「キリスト教式の葬儀を行う際の費用が知りたい」「教会で行う葬儀に参加する予定があるが、マナーが分からなくて困っている」と考えている方も多いのではないでしょうか。
キリスト教式の葬儀は、日本で多く行われている仏教式の葬儀とかかる費用が異なります。教会への献金なども必要なので、出費については事前に把握しておきましょう。また、マナーも仏教式とは異なります。数珠や塩でのお清めなどは不要なので、間違いのないよう確認しておくことが大切です。
この記事では、実際にキリスト教式の葬儀を行う方や参加する方に向けて、費用感やマナーについて解説しています。ぜひ参考にしてください。
<この記事の要点>
・キリスト教式の葬儀費用は、家族葬で40万~100万円、一般葬で100万~200万円が相場
・キリスト教式の葬儀の喪主を務める際、香典返しの代わりに挨拶の贈り物をするのが一般的
・キリスト教式の葬儀に参列する場合はお悔やみの言葉を慎むのがマナー
こんな人におすすめ
教会で行うキリスト教式葬儀の費用内訳を知りたい方
キリスト教式葬儀に参列する場合の費用の相場・注意点について知りたい方
キリスト教の葬儀の概要や流れを知りたい方
教会で行うキリスト教式の葬儀には以下の3つの費用が発生します。
1. 葬儀社への依頼料
2. 教会への献金
3. 心付け
献金や心付けに関しては教会の規模によって金額が異なります。仏教式の葬儀とは異なる部分も多いので事前に確認しておき、どれくらいの費用がかかるのか把握しておきましょう。それぞれを詳しく解説します。
葬儀社へ依頼する場合の費用感は以下の通りです。
家族葬 | 40万~100万円 |
一般葬 | 100万~200万円 |
家族葬は比較的規模が小さいので、低めの金額設定です。
葬儀社に頼むことで、以下のような手配を全て行ってくれます。
・寝台車・霊柩車
・棺
・火葬
・待合室
・メイク
・安置室
・献花
内容によって金額は大きく変わるので、まずは葬儀社と打ち合わせすることが大切です。
キリスト教式の葬儀では、教会への献金を行います。献金は以下の方々へのお礼金として使用されます。
・牧師
・神父
・オルガン奏者
・聖歌隊
教会によって金額が異なるので、利用する予定の教会に確認しましょう。
また、カトリックの教会で葬儀を実施できるのは、生前に洗礼を受けている教徒のみの場合が多いです。実際に葬儀ができるかどうかの確認も必要です。
教会での葬儀では、心付けの費用も必要です。
心付けとは、葬儀で関わってくれるスタッフに対してお礼としてお金を渡すことです。以下のような方に渡しましょう。
・寝台車・霊柩車のスタッフ
・受付
・火葬場のスタッフ
金額は3,000円程度にすることが多いです。必ず渡さなければならないものではないので、感謝の気持ちとして渡したいのであれば検討しましょう。
キリスト教式の葬儀に参加する場合には、仏教式の香典と同じようにお金を持参します。
持参するお金は御花料と呼ばれ、故人との関係性に応じて金額を決めます。封筒に包む際の表書きもキリスト教の宗派によって書き方が異なるので注意が必要です。
御花料の相場や表書きについて解説するので参考にしてください。
御花料の相場は以下の通りです。
両親 | 5~10万円 |
兄弟姉妹 | 3~10万円 |
知人・友人 | 5,000円~1万円 |
つながりが強いほど、大きな金額を持参するのが特徴です。知人や友人の場合でも個人的なつながりが強いのであれば、相場よりも大きな金額を包むこともあります。
御花料を包む封筒の表書きの書き方にも注意が必要です。カトリックとプロテスタントのそれぞれの宗派で、表書きが異なります。
カトリックでは御ミサ料と表書きに書き、プロテスタントでは御花料や献花料と書くことが多いです。
御花料は、十字架や百合が描かれた不祝儀袋か、水引のない真っ白の無地の封筒を使います。コンビニでは売ってない場合もあるので、事前に購入しておきましょう。
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キリスト教の葬儀に参列される方へ 知っておきたい流れとマナー
キリスト教の葬儀にはカトリック式とプロテスタント式があり、宗派によって葬儀や通夜の内容が少し異なります。
通常、キリスト教の葬儀では通夜を行ないません。ただ、仏教式の通夜の慣習のように前夜祭を行い、葬儀の前日に献花などで祈りを捧げます。
それぞれの宗派でのお通夜・前夜祭について解説しますので、参列予定の方はぜひ参考にしてください。
カトリック式では、通夜の祈りを行います。
通夜での席順は仏教式と同じです。神父の到着後、参列者全員で聖歌の合唱を行い、喪主から順番に献花を行います。最後に代表者が感謝の言葉を述べて通夜の祈りは終了です。
終了後に、参列者におもてなしをする茶話会を実施する場合もあります。
プロテスタント式では、前夜式を行います。
前夜式で最初に行われるのは、牧師による賛美歌の斉唱や聖書朗読です。祈りを捧げた後、死についての説教や故人の人柄などについて話をする感話を行います。最後に献花を行い、遺族代表が感謝の言葉を述べて前夜式は終了です。
カトリック式と同様に、故人の思い出を語る茶話会を実施する場合もあります。
カトリック式の葬儀・告別式は以下の8ステップの流れに沿って行います。
1. 入堂聖歌
2. 開式の挨拶
3. 葬儀のミサ
4. 赦祷式(しゃとうしき)
5. 入堂聖歌
6. 弔辞・弔電代読
7. 献花
8. 喪主挨拶
告別式で献花を行うので、タイミングを把握しておく必要があります。カトリック式の葬儀に参加するのであれば、内容も確認しておきましょう。
入堂聖歌が流れて神父が入堂しますので起立して迎えましょう。その後、棺と遺族が入堂し、神父は聖水を注いで祈りを捧げます。
神父による葬儀の開始を告げる開式の挨拶があります。挨拶前に神父が棺に聖水を注ぎ、香を棺や祭壇に振りまく献香を行います。
葬儀のミサでは「言葉の典礼」と「感謝の典礼」を行います。
言葉の典礼は、聖書の朗読と説教を行った後に、参列者全員で祈りを捧げる儀式です。そして感謝の典礼では、遺族が祭壇にパンとぶどう酒を捧げます。その後、聖体となったパンとぶどう酒を受け取る「聖体拝領」を行って終了です。
赦祷式(しゃとうしき)では追悼説教を行い、棺に聖水や香を振りかけ、故人の魂が復活することや生前の罪が許されること祈ります。
終了後に神父は会堂から退場し、遺族による告別式が行われます。
告別式からは、親族以外の方も参加可能です。参列者一同で聖歌を歌い、開式を告げます。
故人が信者となった経緯などの故人の経歴と、故人に寄せられた弔電を紹介します。
教会での葬儀ではご焼香の代わりに献花の儀式が行います。献花を行うのは以下の順番です。
1. 喪主
2. 家族
3. 親戚
4. 友人
5. 知人
最後に喪主が挨拶をして、告別式は終了です。参列者が多い場合、献花後に退場できるよう、献花前に挨拶を行う場合もあります。
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カトリックの葬儀はどうしたらいい? 流れや費用、服装、マナーをご紹介
プロテスタント式の葬儀・告別式は以下の通りです。
1. 開式の挨拶
2. 聖書朗読・賛美歌斉唱
3. 牧師による故人の紹介・説教
4. 祈祷・祝福の祈祷・喪主挨拶
5. 献花・出棺
プロテスタント式では葬儀と告別式を分けずに行うことが多いです。実際の流れを確認していきますので、献花のタイミングをしっかり確認しておきましょう。
オルガンが演奏され、牧師を先頭に棺、遺族が入堂します。形式によっては牧師が先に入堂しており、そのまま開式を告げる挨拶をする場合もあります。
牧師が聖書朗読・祈祷を行い、参列者は黙祷を捧げます。その後、全員で賛美歌の斉唱を行います。
牧師が、故人が信者となった経緯や人となりについて紹介する時間です。終了後に牧師による説教が行われます。
故人が安らかに眠れるように祈祷が行います。祈祷後には改めて賛美歌を歌い、牧師に夜祝福の祈祷を行うことが多いです。
最後に喪主による挨拶が行われます。挨拶は出棺の直前に行われる場合もあります。
カトリック式と同様に、ご焼香の代わりに献花を行います。献花の順番は以下の通りです。
1. 喪主
2. 家族
3. 親戚
4. 友人
5. 知人
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プロテスタントの葬儀|カトリックの葬儀との違いと流れ
キリスト教式の葬儀の喪主を務める際には以下の2つのマナーを守りましょう。
1. 香典返しの代わりにご挨拶の贈り物をする
2. 教会へ献金する
仏教式の葬儀とは異なる部分です。日本の一般的なマナーは仏教式に当てはまっていることが多いので、間違いのないようしっかり確認しておきましょう。
香典返しの代わりにご挨拶の贈り物をしましょう。
キリスト教式には香典返しの習慣はありません。代わりにそれぞれの宗派で挨拶の贈り物をする文化があります。
贈り物をする際は、カトリックの場合は死後30日目の追悼ミサ、プロテスタントでは亡くなってから1ヶ月後の召天記念式で行います。
贈り物には黒白結びの熨斗に以下の表書きを行いましょう。
・志
・偲び草
・粗品
葬儀の会場である教会へ献金という方法で謝礼を行います。
献金は会場費としてだけでなく、神父やオルガン奏者に対しても渡す意味合いもあります。決まった金額はないので、教会や牧師さんに確認してみましょう。
渡す際の表書きは「御礼」で、ご自身のお名前を書きます。
キリスト教式の葬儀に参列する場合には、マナーに注意しましょう。
仏教式の葬儀とはマナーが異なり、お悔やみの言葉を申し上げたり、数珠を持ち込んだりするのはマナー違反にあたります。
こちらでは参列時のマナーについて4つ解説しますので、当日故人や遺族に失礼だと受け取られないためにも、ぜひ参考にしてください。
お悔やみの言葉は慎みましょう。
キリスト教の教えでは、亡くなったことは不幸ではないと考えられています。亡くなるというのは永遠の命の始まりと考えられているので、お悔やみの言葉を伝えるのは失礼にあたります。
悲しいと感じる気持ちは分かりますが、お悔やみの言葉は控えましょう。
数珠は持ち込まないようにしましょう。
音を立てたり、念仏を唱えたりすることは神聖な葬儀の雰囲気を壊してしまう可能性があります。失礼にあたる可能性が高いので気をつけましょう。
電報を送る際は仏教用語を避けましょう。キリスト教式の葬儀で、仏教用語を使うのは失礼に当たります。
ただし供花や電報を送ること自体は失礼にあたらないので、言葉に注意して送りましょう。
キリスト教では、塩でのお清めは行いません。
塩が悪いものを払うというのは日本のみの伝統です。キリスト教の教えでは死者が悪い影響を与えるという考えはないので、払う必要がありません。
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キリスト教式の葬儀は、宗派によって流れやマナーが異なります。失礼のないように事前に内容を確認しましょう。
葬儀に参加する機会が増えてくると、ご自身が喪主を務める時のことを考えてしまう方も多いでしょう。
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