
作成日:2015年01月13日 更新日:2020年09月25日
供花の送り方|費用相場や手配方法、宗教ごとの種類
「遠くに住んでいる」「事情があり参列できない」といった、お通夜や葬儀に参列できないときにお悔やみの気持ちを伝える手段として供花があります。マナーを守った送り方が分からず、悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、ポイントを押さえながら、供花の送り方を解説します。併せて、注意点やお返し、お礼状に関することなども分かる内容です。供花全般についての知識を深めましょう。
【もくじ】
・供花とは?
・供花の送り方
・供花料の相場は7,500円~1万5,000円程度
・供花を送る際の注意点
・宗教ごとの最適な供花の種類
・供花のお返しやお礼状について
・まとめ
供花とは?
供花は故人の死に対して弔意を表すために送る花で、読み方は「きょうか」です。葬式に関係する花は他にもあります。そのため、それぞれの違いが曖昧で混同する方もいるかもしれません。ここからは、供花に関する基礎知識を確認しましょう。
供花の意味や香典との違い
供花は、故人の死をとむらう心を示すために送ります。死者の霊を慰めると同時に、会場を飾る意味合いもあるようです。故人との関係性によっても左右する部分でもありますが、一般的には供花と香典の両方を送ります。
葬儀に参列する親族のほか、遠方で参列できなかった親族や、親族以外で故人と親しかった方も送ることが可能です。飾る順番もあります。必ず用意する必要はありませんが、弔意をより表すという意味では有効だといえるでしょう。
供花と香典の両方を送る必要はないという考え方も存在します。供花も故人を偲ぶという点では香典と同じ意味合いだと考えて問題ありません。

供花と献花の違い
キリスト教の葬儀の際に、教会側が用意する祭壇に飾る花が献花です。キリスト教の場合、お香を焚かないため焼香を上げることはありません。白色の花に限定して教会が用意します。白い菊、白いバラ、白いカーネーションが一般的です。参列者が個人で用意するものではありません。
供花と花輪・枕花の違い
供花が祭壇の近くをメインに飾るのに対して、お通夜や葬儀の会場の入り口をメインに飾るのが花輪です。地域や故人の宗教によって、適切な種類も異なるため、事前に調べておきましょう。また、会場の規模などによっては飾れないケースもあるため、状況によって決める必要があります。
ご遺体がある故人の自宅に送る花が枕花です。お通夜までしか飾らないため、カゴに入った花を選ぶのがベストでしょう。
供花の送り方
ただ花を選んで送ればよいわけではありません。葬儀を行う葬儀社によっては、さまざまな決まりごとがあるようです。また、遺族に迷惑がかからないよう、事前に送ってよいか確認する必要もあります。一方的に手配するのはマナー違反です。ここからは、供花の送り方の基本を確認しましょう。
手配前に遺族に確認を取る
手配をする前に、遺族に供花を送ってよいか確認する必要があります。全ての遺族が供花を送ることに対して、肯定的な考えを持っているわけではありません。送ることで故人の死を偲びたいという気持ちがあっても、遺族から「供花は辞退します」と言われることもあります。
遺族に確認を取らずに送ってしまうと、ときに遺族に迷惑をかけることもあるでしょう。自身の気持ちだけを尊重し、一方的に供花を手配するのは避けます。故人や遺族の考えを優先するのがマナーです。
供花の注文方法
供花を手配するには、葬儀社・花屋・インターネットの、3つの方法があります。最も確実な方法は、葬儀社へ依頼することです。時間に余裕がなくても手配でき、会場内の雰囲気にも合わせてもらえます。
また、葬儀社によっては他店で購入した供花は利用できないとしていることもあるため、注意が必要です。
葬儀社へ依頼する場合、まずは葬儀会場に連絡を取って日程と喪家の名前を伝え、担当葬儀社名を教えてもらいます。その後葬儀社へ連絡して、日程と喪家の名前を伝え、供花を注文する流れです。
ご自身で花を選びたいという方は、花屋またはインターネットから手配すると良いでしょう。その際は、次の点に注意して依頼します。
① 担当葬儀社に、他で手配した供花でも問題ないかを確認しておく。同時に、統一感を出すためにどういった花の種類が良いかも聞いておく。
② 届くまでの時間に、余裕があるかを確認しておく。1日前であれば問題ない。通夜に間に合わせるなら、遅くとも当日の午前中までに依頼する。
ネットでの手配を検討されているのであれば、こちらのサービスを参考にしてみてください。
参考:お花配達.com
供花は一基(いっき)で送っても大丈夫
以前であれば、供花は一対(いっつい)で送るのがマナーになっている部分がありました。時代の移り変わりと共に考え方も変化しています。二基にこだわる必要はないため、一基で送っても構いません。
供花料の相場は7,500円~1万5,000円程度
供花の費用は7,500円~1万5,000円程度が相場です。これは一基(いっき)の価格であり、二つ分の一対(いっつい)の場合はこの倍になります。籠やアレンジメントは比較的安価で、スタンドは高価な場合が多いようです。用いる花や季節などによっても価格が大きく変わります。
また、葬儀に参列する際に、供花代として「お花代」を包むこともあるようです。詳しくは、お花代についての記事がありますので、参考にご覧ください。
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供花を送る際の注意点
お通夜や葬儀の準備など慣れないことに追われ、忙しい状況のなかで遺族は供花を受け取ります。そのため、タイミングやマナーに注意した上で手配しなければいけません。故人を偲ぶ気持ちを真っすぐに伝えるためにも、注意点の確認が必要です。
当日に間に合うように手配する
「供花はいつ送るのか」気になる方もいるかもしれません。供花は、通夜の開始に間に合うように送るのがマナーです。多くの場合、お通夜の準備は当日の午前中に始めます。間に合わない場合、通夜の日に届けば葬儀で飾ることは可能です。供花と弔電を、お通夜や葬儀に参列できないときに送ることもあります。
名札の書き方に注意する
個人で送る場合はフルネームで問題ありません。肩書がなく同僚や友人でまとめる場合は、連名にせずに「○○一同」と書きます。肩書がある人ばかりの連名は、右から立場が高い人順に書くのがマナーです。書ききれないほどの人数の場合は書面を添付します。
季節によって取り扱う花や相場が変わる
生花の場合、季節によって扱う品種が変わります。そのため、写真で掲載されている花が用意できないこともあるようです。また、流通の状況によっては価格相場が変わることもあります。
メッセージを添える
メッセージを添えることで、弔意も伝わりやすくなるでしょう。ご霊前で送る場合のメッセージの例文をご紹介します。
・例文1
突然の悲しい出来事をまだ受け止められずにいます。
最期のときを一緒に過ごせなかったことは、まことに残念でなりません。
今はただ、心からご冥福をお祈りするばかりです。
・例文2
○○様のご訃報に接し、心から追悼の意を捧げます。
ご霊前にお送りしますお花を飾っていただければ幸いです。
宗教ごとの最適な供花の種類
供花を送る場合は、宗教に合ったものを選ぶ必要があります。故人がどの宗教・宗派だったのかを確認した上で、最適な種類を選びましょう。用いる花や季節などによって価格相場は変わってきます。ここからは、仏教、神道、キリスト教のお通夜や葬儀の際に送る供花について知識を深めましょう。
仏教
イメージ写真の出典:ビジネスフラワー
仏教では、百合や菊、デンファレ、カーネーションなどの花がよく利用されます。やや高価になれば、胡蝶蘭を用いることもあるようです。いずれも派手な色ではなく、白など落ち着いた色合いのものを選びましょう。基本敵には生花ですが、近年はプリザーブドフラワーなど造花を使うこともあります。
フラワーアレンジや籠アレンジが一般的で、どちらもそれほどスペースを取らないため、どのような会場でも利用しやすいのが特徴です。スペースを広く取れる場合は、フラワースタンドを送ることもあります。フラワースタンドは二基一対、フラワーアレンジや籠アレンジは一基というのが一般的でした。近年はスペースの関係からどの場合でも、一基だけ送ることが多くなっています。
神道
イメージ写真の出典:花秘書
神道での葬儀である神葬祭では、仏教の場合と同様に菊や百合などが用いられるのが特徴です。なかでも白い菊の花はよく利用されます。送り方は仏教の場合と同じで構いません。本来神道では榊が送られていましたが、現在は喪主である祭主が榊を供え、他の人は花を供えるという形式になっているようです。
キリスト教
イメージ写真の出典:BunBun!Bee
キリスト教では、百合やカーネーション、小菊やスプレー菊などが用いられます。キリスト教では生花が基本となります。また、名札は付けません。
基本的に籠アレンジで、教会ではなく故人の自宅に送るのが一般的です。また、キリスト教には特徴的なアレンジメントとして、クロスとハートがあります。クロスは肉親や友人などが送るもので、十字架型のアレンジメントです。ハートは親族や親しい間柄の友人が送るもので、永遠の愛を表すハート型のアレンジメントとなります。これらは日本では馴染みがなく、店舗によっては取り扱っていないこともあるようです。

供花のお返しやお礼状について
遺族は、故人の友人や知人から供花や弔電を受け取ります。「お返しやお礼状は必要なのか」と悩む方もいるのではないでしょうか。ここからは、供花や弔電を受け取った際にどのようにお礼をすればよいのかをご紹介します。また、お礼をするタイミングも確認しましょう。
供花のお返しやお礼状
お通夜や葬儀をするなかで、供花や弔電をいただく機会は珍しくありません。両方または片方を受け取った場合であっても、お礼は忘れずにしましょう。
お礼状は、弔電をいただいた場合に送ります。故人との関係性によって、お礼の伝え方もさまざまです。身近に感じられるようなお付き合いをしていた相手であれば、お礼状といった形ではなく電話などで済ませる場合もあります。
メッセージカードではなく、手紙やハガキを使用したほうが丁寧です。会社の上司など、立場が上の方へお礼状を送る場合は手紙に使用する封筒や便箋の色にも注意しましょう。便箋の色は、グレーや白のものを選びます。お礼の品も、供花をいただいた場合は送りましょう。
お礼のタイミング
お礼をするタイミングは、1週間程度を目安にします。これよりも遅れてしまった場合は、お礼状を出す際にお詫びの言葉を書き加えるのがベターです。前もって「お礼が遅れてしまいそう」と分かった時点で、お礼状だけでも先に出しておくと丁寧な印象となります。
葬儀後は遺族もさまざまな手続きなどに追われ、目が回るくらい忙しい毎日を過ごすことになるでしょう。そのため、供花や弔電をいただいた方へのお礼は後回しにしてしまう方も多いようです。お礼はできるだけ早めにすることで、失礼にあたりません。
まとめ
供花はお通夜や葬儀に参列できない方が、故人へ弔意を示すために送る花です。飾る順番も、故人との関係性で決まります。送り方も含めて分からないことがあれば、葬儀社に相談するとよいでしょう。
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