葬儀費用は香典で何割程度まかなえる?香典相場から割り出したら……

葬儀費用は香典で何割程度まかなえる?香典相場から割り出したら……

葬儀を執り行うには多額の費用が必要です。葬儀費用を用立てるのに香典をあてにしている方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、葬儀費用は香典でどの程度まかなえるのか解説します。香典の相場や葬儀費用を安く抑える方法を把握すれば、計画的に葬儀の準備ができるでしょう。また、葬儀の形式別の費用や法律上の香典の扱いについてもご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

こんな人におすすめ

香典だけで葬儀費用をまかなうことができるか知りたい方

葬儀費用の相場を知りたい方

葬儀費用を抑えたい場合の方法を知りたい方

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香典だけで葬儀費用をまかなうのは難しい

香典をいただいた方には香典返しを贈るのがマナーです。香典返しの額は「半返し」が基本なので、香典をすべて葬儀費用にあてられるわけではありません。したがって、参列者からの香典だけで葬儀費用を全額支払うのは難しいといえるでしょう。ただし、香典が大きな助けとなることは事実で、全額は無理でもある程度はまかなえるケースもあります。

香典はあくまで補助的なものと考えたほうがよいでしょう。香典をあてにして葬儀を行うと、葬儀費用を支払う段階で資金不足に苦しむことになります。また、香典の額は参列者の数によって上下するので、あまり頼り過ぎないように心がけましょう。

葬儀費用の相場

葬儀にかかる費用はどれくらいなのか、葬儀費用を用意する前に知りたいという方もいるでしょう。近年は葬儀が多様化しており、さまざまな形式で行われるようになりました。ここでは、形式によって異なる葬儀費用の相場をご紹介します。

一般的な葬儀

一般葬にかかる費用の相場は50万円~350万円と開きがあります。一般的に葬儀の規模が大きくなるほど費用は膨らみます。多くの参列者を招くには広い会場が必要になり、装飾やもてなしも会場に見合ったものを用意するためです。たとえば、祭壇の豪華さや料理のランク、香典返しの額によって葬儀費用は大きく変わります。

お金をかけようと思えばいくらでもかけられますが、会場や装飾のランクを落とす、余計なオプションは利用しないといった方法で、費用を抑えたコンパクトな葬儀にすることも可能です。

家族葬

家族葬は50万円~70万円ほどの規模のものが多く行われています。家族葬は遺族や親しい親族のみで行う小規模な葬儀なので、一般葬より費用が抑えられる傾向です。参列者は少ないため、飲食代や会場の規模をコンパクトにできます。しかし、一般葬と同じようにお通夜や葬儀を行い、寺院へのお布施や読経料、戒名代を支払うのが一般的です。

寺院へ支払う費用以外では、会場費や参列者へ振る舞う飲食代が大半を占めます。また、家族葬には友人や職場の方は原則招かないため、葬儀とは別に「お別れ会」や「故人を偲ぶ会」を催すこともあります。その場合、別途費用が必要です。一方、会食や読経を行わなければ、葬儀費用を安く抑えられます。

一日葬(お通夜なし)

一日葬にかかる費用は35万円~38万円が相場です。一日葬は文字どおり1日で行う葬儀で、お通夜を行わず告別式のみ執り行います。一日葬の規模にはっきりとした定義はありませんが、家族葬のように身内や一部の親しい方たちのみで行う場合が多いようです。

会場費や装飾費を抑えられる点は家族葬と同じですが、従来2日かかっていた葬儀を1日にすることでさらに費用が節約できます。また、お通夜を省略するので、お通夜に参列してくれた方をもてなす「通夜振るまい」も必要ありません。

直葬

直葬の相場は15万円~18万円です。直葬ではお通夜や告別式は行わず、火葬のみを行います。葬儀の形式としては最もシンプルな形で、火葬式密葬とも呼ばれます。

お通夜も告別式も行わないため、香典はいただかないのが一般的です。したがって、香典返しや参列者へのお礼は必要ありません。ほかの形式よりも手間がかからず、遺族の負担が少なく済むのが大きなメリットといえるでしょう。

もらえる香典の相場

1人あたりからいただく香典の額は、香典の総額に大きく影響します。ただし、参列者の年齢や故人との関係性によって香典の相場は変化するため、総額はなかなか予想できません。ここでは、「親族」「友人」「仕事関係」の3つのケースに分けて香典の相場を確認しましょう。

親族の場合

親族といっても関係性はさまざまで、包む金額も異なります。基本的に、故人と近い関係にある方ほど香典の額は高くなります。たとえば、遠い親戚からいただく香典は3,000円~1万円、おじおばといった関係になると1万円~3万円が相場になるようです。

また、贈る側の年齢も金額に影響します。祖父祖母の葬儀では20代は1万円、30代は1万円~3万円、40代以上は3万円~5万円と年齢が高くなるほど金額も増えます。より関係が近い兄弟姉妹の場合、20代で3万円、30代以上は5万円以上と全体的に相場が上がっているのがわかるでしょう。

関係性が最も近い親の香典は、20代は3万円~10万円、30代は5万円~10万円、40代以上では10万円ほど包むのが相場となっています。

友人の場合

友人の香典の相場は、3,000円~1万円です。友人の場合も長年付き合いのある親しい方とあまり交流のない方とでは包む金額に差があります。

親友と呼べるような親しい友人の葬儀では、20代は5,000円、30代~40代は5,000円~1万円、50代以上は1万円ほど包みます。それ以外の方の香典は、20代~30代は3,000円~5,000円、40代以上は5,000円が多いようです。

また、同級生や顔見知り程度の相手であれば、葬儀に参列せずに香典を出さないケースも見られます。香典を出す場合、3,000円~5,000円程度の額を自分の年齢に合わせて包むのが通例です。

仕事関係の場合

勤務先の上司や部下、取引先といった仕事関係の方の葬儀に参列する場合も、故人との関係性によって香典の額を決めるのが一般的です。同僚や部下には3,000円~1万円、上司には5,000円~1万円を自分の年齢に合わせて包みます。

取引先の方の香典の額は、故人の役職を考慮して決めます。社長や会長が亡くなった場合は3万円~10万円、役員クラスの役職についていた方は1万円~5万円ほどが相場です。取引先の方への香典は、個人ではなく会社として出すケースも多く見られます。会社として出す場合は独断で決めずに、社内の関係者と話し合いましょう。

家族葬で計算してみると……

家族葬でいただいた香典で葬儀費用の何割をまかなえるでしょうか。葬儀費用60万円、参列者は親族20人としてシミュレーションしてみましょう。

比較的近しい親族が集まることを想定して1人あたり2万円の香典をいただくとすると、合計40万円になります。ただし、そのうち半分は香典返しに使うので、手もとには残るのは20万円です。

今回のケースでは、葬儀費用60万円のうち20万円を香典でまかなえました。つまり、40万円は遺族が負担することになります。葬儀費用を香典だけで支払うのはやはり難しいことがわかります。

葬儀費用を抑えたい場合はどうする?

一般的に葬儀費用は高額で負担が大きいため、できる限り安く抑えたいという方も多いでしょう。遺族の経済的負担を減らすには、葬儀の形式を見直したり故人の遺産から葬儀費用を捻出したりする方法があります。ここでは、葬儀費用を抑える具体的な方法を解説します。

直葬や家族葬にする

直葬や家族葬は一般葬よりも葬儀費用を安く抑えられる葬儀形式です。家族葬は遺族や親族、親しい友人といった少ない参列者のみで行うため、会場は小さくても問題ありません。飲食代も少なくて済み、葬儀費用を全体的にコンパクトにすることが可能です。

直葬はお通夜や告別式を省略する葬儀形式で、家族葬よりもさらに費用を節約できます。火葬のみを行うので、会場を用意する必要がないのが特徴です。ただし、簡素な葬儀スタイルに抵抗を感じる方もいるため、周囲と話し合って理解を得ることを心がけましょう。

遺産から費用を出す

故人の遺産を使って葬儀費用を支払うのもひとつの方法です。葬儀費用は相続税の債務控除の対象になります。遺産から葬儀費用を支払うと課税対象となる金額が減り、相続税を節税できる効果があります。

ただし、葬儀に関する費用のすべてが債務控除の対象になるわけではありません。たとえば、香典返しや墓石の購入費は控除できないので、控除対象となる費用を事前に確認しておくと安心です。

故人の口座から葬儀費用を引き出そうとしたら凍結されていたということもあるでしょう。その場合、必要書類をそろえて凍結解除の手続きをします。また、2019年の相続法の改正によって相続人なら1金融機関あたり150万円まで引き出せるようになりましたが、事前の手続きが必要です。

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葬儀費用の払い戻し・故人の銀行直接請求は可能?法改正後の制度を徹底解説

香典は誰のものになるの?

香典は「葬儀を主宰する喪主への贈与」と考えられており、喪主が受け取るのが一般的です。いただいた香典は葬儀費用の補填として使用する場合がほとんどですが、残った香典は喪主の財産となります。

香典は相続財産ではないため、ほかの相続人が分配を要求することは認められていません。喪主の許可を得ずに香典の一部をもち帰ると、刑法上窃盗や横領の罪に問われます。また、贈与扱いなので原則非課税ですが、あまりに高額の香典を受け取った場合は「一時所得」と判断されて課税対象になるケースがあります。

相続財産ではないものの、香典に関しては相続人の間でトラブルの原因になることもあるようです。香典の収支を細かく記録する、葬儀費用を負担した方には残った香典を分配するといった対策を忘れないようにしましょう。

残された家族を葬儀費用で困らせないためには

自分が死んだあと、残された家族に迷惑をかけないためには何ができるでしょうか。近年では「終活」が広く認知されるようになり、自らの死後のことを考える方が増えました。自分の葬儀について考えることも終活の一環です。ここでは、残された家族を葬儀費用で困らせないための方法について解説します。

エンディングノートを書いておく

エンディングノートとは、私有財産の内容や保管場所、家族に伝えたい想いや自分の希望を記すノートです。書き記す内容に特に決まりはありません。遺産に関する情報や親交のあった友人の連絡先といった実務的な内容以外だと、これまでの人生の振り返りや家族へメッセージを残す方が多いようです。

また、葬儀について希望があれば書いておきましょう。葬儀費用の支払い方法だけでなく、どのような葬儀にしたいのか、誰を招いてほしいかといった希望を伝えるのに役立ちます。

法的効力はないことに注意

エンディングノートは気軽に自分の希望を伝えられる手段ですが、法的効力はありません。遺産の分配や相続人に関する希望を確実に叶えたいなら、法的な手続きを踏む必要があります。

法的効力を持った遺言書を作成するには、弁護士や行政書士に相談するとよいでしょう。遺言書は遺産を巡る争いを抑制するのに効果的です。また、葬儀費用の分担についても付記事項で言及できます。

<関連記事>
遺言書の書き方や無効になるケースと対処法

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まとめ

葬儀でいただく香典は喪主にとって大きな助けとなります。ただし、香典だけで葬儀費用をまかなうのは難しいといえるでしょう。葬儀費用の負担を抑えるには、葬儀の規模を見直したり遺産から支払ったりするのが有効です。葬儀費用や香典、相続財産について遺恨がないように、ほかの親族や相続人としっかりと話し合うことを心がけましょう。

小さなお葬式では、葬儀費用や香典に関するご相談を承っています。何かお困りのことがあれば、些細なことでもかまいませんので小さなお葬式までご一報ください。

監修
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)
信長 洋輔(小さなお葬式 コラム編集長)

株式会社ユニクエスト社員
「小さなお葬式のコラム」の編集長。
葬儀葬式・法事法要だけでなく、終活・老後資金などFP関連の知識にも精通。
葬祭ディレクター1級の資格取得に向けて学習中。
葬儀業界最大級の、合計2000記事以上を管理。
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