真言宗の般若心経を解説。真言宗の葬儀についても紹介

真言宗の般若心経を解説。真言宗の葬儀についても紹介

いざというときに備えて、葬儀に関する知識を身につけておきたいという方もいるのではないでしょうか。般若心経は多くの仏教の宗派で取り入れられている経典で、詳しく知りたいという方もいるかもしれません。

そこでこの記事では、般若心経についてご紹介します。意味や覚え方だけではなく、般若心経を取り入れている宗派のひとつである真言宗の歴史や葬儀の流れについても理解できるでしょう。急な葬儀などにも役立つ内容なので、ぜひ参考にしてください。

こんな人におすすめ

真言宗の般若心経はどのようなお経なのかを知りたい方

般若心経の意味を知りたい方

真言宗の歴史と葬儀について知りたい方

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真言宗の般若心経ってどんなお経?

般若心経という言葉を、聞いたことのある方は多いのではないでしょうか。仏教に関する言葉だと知りながら、その意味をきちんと理解している方はあまりいないかもしれません。般若心経は真言宗をはじめ多くの宗派で取り入れられており、仏陀の思想にとらわれない経典です。こちらでは、般若心経の思想や特徴についてご説明します。

大乗仏教の思想を著したお経

般若とは悟りを表し、悟りについて説いたすべての経典を般若経典といいます。三蔵法師がまとめた大般若波羅蜜多経が有名ですが、その中から空の思想に関する部分だけを抜粋してまとめたのが般若心経です。

般若心経は、正しくは「般若波羅蜜多心経(はんにゃはらみったしんぎょう)」といいます。仏陀の教えをもとに始まった大乗仏教の「空・般若心経」を説いた経典で、仏陀の思想にとらわれないことを説いているのがほかの経典と異なる点です。

浄土真宗、日蓮宗などを除いた多くの宗派や仏教以外でも読まれることがありますが、仏陀の思想にとらわれないことから批判の対象になることもあります。

さまざまな宗派で使われている

般若心経は仏教の多くの宗派で読まれ、勤行(ごんぎょう)といわれる日々のお勤めの中に取り入れられています。宗派による解釈の違いはありませんが、般若心経を特に重視しているのは、真言宗、天台宗、禅宗などです。また神道と密教が習合した修験道では、般若心経を唱えながら修行を行います。

経文や所作が簡略化されている中でも般若心経は欠かせない重要な経典として残されていることから、仏教の根本と深く結びついているといえるでしょう。

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般若心経を読んでみる

般若心経をより深く知るために、経典を読んでみましょう。なんとなく耳にしたことがあるだけで、すべての文言を知っている方は少ないかもしれません。般若心経は300字足らずの短い構成のため、覚えやすい経典といえるでしょう。こちらでは、般若心経の全文や内容を理解しやすくなる方法などについてご紹介します。

本文はわずか266文字

般若心経は266文字で構成されています。それほど長くないため、比較的覚えやすいでしょう。しかしただ唱えるだけでは、経典の意味が薄れてしまいます。その意味を理解するように心がけましょう。

般若心経は、空性を短い言葉で説きながら末尾に真言を説くという構成です。般若心経の「空」の思想は「観」の瞑想をするための指針といわれており、マントラと呼ばれる真言を繰り返し唱えることで「観」の瞑想を行います。

般若心経の全文

般若心経の全文は以下のとおりです。多くの宗派で読まれている経典に触れてみましょう。なお、読み方は宗派によって異なる場合があります。

仏説摩訶般若波羅蜜多心経

観自在菩薩 行深般若波羅蜜多時 照見五蘊皆空

度一切苦厄 舎利子 色不異空 空不異色 色即是空

空即是色 受想行識亦復如是 舎利子 是諸法空相

不生不滅 不垢不浄 不増不減 是故空中

無色 無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法

無眼界 乃至無意識界 無無明亦 無無明尽

乃至無老死 亦無老死尽 無苦集滅道 無智亦無得

以無所得故 菩提薩埵 依般若波羅蜜多故

心無罣礙 無罣礙故 無有恐怖 遠離一切顛倒夢想

究竟涅槃 三世諸仏 依般若波羅蜜多故

得阿耨多羅三藐三菩提 故知般若波羅蜜多

是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪

能除一切苦 真実不虚 故説般若波羅蜜多呪

即説呪日 羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶

菩提薩婆訶 般若心経

現代語訳も多数

最近では、般若心経の現代語訳を書籍やインターネットなどで手に入れられます。般若心経には難解な漢字や聞き慣れない言葉も多く、内容まで理解するのは難しいと感じるのは仕方がないことかもしれません。

真言宗の密蔵院のサイトでは柔らかい言葉で現代語訳が公開されているほか、般若心経の現代語訳をロック調にアレンジしている動画などもあります。自分に合ったものを選んで、般若心経を学びましょう。

般若心経の意味

難解な言葉が続く般若心経ですが、経典を唱える意味を高めるためにもどのようなことが説かれているかを理解しましょう。誰がどのように悟りを開いたのか、空の思想とは何なのか、真言をなぜ唱えるのかなど、ブロックごとに意味があります。般若心経の流れを理解して、意味を把握しましょう。

1.題名

般若心経の正式名称は「般若波羅蜜多心経」です。般若心経が書かれた時期は明確ではありませんが、インドで観音信仰が広がった5世紀~6世紀頃ではないかといわれています。インドのサンスクリット語で記された原典にはタイトルがないため、中国では結びの言葉に「経」をつけてタイトルにしました。

「般若波羅蜜多」は「知恵の完成」を意味し、大乗仏教で修めるべき6つの修行や徳目である「六波羅蜜多」の中で最も重要なものとされており、「心」とは「神髄」を表します。つまり般若心経は、「般若経典の神髄」という意味です。

2.思想の由来

般若心経は4つのブロックに分けることができ、第1ブロックでは誰がどのようにして般若を得たのかが説明されています。第1ブロックは、「観自在菩薩~度一切苦厄」の部分です。観音菩薩が悟りを得るための修行中に、人間の五蘊(ごうん)には実体がないが苦しみから解放される方法を見つけたと記されています。

五蘊とは、色蘊(しきうん)・受蘊(じゅうん)・想蘊(そううん)・行蘊(ぎょううん)・識蘊(しきうん)という人間の意識を構成する5つの要素です。それぞれ肉体などの物質、人間が感じるもの、人間が想うもの、人間が行うこと、人間が認識するものを意味します。

3.弟子に向けた言葉

第2ブロックは、古い弟子の舎利子(シャーリプトラ)に呼びかける内容となっています。第2ブロックは、「舎利子~不増不減」の部分です。

「舎利子~受想行識亦復如是」では、「この世の形あるものにはすべて実体がないが、だからこそあらゆる形を得られる。これは人間の感覚についても同じことがいえる」ということが書かれています。

次の「舎利子~不増不減」では、「実体がなければ生まれることも消えることもない。また汚れることもないが清らかでもなく、増えることもなければ減ることもない」と説かれています。

4.思想の解説

第3ブロックは、「是故空中~得阿耨多羅三藐三菩提」の部分です。こちらでは第2ブロックでの弟子への呼びかけに続く形で、「空の思想」について説いています。

真実の世界では目に見えるものやそれによって感じること、思うことなどもすべて存在しません。そして、知らないことからくる悩みもないのです。しかしその悩み自体が尽きることはなく、解決方法を知る方法もありません。

だからこそ観音菩薩はこだわりをもたず、すべての夢想や欲から離れることで、魂の解放を意味する「涅槃(ニルヴァーナ)」へと到達できたのだと説かれています。

5.真言とは

第4ブロックは「故知般若波羅蜜多~般若心経」の部分であり、悟りの境地に到達するための真言について記されています。

真言とは並ぶことのない言葉で、「羯諦 羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆訶」の部分です。この真言によって苦しみから解放されるのであり、般若心経の真骨頂といえるでしょう。

真言は悟りに到達するマントラのため解釈ができないとされていますが、中村元・紀野一義による訳注『般若心経・金剛般若経』では「往ける者よ、往ける者よ、彼岸に往ける者よ、彼岸に全く往ける者よ、さとりよ、幸あれ」と翻訳されています。

真言宗の歴史と葬儀

般若心経を重視する宗教のひとつに、真言宗が挙げられます。般若心経について詳しくなったところで、真言宗に興味が湧いてきたという方もいるのではないでしょうか。真言宗の葬儀の流れについても知っておくと安心です。こちらでは、真言宗の歴史や葬儀の流れについてご紹介します。

開祖は空海(弘法大師)

真言宗は平安時代に開かれた仏教のひとつです。中国に渡り密教を学んだ弘法大師空海が開祖となり、日本にその教えを広めました。顕教では言葉によって教えをわかりやすく説きますが、密教では秘密の教義や儀礼を師から弟子へと口伝にて伝授します。

空海は人間がありのままの姿で悟りの境地に達し、大日如来と一体化することで生きた身のままで仏の道を開けるという即身成仏を説き、真言密教を大成させました。その教えが世代を超えて弟子へと受け継がれ、多数の宗派にわかれながら現代にいたります。

代表的な寺院は高野山真言宗の総本山である金剛峰寺や、真言宗大覚寺派の大本山である大覚寺などです。空海は金剛峰寺で修行を積んだとされています。

葬儀の流れ

僧侶は入堂した後、香を塗り自らを清める塗香や護身法、三密観や加持香水の法などの準備作業を行います。仏法僧の三宝に礼拝し、表白・神分と続き、大日如来などの仏や菩薩を葬儀場に迎え入れて故人の守護を願うのです。

次の声明では僧侶が仏典を唱え、儀式が成就するのを祈ります。授戒作法ではカミソリで剃髪を行い、故人が仏門に入った証として三帰三竟や十善戒が授けられます。戒名が与えられた後は不動潅頂の印明と弥勒三種の印明が授けられ、故人の即身成仏がかなうため葬儀においても厳かな場面となるでしょう。参列者による焼香の後、出棺という流れです。

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まとめ

般若心経は、真言宗をはじめ多くの仏教の宗派で取り入れられています。300字程度の構成ですが、その意味を理解するとより覚えやすくなるでしょう。また真言宗の葬儀の流れを知っておけば、いざというときに安心です。

しかし自分の宗派と異なる宗派については詳しく学ぶ機会もないため、慣れない葬儀の場では困ることもあるかもしれません。そのようなときは専門業者に相談しましょう。小さなお葬式では、葬儀に関するあらゆる相談を受け付けています。葬儀についてお困りの際には、小さなお葬式にご相談ください。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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よくある質問

よくある質問
  • 般若心経を覚えるには?

  • 般若心経の写経を始めるには?

  • 真言宗の焼香の上げ方は?

  • 真言宗の数珠の使い方は?

  • 真言宗の香典のマナーは?

  • 真言宗の戒名ってどんなもの?

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