
作成日:2014年10月06日 更新日:2021年07月12日
枕経を依頼する際の流れとマナー
ご遺体を安置するとき、僧侶に枕経(まくらきょう)をあげてもらいます。一昔前は自宅で葬儀を行うことが多かったため、枕経に触れる機会も多かったかと思いますが、現在は自宅で葬儀を行うことが少なくなり、枕経も省略されるようになりました。
この記事では、枕経を依頼する際の流れ、お布施について、ご僧侶への対応などをまとめています。

【もくじ】
・枕経とは…故人の成仏を願うお経
・枕経を依頼する際の流れ
・僧侶への対応
・まとめ
枕経とは…故人の成仏を願うお経
枕経は、「故人を仏弟子にして往生してもらうために行うお経」のことで、僧侶に来ていただき枕経をあげてもらうことを枕勤め(まくらづとめ)といいます。この時、遺族は僧侶の後ろで亡くなった方の冥福を祈ります。
以前は臨終(りんじゅう)を迎える人の枕元でお経をあげていましたが、現在は臨終後に行うのが一般的です。また、近年は病院で亡くなり、病院から斎場に搬送されることが増えています。その場合には枕経が省略されたり、通夜の前に行われたりということもあります。
枕経を依頼する際の流れ
ここでは、菩提寺(ぼだいじ)の僧侶に枕経を依頼する流れをご紹介します。
①遺体の安置場所を確保する
枕経をあげる場合、基本的には自宅に安置することになります。ご遺体を安置できる十分なスペースを確保し、布団を敷いておきます。枕飾りを置くスペースも考慮しましょう。
②ご遺体の受け入れを行う
病院からご遺体を搬送してもらいます。予め敷いておいた布団に寝かせ、枕飾りをします。葬儀社に依頼をしていた場合は、枕飾りは葬儀担当者が行ってくれます。
③寺院に連絡する
寺院に連絡し、枕経を依頼します。日時も指定します。故人の名前、死亡時間、享年、生年月日などを伝えなければいけないため、把握しておきましょう。
④枕経をあげてもらう
ご僧侶が到着したら枕経をあげてもらいます。このとき、親族も同席しますが、喪服を着る必要はなく、平服で構わないとされています。数珠は用意しておきましょう。
⑤通夜や葬儀の日程、戒名などの相談をする
枕経が終わったら、通夜や葬儀でも同じご僧侶にお願いする場合は日程や戒名などの相談も行います。

僧侶への対応
枕経をお願いする僧侶へのお布施や挨拶についてご紹介します。
お布施はどうする?
ご僧侶への謝礼としてお布施を用意しますが、枕経の場合は単独でお布施を用意する必要はなく、通夜~葬儀までの全てを含めて包みます。そのため、ご僧侶に渡すのは葬儀の最後になります。
お布施の金額は、寺との関係や地域によって変わりますし、戒名料も含めてお布施を渡す場合は戒名のランクによっても変わります。

ご僧侶への挨拶は?
ご僧侶に一言挨拶をする機会があります。このとき、次のような挨拶の言葉をかけましょう。
■枕経をお願いするとき
お世話になっております。○○町の○○でございます。父が先ほど亡くなり、ただいま入院先より連れ戻りました。ご住職様に枕経をお願いしたいと思うのですが、ご都合はいかがでしょうか。
■ご僧侶をお迎えしたとき
お忙しい中、ご足労いただきありがとうございます。父もさぞ安心することと思います。何分不慣れなため、よろしくご指導ください。では、よろしくお願いします。
■お布施の費用を尋ねるとき(どうしても決められなかった場合)
私ども初めてのことで何もわかりません。誠に失礼とは存じますが、お布施はいかほど用意すればよろしいでしょうか。
■お布施を渡すとき
本日は大変丁寧なおつとめを賜り、ありがとうございました。おかげさまで、無事葬儀を終えることができました。些少ではございますが、どうぞお納めください。
まとめ
枕経は、故人がきちんとあの世へ渡れるようにという願いを込めた儀式です。
近年は、故人をあの世へ送り出すと共に、ご遺族がきちんとその死を受け止めるためにも大切なことなので、こういった儀式があるということは覚えておくと良いでしょう。
葬儀に関するお問い合わせは「小さなお葬式」へ
葬儀に関するご準備は事前に行うことが大切です。いざという時困らないように、葬儀全般に関する疑問は、「小さなお葬式」へお問い合わせください。24時間365日専門スタッフがお客様のサポートをさせていただきます。
