エンバーミングとは何か?費用・保存期間・手順とメリット・デメリット

エンバーミングとは何か?費用・保存期間・手順とメリット・デメリット

エンバーミング(遺体衛生保全)とは、遺体の血管から防腐剤を入れて血液と入れ替え、全身を消毒・防腐し、顔や傷を整える処置です。処置をした遺体は、10日〜2週間ほど衛生的に保たれます。処置は専用の施設で行い、防腐の処置は2時間ほど、洗浄や着替え・化粧を含めると3〜4時間ほどかかります。費用は15万〜25万円ほどが目安です。

火葬までの日数が長いときや、海外へ遺体を運ぶときに選ばれます。この記事では、エンバーミングの費用、保存できる期間、必要になるケース、メリット・デメリット、処置の手順を解説します。

こんな人におすすめ

エンバーミングとは何かを知りたい方

エンバーミングの費用や、遺体を保存できる期間を知りたい方

火葬まで日数があり、遺体の安置が心配な方

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エンバーミングとは

エンバーミングとは、遺体の血管から防腐剤を入れて血液と入れ替え、全身を消毒・防腐する処置です。日本語では「遺体衛生保全」と呼ばれます。腐敗を防ぐだけでなく、顔色を整えたり、傷を修復したりして、生前に近い姿に戻すことも目的です。

処置をするのは「エンバーマー」と呼ばれる技術者です。日本では主に、一般社団法人日本遺体衛生保全協会(IFSA)が認定した技術者が、専用の施設で行います。

日本での処置件数

日本でエンバーミングを受ける人は増えています。IFSA によると、2025年の処置件数は年間88,531件で、全国33都道府県・92か所の施設で行われています。

年年間の処置件数
1988年191件(埼玉県川口市に国内初の施設ができた年)
2017年42,760件(24都道府県・61施設)
2024年82,068件(32都道府県・90施設)
2025年88,531件(33都道府県・92施設)

法律の決まりはなく、業界団体の自主基準で行われている

日本には、エンバーミングを定めた法律や公的な資格はありません。IFSA は、次の4つを自主基準として定めています。

  • 本人または家族の署名による同意に基づいて行う
  • IFSA に認定・登録された技術者だけが行う
  • 切開は必要な最小限にし、処置の後に縫合・修復する
  • 海外へ運ぶ場合を除き、亡くなった日から50日を超えて保全しない

エンバーミングの費用はいくら?

エンバーミングの費用は、葬儀社や遺体の状態によって違い、15万〜25万円ほどが目安です。葬儀の費用とは別にかかります。

施設までの搬送や、処置の後に安置する場所の費用は、別にかかることがあります。一方で、ドライアイスで冷やす安置は日数に応じて費用が増えますが、エンバーミングは日数が延びても処置の費用は変わりません。火葬まで日数がかかるときは、かえって負担が抑えられることもあります。

エンバーミングをした遺体はどのくらいもつ?保存できる期間

エンバーミングをした遺体は、10日〜2週間ほど衛生的に保たれます。IFSA の自主基準では、海外へ運ぶ場合を除き、亡くなった日から50日を超えて保全しないことになっています。ドライアイスで冷やす安置との違いは次のとおりです。

安置の方法特徴
ドライアイス腐敗を遅らせるだけで、止めることはできません。様子を見ながら補充が必要です
保冷設備のある安置施設遺体を冷やして保ちます。施設によっては、面会できる時間が限られます
エンバーミング10日〜2週間ほど衛生的に保たれます。葬儀社によっては、処置の後はドライアイスで冷やす必要がなくなります

腐敗が進むしくみや、ドライアイスの当て方については、こちらを参考にしてください。

エンバーミングが必要になるケース

エンバーミングが選ばれるのは、主に「火葬まで日数がかかるとき」「海外へ遺体を運ぶとき」「遺体の傷ややつれを整えたいとき」「感染を防ぎたいとき」の4つです。

火葬まで日数がかかるとき

火葬は、法律で原則として亡くなってから24時間たたないと行えません。多くは数日で火葬しますが、都市部では火葬場が混んでいて、1週間以上待つこともあります。遠方の家族が集まるまで待ちたいときも、日数が延びます。冷やし続けるのが難しいときや、日数が長くなりそうなときに、エンバーミングが選ばれます。

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海外へ遺体を運ぶとき

海外で亡くなった人を日本へ運ぶとき、または日本で亡くなった人を海外へ運ぶときは、国や航空会社によって、エンバーミングとその証明書を求められることがあります。航空機で運ぶ場合、ドライアイスは危険物として量などが制限されるため、長い距離を運ぶときはエンバーミングが選ばれることが多くなります。必要な書類は、現地の大使館や総領事館に確かめましょう。

なお、死因が一類感染症など特定の感染症の場合は、遺体のままでは運べず、現地で火葬して遺骨で持ち帰るよう求められることがあります。

海外で亡くなったときの搬送の流れや費用については、こちらを参考にしてください。

遺体の傷ややつれを整えたいとき

病気の治療で顔がむくんだり、やせてしまったりすることがあります。事故で遺体に傷がつくこともあります。エンバーミングでは、全身を洗って傷を修復し、表情や顔色を整えます。元気だった頃に近い姿で、家族や友人がお別れできます。

エンバーミングで見た目がどう変わるかや、においへの効果については、こちらを参考にしてください。

感染を防ぎたいとき

亡くなった後も、遺体には細菌やウイルスが残ります。エンバーミングでは全身を消毒・殺菌するため、家族が遺体に触れてお別れするときの感染の心配を小さくできます。ただし、一類〜三類感染症などの病原体に汚染された遺体は、法律で原則として火葬することになっていて、24時間たたなくても火葬できます。感染症で亡くなった人を受け入れるかどうかは、エンバーミングを行う会社ごとに違います。

エンバーミングのメリット・デメリット

メリットは、冷やさずに遺体を保てることと、元気だった頃に近い姿でお別れできることです。デメリットは、費用がかかることと、施設へ運んで処置をする間は付き添えないことです。

項目内容
メリット・10日〜2週間ほど、冷やさずに衛生的に保てる
・顔色や傷が整い、元気だった頃に近い姿でお別れできる
・消毒されるので、遺体に触れてお別れしやすい
デメリット・葬儀の費用とは別に、15万〜25万円ほどかかる
・専用の施設へ運ぶ必要があり、処置のあいだ(3〜4時間ほど)は付き添えない
・血管を出すための小さな切開をする(処置の後に縫い合わせる)

エンバーミングの手順

エンバーミングは、家族の同意を得てから遺体を専用の施設へ運び、3〜4時間ほどかけて処置します(防腐液を血管から入れる工程は2時間ほど)。中心になるのは、表の赤字の部分です。

手順すること
1. 同意・搬送家族が同意書に署名し、遺体を専用の施設へ運びます
2. 洗浄・消毒全身を洗って消毒します。顔を洗い、ひげをそるなどして、目と口を閉じて表情を整えます
3. 防腐剤の注入太ももなどの動脈から防腐剤を入れ、静脈から血液を出して入れ替えます
4. 体の中の処置胸やお腹の中に残った血液などを吸い出し、防腐剤を入れます
5. 縫合・修復切開したところを縫い合わせ、傷があれば修復します。もう一度全身を洗います
6. 着替え・化粧家族が選んだ服に着替えさせ、髪を整えて化粧をします。納棺するか、自宅などの安置場所へ運びます

エンバーミングをするかどうかは、火葬までの日数や安置の場所と合わせて決めることになります。迷ったときは、お電話(0120-215-618・通話無料・24時間365日)でご相談ください。

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エンバーミングが広まったアメリカの事情

エンバーミングは、アメリカで南北戦争(1861〜1865年)をきっかけに広まったとされます。戦場で亡くなった兵士の遺体を、故郷まで長い時間をかけて運ぶ必要があったためです。土葬が一般的だったアメリカでは、その後もエンバーミングが葬儀の一部として定着しました。

ただし、近年はアメリカでも火葬が増えています。全米葬儀ディレクター協会(NFDA)は、2025年の火葬の割合を63.4%と見込んでいます。カトリック教会も、1963年に火葬を認めています。

家族で前もって話しておきたいこと

エンバーミングは、家族の同意がないと行えません。亡くなってからは時間が限られるので、次のことを前もって家族で話しておくと、慌てずに決められます。

  • エンバーミングを希望するかどうか(遠方の家族が多い、海外に住む家族がいる、など)
  • 亡くなった後、遺体をどこに安置するか(自宅か、安置施設か)
  • もしものときに、搬送と葬儀をお願いする葬儀社
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まとめ

エンバーミング(遺体衛生保全)とは、遺体の血管から防腐剤を入れて血液と入れ替え、全身を消毒・防腐し、顔や傷を整える処置です。処置をした遺体は10日〜2週間ほど衛生的に保たれ、費用は15万〜25万円ほどが目安です。

火葬まで日数がかかるときや、海外へ遺体を運ぶときに選ばれます。家族の同意が必要なので、希望するかどうかを前もって話しておくと安心です。

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参考資料

よくある質問

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  • エンバーミングとは何ですか?

  • エンバーミングの料金はいくらですか?

  • エンバーミングをした遺体は何日もちますか?

  • エンバーミングで遺体を永久に保存できますか?

  • エンバーミングの処置にはどのくらい時間がかかりますか?

  • エンバーミングは必ずしないといけませんか?

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