場合などは喪主の負担が大きくなりかねません。
大人数で出す場合は、喪主の負担を軽減できるように香典返しを断るのもひとつの配慮となります。辞退するときは、不祝儀袋の中に「勝手ながら香典返しは辞退させていただきます」といった旨の一筆箋などを添えましょう。
会社によっては、規則で香典返しが受け取りを禁止されていることもあります。配慮以外の理由でお返しを辞退することもありますので、辞退の作法を把握しておくことが必要です。
夫婦で出すときはどのように書くのが正しいのでしょう。2人そろって参列するケースと妻が1人で出るケースをご紹介します。
夫婦で出すときは、夫の氏名のみを書くのが一般的な作法です。しかし、夫婦2人とも故人と親しかった場合や夫婦そろって参列するときは、連名で書いても問題ありません。連名にするときは夫の名前を中央にフルネームで書き、妻の下の名前を夫の名前の左側に添えます。中袋も同様に、中央に夫の姓名を書いて妻は左に名前だけを書きます。
夫が参列できずに妻が代理を務める場合も、袋の中央に夫の名前をフルネームで書きます。そして名前の左に内の字を付け加えます。家単位の香典は、家の代表の夫を記名するのが正しい作法です。持参した人は書く必要はありません。そこに身内が代理で参列したことを示す「内」を付け足すのが慣習です。
妻が代理で参列する場合、喪家は親族の場合が多くなります。マナーから外れる礼を欠いた行いをすると、後々まで悪影響が出てしまう可能性もあります。香典の用意には気をつかい万全を期して臨むようにしましょう。
会社から香典を出すときは、お金を出し合う人数で書き方が変わるので注意が必要です。少人数の有志の場合と、部署全員など大人数の場合では記名の仕方が大きく変わります。それぞれの方法をご紹介しますので参考にしてください。名前を書く順の注意点もお伝えします。
職場の仲間が複数人で出すときは、お金を出し合った人数が3名以下と4名以上で名前の書き方は異なります。
3名以下であれば全員記名しましょう。3人の場合はひとり目を中央に書き、残り2人を左に連ねます。2名では氏名が中央に集まるように書くのが通例です。
大人数で出し合うときは全員の名前を書き連ねることはせず、代表1名を書くか、会社名や部署名などの団体名を記入します。
4人以上でグループ名や代表者だけを書く場合は、グループ名か代表者のどちらかを袋の中央に書きます。部署から出す場合は部署名も記載するとわかりやすくなるでしょう。
代表者を書くときは、記入した名前の左に連名を示す「他~名」や「外一同」と付け加えます。また、代表者に肩書きがある場合はそちらも記入すると遺族にわかりやすくなって親切です。
複数人の名前を書くときは、目上の人を一番右側に書きましょう。役職の高い順や先輩順に右から書いていき、左に行くにつれて立場の低い人を書きます。
同僚同士などで目上の人がいない場合は、名前の五十音順で書けば角が立ちません。故人の仕事の関係者であれば遺族が把握できていないこともあるでしょう。できる限り相手に伝わりやすく書くのが大事です。
家族で出すときは家族内の関係や子どもの年齢、収入の有無で変わってきます。同居しているか否かでも書き方は違いますので、兄弟姉妹や親子で葬儀に参列するときは注意が必要です。参列する前にこちらでマナーをご確認ください。
兄弟もしくは姉妹が社会人の場合は、個別で出すのが基本的には好ましいとされています。兄弟姉妹が同居していて同世帯にいる場合は、連名出してもよいでしょう。
連名のときは不祝儀袋に兄弟姉妹全員を記名します。その際はファーストネームだけでなく、名字を含めたフルネームで書くことを忘れないようにしましょう。右側から年齢が高い順に記名するのが作法です。
親子で参列する際は、子どもの状況により変わります。子どもが未成年だったり収入がなかったりする場合は、連名の形をとる必要はありません。この場合は親の名前のみを記名して芳名帳に親子の名前を記帳します。
故人が子どもの友人のように、子ども主体の関係である場合は親の名前では遺族に伝わりにくいことも考えられます。中袋には、子どもの名前や学校の学年・クラスなどを記載するとよいでしょう。
子どもが成人している、または収入があるケースでは、個別で出すのがベストです。ただし、親子が同居している場合は連名で出してもマナー違反とはなりません。
記名は「~家」とは書かない点に注意しましょう。家族で出すときは世帯主のフルネームだけを書くのが通例です。それでも子どもの名前も書いておきたい場合は、世帯主の左に子どものファーストネームを連ねて書きましょう。
葬儀は特にマナーが尊ばれる場です。失礼な振る舞いがないように気を配る必要があります。連名の香典を持って参列する機会は少なく、普段と違った作法が求められることに悩む場面も出てくるでしょう。こちらでは特に気をつけたい2点を解説します。
連名で出すときは、会場の受付にある芳名帳に香典を持参した代表者の名前や住所を記入します。香典に持参した人よりも目上の人が記名されていたとしても、そちらを書く必要はありません。
芳名帳に記入した人以外の情報は、別紙に書いて香典袋の中に入れておけば遺族に伝わります。芳名帳はあくまで香典を持参して葬儀に参列した人物を記録するものと覚えておきましょう。
連名で香典をいただいたときは、お金を出した人全員にお返しします。お返しの金額相場は、いただいた額の半返しが基本とされています。5人から全員で1万円の香典をいただいた場合は、各人が2,000円ずつ香典を出したとみなします。1人につき1,000円がお返しの相場です。ただし、収入のない子どもが含まれていたら除外してかまいません。
家族単位での香典であった場合は代表者1人に贈れば問題ありません。職場などのグループからいただいたときは、小分けにできる菓子折りをひとつ贈るとよいでしょう。
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香典を連名で出す際は、名前の書き方に特に注意が必要です。香典を出す団体の名目や人数のほか、家族のケースでは出す人の年齢や世帯環境も考慮して記名する必要があります。しかし、最も重要なのは誰がどのように香典を出したのか、遺族にしっかり伝わることです。受け取る側のことを考えてわかりやすく書くように配慮しましょう。
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