愛する家族や親族、友人を亡くして深い悲しみにいる方をどう慰め、立ち直るための手伝いができるのか悩んでいるという方もいるのではないでしょうか。死別を経験した人を慰める方法のひとつが、「グリーフケア」です。
そこでこの記事では、グリーフケアとは何なのかをまず説明し、グリーフケアで死別を経験した人を支える方法や注意点などについてご紹介します。グリーフケアを理解することで、死別を経験した人を支えられる力がつくでしょう。
<この記事の要点>
・グリーフケアとは家族や友人を亡くして悲しんでいる人にやさしく寄り添いサポートすること
・遺族はショック期・喪失期・閉じこもり期・再生期の4つの段階をたどる
・グリーフケアでは安易に相手を励ます言葉を使わないように注意が必要
こんな人におすすめ
グリーフケアとは何か知りたい方
グリーフケアに興味のある方
死別を経験した方がたどるプロセスを知りたい方
グリーフケアによりどのように死別を経験した方を支えられるか考える前に、グリーフケアという言葉の意味やその歴史を手短に振り返ることが可能です。
グリーフケアの定義や歴史を知ることで、グリーフケアの効果や必要性を理解しやすくなるでしょう。死別を経験した人の支えになりたいという気持ちも、強まるのではないでしょうか。
グリーフケアという言葉のグリーフは、英語の「Grief」で「悲嘆」「深い悲しみ」「苦悩」を意味します。ケアは「お世話」を意味する英語の「Care」という言葉です。死別は悲しみの大きな理由のひとつといえるでしょう。グリーフケアとは、家族や友人を亡くして悲しんでいる人にやさしく寄り添いサポートするということです。
愛する人の死を経験すると、人は喪失感や孤独感・自責の念などのさまざまな感情をもつようになります。日常とは違う心の変化は、睡眠障害や食欲低下・疲労感など体の不調につながることもあるでしょう。そうした状況にある方が悲しみを癒し、社会に復帰できるようにサポートするのがグリーフケアです。
日本では1970年代にグリーフケアの必要性が認識されるようになりました。背景には核家族化が進んだことと、医療の進歩により自宅ではなく病院で死を迎えるケースが増えたことがあります。
つまり、家で家族の死を看取る経験が少なくなったということでしょう。「家族の死の受け止め方が分からない」「どう癒せばよいのか分からない」「どう支えてあげればよいのか分からない」という人が増えました。
「グリーフケア研究所」という、グリーフケア専門の教育機関が日本にはあります。2005年のJR西日本福知山線脱線事故の遺族へのケアを教訓とし、グリーフケアを実践するための専門的知識や技術を学べる研究所です。2009年にその研究所は設立されました。
グリーフケアをきちんと行うためには、死別を経験した方の心の移り変わりのプロセスを理解する必要があります。遺族の心の移り変わりを理解すれば、その段階や症状に応じたサポートができるでしょう。
4つの段階をご紹介しますが、あくまでも一般的なものです。遺族の心の変化はその人の年齢や生い立ち、文化や宗教的により違うことも理解しておきましょう。
遺族がたどる一般的な心のプロセスは次の4つの段階に分けられます。
・ショック期
・喪失期
・閉じこもり期
・再生期
家族や友人が亡くなった直後は、いわゆる「頭が真っ白になる」状態、つまり何も考えられない状態になることがあります。ほかにも、亡くなった事実を受け入れられない「否認」という反応が出る場合もあるでしょう。その後、亡くなった人にまた会いたいという気持ちが生じます。これがショック期の心の特徴です。
喪失期には、「もっとこうしてあげればよかった」という罪悪感、助けになれなかった自分自身への怒りの気持ちが生まれます。自分を残して去っていった故人への怒りや、絶望などの気持ちも沸き起こることもあるでしょう。
閉じこもり期では無気力になり、生活のリズムが乱れるといったうつ的な症状が出る場合があります。亡くなった方の声が聞こえる、姿が見えるなどの幻覚症状が出る場合もある時期です。
こうしたいくつかの心の変化を遂げて、家族や友人の死を受け入れ、悲しみを乗り越えようとする段階が訪れます。死を受け入れる時期が再生期です。心の移り変わりは、順番どおりに進行するわけではありません。人によっては、各段階を行き来する場合もあります。
深い悲しみは、心に影響を与えるだけではありません。心の変化は、体や健康状態にも影響するでしょう。
死別の悲しみは、何も考えられない、感じないという感情のマヒや怒りの気持ちなどを生み出します。さらに孤独感や不安感、罪悪感や無力感などの感情を生む原因にもなるでしょう。こうした心の反応は体にも影響を及ぼし、以下のような症状が出る場合があります。
・睡眠障害
・食欲不振
・疲労感
・めまい
・肩こり
・動悸
・自律神経失調症
・免疫力の低下
心身の不調は、日常生活にも支障を及ぼす可能性があります。いつもぼんやりしている、突然涙があふれてくる、引きこもりがちになるといった具合です。死別の悲しみによる影響を考えると、グリーフケアがいかに大切かを理解できるでしょう。
家族や友人との死別を経験したことで深い悲しみを感じている遺族の気持ちに寄り添い、立ち直って日常生活を普通に送れるようにフォローをするのがグリーフケアの目的です。ここからはグリーフワークの進め方と、注意点をご紹介します。愛する人との死別を経験した方が身近にいる際は、ぜひ参考にしてください。
遺族が悲しみを乗り越え、立ち直るまでにはいくつかの段階を経なければなりません。その立ち直るまでの段階を、「グリーフワーク」といいます。
立ち直るまでの段階とは、ショック期・喪失期・閉じこもり期・再生期です。突然の事故など予期せぬ理由で家族や友人を失った場合は、遺族のグリーフワークが完了するまでに長い期間が必要なケースもあります。
場合によっては、精神科医などの専門家のサポートが必要なときもあるでしょう。グリーフワークを経験している人を見守り、支えるのがグリーフケアです。
グリーフワークの第一歩は、相手の悲しみを肯定することです。悲しみの感情を抑えようとする人もいるかもしれません。しかし、死を悲しむという気持ちは自然な感情であり、恥ずかしいものではないということを伝え、その感情を肯定するのが最初の段階です。
次に、悲しい気持を表現してもらうようにします。たとえば、故人の思い出を話してもらう、故人への気持ちを手紙などの文章にしてもらうなどの方法があるでしょう。
葬儀やお別れ会などの儀式に参加してもらうのも、悲しみから立ち直るための方法といえるでしょう。それらの儀式を通じて、故人の死を受け入れられるためです。家族だけでグリーフワークを進めるのが難しい場合は、グリーフケアの専門家に相談をしましょう。
グリーフワークを進めていく際には、安易に相手を励ます言葉を使わないように注意しましょう。相手の気持ちを考えずに、「がんばれ」「落ち込むな」と伝え続けると、悲しみの感情をおさえつけてしまうかもしれません。
また、適当に相手の気持ちが分かったふりをすることにも注意しましょう。自分の経験と相手の今の経験は、同じものではありません。「気持ち分かりますよ」という安易なセリフは、相手に不信感を抱かせるでしょう。
「いつまで悲しんでいるのか」などの、プレッシャーになる言葉を使うことも避けます。無理やり死を受け入れさせるような言葉は、逆効果となる場合があるでしょう。
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グリーフケアとは、愛する家族や友人を失った悲しみを経験している方を立ち直るまでサポートする取り組みのことです。グリーフケアを進める際は、遺族の心身の反応や変化を理解することが大切です。葬式やお別れ会などの儀式は、愛する人の死を受け入れて立ち直るためのきっかけとなるでしょう。
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