法事は故人や先祖をしのび、供養する大切な行事です。法事の日程を決めるにあたって、「法事をやってはいけない日はあるのだろうか」と疑問に思う方がいるかもしれません。
葬儀の場合、友引にやってはいけないという話を耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、法事をやってはいけない日や友引との関係を紹介します。日程で配慮するポイントが分かれば、法事の日程決めに迷わずに済むでしょう。
<この記事の要点>
・法事をしてはいけない日は基本的にはない
・法事の日は故人の命日を基準にして決め、前倒しする場合はなるべく命日に近い日がよい
・特別な事情がない限り、年明け15日くらいまでは法事は控えたほうがよい
こんな人におすすめ
法事の日程調整にお悩みの方
六曜と法事の関係について知りたい方
六曜の意味を知りたい方
法事をやってはいけない日があるとすれば、その日を選んでしまうと大変です。施主の常識が疑われるかもしれません。また、お寺や仏様、故人に対して失礼があっては困るでしょう。ここでは、法事を実施するのに避けたほうがよい日について解説します。
暦(カレンダー)において、法事をやってはいけない日は基本的にありません。友引や仏滅、大安といったカレンダーに記載してある日は気にしなくてよいでしょう。
ただし、お寺のお坊さんの都合が悪い日や法事会場が空いていない日には法事ができない場合があります。
法事をやってはいけない日は基本的にありませんが、注意を要する日はあります。例えば、友引や赤口、国民の祝日は地域の慣習や個々の価値観によって、避けたほうがよいと考える方もいるでしょう。
また、親族の誰かが先に結婚式のようなお祝いの席を設けている場合、同日に法事を重ねるべきでないという考え方もあります。悩んだときには周囲に相談して日程を決めたほうがよいでしょう。
六曜を構成する日柄のひとつである「友引」に葬儀を執り行うのは避けたほうがよいという考え方は、全国的に広く浸透しています。
では、法事と友引は関係あるのでしょうか。実は、もともと葬儀・法事と友引は直接的な関係はありません。ここでは、六曜の意味や由来、葬儀・友引との関係について紹介します。
六曜(ろくよう)は「六輝(ろっき)」「宿曜(すくよう)」とも呼ばれ、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の総称です。六曜を構成するひとつひとつが示すのは時間に関する吉凶で、割り当ては旧暦に基づいて決められます。
六曜のルーツは古代中国の占いです。もともとは戦況や政治の吉凶を占うために用いられたといわれています。六曜が日本に伝来した時期は明確ではなく、奈良時代や平安時代、鎌倉時代といった複数の説が混在している状況です。
カレンダーに六曜が付記されるようになったのは明治時代の始めの頃、旧暦から新暦へと移行する時期で、カレンダー製作業者が販売部数を伸ばす意図で始めたといわれています。一般に広く六曜が知られるようになったのは戦後です。したがって、仏教と六曜に直接的な関係はありません。
葬儀で友引を避けるのは「故人が友を引っ張って、あの世に一緒に連れていってしまう」という考え方に基づく迷信です。
文字の並びや読み方から連想されたと思われますが、陰陽道において方角で吉凶を表わす「友曵方(ともひきかた)」という考え方が影響しているともいわれています。
いずれにせよ、あくまで迷信であり、仏教の開祖であるお釈迦様が「友引に葬儀をしてはならない」と説いたわけではありません。なお、若い世代を中心に従来の風習を知らない方が増え、友引に葬儀を執り行うケースも増えつつあります。
原則、法事も友引を避ける必要はありません。六曜はもともと占いで使われていたもので、友引は「ともに引き分ける」という意味です。
ただし、葬儀と同じように、友引の法事に抵抗を感じる方もいるでしょう。たとえ迷信でも、信じている方にとっては重要なことです。
友引に法事をすることで気分が悪くなる方もいます。家族の中に友引の法事に嫌悪感や抵抗感をお持ちの方がいるのであれば、丁寧な説明や十分な配慮が必要です。
六曜は日ごとの吉凶を示します。例えば、結婚式や宝くじを買う日として、大安が好まれることは多くの方がご存知でしょう。不動産業界に身を置く方は、地鎮祭や契約の日時で六曜を気にする方もいます。
葬儀や法事だけでなく、生活のさまざまな出来事に影響を与えるのが六曜です。ここでは、友引や大安といった六曜ひとつひとつの意味を紹介します。ただし、六曜は古くから存在するもので、下記とは異なる解釈もあることをご留意ください。
先勝(せんしょう・さきがち)は「急ぐが吉、先んずれば勝ち」を意味します。したがって、先勝の日は午前が吉、午後が凶であり、重要な行事は午前に済ませたほうがよいという考えです。
友引(ともびき)は「共に引き分け、相打ちで勝負がつかない」という意味で、もともとは「共引」という表記でした。「友引」と表記するようになったのは、比較的新しい時代に入ってからといわれています。
友引は朝晩が吉、正午前後が凶です。したがって、結婚式前の両家顔合わせのときは昼食を避ける場合があります。
先負(せんぷ・さきまけ・せんまけ)は、先勝と反対で「急ぐは凶、先んずれば負け」という意味です。「静かにしているのが吉」と解釈する場合もあります。先負は午前が凶、午後が吉です。例えば、先負の日に納車する場合、午前を避けて午後にする方もいます。
仏滅(ぶつめつ)は「全ての物事を滅し、万事において凶」という意味を持ちます。特に、冠婚行事や大きな買い物を避ける日です。もともとは「物滅」と表記していたのが、仏滅に変化したといわれています。仏滅は、終日において凶とされる日です。
大安(たいあん)は「全て穏やかで安心、万事において吉」という意味です。昔は「泰安」と表記していました。仏滅の対極に位置する日で、特に冠婚行事や大きな買い物、勝負事をする日として人気なのは多くの方がご存知でしょう。
赤口(しゃっこう・しゃっく)は「仏滅の次に万事において凶」とされており、火や刃物、血に注意すべきともいわれる日です。
血から死につながるという連想から、葬儀や法事を避ける日と捉える方もいます。仏滅は終日凶であるのに対し、赤口は正午前後のみ吉で、それ以外は凶です。
法事をやってはいけない日は基本的に存在しません。ただし、不用意に日時を決めると、混乱やトラブルにつながる恐れがあります。法事の日時は下記の4点を調整し、合致した日に決めるのが一般的な方法です。4点の中でも、特にお寺の都合を優先します。
法事の日は故人の命日を基準にして決めます。一周忌であれば、亡くなってから1年後の命日当日に法要を営むのが原則です。
ただし、命日当日に法事の参列者が全て集まれるとは限りません。この場合、命日近辺で参列者が集まりやすい日を考慮し、日程をずらして法事を営みます。
法事を前倒しする場合、なるべく命日に近い日が理想です。最大でも1か月前程度にするとよいでしょう。法事を先送りにすることもありますが、後ろにずらすのは「故人を後回しにするのは失礼」「法事を忘れていたと捉えられる」といった理由から、避けるべきという考えを持つ方もいるため注意が必要です。
参列する家族の都合や希望も日程決めに影響する要素のひとつです。特に、故人の親や兄弟姉妹、子どもといった主要な親族の意向は、後々話がこじれないように丁寧に確認しましょう。
なるべく関係者が集まりやすい日時を選択し、欠席者のいない状態で法事を営むことも供養の考え方として大切とされています。
一部の宗派を除き、法事は僧侶に読経をいただいて進めるため、お寺の都合は特に重要です。
お寺とお付き合いのある方
菩提寺(ぼだいじ)とは、先祖代々のお墓のあるお寺のことです。菩提寺がある場合には、菩提寺に連絡をして、読経の依頼を行いましょう。
お寺とお付き合いが無い方
菩提寺が無い場合には、知人縁故からお寺を紹介してもらう方法や、葬儀の際にお世話になったお寺に相談する方法があります。
その他最近では、インターネット上でお坊さん手配サービスを利用される方も増えています。
自宅はもちろん、手配したお坊さんのお寺での法要も行えるので、菩提寺がない方には便利です。
お寺の都合によっては希望日に添えない場合もあるため、1ヵ月~2週間前を目安に寺院手配の予約をすることをお勧めします。
お寺や葬祭ホールといった法事を営む会場の空き状況も、日時を決めるにあたって必要な調整項目です。法要後に会食する場合、会場や料理も確保しなければなりません。
公営の斎場でも法事はできますが、利用料金を安く設定していることから人気が高く、予約が混み合いがちです。友引を休場日とする斎場が多いことにも注意しましょう。
逝去日から49日目に迎えるのが四十九日です。例えば、3月25日に亡くなった方は5月12日に四十九日法要を執り行いますが、逝去した月の翌々月に行う「三月またぎ」をよしとしない風習があります。
この風習は「始終、苦が、身に付く(しじゅう、くが、みにつく)」という語呂合わせから発生したといわれており、逝去日の翌々月に四十九日法要を営んでも基本的に問題はありません。
法事の日程決めでは状況に応じて配慮すべきポイントがあります。「命日に合わせて平日に法事をしてもよいか」「正月でも構わないか」といった疑問をお持ちの方もいるでしょう。
法事の日程は当日の円滑な進行だけでなく家族や親族との関係性にも影響を及ぼすため、慎重に決めることが大切です。
休日の法事が多数を占めていますが、最近は平日の法事を選ぶ方も増えつつあります。仏教の教義上、平日に法事を営むことは何ら問題ありません。
平日の法事は会場を押さえやすいことや道路や電車による移動時の混雑が少ないことの他、会食で平日料金が適用される場合があるといったメリットがあります。
一方、休日の法事は現役世代の参列者が多いときに比較的都合がつきやすいこと、児童や学生が参列者に含まれている場合に学校を欠席しなくて済むことがメリットです。
年末年始は何かと予定が立て込んでいる方が多く、命日であっても日程調整するのが無難です。
また、新年を迎えたお祝いムードの中、あえて水を差すように法事をして欲しくないと考える方もいます。特別な事情がない限り、年明け15日くらいまでは法事は控えたほうがよいでしょう。
自分にとって当たり前だったことが他の地域では違っていたということは、冠婚葬祭ではよくある話です。例えば、「法事の当日だけでなく前夜にも主たる親族が集まる」「法事をずらす場合は後ろ倒しが推奨される」といった風習や地域があります。
他にも、施主ではなく本家筋の都合を優先して日程を組むという親族のしきたりも珍しくありません。法事の日程決めでは、地域や親族の習わしに注意しましょう。
法事の日取りに関して独自の考え方を持つお寺もあります。中には、一般的な解釈と異なる「赤口の法事は避ける」といった方針で法事を執り行うことも考えられるでしょう。法事は菩提寺抜きに日程を決められません。お寺の考え方に添った日を選ぶことが基本的な対応です。
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法事をやってはいけない日は基本的にありません。葬儀で気にする方が多い友引といった六曜も、本来は仏教や弔事と直接的に関係するものではないためです。
法事の日程は故人の命日や家族・親族の希望、お寺や会場の都合を調整して決めます。地域性や親族ごとの習わしにも注意しましょう。
法事の日程を決めるにあたってお困りの場合や、法事をお願いするお寺がない場合には小さなお葬式にご相談ください。真心込めてお力添えします。
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