「日蓮宗の葬儀で知っておくべきマナーがわからない」という方は多いのではないでしょうか。日蓮宗の葬儀は他の仏教と祭壇やマナーに違いがあり、適切な振る舞い方を把握しておかないと戸惑ってしまう場合もあります。
この記事では日蓮宗の葬儀で使う祭壇の特徴や焼香など覚えておくべきマナー、よくある質問などを解説します。この記事を読めば、日蓮宗の葬儀があった場合に自分がどう立ち振舞うべきかわかるでしょう。
<この記事の要点>
・日蓮宗の祭壇は樒(しきみ)のみで作られるのが特徴
・日蓮宗の祭壇にかかる費用は約20万円~50万円程度
・日蓮宗の焼香は3回行うのが一般的
こんな人におすすめ
日蓮宗の葬儀で使う祭壇の特徴を知りたい方
日蓮宗の祭壇にかかる費用を知りたい方
日蓮宗での葬儀のマナーについて知りたい方
日蓮宗で使う祭壇は一般的な仏教のものと大きく変わらない場合もありますが、日蓮宗の宗派によっては仏壇から大きな違いがあります。ここでは日蓮宗で使う祭壇の特徴について詳しく解説します。
仏教の祭壇はある程度の共通点もありますが、宗教によっても違いがあります。祭壇は本来故人の棺を祀り、葬具を飾るためのものにすぎませんでした。しかし現在では意味合いが変化し、個人を供養するためのものに変わってきています。
日蓮宗の祭壇は他の仏教の場合と大きくは変わりませんが、日蓮正宗と創価学会の祭壇は、樒(しきみ)のみで祭壇を作ることが特徴です。それ以外の花を使うことはありません。
ただし、日蓮宗関係の宗教団体や宗派は多数あり、それぞれで葬儀の内容が異なっている場合があります。そのため、詳しい祭壇の特徴は個人で確認する方がよいでしょう。
他の宗派の祭壇との大きな違いは、「樒」だけで棺や棺周りを装飾することにあります。仏教の他の宗派でも、樒を使うことはあるのですが、樒のみで葬儀を行うのは日蓮宗の大きな特徴だと言えるでしょう。
多くの仏教では、白木の祭壇になっていることが多いです。白木には「汚れのない真新しい状態」を表し、使い回しなどはせず一度きりしか使いません。
神式の場合も、基本は白木の祭壇で行われます。神式の場合は仏教と装飾が全く異なり、三種の神器やぼんぼりなどで飾り付けを行います。キリスト教の場合はそもそも祭壇そのものがありません。
近年では故人の趣味や人となりを表現するためにオリジナルの祭壇を作る場合という選択肢もあるでしょう。アーティストとして活動している方であれば、その人の作品を展示して、故人を悼みます。それぞれの宗派で儀式に必要なものさえ揃っていれば、属する宗派は問題にはなりません。
日蓮宗の祭壇に飾る花はあまり決まりがないのですが、日蓮正宗の場合は多くの場合樒を使います。樒とは高さ10m程度のマツブサ科シキミ属に分類される植物で、独特の香りを持った植物です。
樒の花言葉は「猛毒・甘い誘惑・援助」という言葉に現れるように、「アサニチン」という強い猛毒が含まれています。この強い毒や香りによって、「故人を悪霊から守る」という意味が込められているそうです。供花は家族や親戚、友人、会社の人どのような立場の人でも問題なく贈れますが、こちらも樒しか送れないとされています。
また宗派によっては樒以外の花を飾ってもよい場合があるため、詳細はあらかじめ確認する方が無難です。
日蓮宗の祭壇にかかる費用は、大まかに20万円~50万円程度だと考えるとよいでしょう。ただし、これは祭壇の大きさによる違いが大きく、他の宗教と比べてそう差があるわけではありません。
家族葬など小規模な葬儀であれば、祭壇にかかるのが10万円~20万円、お坊さんへのお布施で2万円〜5万円、花の料金で10万円〜30万円程度、そのくらいで考えてみるとよいでしょう。ただし、葬式の規模によってはこれ以上かかることもあります。
しかし、これはあくまで、目安のため、実際にどのくらいの費用がかかるのかは、あらかじめ確認した方が間違いありません。
葬儀における作法は同じ仏教でも、宗派によってかなり異なります。大切な故人の葬儀で失礼がないようにしたいものです。ここでは日蓮宗の葬儀のマナーについて解説します。
焼香の仕方は3回行うことが一般的です。仏、法、宗という三法に帰依すると言われています。まず遺族や参列者に一礼し、焼香台の前に立ち合掌、その後で一礼しましょう。合掌するときには両手のひらをしっかりと合わせ、胸から少し離れた位置で行います。指の角度は約45度で、できるだけ自然体で行いましょう。
焼香をひとつまみ摘んで1回額の前に押しいただき、香炉にくべてください。これを合計3回繰り返すのが正式なやり方ですが、参列者の数によっては1回でよい場合もあります。いずれにせよ、葬儀の担当者から案内がありますので、そのアナウンスに従って焼香をしてください。
焼香を香炉にくべたら、数珠を左手にかけて合掌してください。合掌するときは「南無妙法蓮華経」を唱えます。焼香台から2歩~3歩下がってから、遺族と参列者に礼をして、元いた席に戻りましょう。
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日蓮宗で使われる数珠は房が2本ついた玉が一つ、3本ついた玉が一つあるものが一般的です。日蓮宗の本来の祈祷では木剣と数珠を組み合わせたものを使いますが、さすがにそのような専門のものを使わなくても大丈夫です。素材は丈夫な黒壇や紫壇のどちらかを選ぶようにしてください。
「自分の宗派のものと異なる」という場合も当然あるでしょう。ご自身の宗派がありその宗派に則った数珠を持っている場合には、日蓮宗のものに無理に合わせる必要はありません。
日蓮宗で香典を持ってくる際は、四十九日の法要前であれば「御霊前」「御香典」、四十九日の法要以降の場合は、「御仏前」「御香典」のどちらかを使います。どちらの場合でも、「御香典」を使えば失礼に当たることはありませんので、迷った場合には「御香典」と記載するのが間違いないでしょう。
日蓮宗以外の宗派と書き方で大きな違いはなく、同じ書き方でほとんどの場合問題ありません。ただし浄土真宗の葬儀の場合のみ、四十九日より前から「御仏前」を使いますので注意してください。
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日蓮宗での服装のマナーは、その他の宗派と同じと考えて問題ありません。通夜の場合は時間がないことも多いため、スーツなどの平服でも問題ありませんが、時間があるのであれば、黒のネクタイや靴などに履き替えるようにしましょう。
葬儀や告別式に参加する場合は略喪服で参加します。略喪服とは、一般の参加者が喪服に準ずる服として着用する服のことです。ダークスーツや黒のネクタイなどを着用し華美な装飾は控えてください。
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日蓮宗のお通夜と葬儀の流れは他の仏教と異なる点もあり、参列者が読経や焼香をする際のルールは大まかに確認しておくのがおすすめです。ここでは日蓮宗のお通夜や葬儀の流れについて解説します。
葬儀1日目に行われるお通夜は、家族や親族、友人など身近な人が故人をしのぶための儀式で、18時から19時ごろの間に行われることが一般的です。本来の通夜は夜通しで故人を見守る儀式でしたが、近年は、防火上の理由から、夜の内に解散する「半通夜」という形が一般的です。
より具体的には以下の流れで行います。
・勧請(かんじょう)
・開経偈(かいじょうげ)
・読経
・祖訓
・唱題・宝塔偈(ほうとうげ)
・回向(えこう)
・四弘誓願(しぐせいがん)
・題目三唱
・納棺
・通夜法要
儀式としての大まかな流れは、仏僧による読経・参列者の焼香・その後に仏僧の法話があるという流れになります。読経では参列者含め、読み上げていきますが、読み方などが書かれた経典が配られるため、読み方で悩むことは少ないでしょう。
日蓮宗の葬儀は、読経を全員で読み上げること、「南無妙法蓮華経」と何回も繰り返し読み上げます。また、咒讃(しゅさん)と言って歌や楽器によって供養することも特徴です。具体的には以下の流れで進みます。
・総礼(そうらい)、道場喝(どうじょうげ)
・三宝礼(さんぽうらい)
・勧請(かんじょう)
・開経偈(かいじょうげ)、読経、咒讃(歌や楽器による供養)
・開棺
・献供
・引導
・弔電
・祖訓、唱題(参列者の焼香は唱題中に行う)
・宝塔偈(ほうとうげ)、回向(えこう)
・四誓(しせい)、三帰(さんき)、奉送(ぶそう)
・閉式
・退堂
参列者の焼香の仕方などは事前にアナウンスがあるため、その流れに従いましょう。
「日蓮宗の葬儀はどうしたらよいかわからない」という人も多いかと思います。日蓮宗と一言で言っても、宗派が非常に多く、大まかな流れは同じであることも多いですが、細かい点で違いがあることも少なくありません。
そのため、わからないことがある場合は基本的にその宗派のお寺や葬儀屋に確認するようにしましょう。小さなお葬式はこれまでの葬儀にあった無駄を見直すことで、低価格ながら、高品質な葬儀を行えます。
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この記事では日蓮宗の葬儀で使われる祭壇の名称や祭壇の特徴、葬儀のマナーや葬儀の流れに解説しました。日蓮宗の葬儀は他の仏教と同じ面もありますが、読経や焼香の際のマナーなどで違いがあります。
しかし、日蓮宗は宗派が非常に多く分かれており、宗派によっては細かい違いがあることも少なくありません。小さなお葬式では葬儀専門相談員がおり、日蓮宗の葬儀や祭壇についてもご相談いただけます。ぜひご利用ください。
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そもそも日蓮宗とは?
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