お墓や仏壇に花をお供えすることは、日本で広く浸透している文化といえます。お供えする花は仏花と呼ばれることが多いでしょう。
故人を偲ぶ気持ちを込めて花をお供えしますが、どのような花を選べばよいか悩む方も多いのではないでしょうか。花をお供えするときは、失礼に当たらないように素敵なお花を選びたいものです。
こちらの記事では、お供えに選ぶとよい花の種類を紹介します。それぞれの花が持つ特徴も踏まえて選ぶと、より故人への想いが伝わるでしょう。
<この記事の要点>
・お供えする花の種類は、菊、百合、カーネーション、トルコキキョウ、リンドウなどを選ぶとよい
・仏花は傷みやすい花、毒やとげがある花を避けて選ぶ
・仏壇にお供えする花の本数は奇数にし、左右対称に飾る
こんな人におすすめ
お供えする花の種類を知りたい方
仏壇の花について知りたい方
お供えする花の贈り方・お返しについて知りたい方
お花をお供えする際は、花の選び方に注意しましょう。特に、故人が亡くなったばかりのときのお花は白いものを中心に選びます。一般的には、ある程度時間が経過した三回忌からは、さまざまな花の種類から選んでも大丈夫とされています。
とはいえ、どの花でもよいわけではありません。まずは、仏花に適している花の種類をひとつずつ解説します。
お供えするベースの花は菊と考える人は多いものです。古くから日本人の身近に存在する花であることや、比較的花が長持ちする点から、仏花に最適な花のひとつに挙げられるでしょう。また、菊には尊敬の念を表す意味もあることから、仏花に選ばれやすいといえます。
菊にもさまざまな品種があり、シーンに合わせて選ぶことが可能です。例えば、スプレー菊のように丸い形をした菊を選ぶと可愛らしい印象を与えられます。スプレー菊はカラーバリエーションも多く、差し色に使うのにもおすすめです。
さらに、菊は枯れた際に花弁が散りにくいこともメリットに挙げられます。仏壇やお墓を汚すことなく供えられるのも魅力でしょう。
存在感のある百合も、仏花に適している花のひとつです。日本では百合を美しいものの例えとしても使い、凛とした姿はお供えの花を一層魅力的に演出してくれます。百合は華やかさを表現できるため、女性へのお供えに選ばれやすい花です。
百合も品種が豊富な花で、ボリュームのある大きなタイプからシンプルな花をつけるものまでさまざまあります。そのため、お供えするシーンによって品種を変えるのもひとつの選び方でしょう。
しかし、百合は香りの強いタイプがあります。香りが強い花は仏花にはふさわしくないとされることが多いため、香りに配慮して選ぶことが大切です。さらに、花粉が服につくと落ちにくいため、お供えする前には花粉を落としておくとよいでしょう。
カーネーションも仏花に選ばれやすい花のひとつです。カーネーションは母の日に贈る花という印象が強くありますが、仏花としても使いやすく、華やかな印象をもたらしてくれます。菊と同じく花が長持ちするため、白い菊などと合わせるとお供えしたあとも飾りやすいでしょう。
色の種類が豊富なのもカーネーションの魅力で、ピンクや赤のほかグリーンの花も見られます。色によっては男性へのお供えにも取り入れやすいでしょう。また、カーネーションの花言葉は「感謝」のため、故人への想いを込めてお供えするのにも適しています。
花の形も種類が多く、レースのように幾重にも重なった花弁を持つタイプは、女性へのお供えとして可憐な演出をしてくれるでしょう。
白や紫が印象的なトルコキキョウも、仏花としてよく選ばれます。「清々しい美しさ」や「希望」という花言葉を持っていることもあり、故人への想いとして遺族への気持ちも添えることができるでしょう。控えめな印象から、華やかな菊や百合をそっと引き立てる役目も果たします。
トルコキキョウも種類豊富です。中にはフリルのような花弁を持つものや八重咲きのタイプも見られます。シーンやお供えする相手によって選ぶのがおすすめです。
和をイメージさせるリンドウも、仏花におすすめの花です。ブルーの美しい花弁が特徴で、差し色として存在感を放ってくれます。男性へのお供えにも適した花だといえるでしょう。
花言葉には、「正義」や「誠実」という意味を持っており、故人の人柄を想いながら手向けるのにもおすすめです。白い菊や百合などと組み合わせると、お供えする花の印象をすっと引き締めてくれるでしょう。
蘭は、とげがなく、香りも少ないことからお供えに向いているとされます。その上、他の花に比べて水やりの回数が少なくて済む点が特徴です。
また、花持ちもよいことから長く楽しめる花として好まれています。蘭の中でも特に、胡蝶蘭とデンファレはお供えする花として選ばれることの多い花です。
お祝いのイメージを持つ方も多い胡蝶蘭ですが、胡蝶蘭はお盆のお供えとして選ばれることも多く、格式が高いため仏事に選んでも問題ありません。胡蝶蘭は、花束ではなく鉢植えでお供えすることができ、水換えの手間もないので、遺族の方に対する負担が少ないことも魅力といえるでしょう。
一方、デンファレは鉢植えではなく、スタンドやアレンジメントに使われることが多い品種です。胡蝶蘭と比べて小ぶりで細長い花茎に多くの花をつけるため、別れ花として故人の周りに添えられたり、葬儀の後にお骨が戻ってきた際の後飾り花として供えられたりします。
花をお供えする上では、仏花にふさわしくない花もあることを知っておくと安心です。仏花を選ぶ際には、傷みやすい花を避けるようにしましょう。散った花弁で仏壇や部屋を汚さないように配慮するのがポイントです。
また、毒やとげがある花も多くはタブーとされています。そのため、バラやアジサイなどは仏花として選ぶことを控えましょう。また、彼岸花も毒があるため要注意です。名前からお彼岸にお供えするイメージを持つ方もありますが、選ばないようにしましょう。
地域や宗派によってお供えする花に関するマナーも異なるため、わからないときは親族に確認することをおすすめします。
自宅に仏壇がある方は、花が絶えないようにお供えしましょう。一般的に、仏壇には二束で一対の花を飾るといわれており、左右対称になるように飾ります。仏壇に花をお供えするときには、その他のマナーもあるので注意しましょう。続いては、仏壇にお供えするときの注意点を紹介します。
仏花における花の本数は奇数が推奨されています。仏壇においては二束で一対という法則があるため、左右それぞれが奇数になるように花を用意しましょう。
日常の仏壇には、シンプルな花をお供えすれば問題ありませんが、命日や法要の日はできるだけ華やかな花の種類を選ぶように心がけましょう。その際も、タブーとなる花は選ばないように注意が必要です。
お供えの花は生花が通例でしたが、最近は管理が楽なプリザーブドフラワーも問題ないとされています。特に、気温が高い季節に生花をお供えすると傷みやすいことから、プリザーブドフラワーを選ぶ方も増えています。
ブリザーブドフラワーは生花の色を抜いて特殊な加工をして色を添えています。種類も大変豊富にあるので、選びやすいのも魅力です。最近は仏事用のプリザーブドフラワーも充実しているので、お供えする際には候補に入れておくとよいでしょう。
知人や親族が亡くなった際、お供えの花を贈ることもあります。シーンによって贈り方やマナーが異なるので、注意が必要です。遺族に失礼のないようにお供えしましょう。シーン別のお供えの仕方について紹介します。
お葬式に花をお供えする際は、葬儀社か生花店に依頼するのがベストです。依頼をすれば、業者が適切な花を選んでくれます。しかし、自分の目で見てこだわりをもって選びたい方もいるでしょう。自分で選ぶ際には種類に注意しなければなりません。
お葬式は、故人が亡くなったばかりですから、白を基調とした花を選ぶように心がけましょう。供花はスタンドに名札を添え祭壇にお供えされることが一般的です。華麗になりすぎることなくシンプルにまとめ、スタンドの下部には白黒か白のリボンをかけて仕上げます。
故人が亡くなってから時間が経って三回忌を過ぎている場合の仏花は、華やかな種類の花を選んでも問題ありません。仏花のマナーを押さえた上で、故人が好きだった花をお供えしましょう。ただし、多くの方が花をお供えする可能性がある場合は、仏壇が花でいっぱいになってしまいます。できれば、飾りやすいアレンジメントなどを手配するとよいでしょう。
葬儀や法要ではお供えの花をいただく場合があります。葬儀にお供えされる花は主に2パターンに分けられます。葬儀に参列された方が香典と合わせてお供えするパターンと、参列できなかった方から贈られるパターンです。
葬儀におけるお供えの花は、供養のためのものであり、お返しは不要とされることもありますが、「返礼不要」の記載がない限りは、お礼をしたほうがよいでしょう。
仏花をいただいたこと対してお礼をする場合は、「消えもの」と呼ばれる品を選びましょう。消えものには、不幸が後に残らないという意味があるため、食べ物や飲み物を選ぶと間違いないでしょう。また、石鹸や洗剤などもおすすめです。
ただし、食品を贈る場合は生物を選ばないように気をつけましょう。肉や魚などの生物は殺生をイメージさせることから、仏事においては多くの場合タブーとされています。たとえ、ベーコンや缶詰のように加工された商品であっても、選んではいけません。長持ちする乾物やあとから小分けできるお菓子などが理想的とされています。
葬儀にはたくさんのお供えが届く可能性があります。特にお花は誰からいただいたものか分からなくなるケースもあるかもしれません。
トラブルにならないためにも、受付の段階でしっかりと記録しておくことが大切です。また、受付ではなく遺族に直接お供えの花を渡すケースも考えられるので、その際はすぐに受付へ記録をお願いするように心がけましょう。
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お供えにおいて欠かすことのできない花ですが、種類を間違うと思わぬ失態を招きかねません。花が持つ意味や性質を知った上で仏花を選ぶことが大切です。
花を贈られて嫌な気持ちになる方は少ないでしょう。仏花を選ぶ際の一般的なマナーを押さえておけば、お供えとして非常に役立つ存在でもあります。
故人のことを思い出しながら選ぶ花は、供養の心を故人に届けてくれることでしょう。また、仏壇にお供えされた花の存在は、現世に残る方々の心を清らかにする意味合いもあります。花をお供えすることを習慣にするとよいでしょう。
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