家族葬は少人数で執り行うため、訃報を伝える範囲を限定します。家族葬の場合、故人が亡くなったことを知らせる挨拶状はどのように書けばよいのでしょうか。
そこでこの記事では、家族葬の挨拶状に書く内容や送る相手、投函するタイミングを解説します。あわせて、家族葬の挨拶文の構成や例文、注意点についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
<この記事の要点>
・家族葬の挨拶状には、命日や亡くなった年齢、家族葬を行ったことなど、5つの内容を記載する
・送る相手は故人と遺族の友人や会社関係者で、送るタイミングは四十九日法要後が一般的
・家族葬の挨拶文では、故人と喪主の関係・参列への感謝・生前の関わりへの感謝などを伝える
こんな人におすすめ
家族葬で喪主を務める方
家族葬における挨拶のタイミングを知りたい方
家族葬の挨拶の例文を知りたい方
ここからは、家族葬の挨拶状に記載する内容を5つ紹介します。漏れがないように気をつけて書きましょう。
挨拶状では、まず喪主と故人の関係を明らかにして亡くなったことを伝えましょう。病死の場合は死因を記載するケースもありますが、それ以外の場合は書かないことが一般的です。命日や亡くなった年齢を書くこともあります。
一般葬であれば、友人や知人、近所の人や会社関係者も参列できますが、家族葬では遺族から招待を受けた方のみ参列するのが一般的です。
参列できなかった方には、家族葬を執り行ったことと、葬儀に招待できなかったことに対するお詫びの気持ちを伝えます。その際、故人の遺志によって家族葬を選択したということを書き添えるとよいでしょう。
家族葬の挨拶状を送る場面では、すでに葬儀は終わっています。参列者の範囲を限定して行う葬儀ということもあり、供花・供物・香典を辞退したいと考える遺族も多いでしょう。
もし、後日弔問に訪れる人たちからの供花・供物・香典を辞退したいのであれば、その旨を挨拶状に記載しておきます。
家族葬の挨拶状では、故人が亡くなったことだけでなく、生前にお世話になったことへの感謝の気持ちも伝えましょう。長々と書く必要はなく、末尾に一文を書き添えて、これまでの交友関係への感謝を述べましょう。
挨拶状の本文の後に、挨拶状を出す日付を元号で記します。続いて、喪主の住所と氏名を書きましょう。故人との関係を書く場合や、他の家族の氏名を書くケースもあります。
葬儀はすでに終わっており急いで問い合わせる必要はないため、電話番号は書かないことが一般的です。
家族葬の挨拶状は、誰にどのタイミングで送ればよいのでしょうか。時期によっては喪中はがきと一緒に送ることもあります。ここからは、家族葬の挨拶状の送り方を解説します。
挨拶状を送るのは、故人と遺族の友人・知人や職場関係者が一般的です。故人がエンディングノートに訃報を伝えたい相手を記載していることもあるので、確認してみましょう。
その他には、故人と年賀状のやり取りがあった方にも送ります。挨拶状を送るべきかどうか迷った場合は、送るほうが賢明です。
仏教の場合、家族葬の挨拶状を送るタイミングは、四十九日法要が終わった後が一般的です。これは、四十九日法要と同時に納骨式も行われることが多く、遺族にとってひとつの区切りになるためです。
家族のみで直葬を執り行った場合は、亡くなってから10日後を目安にするとよいでしょう。親戚や親しくしていた友人に対して、なるべく早く訃報を伝える必要があるからです。
故人が亡くなった時期によっては、家族葬の挨拶状を喪中はがきと一緒に送るケースもあります。
通常、喪中はがきを出すのは、11月下旬から12月上旬にかけてです。忌明けがこの時期と重なる場合は、喪中はがきに家族葬の挨拶状の内容も含めるととよいでしょう。
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ここからは、家族葬の案内状の例文を紹介します。簡潔に送る場合と、長めに書く場合の2種類の例文を紹介するので、それぞれの事情に合わせて使い分けてください。
家族葬の挨拶状を簡潔に送る場合の例文は、以下のとおりです。
母〇〇儀 五月一日に永眠しました
葬儀は故人の遺志により 近親者のみで執り行いました
なお供花 供物 香典はご辞退させていただきます
生前はご厚誼を賜り心より感謝申し上げます
令和〇年〇月〇日
住所
喪主氏名
家族葬の挨拶状を長めに書いて送る場合の例文は、次の通りです。
母〇〇儀 かねてより病気療養中のところ五月一日に永眠しました
謹んでご通知します
葬儀および納骨は故人の遺志により 近親者のみで執り行いました
お知らせが遅くなりましたことを心よりお詫び申し上げます
なお誠に勝手ではございますが供花 供物 香典はご辞退させていただきます
生前母にご厚誼を賜り心より感謝し 謹んでお知らせを申し上げます
令和〇年〇月〇日
住所
喪主氏名
家族葬を行う際は、要所要所で喪主が挨拶をします。挨拶をする際に何を話せばよいかわからない方もいるかもしれません。
家族葬で挨拶をする際は、故人との間柄や参列への感謝など、話すべき内容があります。ここからは、家族葬の挨拶文を作る際の構成を紹介します。
家族葬の挨拶は、喪主が務めることが一般的です。そのため、最初に故人と喪主の関係を伝えましょう。深く紹介する必要はなく、ひと言触れる程度でも問題ありません。
故人と喪主の関係性を紹介したら、通夜や葬儀に参列していただいたことに対する感謝の気持ちを述べましょう。近い関係性であっても、参列への感謝は大切です。
次に故人との生前の関わりに対するお礼の言葉を伝えます。
参列者との詳細な間柄などについて紹介する場合もありますが、詳しく述べなくても問題ありません。「生前賜りましたご厚誼(こうぎ)に深く感謝申し上げます」といった定型文を用いても構いません。
家族葬に参列する方は、故人や遺族と関わりが深い方が多いでしょう。参列していただいたことや、故人との関わりにお礼を述べたら、今後も家族と参列者の関係を続けていきたいことを伝えます。
そこまで深い関係ではない場合も、礼儀として挨拶に含めましょう。その後、結びの文章に移ります。
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ここからは、挨拶の例文を紹介します。挨拶の長さは故人との関係性によっても変わるので、参考にしつつ自分なりの文章を考えてみてください。
押さえておきたい内容としては、故人との間柄、出席者へ生前の関係へのお礼、今後の関係についてなどです。上記の構成を踏まえて、例文を確認していきましょう。
通夜における挨拶は、通夜が終わった際に行います。例文は以下のとおりです。
本日はお忙しい中、父〇〇の通夜に参列くださり、誠にありがとうございます。
父も、生前親しくさせていただいた皆様にこのように見守られて、喜んでいることと存じます。
故人に対し生前賜りましたご厚誼に深く感謝申し上げます。
遺されました家族に対しましても、故人の生前同様、変わらぬご指導ご鞭撻をいただければ幸いです。
本日は誠にありがとうございました。
また通夜の挨拶には、葬儀の案内を加える場合もあります。
通夜振る舞いの挨拶は、会食が終わった後に行います。例文は以下のとおりです。
本日はご丁寧なお悔やみを頂戴し、誠にありがとうございました。
皆様のおかげで、無事に通夜式を済ませることができました。
父〇〇もさぞ喜んでいることと存じます。
まだまだ偲びお話させていただきたいのですが、夜も更けて参りましたので、本日はお開きとさせてください。
本日はお忙しい中、誠にありがとうございました。
通夜振る舞いの後の挨拶は、簡潔な内容で問題ありません。場合によっては省略することもあります。
告別式が終わった後の挨拶の例文は、以下のとおりです。
父〇〇の葬式ならびに告別式にご参列くださり、誠にありがとうございます。
故人もさぞ、喜んでいることと存じます。
故人の生前は大変お世話になりました。
遺された家族に対しましても、故人の生前同様、変わらぬご厚誼を賜りますようお願いいたします。本日は誠にありがとうございました。
告別式の挨拶は、時間に応じて簡単な挨拶にするように葬儀社から案内されることもあります。
精進落としでは開始と終了時に挨拶をします。開始の際の内容は以下のとおりです。
本日は誠にありがとうございました。皆様のおかげで、無事に葬儀を済ませることができました。
誠にささやかではございますが、皆様への感謝の思いを込めて料理をご用意いたしました。短い時間ではございますが、ゆっくりとお過ごしいただきますようお願いいたします。
精進落としが終わった際の挨拶の例文は、以下のとおりです。
本日はお忙しい中、最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました。
至らぬところもあったかと存じますが、皆様のご厚意に心より感謝申し上げます。
本日はありがとうございました。
家族葬の挨拶は、特別な事情がない限り喪主が行います。
家族葬には、家族のみで行うケースと、親戚や近しい友人も呼ぶケースの2通りがあります。家族のみで葬儀を行う場合は挨拶を省略することもありますが、遠方から親戚や近しい友人を呼ぶ場合は、しっかりとお礼を伝えることが大切です。
どうしても喪主が挨拶をできない場合は、代理の人が務めることもあります。
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家族葬で喪主が挨拶を行うタイミングは主に4つあります。ここからは、それぞれの挨拶のタイミングを紹介するので、ぜひ参考にしてください。
通夜式が終わった後、喪主が参列者に向けて挨拶をします。参列への感謝のほかに、通夜振る舞いや告別式についての案内をしてもよいでしょう。通夜振る舞いの案内は、葬儀会社の従業員が行う場合もあります。
通夜振る舞いが始まるタイミングと終了後にも簡単な挨拶をします。通夜振る舞いでは乾杯ではなく「献杯」をします。通夜振る舞いの前後の挨拶は簡潔に済ませましょう。家族葬では、前後のどちらかの挨拶を行わないケースも珍しくありません。
参列者のその後の予定に合わせて挨拶をするタイミングを決めましょう。
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告別式が終わったら、通夜・葬儀に参列していただいたことへの感謝と、故人を偲ぶ言葉を述べます。
出棺する際に挨拶するケースもありますが、火葬場へ参列者全員で移動するため、家族葬に限っては省略することも珍しくありません。親しい友人が参列している場合には、手短に感謝を述べる方もいます。
精進落としの挨拶は締めの挨拶となるので、基本的には前後どちらも行います。通夜・葬儀に参列していただいたこと、無事に式を済ませられたことへの感謝を伝えましょう。
会食前の挨拶は、簡単な内容にします。精進落としの後は基本的に解散となるので、挨拶が締めの役割も担っています。
家族葬の挨拶では、注意するべきポイントもあります。ここからは、家族葬で挨拶をする際の注意点を3つ紹介します。葬儀で挨拶をする予定の方は、ぜひ参考にしてください。
忌み言葉は使わないようにしましょう。忌み言葉とは、「重ね重ね」や「くれぐれも」といった重ね言葉や「四」や「九」のように死や苦を連想させる言葉、生死を直接表す言葉などです。
特に、重ね言葉は日常でもよく使われるので注意が必要です。また、数字の「四」や「九」は、日時を表す際に使うのは問題ありません。
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葬儀に出席する際に覚えておきたい忌み言葉の言い換え
挨拶の長さを場面ごとに変えることを意識しましょう。毎回エピソードなどを話してしまうと参列者に負担がかかります。わかりやすく簡潔にまとめた方が参列者に伝わることもあります。
通夜振る舞いや精進落としの挨拶は手短に済ませましょう。告別式の挨拶は多少長くなっても問題ないので、きちんと思いを伝えましょう。
家族葬の挨拶は、必ずしも暗記しないといけないわけではなく、原稿を持っていても問題ありません。暗記する方もいますが、無理をして覚える必要はないのです。
家族葬の挨拶は、話し方よりも思いを伝えることが大切です。最低限のマナーや忌み言葉を覚えたら、思いが伝わる挨拶を考えましょう。
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家族葬を行った後には、挨拶状を送り、故人が亡くなったことを伝えましょう。送るタイミングは四十九日法要後が一般的です。
また、家族葬で挨拶をするタイミングは、主に通夜式の後、通夜振る舞いの前後、告別式の後、精進落としの前後が一般的です。例文を参考にして故人や参列者への思いが伝わる挨拶を考えましょう。
家族葬の挨拶は暗記する必要はありませんが、場面によって適した長さに調整して、忌み言葉は使わないようにしましょう。葬儀について悩みがある方や、気になることがある方は、ぜひ小さなお葬式までご相談ください。
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忌引き休暇は、実は労働基準法で定められた休暇ではありません。ホゥ。